薬の魔物の解雇理由(くすまも)のネタバレ解説・考察まとめ

『薬の魔物の解雇理由』とは桜瀬綾香による日本のオンライン小説、ライトノベル作品。略称は「くすまも」である。コロナEXより、真丸イノが作画を担当したコミカライズも発売されている。人と人ならざる者たちが存在するおとぎ話のような世界でこの地に迷い込んだネアは、魔物と契約する歌乞いの役職に就くこととなる。ネアと契約した魔物のディノが様々な不思議な生き物たちとの交流しつつ、美味しい日常と季節のイベントを堪能し時折起きる大事件を解決する異種婚姻ファンタジー作品。

ネア「この生き物がたまらなく愛おしくなってしまうのは、こんなふうに慈しめるものがずっとなかったからだろうか」

ネアのために世界各地から奪ってきた宝物を見せた時、相手が思ったより喜ばなかったため、ディノは落ち込んでしまう。慣れないことに汚れてしまい、ディノの乱れた髪をなでながらネアは「この生き物がたまらなく愛おしくなってしまうのはこんなふうに慈しめるものがずっとなかったからだろうか」と考える。かつての世界で大切な家族を全員失い、ひとりぼっちだったネアにとってディノは孤独を和らげる存在へとなりつつあるということがわかるシーンでもある。

ディノ「あまり私以外のものに心を動かさないで欲しいな」

右側がディノ 左側がネア

ネアがエーダリアに仮面の魔物に自分の姿を変えられたかもしれないと説明した時、エーダリアはとっさにネアに触れようとしたがディノに手を叩かれてしまう。ネアがディノに注意をしてエーダリアを見た時にディノは自分以外に意識を向けるのを許さずに「あまり私以外のものに心を動かさないでほしいな」と言い放つ。ディノのネアに対しての独占欲や執着心がわかる場面でもある。

ネア「本当にディノを愛してくれるものに委ねるのであれば私もこの執着をなだめることができるはずだ。 それでも…私にもあなたを守ってあげれるだけの力があればいいのに」

右側がネア

ネアはディノを自分自身には不相応だと思っていながらも、ディノの存在が大きくなり手放すこともできなくなりつつある自覚を持ちつつあった。思い切り手を握ると怒られると思い、ネアの小指だけを握って寝ているディノに対して「本当にディノを愛してくれるものに委ねるのであれば私もこの執着をなだめることができるはずだ。 それでも…私にもあなたを守ってあげれるだけの力があればいいのに」とネアは思う。ネアの心が揺れ動いている様子が描かれている。

『薬の魔物の解雇理由』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

ネアは呪われた一族の唯一の生存者

作者の桜瀬綾香よりネアは元の世界では魔法に愛されていなかった女性だったと語られている。元の世界にも目には見えないが魔法は存在していてネアの家族はネアが生まれる前から悲劇がついてまわっていた。彼女の家族は親戚も含めてじわじわと削り取られるように亡くなっている。両親はそのことを分かっていたのか、ネアに父親が住んでいた土地の森に住まう古い聖人であり女神であるネアハーレイという名前を付けた。弟のユーリにも泉に住む精霊から名前を付けたのだが、この泉の精霊は選り好みが激しく病気のこどもしか愛さない精霊だったため、守護を外れて病気に取られてしまったと作者の桜瀬綾香より語られている。その結果、ネアだけが最後に生き残ることとなった。

ジーク・バレットはあちらの世界の主人公

作者桜瀬綾香によりジーク・バレットは一族を復興させるはずが最後の一手で誤り、障りを持つ一族に関わってしまったことで呪いに魅入られ破滅し、ハッピーエンドにたどり着けなかった主人公だと語られている。ディノがジークの物語を覗き見た時に偶然、ネアを見初めて長年ネアを観察し続けた後に薬の魔物の世界へと連れてきたという裏話がある。

薬の魔物の解雇理由の続編

『小説家になろう』で『薬の魔物の解雇理由』は完結していて、続編である『薬の魔物の継続理由』が掲載されている。また、『薬の魔物解雇理由』の完結記念の作品である『選択の魔物の失踪理由』も掲載されている。『選択の魔物の失踪理由』はコミック1巻では名前のみの登場になっている仮面の魔物の視点での物語である。『薬の魔物の継続理由』はネアとディノが伴侶になったその後の物語であるが、作者は逝去されているため未完の作品である。

なかちゃんだ〜〜よ
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@Nacchan-Kana46

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