米砂原醫院(YONESAWARA HOSPITAL)のネタバレ解説・考察まとめ

『米砂原醫院(YONESAWARA HOSPITAL)』とは、2022年にDorsalfin StudioからSteamでリリースされた和風ホラーゲーム。長閑な村にある廃病院を舞台に、10年前に起こった失踪事件の手掛かりを追いながら、事件の真相に迫っていく。深夜に訪れる廃病院の独特の気味悪さを体験でき、1本の懐中電灯の光を頼りに一人称視点で進行するゲームシステムがさらにその恐怖を助長させる。

『米砂原醫院(YONESAWARA HOSPITAL)』の概要

『米砂原醫院(YONESAWARA HOSPITAL)』とは、Dorsalfin Studioが開発したPCゲームで、2022年8月19日にSteamでリリースされた。また、2023年2月16日にNintendo Switchでダウンロード版限定で配信された。日本語、英語、中国語(簡体字)対応。ジャンルはシングルプレイ探索系ホラーゲーム。朽ちた廃病院を舞台にストーリーは進行する。

本作は、「降霊術や呪術」と「人間の身勝手な願い」をテーマにゲームとして構成した作品である。”夜の廃病院”という、あるあるのホラースポットを舞台に探索する本編はもちろん、本作はホラー要素の全くない「廃墟探索モード」も搭載している。同モードでは、朝・昼・夜と様々なシチュエーションで廃墟を探索し、カメラ機能を使って写真撮影を楽しむことができ、ホラーゲームが苦手な方もプレイできる。

また、本作を含む、Dorsalfin Studio開発のゲーム作品は、基本的に動画投稿サイトへの投稿を許可しており、リリース直後から動画配信サイトにて数多くの投稿者・配信者によってネタバレありでプレイの様子が公開されている。その結果、動画や配信の視聴者がゲームに興味を持ったり、その後リリースされるゲームへの期待感が上がったりと徐々にDorsalfin Studioは人気を獲得していっている。

ストーリーは、10年前に起こった米砂原医院の院長失踪事件の振り返りから始まる。発生当時は、何も手掛かりがつかめず、そのまま未解決事件として捜査を打ち切った。しかし、今になって当時米砂原医院に入院していた患者の母親から、遺品整理の際にその患者のメモを発見したと連絡が入る。メモの内容が「院長に殺される」といったおぞましい内容だったため、母親から主人公へ事件の再調査を依頼される。主人公は、10年前の事件の真相を明らかにするために、単身で廃病院になった米砂原医院に向かう。

『米砂原醫院(YONESAWARA HOSPITAL)』のあらすじ・ストーリー

10年前の米砂原医院の院長失踪事件の振り返りから物語は始まる。

米砂原医院へ潜入

1978年の冬、米砂原医院の院長である米砂原総介(よねさわら そうすけ)が姿を消した。外出したきり帰ってこなかったそうだ。前年にも同医院の看護婦が失踪をしたということもあり、主人公含む警察関係者は倉鶴村(くらつるむら)とその周辺と山間部を一斉捜査した。しかし、成果はなく、捜査は難航した。そして次第に、その捜査ファイルはデスクの隅へ追いやられ、事件は未解決のまま時間だけが過ぎた。院長を失った米砂原医院は、そのまま廃業となった。
その10年後のある昼前、宮本登美子(みやもと とみこ)という女性から電話が入った。彼女は、10年前の事件が起きる数か月前に米砂原医院で息を引き取った感染症患者・宮本直樹(みやもと なおき)の母親である。当時、息子の死を逆恨みする線で彼女にも事情聴取をしていたため、面識はあった。今回彼女が電話をしてきたのは、息子の遺品整理をしていた時に、彼が入院中に書き残していたメモが見つかったということの報告だった。メモに書かれてあったのは「院長に…薬…殺される」という彼からのSOSの言葉だった。息子の死の真相を明かしてほしい登美子は主人公に米砂原医院の再捜査を依頼。主人公は10年前の事件の真相も同時に明かすために、廃病院になった米砂原医院に1人向かった。

時刻は25時頃。医院が廃業してからは、夜になると物音が聴こえて、雰囲気も不気味なために、周辺住民皆誰も寄り付かないと事前の聞き込みで知った。医院内部は10年の時が経っているのを物語る程、老朽化が進んでおり、埃や汚れ、所々に雑草が自生していた。探索中、院長が懇意にしている骨董屋で”魂雅楽(こんががく)”という大型のオルゴールを仕入れたことが発覚した。院長は元々アンティークのオルゴールを収集するのが趣味で、この魂雅楽もそのコレクションの1つとして元々予定していた院内の修繕を後回しにしてまで購入したものだった。しかし、探索していく中で、魂雅楽というオルゴールは実のところ一種の降霊術ができる秘具であることがわかった。そして、それを知った院長はこの魂雅楽を使って病で先立たれてしまった妻と息子を甦らそうと画策していたことが院長の手記から判明。また、その術を成功させるために、患者から体の部位を集めていたことも院内で発見した他の書物から発覚した。その後、院長室に二連ディスクオルゴールを発見。当てはまるオルゴール盤をはめ込むと綺麗なオルゴールが鳴り始めた。それと同時に、どこからともなく不気味な呻き声と足音がこちらに向かってやってくるのを感じた。取り急ぎ、室内にあったロッカーに身を潜め、声と足音が遠のくのをやり過ごした。その後も、院内の探索を続行したが、時に看護服を着た女の霊が主人公を誘うように通路や部屋に現れたり、白衣を着た男の霊が意味あり気に姿を現したりした。そうこうしながら探索を続けていると、今度は手術室を出ようとしたときに突然扉が開け放たれた。開け放たれた廊下の先に1つの影が見えた。そして、その影が段々こちらに近づいてくる。かなり近くまでやってきたところで、その影の全容が見えた。それは、人間を逆さまにしたような肉塊の怪物であった。すぐさま手術室を飛び出し、近くの部屋にあったロッカーへ再び身を隠してその肉塊から逃れた。その後、追ってくる肉塊の目を欺きつつ探索を続け、ついに魂雅楽が安置されている地下室への道を開くことができた。その道中、行方不明になっていた同医院の看護婦・石原奈々美(いしはら ななみ)と看護婦長の本田順子(ほんだ じゅんこ)、そして、感染症患者で登美子の息子である直樹を儀式の生贄として殺害したことを告白する内容の手記が見つかった。すべての真相を解明した主人公は、襲ってくる肉塊の怪物を退けるために、魂雅楽のハンドルを回した。

END1

米砂原医院内部に侵入したものの、主人公は直感でこの場所で”何か”あったことを予感した。結局、恐怖のあまり何も探索せず、そのまま踵を返して車のエンジンをかけ帰路に就いた。
宮本登美子には「再調査したが何も出なかった」と報告した。登美子は「本当に夜にちゃんと調査したのですか?」と食い下がられたが、そのまま電話を切った。
その後、米砂原医院から変死体が発見された。死体の身元は宮本登美子。恐らくしびれを切らして自ら足を踏み入れたと予想できる。怖気づいて探索を断念した主人公は、何も言うことができなかった。

発動条件:スタート時、すぐに玄関から外に出る。

END2

ハンドルを回していると、魂雅楽の音色を聞き付けた肉塊に襲われ意識を失った。再度意識を取り戻した時、主人公の視界には医院の廊下が映っていた。不気味な呻き声は自らが発しているようで、あの不気味な肉塊の一部になったらしい。そして、その肉塊は今でも米砂原医院を徘徊している。

発動条件:魂雅楽の表示が"降"の状態でハンドルを回す。

END3

全てを終えて米砂原医院から外に出た時は、すでに夜明けを迎えていた。主人公は無線で事のすべてを報告した。「いずれこの事件の真相が世間に公表されるだろう」と思ったと同時に、ドッと身体の力が抜け心から安堵した。後日、知り合いの鑑定士に魂雅楽の古文書を解読してもらった。その結果、あの代物は数百年前の呪術道具だということが判明した。覇権争いの最中、鬼神に生贄を捧げて対敵を呪い殺すために用いられたものという。その後、呪力の強力さから、悪霊の暴走を恐れた高僧により封印されたが、長い年月を経て、この代物を説明する書物などが失せてしまい、人々の手を渡り、院長が購入した骨董屋に並んでしまったということだった。そして主人公は、登美子に事件の真相と魂雅楽のこと全てを報告した。すると登美子は真相を理解した上で「先に…そのアンティークを見つけたのが、私でなくてよかったかもしれません。」と告げ、主人公に深々と頭を下げた。登美子と別れた主人公は、この件を警察上層部に理解してもらうべく、その場を後にしたのだった。

発動条件:院長の歯を"昇"の箱に入れる。→入手した昇の板札を魂雅楽にセットしてハンドルを回す。

『米砂原醫院(YONESAWARA HOSPITAL)』のゲームシステム

探索

探索は一人称視点で進行する。

本作は、廃病院探索が主体のゲームである。
1本の懐中電灯の光を頼りに、各部屋の机の上や引き出し、棚などに配置されている書物やアイテムを入手しながら、医院で起こった事件の真相を暴いていく。

セーブはアンティーク電話機

本作は壁に設置されている電話がセーブポイント。

本作は、アンティーク電話で任意のセーブが可能。
セーブスロットは3箇所用意されているので、細かなセーブが可能。

特定箇所で自動セーブ

特定のアイテムを入手したり、ムービーや特殊演出が入る際、自動セーブが入る。
アンティーク電話機でのセーブも併せて活用できる。

ロッカーに隠れて追跡者から逃れる

探索中に木製のロッカーを見つけておくと、逃げ切りやすい。

探索中、あるイベントを通過すると、追跡者が院内を徘徊し始める。
追跡者が近くにいる場合は、黒い霧や呻き声、足音などで判断できるので、急いで身を潜めれるロッカーのある部屋へ。
ロッカー内で待機している間は見つかることはないので、追跡者から逃げきれたらそのまま探索が続けられる。
また、通常の探索では足元が悪いという理由で走ることはできないが、追跡者に追われているときに限り走ることができる。

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