9-nine-はるいろはるこいはるのかぜ(9はるいろ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『9-nine-はるいろはるこいはるのかぜ(9はるいろ)』とは、株式会社クリアレーヴのゲームブランド、ぱれっとによって制作された恋愛アドベンチャーゲームである。シリーズ4作と新章からなる『9-nine-(ナイン)』シリーズの第3作目となる本作は、香坂春風に焦点を当てた物語となる。ネガティブで臆病な人格と、女王様のような人格の2つの面を併せ持つ春風は、翔と仲間の優しさに触れ、徐々に打ち解けていく。物語の核心が明らかになる一方で、心の弱さを克服し成長していく春風の姿に心を打たれる作品となっている。

春風が作ったオリジナルキャラクターの1人。毎朝挨拶してくれる圧の強い男の子に対して自分も堂々としたいと思い、咄嗟に思い浮かんだのがこのエデンの女王であった。気付いたらもう1人の自分として生まれていた、と春風は話す。

世界の眼

世界と世界を繋ぐ力。世界を観測する力。

パラレルワールドのこと。ソフィの世界での呼称。

リグ・ヴェーダ・アスラ

与一をリーダーとする、真なるリグ・ヴェーダ。高峰、与一、ゴーストの3人で構成されている。

スティグマ

ユーザーが力を使用した際、身体に現れる紋様。位置や形状はユーザーによって異なる。

『9-nine-はるいろはるこいはるのかぜ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

友人の裏切り

左から高峰、与一、ゴースト

与一がアーティファクトユーザーであり、なおかつ魔眼のユーザーであることを打ち明けられ、それをやめる気はない与一と友達に馬鹿な真似をさせたくない翔は、対峙することとなる。人を殺すことに理由はない、力があるから使っただけだと与一は話す。犠牲者を増やさないために戦う覚悟を決めた翔たちであったが、高峰1人の力で制圧されてしまうのであった。
普段と変わらない態度で、日常会話をするかのように自分が殺人犯であることを告げる与一の姿は非常に不気味であり、翔の唯一の友人であった与一の裏切りは、プレイヤーに大きな衝撃を与えた。

春風の成長

「いつまで、“わたくし”でいるつもり…?そのあなたじゃなければ、正気を保てないとしても、そのままじゃイーリスには勝てない…彼のあの姿を見ても、あの言葉を聞いても、立ち上がれないのなら…あなたは彼にふさわしくない!動けるのはあなただけ…逃げるか、立ち向かうか…このまま彼の後ろで、守られ続けるか…それとも、彼の隣に立つか…!決めなさい!春風!」と春風を焚きつける希亜。その言葉を聞いた春風は、「私はお姫様になりたかったけど…誰かに助けてもらうのを、ずっと待っていたけれど…傷つくあなたは見たくない…私も、あなたを助けたい!」と、全身にスティグマを浮かび上がらせた。「やっと、勇気が出せました。悪いことを起こせるなら、良いことも起こせる…今から起こします!」と宣言し、全員に的確な指示を出してイーリスとの戦いを勝利に導いた。
過去の経験からマイナス思考が強く、現実逃避のためにもう一人の人格を生み出し、その人格に頼り続けた春風。しかし、イーリスとの戦闘で命を顧みず自分たちを守り続ける翔を見て、次は自分が翔を助けたいと立ち上がる。もう1人の自分も自分自身であると前向きに捉え直した春風は、ネガティブでいつも受け身だった自分を乗り越えたのであった。春風のめまぐるしい成長を遂げたこの場面は、多くのプレイヤーの心に響くものとなった。

姿を現すソフィ

春風とのエンディングを迎えた後、聞き慣れた声でプレイヤーに向かって話しかける見慣れない影は、いつも見ていた幻体のソフィではなく、本体のソフィであった。イーリスを倒すためには9人のアーティファクトユーザーが必要であり、その9人目が私たちプレイヤーであるとソフィは話した。
プレイヤー自身が“ナイン”であり、メタフィクション的存在であることが明かされ、作品とプレイヤーの距離をぐっと近づけた。エピローグで大きく動き出した物語は、次回作への期待が大きく高まる展開となった。

『9-nine-はるいろはるこいはるのかぜ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

二重人格の行方

イーリス戦にて、自信がないためもう1人の人格に頼り戦闘を進める春風。「翔様をお助けするにはどうしたら…」と希亜に助言を求めた春風であったが、「そうやって、あなたはすぐ人に頼るのね…“わたくし”のままじゃイーリスには勝てない」と説得される。その言葉で立ち上がった春風は、翔の呼び方が「翔様」から「新海くん」に変化していた。この出来事をきっかけにもう1人の自分と決別することなく、両方の人格が自分であると受け入れ、これからも使い分けていくと宣言した。

春風のスティグマ

イーリスとの戦闘にて、春風は全身にスティグマを浮かび上がらせ、更にスティグマの色も変化させていた。それはアーティファクトの力を最大限引き出した結果であり、身体への大きな負荷に加え、力が暴走してしまう可能性があった状態であった。しかし春風はその自覚がないどころか、力が馴染んだような感覚があると話す。それに対して、アーティファクトの色が変化したのは心に染まった証だと考えるも、こちらの世界の人間がその境地に至った前例がないと話すソフィ。それは、前例がないほど春風の心が大きく成長したことを現す場面であった。

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