キミとだけは恋に堕ちない(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『キミとだけは恋に堕ちない』とは、酒井まゆにより『りぼん』で連載された少女漫画である。シスコンの兄2人と暮らす箱入り娘の主人公が、初めてできた恋人と血の繋がらない次男との間で心を揺らす姿が描かれている。過保護な兄2人の影響で、今まで彼氏を作れなかった主人公すばるは、高校に入って恋人ができる。すばると血の繋がらない次男の航は、兄妹とは別の感情を妹に抱いていた。兄と恋人、妹の複雑な愛が絡み合う、今までにないような波乱を呼ぶラブストーリー。

実の父親から暴力を受け、それを見かねたすばるの母親が航を守ろうとし、養子として星崎家に引き取った。星崎家に来た時、暴力を受けて心も体もボロボロだった航。そんな彼に笑顔で接してくれたすばるを、航は「僕に居場所をくれたこの子のことを、一生僕が守る」と心に決める。すばるが落ち込んでいる時に話を聞いてくれたり、意地悪をされたときに守ってくれたのは航だった。

性格は冷たく滅多に笑わない。なぜか妹のすばるには厳しい。しかし学校では先生から褒められると笑顔で対応している。また、成績優秀、運動神経抜群で顔だちもいいため女子からモテるが、告白されても「興味がない」と言って断るため一部の女子から嫌われる。

こんな性格の航だが、すばるが元気のない時は、一番に気づき心配してくれる頼もしい兄である。すばるがクラス合同のコンパに行って帰りが遅くなった時には、何か悪いことに巻き込まれているんじゃないかと疑い「新がらみじゃないだろうな?」と勘を働かせた。

星崎透(ほしざき とおる)

すばるの兄。星崎家の長男で、出張でほぼ家にいない母の代わりに家事をしている。洗濯や、掃除だけでなく料理も得意。星崎家の母親的存在の透のことを、すばるも航も頼りにしている。航やすばるに自分がご飯を作ってあげないと偏った食生活をするため、それを気にかけていることもあり、家事を丁寧にこなす。家族思いの兄だ。航のことは「わーくん」、すばるのことを「すーちゃん」と呼んでいる。

航が新たに追試の特訓をする、と決めた時に、航は新を勉強に集中させるため3日間すばるに会うことを禁止する。新と会えなくなることが悲しくて落ち込むすばるを、透は母性本能を発揮させ慰めた。

星崎聡子(ほしざき さとこ)

星崎家の母親。女1人ですばる、航、透の3人を育ててきた。仕事で海外出張に行くことが多いため、家にはほとんどいない。子供たちとはあまり一緒に過ごせないが、家に帰ってきた時はなるべくコミュニケーションを取っている。

すばるが幼い時に航を養子として引き取った。ピーマンが嫌いなすばるが、どうしたらピーマンを食べてくれるか悩んでいたところ、航が勧めて食べさせたことにすごく喜んだことがある。仕事で疲れていても、子供たちには弱音を吐かず元気でいる姿を見せる、子供思いの優しい母親である。

英集高校の他生徒

吉田新(よしだ あらた)

やんちゃで騒がしいが、その場を盛り上げて笑いを取るクラスの人気者。入学式の初日に髪を金髪に染め、1週間の停学処分を受けていた。中学生の時には喧嘩を起こして停学になったこともある、という。そんな新のことを、周りの友達は自由奔放に生きるムードメーカーだと思っている。

すばるは新が入学初日から停学になった理由を聞いて、近づかない方がいいと考える。しかし、新からクラス合同コンパに誘われて行ってみると、彼と楽しく遊べて心地よかった。新はすばるが兄の航から門限を厳しくされているためコンパに行きたくても行けないことを知り、彼女のやりたいことをさせてあげたいと思う。最初はすばるに距離を置かれていたが、徐々にお互いの気持ちが惹かれ合っていることに気づく。

佐倉(さくら)

すばるが高校に入学してから、気になっていた男子生徒。一緒に保健委員になり、話す機会が増えるうちになんとなく好きになっていた。顔立ちが良いため、ずばるだけでなく他の女子からも人気がある。新と中学校が同じだったため、新がどれだけやんちゃだったか知っている。

クラス合同で開かれた合同コンパの帰りに、佐倉から「家まで送らせてよ」と言われて2人きりになる。佐倉はこの時、すばるに告白をしようするが、最後まで言う前に2人は柄の悪い男2人に絡まれる。佐倉はビビりながら「なんだよお前ら」と抵抗するが、言い返されるとすばるを置いてその場から走って逃げた。顔はイケメンでも、自分のことしか考えていない臆病者である。

雛(ひな)

すばるの中学からの友人で親友。すばるの家庭環境をよく理解しているので、兄2人と喧嘩をしたすばるに的確なアドバイスをしてくれる。

すばるは航と血が繋がっていないことを知った後に、どう接して良いのか分からずにいた。家も出て行かれて避けられていることにショックを受けていた時に「すばるはどうしたいの?」と彼女に聞き、航に会いに行くように背中を押す。

早坂光(はやさか ひかり)

英集高校で一番の美人と言われる。文化祭のミス・ミスタ―コンテストに出場し、1位を取る。昨年も1位を取っており、2年連続でミスに輝くことに自信がある。文化祭役員も務める彼女のことを、周囲の人間は彼女を才色兼備のような存在として見ていた。しかし、実際は気に入らない相手には陰で毒舌、という裏の顔がある。学年で一番ルックスがよく、成績も良い航に告白をするが、それは自分の株を上げるためであった。計算高く、意地悪な一面がある。

航のことが好きな早坂は、航に気にかけてもらえているすばるのことが気にいらない。航と付き合いたいがために「すばるちゃんが心配かけるから、星崎も彼女を作れなかったんじゃないの?」とすばると航の距離を遠ざけようとする。

その他

小橋璃奈(こはし りな)

新の小学校の同級生。当時、新と仲が良かった。当時は新と一緒に遊ぶことが多く、次第に親友から好きな人に変わっていく。お互いに頑固で、告白できないまま新が親の離婚の関係で転校してしまい、それから連絡を取っていなかった。新は璃奈に何も言わずに、転校をしてしまったため、璃奈の中で寂しい思いが残る。活発で、好きな相手には自分からアプローチをかけて、追いかけたいタイプ。

高校に入学してから偶然にも新のことを見つけるが、新を好きなすばるにも出会い、ライバルがいることを知ってショックを受ける。すばるに新のことを諦めてほしく、彼女が新を本当に好きなのか分からないことを知ると「今ならまだ諦められるんじゃない?」と強引に身を引かせようとする。すばるは素直にこれを受け入れなかったため、2人で喧嘩をしたことがある。

山代夏希(やましろ なつき)

KI
KI
@ki_0011

Related Articles関連記事

シュガー*ソルジャー(酒井まゆ)のネタバレ解説・考察まとめ

シュガー*ソルジャー(酒井まゆ)のネタバレ解説・考察まとめ

『シュガー*ソルジャー』とは、ファンタジーと恋愛要素が溢れる酒井まゆによる学園恋愛漫画である。『りぼん』で47回にわたって掲載され、酒井まゆにとって最長寿作品である。平凡な外見の主人公、麻琴は幼い頃からモデルのようにきれいな姉の莉華と比較され、外見コンプレックスを抱えていた。高校に入学し学年でも人気の入谷に恋をする。「努力して可愛くなって、入谷君に告白したい」と奮闘する麻琴の純粋なラブストーリーを描かれている。読んでいると思わず応援したくなるような、麻琴の姿は読者から絶大な人気を獲得した。

Read Article

シュガー*ソルジャーの名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

シュガー*ソルジャーの名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『シュガー*ソルジャー』とは主人公の麻琴が自分の平凡な外見に劣等感を持ちつつも、好きな入谷に振り向いてもらうために努力を重ねていく学園恋愛物語である。麻琴は自分の外見に劣等感を持っていたことが原因で中学生の頃に恋愛で大きなミスをした。高校で新しい恋を探していた時に、人気者の入谷に恋をし入谷の彼女になることを夢見る。「可愛くなりたい」と磨きをかける麻琴と、麻琴の努力を優しく受け止める入谷の優しさが溢れるセリフが多数あり、ほっこりする恋愛ストーリーである。

Read Article

目次 - Contents