空気が「読める」新入社員と無愛想な先輩(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『空気が「読める」新入社員と無愛想な先輩』とは2020年4月よりゼロサムオンラインで公開開始された、島原習による恋愛漫画。新入社員の志野聡子は場の空気が読めると褒められることも多いが、実は喜怒哀楽さまざまな感情がふわふわ漂う生き物として見えてしまう不思議な能力の持ち主。その能力から、無愛想で怖そうに見える直属の上司の慈恭二郎が実は心優しい人物だと知ってしまう。ちょっと不思議でほのぼのあたたかなストーリーが魅力の、ほんのりラブのオフィスコメディ。

左・右:志野 中央:三課職員

志野が新入社員として初めてヘルプに行った課であり、プログラミングを専門としている課。プロジェクトの進行が遅れるなど締め切りが逼迫することが多く、職員からはいつも暗い感情が出ている。主任からはいつも怒りの感情が志野には見えていた。

五課

左:志野 中央:国忠 右:慈

志野が新入社員として配属された課であり、慈が所属している課。主にプログラミングを業務としている。志野が入社2年目となったときに国忠が転属してくることとなる。

ドラマ『フレイル』

ドラマ『フレイル』のキャラクターマスコット

志野と慈がどちらも見ていたドラマ。猫の探偵のキャラクターが出てくる。慈の地元の北海道がロケ地の1つとなっており、そこではキャラクターのマスコットが売られていた。志野たちが勤務する会社の若手プレゼン大会が行われた翌日からドラマの続編が放送予定であった。

メンタル太平コミュ障男

国忠懐斗

国忠が慈を心の中で「メンタル太平コミュ障男」と呼んでいる。表情筋が動くことが少ないために何事にも動じなさそうであり、コミュニケーションに難があることからそう呼んでいる可能性がある。

若手プレゼン大会

志野たちの会社で開かれる、若手によるプレゼン大会。毎年東京・札幌で交互に開催されている。支社との交流もひとつの目的であるため、同時にミーティングや懇親会などが開かれることが多い。

『空気が「読める」新入社員と無愛想な先輩』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

慈恭二郎「新しい後輩は不思議な人で、彼女といると まるで自分がまともな人間になったように思えてしまう」

左:志野 右:慈

以前に樋園という後輩との関係が拗れたままになっていた慈は、志野が入社して彼女の教育係になった時にもコミュニケーションに関して不安を感じていた。志野から「慈しむと言う時は先輩に合っています」と言われ、「雑談の予習はしていたけれどそう言うのは初めて言われた。なんて返せばいいんだ」と黙り込んでしまう。そんな時に「あんまり照れられると、私までなんか恥ずかしいです」と志野から言われてしまう。今まで強面の自分の感情を正確に読み取った相手がいなかった慈は、びっくりして「なんでわかったの?」と尋ねながらも、「空気が読める子と誰かが言っていた。けれど俺にはそれ以上に、新しい後輩は不思議な人で、彼女といるとまるで自分がまともな人間になったように思えてしまう」と思っていた。慈が初めて自分の感情を正確に読み取ってくれる相手を前にして、今までのコミュニケーションに関するトラウマを払拭するきっかけを感じた名台詞である。

初めて慈が志野に対して感情を言葉に出した名シーン

慈は少し照れながら、初めて志野に対して思っていることを伝えた。

年末休みに入った志野は偶然慈と外出先で会うことになる。強面な慈が野良猫を眺めていると、その圧倒的不審者感から通報されかけていることに志野は気づきその場から連れ出す。そのまま流れで出店が並ぶ年末の神社に慈が志野を誘う。志野は基本的に人混みが苦手ではあるが、「先輩といると全てが楽しい」と感じていた。慈もまた、「寒いけど、気にならなかった」と言う。その理由を慈の周りに漂う空気が「楽しくて」と言っていたため、志野は「ほんとこの人心の中は素直すぎる。そう言うの少しは見た目に出してくれれば」と考えるが、直後に慈が声に出して「なんていうか、楽しくて」と伝える。慈が気持ちを初めて言葉に出して志野に伝えた名シーンである。

初めて慈が志野に対する恋心を自覚した名シーン

4人で北海道観光をしているときに猪に恋心を自覚する慈

1年に1度の社内発表会のために北海道を訪れていた慈・志野・忍川・国忠の4人は、発表会の翌日に慈の地元を観光することにした。しかし国忠がホテルに携帯を忘れてしまい、忍川と共にホテルに取りに戻る。慈と志野は2人で観光することになるが、たまたまその場所はドラマの撮影地となっていた場所であった。来月からそのドラマの続編が放送されるため、志野は「よかったら一緒にみませんか?」と勢いで慈に言ってしまう。しかし「ギアを入れ間違えた!」と考え、「ネット視聴で、4人で!」と慌てて付け足す。承諾する慈であったが、その約束をした後から妙に胸が使える感じがしていた。国忠たちと合流後、志野と同じく空気が見える国忠から「気になって仕方がない」と思われてしまう。国忠は「みんなで見るのが微妙だってんなら、2人で慈さんちで観ればいいじゃないですか」「せっかく珍しいことで悩んでるなら、さっさと蓋しないで、自分がどうしたいのかもっと悩んでてもいいんじゃないですか」とアドバイスをする。そのアドバイスを夜に考えた慈は、翌日志野たちと観光しながら結論を出してしまう。「もし我儘を言っても許されるなら、いや許されないとしてももう思ってしまった。志野さんのことが好きだ」と自分の志野への気持ちに気付くのだった。慈は今まで人と関わることを苦手としていた。しかし元来持ち合わせていた素直さから、後輩国忠のアドバイスを真面目に考えることになる。その結果、恋心を自覚するという慈らしい名シーンである。

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