うちの息子はたぶんゲイ(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『うちの息子はたぶんゲイ』とは、おくらによる日本の漫画作品である。スクウェア・エニックスとpixivによるWebコミックサイト『ガンガンpixiv』に掲載されている。この作品は、同性愛者であることを隠している青山浩希と、息子の隠し事に感付いている母親の青山知子の視点で物語が進んでいく。ゲイである息子にどう接すればいいのか、知子と浩希、そして家族や友人の葛藤や日常が描かれている。

単身赴任から久しぶりに帰ってきた父・明義。息子たちと話したくて仕方がない明義は、事あるごとに恋愛の話を持ち掛ける。明義にとって、年頃の男子は異性に興味を持つのが当たり前だという価値観があるのだ。自身がそうだったこともあり、何かにつけて「そんなんじゃモテないぞ」「彼女はいないのか」とそればかり。女の子に興味のなさそうな浩希と結理に、自分が女の子のことばかり考える青春時代を過ごしてきたのでつい「男って普通はそういうもんじゃないのかねー?」と言ってしまう。その言葉を聞いた浩希は、「恋愛に興味あるけど!」と声を荒らげるが、言葉に詰まってしまう。その様子を見た結理は、自分は男で恋愛にも異性にも興味はないけど、それじゃあダメなのかと父に告げる。3人のやり取りを見ていた知子は、「家の中だけでみんなこう違うんだから、『男ってこういうもの』だなんてそんなものはないのかもね」と言った。その言葉に安堵した表情を浮かべる浩希。異性や恋愛に興味があってもなくても、人それぞれの価値観があるということをわかってあげようとする母の言葉である。

青山結理「なにかに気をつかって態度変えるとか、そういう器用なことはできなそうだけどね」

兄の様子を気遣いながらも温かく見守る結理

合唱部に入部してから毎日楽しそうな浩希。その様子を見た知子は、醍吾や明日実と仲良くやっていることを嬉しく思っていた。すると結理が、「今のところそうみたいだね」と意味深なことを呟く。知子が理由を聞くと、浩希は気付かなくても明日実や周囲の人は浩希の好きな人にいずれ気が付くのではと言う。結理は、「そういうのに気付かないでいるうちは、みんな仲良くいられるんだと思う」と核心を突いたのだ。ただでさえわかりやすい浩希の態度に、周囲が気がつくのも時間の問題かもしれない。気持ちがバレてしまえば、今まで通りにはいかないのかと心配する知子。結理は、たとえ気持ちがバレたとしても兄には「なにかに気をつかって態度変えるとか、そういう器用なことはできなそうだけどね」と言った。浩希の性格をよく理解した言葉である。

『うちの息子はたぶんゲイ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

おくらの好きなモノ

作者・おくらは現在「とあるアイドルグループ」にハマってるという。具体的なアイドル名は明かされていないが、今までアイドルに興味を持ったことことはなく、自分がアイドルにハマることがあるとはと驚いていると語る。好きなモノから元気をもらっていると話すおくらは、自身の『うちの息子はたぶんゲイ』も誰かにとって楽しみのひとつになれば嬉しいと話している。

おくらはゲイ当事者

作者であるおくらは、自身もゲイであることを作中でカミングアウトしている。おくらが漫画家として活動していることは母親に伝えていたが、内容がゲイに関係する事だったため、作品は伏せていたのだ。しかし、親からはどの雑誌でどんな内容の漫画を描いているのか度々聞かれて心配をかけていたため、隠し通すのはもう難しいとカミングアウトを決意。『うちの息子はたぶんゲイ』の1巻の発売から2巻が出るまでの間で、おくらは母親に自身がゲイであることをカミングアウトした。結果、母親が納得したのかは不明だが、状況は理解したらしく作品も読んでくれているという。

おくらはホラー映画が苦手

おくらはホラー映画が苦手で怖くて見られないと作中で明言している。しかし、内容が気になる作品もあるようで、試しに音声のみで聞いてみたところ、音声だけでも内容がある程度わかるため漫画制作中に流し聴きしているという。苦手なジャンルでもいけると、コミックス3巻の制作中はひたすら映画を流して描いていた。今まで触れてこなかったジャンルに触れることで自分の世界が広がったと話していて、自身の漫画作品も誰かの世界を広げるきっかけになればいいと語っている。

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