3.3.7ビョーシ!!(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『3.3.7ビョーシ!!』とは、久保ミツロウが週刊少年マガジン(講談社)にて連載していた恋愛、コメディ、サスペンスなどを幅広く取り入れた少年漫画。主人公である県立北関東南高校の3年生・福田新一(通称/フク)が新宿・歌舞伎町で過ごしたひと夏の体験を軸に、さまざまな事象を描く青春群像劇。当初は男性を偽っていた久保ミツロウの少年誌デビュー作であり、女性描写の上手さが特徴的な作品でもあり、女性視点に基づく繊細な女性キャラクター描写には連載スタート当初から注目を集めた。

ホストクラブ

ホストクラブは、ホストと呼ばれる男性従業員との飲食や会話に、女性が顧客として対価を払う、接客系の風俗営業店。『3.3.7ビョーシ!!』におけるホストクラブの描写は非常にていねいで、念入りな事前取材に基づいた様子が伺える。とくに客からドンペリやフルーツの注文が入った際における店内のフィーバーぶりなどは、その世界をまったく知らない人には描けないようなシーンも的確に描かれている。

キャバクラ

キャバクラとは、キャバ嬢と呼ばれる女性が客席に付き接待を行う飲食店。料金は時間制で、常時接待を行う風俗営業(接待飲食店)である。語源はフランス語由来の「キャバレー」と、英語由来の「クラブ」を合成した造語で、和製外来語。『3.3.7ビョーシ!!』におけるそれは、ホストクラブの描写と同様に、念入りな事前取材に基づくであろう光景が伺える。のぶ代の年齢詐称など、ある意味「歌舞伎町あるある」といっても過言ではない歌舞伎町におけるキャバクラの日常的な様子が的確に見て取れる。

『3.3.7ビョーシ!!』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

樹里亜「いい人ぶるのが一番疲れるけどね」

長野五輪の選手村から脱走したセバスちゃんが、フクのことを追いかける様子をビルの屋上から見ながら樹里亜が言い放つセリフ。新宿ならではの、まるで人生の縮図を見せられたかのように思わずこうつぶやく。「素人の男受けを良くするためとはいえ、ちょいダサめの服もメークも疲れるわ〜〜。いい人ぶるのが一番疲れるけどね」

フク「樹里亜さんのっ健っ闘ぉーっを祈って!! エェールゥゥゥ!!」

樹里亜のことを最後まで信じ切って、「まだ樹里亜さんの試合は終わってないんです。俺は応援できても代わりに試合には出られません」と、ベタな意味での「応援」に最後まで徹するフク。そんなフクは、樹里亜に対し「樹里亜さんのっ健っ闘ぉーっを祈って!! エェールゥゥゥ!!」と全力でエールを送った。フクの一本気な気持ちをよく表した名シーンである。

マオ「ここの女はみんな心に化粧してるの。だから素顔を見たら痛い目合うわよ」

マオの経営するキャバクラ『ヴァージンハート』で、マオがフクに語ったセリフがこの「ここの女はみんな心に化粧してるの。だから素顔を見たら痛い目合うわよ」だ。「だから素顔を見たら痛い目合うわよ」と語りつつ、マオはフクの頬を左右にぐっと広げて「大人の遊びの世界だから、せいぜい騙されないよう……」と語り続ける。

ソウメイ「“新宿に捨てるゴミ無し"。処女大事にとっててよかったね」

ソウメイが主催する“ヴァージンオークション”なる援交オヤジたち目当てのオークションにて、キスもまだであり処女&清純派であるのぶ代がいかに絶滅危惧種であるかを説明する際のセリフ。「“新宿に捨てるゴミ無し"。処女大事にとっててよかったね」と、夜の新宿がいかに「何でもアリ」かを物語るセリフと言えよう。

ソウメイ「あーあ、夢見る若者大嫌い。現実(リアル)教えてやるよ」

“ヴァージンオークション”にかけられているのぶ代を救うため駆け付けたフクに対し、ソウメイは「あーあ、夢見る若者大嫌い。現実(リアル)教えてやるよ」と言い放つ。そしてソウメイは「シンイチ君とやらの誠意見せてよ。彼女守りたいんだろ? 10発、俺の拳、受けて倒れなかったら帰しましょーか?」と発案し、フクはソウメイの拳を受けることを約束するに至る。

むつきの父親「こんな友達が2人もいれば充分だ。むつきがまた何かしたら叱ってやってくださいよ」

むつきに対し「父親に対し謝るべきだ」と語るのぶ代と、それとは反対に「むつきちゃんは何も悪くない」と語るフク。その言い合いはぐちゃぐちゃな様相を呈しはじめるが、その際にむつきの父親は「こんな友達が2人もいれば充分だ。むつきがまた何かしたら叱ってやってくださいよ」と言い放つ。のぶ代とフクの本質を見抜いた、ハートフルな演出が光るセリフである。

ソウメイ「このバカ犬どもをブッ殺してからだ」

マッドドッグを新宿から追い払うため、共闘関係となったウメとソウメイ。その際にソウメイが口にしたのがこのセリフ。「どうしようっ、あんな大勢に2人でなんて……」と妙鼓は動揺するが、それに対し「大丈夫ですよっ。あの2人ならば……負ける気がしないんです」と語るフク。実際に、ソウメイの「このバカ犬どもをブッ殺してからだ」というセリフどおり、ウメとソウメイの2人であっという間に5人を叩きのめしてしまう。

ウメ「いつでも新宿に帰ってきていいよ、団長」

フクが北関東へ帰る前に開かれた晩餐会にて、新宿に集う面々がフクのTシャツに寄せ書きをしてくれていたのだが、その中にウメが書いた寄せ書きである「いつでも新宿に帰ってきていいよ 団長」というセリフを見つける。フクはそれを見つつ、「応援することで俺が誰かの中に少しでもいられたのならいいのにって思ってた。俺はこの街にいてよかったんですか団長」と心の中で叫ぶ。

ユウヒ「これで3人揃ったね」

“ウメ”“タケ”“マツ”の3人がついに揃った。タケことユウヒの目論見が明らかになりユウヒは思わず「これで3人揃ったね」と言い放ち、皆を道連れにしていっしょに自殺しようとしている旨が判明する。

ウメ「ユウヒ、起きろ」

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