薬の魔物の解雇理由(くすまも)のネタバレ解説・考察まとめ

『薬の魔物の解雇理由』とは桜瀬綾香による日本のオンライン小説、ライトノベル作品。略称は「くすまも」である。コロナEXより、真丸イノが作画を担当したコミカライズも発売されている。人と人ならざる者たちが存在するおとぎ話のような世界でこの地に迷い込んだネアは、魔物と契約する歌乞いの役職に就くこととなる。ネアと契約した魔物のディノが様々な不思議な生き物たちとの交流しつつ、美味しい日常と季節のイベントを堪能し時折起きる大事件を解決する異種婚姻ファンタジー作品。

魔術汚染・魔術侵食

魔物が精製した薬

自身の魔術抵抗値を超えた魔術に触れるとその人間の体は壊れてしまう。その病のことを魔術汚染や魔術侵食という。大抵は自然治癒していくが、治癒可能な領域を超えると指先から結晶化してしまい薬の魔物が精製する薬でしか治すことができない。

魔術抵抗値

魔力抵抗値以上の魔力に触れて手が崩壊している図

人間の魔術への接触上限を示すもの。人間は自身の魔術抵抗値より上の魔術に触れることができない。

地名

ヴェルクレア

火竜を有する大国。作品の舞台となる国家。元は4つの異なる国だったが南のヴェルリアが統一戦争を起こし北のウィーム、東のアルビクロム、西のガーウィンの三国を併合した。王都はヴェルリア。

リーエンベルク

別名北の王宮と呼ばれるウィーム領の領主館。かつてウィームが独立していた時代、リーエンベルクはウィーム王族のための離宮だった。ヴェルリアが4国統一戦争を起こした際、リーエンベルクはその王宮ごと炎の魔術に包まれた。魔術に秀でた王族はその最後の夜に生まれた王女を残して全員粛清されたという歴史を持つ。魔術が豊かなため魔術抵抗値が低い人間は住むことができない。人間の代わりに妖精の使用人が多くいる。ネアが暮らしている東棟は戦前は準王族たちが暮らしていた居住区間である。

魔術道具

グリムドールの鎖

上の人物がエーダリアで下の人物がネア

月の魔物が一角獣を飼うために編み上げた鎖。金色の華奢な鎖。身に付けさせた相手の魂に鎖をかけることができる魔術道具。身に付ければ鎖の持ち主が行動すべてを補足することができる。長さに関係なく効果がある。仮面の魔物の出現によって各国で争奪戦が起きている。

『薬の魔物の解雇理由』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

ネア「私には不相応としていずれ手放すだろうけど…名前を呼んだだけでこんなにも嬉しそうにするこの魔物を可能な限り大事にしてやろう」

ネアは森の中で歌乞いの儀式を行うとディノという名前の魔物が姿を現した。彼女はディノの美しさを見て自分自身の手に余るほどの高位の魔物ということが分かってしまう。ネアは自分には不相応と早々に手放そうと考えたが、名前を呼んだだけで嬉しそうにするディノの様子を見て手放すまでは「名前を呼んだだけでこんなにも嬉しそうにするこの魔物を可能な限り大事にしてやろう」と考える。家族を失い自分を名前を読んでくれる人がいない寂しさをネアが知っていると分かるシーンであり、ディノを大切にしようと決意するセリフである。

ゼノーシュ「だから僕はグラストが寂しくないようにグラスのそばにいたいし、グラストがあの子に作ってあげていた白いケーキが食べたいんだ」

右の人物がゼノーシュ

行倒れていたゼノーシュにネアがクッキーをあげた時に語っていたシーン。ゼノーシュはグラストの寿命が対価で削られてしまうのが悲しくて空腹を我慢していた。グラストには娘がいて、少し前に病気で亡くなったことをゼノーシュはネアに話す。「だから僕はグラストが寂しくないようにそばにいたいし、グラストがあの子に作ってあげていた白いケーキが食べたいんだ」とゼノーシュは寂しそうに話した。ゼノーシュは魔物が人間の寿命を削るのが当たり前と思われていることに強い悲しみを持っていた。自分の愛する人の寿命を削りたくないというゼノーシュの心の葛藤。彼らの愛する者に対してのひたむきな気持ちが伝わる場面である。

なかちゃんだ〜〜よ
なかちゃんだ〜〜よ
@Nacchan-Kana46

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