喧嘩稼業(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『喧嘩稼業』(けんかかぎょう)とは、木多康昭による漫画。それぞれの想いを胸に、莫大な賞金がかかった異種格闘大会「陰陽トーナメント」に臨む格闘家たちの姿を描いている。2010年に「第一部完」という形で完結した『喧嘩商売』の続編である。
高校生の佐藤十兵衛は、喧嘩屋の工藤優作へのリベンジを目的に、表と裏の格闘界で戦い続けていた。その工藤が陰陽トーナメントに参加することを知った十兵衛は、別の選手から出場枠を奪い取る。各流派の伝説級の格闘家たちもまた、それぞれの想いを胸にトーナメントに挑んでいく。

戦国時代に端を発する古武術「富田流」の使い手。十兵衛の師で、普段は弟子と同レベルの低俗な口喧嘩を交わしているが、いざ実戦となると容赦のない戦術で相手を追い詰めていく。
かつて卑劣な不意打ちによって田島に父の入江無一(いりえ むいち)を植物状態に追い込まれた過去を持つ。このため田島を「父の仇」と長年狙い続けており、彼と戦うために陰陽トーナメントに参加する。

陰陽トーナメント参加者

工藤優作(くどう ゆうさく)

裏社会で活躍するフリーの喧嘩屋。かつて十兵衛と戦い、自身もかつてないほどのダメージを負いつつ彼に勝利した過去を持つ。
戦うとなれば容赦はしないが、一般人に対しては紳士的である。赤ん坊の頃に育児放棄によって何度も死にかけたことがあり、この状況を生き延びるために「脳内麻薬を自由に操る」ことができるようになる。これを利用した圧倒的なパワーとタフネスによる喧嘩殺法が持ち味だが、格闘技を学んだ経験は全くない。

梶原修人(かじわら しゅうと)

梶原柳剛流という古武術の使い手。かつて文学と真剣で立ち合い、左の手首を切り落とされた過去を持つ。文学への復讐のために陰陽トーナメントに参加するが、一方で「大金を手に入れるために裏で工作を進める」といった動きも見せる。
格闘家としても優秀だが、実際の立ち合い以外の面の策略も得意としており、陰陽トーナメントでは「いざという時の保険」としてボツリヌス菌を用いた「屍」という強力な毒を持ち込んでいた。

佐川徳夫(さがわ のりお)

日本拳法の天才児。優れた動体視力を持ち、造作もなくプロの球を打ち返したことから野球経験が無いにも関わらずドラフト指名を受けたことがある。
1回戦で十兵衛と戦い、地力の高さを見せつけるも相手の策略に翻弄されて敗退した。

櫻井裕章(さくらい ひろあき/ゆうしょう)

東南アジアに伝わる格闘技ペンチャック・シラットの使い手。10代半ばまでは日本で空手を学んでいたが、現在は「72時間までしか短期記憶を保持できない」という障害を抱え、自分がどういう人生を歩んでいたのか分からないでいる。本名は「ひろあき」だが、海外で活動する際は「ゆうしょう」と名乗っていた。
陰陽トーナメントに参加した格闘家の中でも、その強さを周囲に警戒されていた1人。文学との戦いではその実力を存分に発揮するが、「田島への復讐」という強力なモチベーションに支えられた相手の反撃を許し惜敗した。

金隆山康隆(こんりゅうざん やすたか)

現役の横綱にして、初土俵以来843勝0敗0休という大記録を持つ史上最強の力士。横綱にふさわしい高潔な人柄だが、「もし自分が相撲という枠組みの無い場所で戦ったらどれくらい強いのか」、「1度でいいから全力で戦ってみたい」との想いを長年抱えていた。
陰陽トーナメントに参加した中でも、フィジカルという面では疑いようのない最強の人物。一方で良くも悪くも「相撲」という枠組みの中でだけ戦ってきたため、技術の面では劣るところがある。それでも参加者の誰もが金隆山と戦う時に備えて様々な準備をするなど、優勝候補の1人として強く警戒されていた。

川口夢斗(かわぐち ゆめと)

キックボクサーにして、打撃系格闘技トーナメント「立技」のヘビー級チャンピオン。陰陽トーナメント参加者の中でも、金隆山に次ぐすさまじいフィジカルの持ち主である。その打撃力は超人的なレベルにあり、特にそのキックは「防御しても骨ごと折られる」と称されている。
自分を引き取って育ててくれた義父、手放してなお愛情を抱き続けてくれた父母、自分が兄だと知らないまま応援してくれる弟のために「自分が最強であることを証明しよう」と決意。最強の横綱・金隆山に挑む。

上杉均(うえすぎ ひとし)

空手の大流派・進藤塾の高弟。「喧嘩王」の異名を持つ猛者で、同流派の創始者である山本陸(やまもと りく)が編み出した“脱出不能のコンビネーション”煉獄を完璧に使いこなせる数少ない人物の1人。
自分を拾ってくれた山本に恩義を感じ、田島に敗れて姿を消した師に代わって進藤塾を背負う覚悟で陰陽トーナメントに臨む。苛烈な人柄ながら情に篤く、そこが弱点でもあり強さの源でもあるとされている。

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