ジャンケットバンク(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ジャンケットバンク』とは、田中一行によるマンガ。『週刊ヤングジャンプ』及び『少年ジャンプ+』にて2020年から連載が始まった。カラス銀行中央支店で窓口業務を務めて2年目の御手洗暉は、とある部署への異動をきっかけに、銀行が運営する巨大賭博へと関わっていく。単純明快に見えるギャンブルが、心理戦により予測不可能な展開になる様が読者に好評である。

『ジャンケットバンク』の概要

『ジャンケットバンク』とは、田中一行によるマンガ。『週刊ヤングジャンプ』及び『少年ジャンプ+』にて2020年から連載が始まった。
カラス銀行中央支店で窓口業務を務めて2年目の御手洗暉(みたらいあきら)は、計算ミスを一瞬で見抜くほどの計算能力を持つ。しかし、その能力が活かされない日々に退屈さを感じていた。ある時、御手洗は特別業務審査課、通称「特四」への異動を命じられる。窓口業務から審査課への突然の異動に疑問を感じる御手洗。その疑問をよそに、御手洗は「特四」の新たな上司である宇佐美銭丸(うさみぜにまる)からカラス銀行が運営する賭場を案内され、「特四」の業務はその賭場で行われるギャンブルとギャンブラーの管理である事を教えられる。目の前に広がる異常な光景に動揺する御手洗は、その最中に謎の天才ギャンブラー真経津晨(まふつしん)と出会う。真経津の担当行員となった御手洗は、「特四」の一員として様々な常軌を逸したギャンブルに関わっていくことになる。本作の魅力は、単純明快なルールのギャンブルがギャンブラーによる心理戦が加わる事で、予測不可能なギャンブルへと昇華している点である。

『ジャンケットバンク』のあらすじ・ストーリー

天才ギャンブラーとの出会い

日本有数の銀行であるカラス銀行。その中央支店で窓口業務を担当して2年目の御手洗暉(みたらいあきら)は、計算ミスを一瞬で見抜くほどの計算能力を持つ。しかし、その能力が活かされることもない人生に退屈さを感じながらも、何のミスもないと無理やり納得する日々を送っていた。
ある日、御手洗は特別業務審査課、通称「特四」への異動を命じられる。窓口業務から審査課への異動に疑問を持つ御手洗であったが、「特四」の上司である宇佐美銭丸(うさみぜにまる)に案内されたのは、カラス銀行が運営する巨大賭博場であった。「特四」の業務は、その賭博場に関わるギャンブルとそのギャンブラーへの融資の管理であると教えられる御手洗。目の前に広がる異常な光景に動揺する御手洗は、その最中に謎の天才ギャンブラー真経津晨(まふつしん)と出会う。真経津は新人ギャンブラーとしてその場に現れ、早速トップギャンブラーである関谷仁(せきやじん)と「ウラギリスズメ」にて対戦する。真経津は、関谷が協力者を使いイカサマをしていることを見抜き、それを逆手に取り巧みな話術と心理戦で見事勝利。その様子を伺っていた御手洗は、真経津の持つ狂気にだんだんと惹かれていく。

「ジャンケット権」の購入

それからも「特四」のメンバーとして業務を行う御手洗。ギャンブラーの階級を表す「4リンク」へ昇格した真経津は、その後もギャンブラーである獅子神敬一(ししがみけいいち)と「気分屋ルーシー」で対戦する。真経津の言動に惑わされることなく、自信満々に正解を当てていく獅子神であったが、真経津のブラフに見事に誘導されてしまい敗北する。その様子をギャンブルの補佐役として見てきた御手洗は、さらに真経津に魅了されていき、真経津のそばで勝負を見続け、最終的に真経津が負けるところを見たいと願うようになる。
その後、正式に「特四」の宇佐美班へ異動となった御手洗。特別業務部ではキャリア(勤続年数)を通貨として行員同士でやりとりすることができ、その通貨で特定のギャンブラーの担当行員になれる「ジャンケット権」を購入できることを知る。真経津の「ジャンケット権」を購入したいがキャリアが足りない御手洗は、先輩である羽柴しいな(はしばしいな)と次のギャンブルで「誰がいつ勝つか」を賭けることになる。
次のギャンブルでは、真経津とギャンブラーであり医者である村雨礼二(むらさめれいじ)が「サウンドオブサイレンス」にて対戦。苦戦を強いられている様に見える真経津であったが、最後には村雨の油断を誘い出すことに成功し、村雨に勝利する。それと同時に、真経津の勝利を見事言い当てた御手洗は、羽柴からキャリアをもらい真経津の「ジャンケット権」を購入。ここで初めて真経津の担当行員となる。

宇佐美班VS伊藤班

「2/1ライフ」へ昇格を果たした真経津の担当行員となった御手洗。その後御手洗は、「宇佐美班」の因縁相手である伊藤吉兆を主任とする「伊藤班」との抗争に巻き込まれていく。御手洗が担当行員になった事で、実施的に「宇佐美班」所属となった真経津は「伊藤班」の専属ギャンブラーの雛形春人(ひながたはると)と「ジャックポットジニー」にて対戦。雛形に手を読まれあっさりと負ける真経津だが、実はギャンブルの罠にいち早く気付いており、雛形を罠に嵌めるためにわざと負けていた。勝利へ目がくらんだ雛形は、結果として餓死する事がほぼ確定となり、実質的に真経津の勝利が確定する。
その後、真経津は叶黎明(かのうれいめい)と「アンハッピーホーリーグレイル」にて対戦。それと同時に、御手洗は、叶の担当行員である「伊藤班」の昼間唯(ひるまゆい)と、「勝負終了時に叶が生きているかどうか」というギャンブルを行う。叶の観察眼に今まで以上に苦戦を強いられる真経津。最終的に、叶の反則負けを誘う形で真経津の勝利が確定した。しかし、御手洗は、叶が生存していたために昼間とのギャンブルに負けてしまい、100年分の負債を負う事となる。

地下収容所からの脱出

行員やギャンブラーが返済しきれない負債を背負った時に送られる地下収容所に収監された御手洗。御手洗はあまりにも劣悪な環境に絶望していたが、元「2課」の行員である朔京治(さくきょうじ)に、行員に復帰できる方法として「ザ・ショートホープ」への参加と協力を求められる。御手洗はこれを承諾し、「ザ・ショートホープ」へ参加した。「ザ・ショートホープ」は朔が立案したギャンブルであったため、その必勝法を使う事で順調にギャンブルを進行する2人。しかし、朔のギャンブル中の非協力的な行動に裏があると考えていた御手洗は、見事に朔の裏切りに気付き、無事ギャンブルが終了する。
御手洗は、実は富裕層に配信されていた「ザ・ショートホープ」にて自身の価値を証明し、地下オークションにて入札者が殺到する事態に。最終的に「伊藤班」主任の伊藤により落札され、「伊藤班」所属となる。
「伊藤班」所属となった御手洗は、神父である天堂弓彦(てんどうゆみひこ)の担当行員となり、「宇佐美班」所属の真経津と「ブルーテンパランス」で対戦する。圧倒的な実力により真経津を追い詰めていたように思えた天堂だが、実際は真経津にそうなるように仕向けられていた。最終的に、天堂が真経津の挑発に乗る形で重傷を負い行動不能となったため、真経津の勝利が確定する。
その後も、伊藤は御手洗を利用し「宇佐美班」との抗争を過熱化させるために、御手洗を次々とギャンブラーの担当行員としてギャンブルに参加させる。そんな日々に精神が疲弊し、自分のしたい事が何なのか分からなくなっていた御手洗であったが、「片伯部班」の主任である片伯部いね(かたかべいね)の言葉により自分がしたい事を思い出す。その後、御手洗は、大事な顧客へ暴力をふるうという銀行への背信行為により再び地下オークション送りとなり、御手洗を宇佐美が買い戻す事で、再び「宇佐美班」所属となる。

主任解任戦へ

ギャンブラーの最高位である「1ヘッド」へ昇格した真経津。そして、担当行員に復帰した御手洗は、「宇佐美班」と「伊藤班」による「主任解任戦」へ、より一層巻き込まれる事となっていく。主任解任戦は、「1ヘッド」ギャンブラーをお互いに選出しギャンブルさせる事になる。また、それまでに「2/1ライフ」ギャンブラーによるギャンブルを行い、その結果によって「1ヘッド」ギャンブラーに恩恵がもたらされるルールが追加される事となった。以前から宇佐美班所属であった獅子神、村雨に加え、伊藤班から引き抜きにあった叶、天堂の4人が「宇佐美班」の「2/1ライフ」ギャンブラーとして参加。御手洗と真経津は、以前の対戦相手と共に、チームとして「主任解任戦」へ挑む事になる。

『ジャンケットバンク』の登場人物・キャラクター

主人公

御手洗暉(みたらいあきら)

本作の主人公の1人。カラス銀行中央支店にて窓口業務担当して2年目の銀行員。おとなしい性格だが、数字を一目見ただけで計算ミスや答えを出す特別な才能を持つ。「伊藤班」への異動に当初は困惑していたが、真経津との出会いやギャンブラーとの関わりを通し、今までの自分にはなかった狂気や考え方に気付き、今までの退屈な生活とは違った世界に魅了されていく。

真経津晨(まふつしん)

本作の主人公の1人で、カラス銀行に突如現れた天才ギャンブラー。普段は物腰の柔らかい性格をしているが、ギャンブルになるとその性格は相手の油断を誘うブラフとなり、相手の心理を突いた心理戦や挑発を得意としている。ゲーム説明時には人差し指でこめかみを叩く癖がある。3年前に他銀行を壊滅させた「装うもの(デギズマン)」と呼ばれるギャンブラーがおり、カラス銀行側は真経津こそがそうではないかと警戒している。
気に入った対戦相手を友達として招待する事があり、それがきっかけで獅子神や村雨、叶や天堂と交友を深めていく事となる。

ギャンブラー

獅子神敬一(ししがみけいいち)

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