ミスター・サンシャイン(韓国ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ミスター・サンシャイン』とは、2018年7月から9月にかけて韓国のテレビ局tvNで放送された連続テレビドラマ。開花期の韓国を舞台に、両親を失いアメリカに渡った奴婢の少年ユジンが、米軍海兵隊将校ユジン・チョイとして任務のため韓国に帰国したところから物語は始まる。貴族の娘でありながら、祖国のために密かに義兵として活動するコ・エシンとユジンの運命をドラマチックに描いた作品である。ケーブルテレビでの放送ながら、2018年に放送された韓国ドラマの中で視聴率2位を記録した。

『ミスター・サンシャイン』の用語

辛未洋擾(しんみようじょう)

1871年に勃発した、アメリカ海軍の軍艦が漢江に侵入したことで勃発したアメリカと朝鮮の交戦。朝鮮軍の死者240名以上に対し、アメリカ側の死者は15名と、圧倒的な力の差で朝鮮はアメリカ軍の上陸を許した。

両班

高麗時代や李氏朝鮮時代の支配階級のこと。李氏朝鮮時代には、民衆は良民(両班、中人、常民)と選民(奴婢、白丁)に分けられ、両班は最上位の貴族に位置していた。

海兵隊

アメリカの軍種の1つ。アメリカには陸軍、海軍、空軍の他に、海兵隊、沿岸警備隊、宇宙軍がある。6つの軍種の中でも特に訓練が厳しいことで有名。

漢城

漢城はハンソンと読み、現在のソウルのこと。2005年までソウルの漢字表記には「漢城」が使われていた。ミスター・サンシャインの舞台となるのも漢城である。

推奴

逃げた奴婢を捕まえる仕事。奴婢が主人の元から逃げることが多く、推奴という仕事が職業として成り立っていた。

『ミスター・サンシャイン』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

ユジン「ラブをしよう」

エシン(右)に英語のスペルを教えるユジン(左)

エシンが義兵の活動をしていることを知ったユジンは、暗殺事件以来、エシンと関わることが多くなっていた。その中で少しずつ、エシンに惹かれていった。一方、エシンの婚約者であるヒソンが自分の両親を殺した両班家の出身だということを知ったユジンは、ヒソンからエシンを奪いたいという気持ちもあり、エシンに「ラブをしよう」と伝える。英語を習い始めたばかりのエシンは「ラブ」の意味を正しく理解しておらず、「同士」のような意味だと勘違いし、ユジンの申し出を受け入れた。

ユジンとエシンがお互いの素性を確かめ合うシーン

お互いの口元を隠し、先日の狙撃手がお互いであったことを確認しあうユジン(左)とエシン(右)

ユジンは米軍海兵隊として、エシンは義兵としてお互い同じターゲットの暗殺に臨んだ。その際に、2人は自分以外に同じターゲットを狙う暗殺者がいることに気づく。街ですれ違った女性から火薬の匂いがしたことで、エシンがもう1人の暗殺者であることを疑ったユジンは、エシンを米国大使館に呼び寄せる。大使館で再会した2人は、無言のままお互いの顔を半分隠し、お互いがあの時の暗殺者であることを無言で確認しあう。ドラマのポスターにも使用された印象的なシーン。

ユジン、ドンメ、ヒソンが飲みかわすシーン

居酒屋で酒をかわすユジン(左)、ヒソン(真ん中)、ドンメ(右)

ユジンにとってヒソンは自分の両親を殺した一族の息子であり仇のような存在だが、ユジンは「親の罪はこどもの罪ではない」と言ってヒソンを許す。またドンメにとっても、ヒソンは思いを寄せるエシンの婚約者であり当初は気に入らない存在だった。しかし3人は、お互いエシンのことを守るという共通の目的を果たす中で絆が生まれ、いつしか酒を酌み交わす仲となっていた。ユジンが懲役刑を終え朝鮮に戻って来たあと、3人は久々に再会し、いつもの居酒屋に向かう。悲しいシーンや緊張感の続くストーリーの中で、ユジン、ドンメ、ヒソンの3人が飲みかわすシーンは唯一心温まるシーンであった。

『ミスター・サンシャイン』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

ユジン・チョイのモデルは実在の人物だと話題に

製作サイドは「ユジン・チョイにモデルはいない」と言っているが、韓国では「実在の人物ファン・ギファンがモデルになったのでは?」と放送当時話題となった。ファン・ギファンとは、アメリカ軍人出身で、朝鮮の独立戦争に関わった人物である。実際はファン・ギファンはヨーロッパにいながら、朝鮮独立のための外交を行ったため、ユジンのように朝鮮の地で実際に独立運動に携わったわけではない。しかし、ファン・ギファンの遺骸が死から100年経った年に朝鮮に引き渡され、同じ年に「ミスター・サンシャイン」が放送されたことから、韓国ではファン・ギファンとユジンを結びつける説が話題となったのだ。

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