キミとだけは恋に堕ちない(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『キミとだけは恋に堕ちない』とは、酒井まゆにより『りぼん』で連載された少女漫画である。シスコンの兄2人と暮らす箱入り娘の主人公が、初めてできた恋人と血の繋がらない次男との間で心を揺らす姿が描かれている。過保護な兄2人の影響で、今まで彼氏を作れなかった主人公すばるは、高校に入って恋人ができる。すばると血の繋がらない次男の航は、兄妹とは別の感情を妹に抱いていた。兄と恋人、妹の複雑な愛が絡み合う、今までにないような波乱を呼ぶラブストーリー。

星崎家の従妹。毎年夏休みに、田舎の祖母の家でよく遊んでいた。「なっちゃん」とすばるからは呼ばれている。幼い頃から航のことが好きである。航が養子として星崎家に来ていることは知っている。前髪を綺麗に切りそろえたヘアスタイルが特徴的だ。

すばるが夏休みに帰省して、その時に新を彼氏として紹介された時「すばるちゃんに彼氏!?」と言って驚いた。航に彼氏を作ることには反対されていたことを知っていたため、なっちゃんにとっては衝撃が大きかった。

吉田新の母親(よしだ あらたのははおや)

男に騙されやすく、今まで7回離婚を繰り返してきた。自分が新しい彼氏を見つけたら無理矢理、新を連れて引っ越を繰り返してきた。新の都合はどうでもよく、自分のことしか考えてこなかった、自己中な性格である。

すばるは新が入院するほどの怪我をした時に、新の家まで着替えを取りにきたことがある。その時に彼女は新の母親と出くわし、新の怪我の状態を伝えると「めんどくさ」と反応をしたことに苛立ちを覚える。そんな子供のことを思いやれない母親と、新が一緒に住むのはかわいそうだと思ったすばるは思わず「それなら、私に新くんをください!」と結婚の挨拶のようなことを言ってしまう。

千尋

星崎透を主人公とした番外編にのみ登場する。透が買い出しでよく行くスーパーのパート店員。腰まで伸びた長い髪をひとつにまとめバンダナを巻き、エプロン姿で働いている。明るく活発な性格で、買い出しに来る透のことを「星崎少年」と呼び、よく世間話をしている。
既婚者で、透から思いを寄せられていることには気づいていない。

『キミとだけは恋に堕ちない』の用語

星崎兄妹

通学路で同じ高校の生徒とすれ違い、「星崎兄妹!」と声をかけられることは頻繁にある。

すばるは小学生、中学生の時に「イケメンで成績優秀の透と航の妹」という名で知られていた。さらに、高校も同じところに通うことになる。中学校でも知り合いだった同級生や、上級生に道ですれ違うと「星崎兄妹だ」と声をかけられる。すばるは目立つ兄2人の横に立つことが恥ずかしいと感じることが多い。

吉田星人

カラオケに行くことを航に反対されて喧嘩したすばるは、彼から走って逃げる。前をよく見ていなかったため、前にいた新たにぶつかり声をかけられると「吉田星人!?」と心の中で驚く。

すばるが入学当初の時に、新のことを「吉田星人」と呼んでいた。星人というのは、新のやんちゃで自由奔放な行動をする、という噂を聞いて勝手に名付けたあだ名である。すばるにとって新は、思い立ったことをすぐに行動に移すという生徒だった。彼の住んでいる世界は、兄の決めるルールに従うすばるとは遠いものに感じてこのように呼ぶ。

『キミとだけは恋に堕ちない』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

新「それって俺のこと好きになっちゃったってこと?」

カラオケをして遊んだ帰りに、すばるが「ドキドキしたけど、楽しかったよ」と伝える。新は「オレのこと好きになっちゃったってこと?」と告白されたのかと思う。

すばるは入学当初「合同コンパをやるから来ない?」と誘われる。しかし場所が繁華街にあるカラオケで、夜8時に解散だったため航が反対することを考える。ダメもとで航に聞いてみると、やはり「ダメだ」と言われるが、すばるはクラスのみんなと一緒に門限なく楽しみたかった。そんなすばるの心を読んだかのように、新は「来たいなら来なよ」と誘う。すばるは、そんな新の言葉に乗っかってカラオケに行ってしまう。8時に終わった時には兄の航から何件もの不在着信が入っていたが、「すぐに帰れば大丈夫」と油断をしていた。帰りは委員会が同じ佐倉に送ってもらうことになり、2人で夜道を歩いていた。すると、突然柄の悪い男2人に絡まれる。佐倉は最初こそ抵抗していたが、相手に睨まれるとすばるを置いて逃げてしまった。置き去りにされたすばるを助けたのは、忘れ物を届けようと追いかけてきた新だった。すばるは新のおかげでカラオケを楽しめて感謝していた。「ドキドキしたけど、行ってよかった」と素直な気持ちを伝える。すると、新は「それって俺のこと好きになっちゃったってこと?」と聞き返す。すばるは兄に怒られないか心配でドキドキした、という意味で言ったつもりだった。新の思い違いにくすっと笑える場面である。

新「すばるが1人で痛いの我慢してんの、俺は嫌だ」

すばるが怪我を我慢していたことに新が気づいてくれる。その新の優しさに、すばるはほっこりする。

新から「それって俺のことすきになっちゃった、ってこと?」と聞かれた翌日、すばるは変に新のことを意識してしまう。大胆な質問をしてくる新を見て、すばるは「あっちが私に気があるのかも?」と期待をしてしまう。しかし、そんな期待は裏切られる。新は休み時間に他の女子生徒に「付き合ってよ」と冗談っぽく言われると、「いいよ。付き合う?でも俺、特定の子は作らないから」と遊びで付き合うことを提案される。この瞬間、新の方向に向きかけていたすばるの恋の矢印は間違いだったと思い直す。遊び人の新を好きになっていられない、と確信したのだ。
それから新とは、なるべく関わらないようにしていたすばるだったが、ある日ちょっとした事故が起きる。すばるが教室でイスから落ちそうになった時、新が庇って腕をケガしてしまう。新は腕にヒビが入るほどの大けがをするが、実はすばるも腕をケガしていた。周りは気づいていなかったが、新だけがすばるのケガに気づいていた。新は、自分の痛みを我慢して他人の心配ばかりするすばるを見て「すばるが1人で痛いの我慢してんの、俺は嫌だ」と声をかける。新はしっかりケガを見抜いていたことに、周りをよく見ていると感じドキッとする。

すばる「もし新が退学になっちゃったら、もう学校で一緒にいられなくなっちゃうの?」

すばるの心配するような、可愛い表情に何も新は何も言えなくなってしまう。

夏休み前、新は期末テストで10教科中9教科で赤点を取り、先生から追試を宣告される。夏休みはすばるとデートをして遊ぼうと決めていたため、これには新もショックだった。新が職員室で、先生から追試を受けるよう言われているところへ、偶然航が通りかかると「助けて!」と新に声をかけられる。それを見た先生は、仲が良いと勘違いし「星崎に勉強を教えてもらえ」と航に新の勉強の特訓を頼む。それを聞いた航は、新に「次の追試験までの3日間は、朝9時に学校に来い」と言う。「朝から夜まで勉強漬けにされる」と思った新は「むりむり!死んじゃう!」と拒否をした。しかし、それでは新は追試で必要な合格点に達することができない、ということが確実だった。一連の流れを見て事情を把握したすばるは「もし新が退学になっちゃったら、もう学校で一緒にいられなくなっちゃうの?」と寂しそうな表情を新に向ける。これには新も、追試を拒否することができなかった。すばるの可愛い表情が、新にエネルギーを与えた一瞬であった。

早坂の静かな圧力

早坂は、文化祭で着ぐるみを着てビラ配りをしているすばるを呼び止め、航と距離を取るように圧力をかける。(左:すばる)(右:早坂)

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