ウツロマユ(Hollow Cocoon)のネタバレ解説・考察まとめ

『ウツロマユ - Hollow Cocoon -』とは、2013年にNAYUTA STUDIOよりリリースされたホラーアドベンチャーゲームである。主人公の湊が疎遠になっていた祖母の危篤をきっかけに、自身のルーツや家族の秘密を知っていくストーリーだ。低価格にもかかわらず、実写さながらの高クオリティの映像と、予想のできないあっと驚かされる展開、更には隠し要素や複数エンドといったやりこみ要素も加わり、周回プレイするファンも多くおり、高コスパのゲームであると話題になった。

手記

旧家には久兵衛、下人、島村、綾乃、絹、佐一といった様々な人の手記がある。入手順と時系列がバラバラだが、初めは混乱する湊(プレイヤー)が徐々に自身の置かれた状況を理解するヒントとなっている。また、ウツロエンドに向かうヒントなども織り込まれており、2週目3週目のプレイヤーも楽しめる仕様となっている。

『ウツロマユ - Hollow Cocoon -』の用語

繭姫伝説

深山家の蔵に残っていた古くから伝わる昔話。
妹により3度も殺されそうになった姉・繭姫は幾度となく生きて自宅へと戻る。しかし4度目、妹に生き埋めにされた繭姫は生き延びることはなく、代わりに大きな繭となり中には小さな蚕が無数にいるだけであった。
湊も結から幼い頃に聞かせられていた話であり、蔵から旧家に繋がる道を開くからくりの答えになっていた。

ウツロ

口にした人間の輪廻転生を絶ち、魂を滅し「虚ろ」とする薬。ゲーム内で獲得したポイントで購入できる蝶の鍵で入れるようになる、蝶の間で入手することが可能である。2週目以降で入手・使用できるアイテムである。
ウツロを入手すると、エンディング分岐の最後の「綾乃にとどめをさす・ささない」という選択肢に加え「ウツロを飲ませる」という選択肢が発生し、ウツロエンドを迎えることができるようになる。

ヒメツキ

綾乃が侵されている病だと考えられている。
実際は山で何らかのもの(綾乃は彼女だと呼んでいる)と融合し、次第に侵されていき綾乃ではなくなっていってしまっている。ウツロエンドでは、ウツロを摂取したことにより綾乃自身の魂は滅せられ「彼女」だけが残っている状態となっている。

『ウツロマユ - Hollow Cocoon -』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

インディーズスタジオで制作された本作

本作は高クオリティの映像と作りこまれたストーリーだが、インディーズスタジオより制作・発売されている。そのスタジオのスタッフ数、プログラマーとデザイナーのわずか2名なのである。それにより実現した低価格でもあるのだ。
クオリティややりこみ要素、周回プレイなどプレイ時間に対するコストパフォーマンスが良すぎる点も、本作ヒットのきっかけとなった。

参考にされたのは実在する文献

作品内での読み物、月刊オカルトに「金色姫伝説」というものが存在する。この「金色姫伝説」は茨城県つくば市の蚕影山(こかげやま)神社に実際に伝承されている伝説である。本作はフィクションであるものの、実在の文献を参考にしていることからリアリティのあるストーリーに影響を与えている。

細部までこだわり抜いたリアリティ

たった2人のスタッフで制作された本作だが、グラフィックだけではなくリアリティを維持するためにより細部までこだわって作られている。昼と夜で変わる主人公の息遣いや、ランダムで風の音や家鳴り、音の高さや大きさなど様々な足音といった生活音もリアルでの生活で聞くのと同じようにいくつもの音がランダムで鳴るように調整されている。

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