ケモノクニ(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ケモノクニ』とは、日本の漫画家・土屋計による漫画。『ジャンプルーキー!』にて初公開され、「2022年5月 ジャンプ+連載争奪ランキング」で1位を獲得。その後、集英社のWeb漫画アプリ『少年ジャンプ+』のインディーズ連載枠で、2022年12月に連載を開始した。
舞台は獣人が支配する「ケモノクニ」と呼ばれる国。ヒトは食用や奴隷として消費されていた。主人公の少年・灰茶(はいちゃ)は奴隷として闘技場で海獣と戦っていたが、ヒルコという大人と出会い、闘技場から脱走。外の世界で生きていくことになった。

『ケモノクニ』の概要

『ケモノクニ』とは、日本の漫画家・土屋計による漫画。『ジャンプルーキー!』にて初公開され、「2022年5月 ジャンプ+連載争奪ランキング」で1位を獲得。その後、集英社のWeb漫画アプリ『少年ジャンプ+』のインディーズ連載枠で、2022年12月7日に連載を開始した。

舞台は獣人が支配する「ケモノクニ」と呼ばれる国。その国では獣人が圧倒的な強さを持っており、ヒトは食用や奴隷として消費されていた。主人公の少年・灰茶(はいちゃ)は奴隷として海上闘技場で海獣と戦っていた。そこにある日ヒルコという大人という奴隷がやってくる。ヒルコとの出会いをきっかけに、灰茶は闘技場の外で生きていくことを決意する。そしてヒルコの助力と犠牲で灰茶は闘技場から脱走した。灰茶はヒトがヒトとして生きていける世界を作るために奮闘するのだった。

『ケモノクニ』のあらすじ・ストーリー

灰茶とヒルコの出会い

獣人が支配する「ケモノクニ」という国。その国では獣人が圧倒的な力でヒトを支配しており、ヒトは食用や奴隷として消費されていた。

「ケモノクニ」の蟲国(ちゅうごく)・シマネという場所にある海上闘技場は、海獣兵(かいじゅうへい)と呼ばれるヒトの奴隷戦士が巨大な海獣と戦う場所だった。ヒトが海獣と戦う姿を獣人達が見る娯楽施設だ。主人公の少年・灰茶(はいちゃ)は、そこえ産まれた海獣兵だった。興行師であるアザラシの獣人・吹雪(ふぶき)に鍛えられ、灰茶は子供ながら海獣兵の中でも指折りの戦士である。

そんな海上闘技場にヒルコという大人の奴隷がやってきた。ヒルコはとても細身でとてもではないが、戦士として生き残ることは難しいと思われた。灰茶も最初は特にヒルコに関心はなかった。しかしヒルコは灰茶に目をつけ、天涯孤独で周りの誰も信用していない灰茶を懐柔して脱走することを企てた。灰茶は次第にヒルコに懐き、ヒルコもまた灰茶に情が移っていく。ある日の海上闘技場の興行で、灰茶やヒルコ達は今まで戦ったことがないような強さを持つ海獣を相手に戦うことになる。ヒルコは灰茶を逃がすために犠牲となった。その時、灰茶はヒトが一緒に暮らしてご飯をたくさん食べて仲良く暮らせる国を作るとヒルコに誓う。

ブタの獣人・桃刃(右)と主人公の灰茶(左)。

灰茶は闘技場で仲良くなったサメの獣人の子供・クロケルと、ウサギの獣人の子供・シロハコと共に闘技場からの脱走に成功した。流れ着いたのはトットリ。浜辺で気を失っていた灰茶達は、ブタの獣人・桃刃(たおれん)に拾われる。そして桃刃が支配人兼料理長を務める蟲国でも有数のオカヤマの温泉宿「レンガ楼(レンガろう)」で働くことになるのだった。

ヒトの牧場へ

灰茶が「レンガ楼」で働き始めてから2年が経った。「レンガ楼」で働く他の獣人達とも打ち解け、灰茶はクロケルやシロハコと共に毎日一生懸命働く。

ある日、蟲国獣隊二番隊隊長を務めるジャガーの獣人・黄粉(キナコ)が「レンガ楼」の視察にやってきた。「レンガ楼」のブタの獣人達は必死に灰茶を隠そうとしたが、過去に灰茶の臭いを嗅いだことがある黄粉は「レンガ楼」に灰茶がいることに気がついた。灰茶は海獣闘技場から脱走した海獣兵としてその存在は獣隊にも知られている。そんな灰茶をかばっていた桃刃には重い罪に問われることは必至だ。しかし桃刃は灰茶を逃がすように「レンガ楼」の職員達に指示をする。しかし灰茶は桃刃や「レンガ楼」の獣人達が罰せられるのが嫌で黄粉の前に姿を現した。そして灰茶は黄粉と決闘をすることになる。

勝者は灰茶だった。獣人の世界では強さが一番大事であり、敗者はすべからく勝者に従う。黄粉は灰茶を「灰茶様」と呼び、慕うようになった。灰茶は黄粉が「レンガ楼」の後に視察する予定だったヒトの牧場へ同行したいと申し出た。灰茶はヒルコに誓ったヒトの国を作るために、ヒトが牧場でどのような生活をしているのかを知る必要があった。黄粉はその願いに従い、シマネにある牧場への視察に灰茶、クロケル、シロハコを連れて行く。そして灰茶達は牧場長の牛の獣人・昴(すばる)に案内されて、牧場で暮らす、将来食肉になるかもしれない子供達の生活を目の当たりにするのだった。

牧場長・昴との戦い

灰茶がヒトの牧場を視察に来た時、一緒に2人のノラビトがヒト牧場へとやってきていた。赤矢(あかや)という若い男性と105(トオゴ)という年老いた男である。2人はヒトの国を創るために、ヒト牧場に管理されている「天照種(あまてらすしゅ)」を盗むためにやってきたのだった。「天照種」は、「須佐男種(すさのおしゅ)」、「月読種(つくよみしゅ)」と並んで呼ばれる「三種の人器」と呼ばれる貴重な資源。「ケモノクニ」で国と認められるには、この「三種の人器」を持っている必要がある。蟲国にとってヒト牧場で保管されている「天照種」はとても重要ものだった。赤矢はその「天照種」を盗み出すことに成功した。

「天照種」がなくなった騒動のドサクサに紛れて灰茶はブチハイエナの獣人・漁火(いさりび)達と共にヒト牧場に持ち込まれた「須佐男種」の元へ向かう。「須佐男種」が灰茶にふれると、灰茶は気を失った。そして不思議な夢を見た。そこへ昴が現れた。灰茶は昴と戦ったが、敗北してしまう。昴は灰茶に牧場の子供達にするトレーニングを受けさせた。それはヒトがまだ国を支配し、動物を食べていた時代の映像を見るというもの。ヒトが動物にどんな残酷な仕打ちをしてきたかを延々と見せられる。クロケルも灰茶と共にトレーニングを受けた。トレーニング終了後、灰茶は心が折れそうになるが、黄粉やシロハコの励ましの言葉を聞いて正気を取り戻す。その時、灰茶の体に異変が起きた。「須佐之男種」の文様が体に浮かび上がり、灼熱のパワーが体に宿り始める。灰茶は「須佐之男種」だったのだ。

灰茶は再び昴に戦いを挑んだ。昴は果敢に立ち向かったが、今度は呆気なく灰茶に敗れてしまった。ヒト牧場にいる獣人の中で灰茶が最も強い。獣人達は灰茶の言葉に従うようになった。赤矢は灰茶と昴の戦いを見て、ヒトの集落の存在を明かし、灰茶に協力を仰いだ。灰茶はシロハコ、昴、ヒト牧場の子供達、子供達を見守る役割を持つ「ヒルコ種」と共にヒト牧場を後にしてヒトの集落へ向かう。しかしトレーニングを経てヒトを怖がるようになってしまったクロケルとはそこで離れ離れになってしまうのだった。

蟲国との戦い

灰茶が昴のヒト牧場を破壊してから2年。黄粉の訓練のおかけで、灰茶は徐々に「須佐之男種」の力を使いこなせるようになっていた。昴達と協力してヒト牧場を襲撃しては、ヒルコや子供を救う日々を送っている。灰茶には懸賞金1億円、昴には懸賞金1000万円が掛けられていた。

そんなある日、瀬戸内海に悪魔が住み着いたという噂を聞く。その悪魔は自らを悪魔クロケルと名乗っているという。灰茶は悪魔クロケルが2年前に離れ離れになった友人のクロケルかどうかを確かめるため瀬戸内海に向かうのだった。

『ケモノクニ』の登場人物・キャラクター

主人公

灰茶(はいちゃ)

『ケモノクニ』の主人公の少年。蟲国・シマネにある海上闘技場で生まれ育った。両親は不明であるが、「ケモノクニ」でも貴重なヒトの種族・須佐之男種であることが判明している。ヒトとしては異常な頑丈さを持ち、海上闘技場で鍛えられたため兵士としての強さも兼ね備えている。闘技場で出会ったヒルコに、ヒトの国を作ると誓っており、そのために奮闘していく。

灰茶の関係者

ヒルコ(一)

灰茶のいた海上闘技場に送られてきた奴隷。ヒルコ種と呼ばれるヒトである。ヒルコという名は、このヒルコ種からきたものであり、個体を指す名前ではない。もともとヒトの牧場で子供達を教育する立場だったが、脱走癖があったため奴隷として送られてしまった。灰茶が出会ったヒルコは、左目の下に漢数字の「一」が書かれており、1,000番目に精算された意味で、「No,”一”」ということを指す。

最初は灰茶を利用して闘技場からの脱走を企てていた。しかし灰茶達と生活している内に灰茶に情が移り、最終的には命を投げ売って灰茶を脱走させた。

クロケル

灰茶のいた海上闘技場に迷い込んだサメの獣人の子供。灰茶の良き友人であり、仲間でもある。

シロハコ

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