かつて魔法少女と悪は敵対していた。(まほあく)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『かつて魔法少女と悪は敵対していた。』とは藤原ここあが『月刊ガンガンJOKER』にて連載していたラブコメ4コマ漫画作品である。また、それを原作としたアニメ作品が放送される。悪の組織の参謀・ミラが薄幸魔法少女・深森白夜に出会い、一目惚れをしてしまう。本来敵対するはずだった二人の殺し"愛"(あ)わないロマンスラブコメディである。ほのぼのと温かい、でもクスッと笑えるような面白さもある作品は作者亡き今もなお多くの人に愛されている。

『かつて魔法少女と悪は敵対していた。』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

深森 白夜「私嬉しかったんです。参謀さんのお友達、参謀さんのお名前、参謀さんの事、前より少しだけ知れて…嬉しいです」

ミラ(右)に気持ちを伝える白夜(左)

ミラとフォーマルハウトが白夜に会いに来た際に、ミラと白夜が二人きりになったときに放ったセリフ。白夜はあまり、自分の気持ちを伝えたり、表現したりすることが得意ではない。そのため、ミラに対し、「私嬉しかったんです。参謀さんのお友達、参謀さんのお名前、参謀さんの事、前より少しだけ知れて…嬉しいです」と、はっきりと気持ちを伝えたことは白夜がミラに対し、心を開いている何よりの証だといえる。

ミラ「これは君を倒すのは私だからとそういう意味でだ…」

寝ている白夜(右)に寄り添うミラ(左)

白夜の家に幽霊が出ると、白夜が怖がってミラに助けを求めた際、白夜の家に泊まることとなったミラが発したセリフ。白夜は眠ってしまっていて聞いていなかったが、このセリフの前に「君に何かあったら私は」と発言しており、白夜にはっきりとした好意を抱いていることを自覚しながら、敵同士なんだと自分に言い聞かせている場面である。しかし、「これは君を倒すのは私だからとそういう意味でだ…」と発言しながら、その手は白夜の髪を優しくなでており、愛おしいものを見る目で白夜を見ていることから、言い訳をしているようにも思える。ミラが白夜に抱える恋愛感情と敵同士であるという事実がミラを悩ませていることを示すセリフであるといえる。

篝 火花「自分達は女の子に優劣をつけられる存在なの?」

御使い達に意見する火花

御使い(猫)と御使い(鳥)が自らの選んだ魔法少女のどちらが素晴らしいか言い争っていた。だんだんエスカレートし、お互いの魔法少女を貶めるような発言が出てきたところに火花の「自分達は女の子に優劣をつけられる存在なの?」という発言で御使い達はおとなしく「すみませんでした…!」と土下座することになる。中々言葉を発することのない火花が御使い達に向かってはっきりと意見するところはスカッとする場面である。

『かつて魔法少女と悪は敵対していた。』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

藤原ここあの初めての作品『Beauty and the Beast』でもミラとフォーマルハウトが登場

『かつて魔法少女と悪は敵対していた。』の第3巻に収録されている、藤原ここあのデビュー作『Beauty and the Beast』は第7回エニックス21世紀マンガ大賞佳作を受賞している。この物語に出てくる主人公の名前は『ミラ』である。ミラの親友であったのは『フォーマルハウト』であった。このことから、『かつて魔法少女と悪は敵対していた。』に登場するミラとフォーマルハウトはこの登場人物から名付けられたと考えられる。話の内容や設定は違えど、どちらのミラも黒髪で長めの前髪であり、フォーマルハウトは明るい髪色であることは共有している。

藤原ここあ画集の付録は「まほあく」の複製原画

2016年に発売された『藤原ここあ画集』には、『かつて魔法少女と悪は敵対していた。』の複製下描きが10枚付録している。『ファンの皆様にぜひとも差し上げたいと願われた藤原先生のお気持ちです。』と記載されており、先生の亡きあとに出版されたこの画集に込められた想いが伝わってくる。現在は中古品しか存在していないため、プレミア化されているが、電子書籍版でもフルカラーで楽しむことができる。コミックスのカラーイラストはもちろん、書店購入特典のイラストも収録されている。

藤原ここあはミラを変態だと思っていない

『かつて魔法少女と悪が敵対していた。』の二巻のカバー折り返しに、藤原ここあのコメントが乗っている。読者からの感想が、「これまでの作品のヒーロー同様、ミラは変態である」という意見と「これまでの作品のヒーローと違い、ミラはピュアである」という意見で二分化していると記載されている。
これまでの作品のヒーローの代表は『妖狐×僕SS』の御狐神 双熾(みけつかみ そうし)である。『妖狐×僕SS』の主人公である白鬼院 凜々蝶(しらきいん りりちよ)を異様に好いている。凜々蝶との初対面で「どうか僕を貴女のしもべに、いえ犬にして下さい…!」と発言したり、凜々蝶からもらったものはすべて永久保存していることから、まさに藤原ここあの作品の変態代表だといえる。
藤原ここあ自身は、「ミラは全く変態だと思わずに描いている」とのことだった。藤原ここあがミラのことを変態だと思っていないことについて、「それは私の変態のハードルが高すぎるからだと言われた」と記載されていた。

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