極楽街(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ
『極楽街』(ごくらくがい)とは、佐乃夕斗によるアクション漫画。集英社の『ジャンプSQ.』にて、2022年8月から連載が開始された。『ジャンプSQ.RISE』で掲載された読切漫画『極楽街三番通の件』が元になっている。圧倒的な画力で描かれるキャラクターや街並み、バトルシーンが好評。
極楽街解決事務所で働く主人公のアルマとタオは、表向きは対人トラブル解決を、その裏では禍という化け物退治を生業にしている。2人は禍が起こす怪事件を日々解決しながら、人型の禍との戦いに巻き込まれていくのだった。
『極楽街』の概要
『極楽街』(ごくらくがい)とは、佐乃夕斗によるアクション漫画。集英社の『ジャンプSQ.』にて、2022年8月から連載が開始された。『ジャンプSQ.RISE』の2020 WINTERで掲載された読切漫画『極楽街三番通の件』がプロトタイプとなっており、主要人物のアルマとタオが登場する(アルマは見た目がやや異なる)。圧倒的な画力で描かれるキャラクターや街並み、バトルシーンが好評。2023年8月に「次にくるマンガ大賞2023」のコミックス部門にて9位を、同年「第7回みんなが選ぶTSUTAYAコミック大賞」では10位を獲得している。
どんな無理難題なトラブルも解決してくれる極楽街解決事務所に、主人公のアルマとタオは所属していた。表向きは探偵のような仕事をしており、対人トラブルの解決などを引き受けている。しかし2人には裏の顔もあり、禍(まが)という人を食べる化け物退治を仕事にしている。アルマとタオは、禍が起こす怪事件を日々解決しながら、人型の禍との戦いに巻き込まれていくのだった。
『極楽街』のあらすじ・ストーリー
アルマとタオの極楽街解決事務所
主人公のアルマは、タオの経営する極楽街解決事務所という場所で働いている。極楽街解決事務所は、どんなトラブルでも解決してくれる、いわゆる”何でも屋”である。浮気の証拠隠滅から困りごとの相談、愚痴聞きまで。どんな難題も報酬さえ支払えば解決してくれるのだ。しかしそれは表向きの顔である。裏ではアルマとタオは、禍(まが)という化け物専門の殺し屋をしていた。禍とは人や動物の死体を使って造られた怪物であり、空腹を満たすために理性もなく人を襲い、食らう。タオとアルマは対禍機関「対禍機関「蛇穴(サラギ)」に所属しており、そこに集まってくる情報を元に禍を滅するのだ。
タオは普通の人間であり、「蛇穴(サラギ)」本部にいる獣人のヨキやゴーグルと黒いロングヘアが特徴のダラが作った、対禍の銃弾などの武器を用いて戦う。アルマは人間と禍の半禍(はんか/ハーフということ)であるため、禍の血を用いた特殊な武器で戦う。タオの許可があれば、アルマは胸に刺さった「繋縛の杭(けばくのくい)」と呼ばれると呼ばれる杭を抜くことができる。その杭が中華包丁のような形状の武器に変化し、アルマはそれを使って戦うのだ。
アルマとタオの極楽街解決事務所には、日々さまざまな依頼が舞い込んでくる。表向きはトラブル解決をし、裏では禍退治をする。それがアルマとタオの日常だった。
人型の禍との遭遇
ある日、アルマが極楽街を出歩いていると、1人の少女と出会った。少女の名前は叶多(かなた)。アルマは叶多と話し、食事を共にして友達になった。しかし叶多の正体は禍だった。禍は稀に食われた人間などの記憶が定着してカタコトの人語を話すこともあるが、基本的には自我はない。まして、人型を形成しているものは未だかつてその存在が明らかになっていなかった。叶多は普通の人間だったが、黄泉(よみ)という人型の禍を束ねる人物に血を与えられて本人の意志に関係なく禍にされてしまったのだ。禍は人を食べなければその空腹を抑えることができない。そのため叶多の中にある禍としての生存本能は人を襲おうとする。しかしわずかに残った叶多の人としての自我が自分のその凶行を拒んでいた。叶多はそのことをアルマに打ち明け、助けを乞うとする。
そこへ現れたのは黄泉だ。黄泉は従来禍しか利用できない門を使ってアルマや叶多の前に現れ、叶多のわずかに残っていた自我を崩した。それによって叶多は醜い禍の姿へと変貌してしまう。アルマはそれを必死に止めようとした。しかしアルマもまた黄泉によって狂わされてしまう。黄泉はアルマのことを知っているようで、再会を一方的に喜んでいる様子だった。アルマは黄泉によって胸にある「繋縛の杭」を抜かれてしまったため、自分の中の禍の血に飲み込まれそうになってしまう。そしてその手で叶多を殺してしまった。駆けつけた仲間のおかげでアルマは正気を取り戻したが、友達である叶多を手にかけてしまったことに大きなショックを抱いていた。
そこでアルマは自身の中にある禍の血を完全にコントロールするための修行を始めるのだった。
『極楽街』の登場人物・キャラクター
主要人物
アルマ
極楽街解決事務所で働く少年。真っ赤な髪の毛と犬歯が特徴。人間と禍の間に生まれた”半禍(はんか)”である。禍の血が暴走すると、自我を失い暴れてしまうらしく、胸に「繋縛(けばく)の杭」というものを打ち込んで禍の血を抑え込んでいる。タオの許可があれば杭を抜くことができ、抜いた杭は中華包丁のような形をした武器に変化する。凄まじい強さを誇るが、タオの許可なしで杭が抜けないため、タオが側にいない時は戦闘能力が皆無である。物覚えが悪く、元気よく返事をするものの、言われたことはほとんど覚えていない。何事も体に直接叩き込むという方法が一番適している。過去に暴走していたところをタオに救われ、人間として生きる道を示された。タオをとても信頼している。
タオ
ほとんど表情を変えないクールビューティー。長いプラチナシルバーの髪を三つ編みにして、前髪をセンター分けにしている。青い丸レンズのサングラスをかけているのも特徴。いつもタバコを吸っている。性格はとてもドライだが、薄情というわけではなく、困っている人を助ける優しい一面を持つ。極楽街解決事務所でアルマと共に働いている。対禍機関「蛇穴(サラギ)」に所属しており、禍を退治する任務を請け負う。
蛇穴(サラギ)のメンバー
ヨキ
犬のような、狼のような姿をした獣人。一人称は「ワシ」で若そうな見た目とは裏腹に長生きしている風格がある。自称お金持ちで、タオやアルマに何かとご飯を奢らされることが多い。対禍機関「蛇穴(サラギ)」に所属しており、本部に常駐。対禍用の武器を製造している。
ダラ
黒くて長い髪を持つ女性。頭上につけたゴーグルが特徴。対禍機関「蛇穴(サラギ)」に所属しており、本部に常駐。対禍用の武器を製造している。
ネイ
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目次 - Contents
- 『極楽街』の概要
- 『極楽街』のあらすじ・ストーリー
- アルマとタオの極楽街解決事務所
- 人型の禍との遭遇
- 『極楽街』の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- アルマ
- タオ
- 蛇穴(サラギ)のメンバー
- ヨキ
- ダラ
- ネイ
- 劉(りゅう)
- 謎多き敵
- 黄泉(よみ)
- 夜(よる)
- 叶多(かなた)
- 愛々子(めめこ)
- 顔に大きな傷がある男性(名称不明)
- 方言を話す男性(名称不明)
- 寡黙な女性(名称不明)
- 顔半分に火傷の痕がある男性(名称不明)
- その他
- 辰臣(たつおみ)
- ヤヤ
- ヤヤの母親
- 『極楽街』の用語
- 禍(マガ)
- 極楽街(ごくらくがい)
- 極楽街解決事務所(ごくらくがい かいけつじむしょ)
- 蛇穴(サラギ)
- 『極楽街』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- タオ「心まで禍になるな アルマ その血に善悪はない 悪を絶ち 人を助けろ 人として生きろ」
- アルマ「禍でも 友達だったんだよ」
- 『極楽街』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- プロトタイプは読切漫画『極楽街三番通の件』