カッコウの許嫁(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ
『カッコウの許嫁』とは2020年より吉河美希が『週刊少年マガジン』で連載している漫画、およびそれを原作としたアニメ作品。貧乏なヤンキー家庭で育った海野凪(うみの なぎ)は、自分が別の家の子供であることを知ることになる。一方、裕福な家庭で育ったおバカなお嬢様・天野エリカ(あまの えりか)は許嫁問題で頭を悩ませていた。そんな何もかも対照的な2人が偶然出会い仲良くなる。しかしこの2人こそ取り違え子であり許嫁同士だったのである。そんな凪とエリカの恋愛模様を描いたラブコメ作品である。
『カッコウの許嫁』の概要
『カッコウの許嫁』とは2020年より吉河美希が『週刊少年マガジン』で連載している漫画、およびそれを原作としたアニメ作品。「次にくるマンガ大賞2020コミックス部門」にて上位入賞。「王道ラブコメディの系譜」とも称されている。貧乏で両親がヤンキーという家庭で育った主人公・海野凪(うみの なぎ)は、突如自分が違う家の子供であることを知らされる。一方、ホテル王の娘ということもあり、裕福な家庭で育ったお嬢様・天野エリカ(あまの えりか)は許嫁問題で頭を悩ませていた。凪が本当の両親のもとに会いに行く道中、そんな何もかも対照的な2人が偶然出会うことになる。エリカは許嫁と結婚したくなかったため、偽の彼氏役として凪を指名。短い期間だったが、恋人のふりをしていくことで心を通わせた2人だった。だが結局、父親には偽の恋人だと見破られ、許嫁の問題は何も解決しなかった。もう会うことはないと思っていた2人だったが、凪が本当の両親に会う会場にいたのは先程の天野エリカだった。この2人こそ取り違え子であり許嫁同士だったのである。この作品は、そんな凪とエリカの、周りを巻き込んだ恋愛模様をコミカルに描いたラブコメ作品である。恋愛漫画であると同時に、人生の教訓ともなるような場面描写が多いところも魅力の1つでもある。
『カッコウの許嫁』のあらすじ・ストーリー
2週間の同棲生活編
貧乏で両親がヤンキーという家庭で育った主人公・海野凪(うみの なぎ)は、突如自分が違う家の子供であることを知らされる。一方、ホテル王の娘ということもあり、裕福な家庭で育ったお嬢様・天野エリカ(あまの えりか)は許嫁問題で頭を悩ませていた。凪が本当の両親のもとに会いに行く道中、そんな何もかも対照的な2人が偶然出会うことになる。エリカは許嫁と結婚したくなかったため、偽の彼氏役として出会ったばかりの凪を指名。短い期間だったが、恋人のふりをしていくことでお互いの住む世界の違いを理解し、心を通わせた2人。だが結局、父親には偽の恋人だと見破られてしまう。もう会うことはないだろうと思っていた2人だったが、凪が本当の両親に会う会場にいたのは天野エリカだった。つまり、この2人こそ取り違え子であり許嫁同士だったのである。
エリカの父親(凪の実父)である天野宗一郎(あまの そういちろう)の半ば強引な提案によって2週間の同居生活を余儀なくされた凪とエリカは、父親の思惑に乗らないためにその間は一切関わり合わない、という協定を結ぶ。だが、生活能力が全くないエリカと、1人だと無理をし続けてしまう凪が一切助け合わないのは酷なことだった。結局、その協定を破り、協力しながら2週間を乗り切ろうと2人は決意するのだった。協力関係を結んだ2人の間に、恋愛感情は一切なかったため、凪は以前から恋い慕っている憧れの人である瀬川ひろとの関係を進めることには積極的だった。文武両道、才色兼備の瀬川ひろに自信を持って告白するためには、勉強でひろに勝つことが必要条件だと凪は考えていた。そのため、凪はひろに告白するために、風邪にも負けず必死で勉強を続け、学年1位の座を初めて奪取することに成功した。その結果に自信を持ちひろに告白するもののひろには凪と同じく、許嫁がいることを知ってしまうのだった。こうして、ひろへの告白は撃沈し、エリカとの関係も特に進展することなく、同居生活期限の2週間はあっという間に過ぎた。だが部屋の都合上、凪の帰る場所はすでになくなっており、結局また前の家でエリカとの同居生活が始まることになるのだった。
3ヒロインの戦い編
エリカとの同居生活がまた始まることとなったのだが、最初ほどの居心地の悪さはなく、特に違和感なく生活に溶け込もうとしていた凪。だが、エリカが、急遽凪と同じ学校に転校してくるという事件が発生し、凪の平穏な日々はまたもや遠ざかることとなった。凪とエリカが許嫁であることがバレるのではないかとヒヤヒヤする凪だったが、2人の関係性は遠足などの学校行事を迎えても学校の人達にバレることはなかった。
学校の重要イベント・遠足がようやく終わり、また凪とエリカ2人だけの生活が再開するかと思いきや、凪の義妹の海野サチが、お兄ちゃんを取られたくないという理由で実家を家出し、エリカ達が暮らしている家にやってきた。最初は困惑したものの、エリカと凪は渋々サチを受け入れることにし、そうして今度は3人での生活が始まることとなった。3人で暮らし始めたことで、すぐに2人のヒロインによる戦いが勃発するかと思いきや、未だにサチだけは女性としてではなく妹として凪から扱われていた。サチは凪のことを兄としてではなく男として好意を抱いていたため、そのことに不満を持っていた。どうしたら凪に女性として意識してもらえるか考えていたサチだったが、そこに転機が訪れた。ある嵐の夜、家中の電気が消え、どこに誰がいるかもわからなくなってしまったのである。明かりとなるものを探しに来た凪は、ちょうど外から帰ってきたサチと誤ってキスをしてしまう。その事故キスをきっかけに、凪はサチをずっと妹扱いしていたことに気づき、もう妹扱いはせず1人の女性としてサチを見ることを決意し、そのことをはっきりとサチに言うのだった。こうしてようやくエリカ、ひろ、サチ、3ヒロインのバトルが切って落とされたことになる。
同棲解消の危機と勉強合宿編
3人での同居生活が始まってすぐ凪とエリカは学校の試験を受けていた。凪は生活の乱れが影響し、1位だった成績は13位にまで下がってしまっていた。それよりももっと深刻だったのはエリカの試験だった。凪が通う進学校にコネで入ったエリカにとっては試験問題すべてが難解で、当然結果は学年最下位。しかも、その結果を受けて、エリカの義父宗一郎から、もし追試に合格できない場合は同棲解消をして実家に戻ってくるように言われることとなった。わざわざ不相応な学校に入学させた原因を作ったのが凪だったため、凪は渋々エリカの家庭教師を引き受けることに。エリカの頭は凪の予想以上に悪かったが、凪が2徹しながら根気強くエリカの学力を上げていったおかげで、無事追試を突破し、同棲解消の話もなかったことにされたのだった。
2人の運命を左右する試験が無事に終わり、その試験のすぐ後に開かれた夏祭りで今までずっと秘密にしていた凪とエリカの関係を瀬川に話すことになる。凪は最悪絶交されるのではないかとすら思っていたが、瀬川は笑いながら隠していたことを許してくれた。秘密を共有したことで今まで以上に凪と瀬川が近づいてしまったことに脅威を感じたサチは、お兄ちゃんを取られたくない一心で、凪達と同じ学校を受験することを決意する。ただ現在のサチの学力では、県内屈指の進学校である目黒川高校に受かるのは現実的に難しい話であった。そう考えた凪たちはサチのために勉強合宿を催すことにする。凪が途中でサチを心配して帰るというハプニングもあったが、肝試しや天体観測など主役がいない名目だけの勉強合宿を凪たちは存分に楽しんだ。
合宿後、凪はエリカから自分の実の兄の存在を知り、探すことを決める。だが、彼についての情報はまったくなく、頼みの綱だった宗一郎からも何も情報を得られなかった。どれだけ兄を探しても全く手がかりがなかったため、兄探しは一旦終りを迎えたが、別荘旅行をきっかけにまた再開することになる。別荘旅行は、ひろの凪への気持ちを明らかにするという名目で計画を立てられた旅行のことである。天野家の別荘では、兄が遊んだと思われる、更新されて日が浅いセーブデータが見つかった。それを受けて、兄がまだ近くにいるかもしれないと考えた凪たちは、近くを捜索するも結局見つけることはできず、兄探しはまたもや振り出しに戻ってしまった。
兄を見つけることはできずに解散の流れになったが、ひろと凪は御朱印を集めるためにエリカとサチとは別行動を取ることとなる。エリカとサチは車で帰ったため嵐が来る前に無事帰ることができたのだが、ひろと凪は強風の影響で頼みの綱であった電車が止まってしまい帰ることができなくなっていた。さらに雨も降り出したため、雨宿りを兼ねて2人きりでホテルに泊まることとなってしまった。その報告を受けたサチとエリカがすぐに迎えに来たことで2人の間に過ちは起きなかったが、ひろと凪の距離は確実に近づくこととなった。
今までエリカ、サチの2人のヒロインが同居していたがここに来て変化が訪れる。ひろが急遽家出をして凪たちが暮らしている家にやってきたのである。こうして、瀬川が加わった3ヒロインと凪の同居生活が始まったのである。3ヒロインが揃い更に凪との関係が進展するのかと思いきや、凪の初恋相手で今作4人目のヒロイン・望月あいが中国から戻ってきたことで物語はさらに加速することに。
4人目のヒロイン登場編
望月あいは、凪とエリカが許嫁関係であることを知りつつも凪に求婚する。当然凪が承諾するわけもなく、きっぱりと断ったものの、あいは諦めず凪にアプローチするようになる。ここから4ヒロインによる戦いが本格的に勃発することになる。帰ってくるまでにだいぶ他のヒロインたちに遅れを取っていた天才少女あいは、今までの損失を取り戻すべくある行動に出る。瀬川家が主催する夏祭りに今人気の歌手として顔出ししたのである。今まで一切顔出しをしていなかったため、この行動はメディアを含め多くの注目を集めることとなる。そしてその注目を利用して、あいが自らリークした、凪との熱愛報道を世界中に流したのである。世界中から祝福されることとなったあいと凪だったが、凪にとっては重要な問題があった。それがエリカと許嫁問題である。マスコミにこの事実が触れれば、さらに面白おかしく報道されてしまう。それを避けるために、凪とエリカの2人は、強制的にほとぼりが冷めるまで軟禁されることになった。
結局2人はあいの助けを借りて脱走したが、行く宛もなかったためエリカはあいが匿い、凪は瀬川家に泊まることとなる。未だにマスコミは熱を上げて凪を探していたため、ひろの家には数日間宿泊する予定だった。その宿泊期間中、瀬川家の神社が結婚式場としても利用されていることを周知するためのパンフレットをひろと一緒に作ることになった。紆余曲折はありながらも、仮の結婚式を無事行うことができたのだが、結婚式当日、サチが乱入し一時中止となってしまう。乱入してきたサチの気持ちを配慮し、参列者としてきていた他ヒロインも順に結婚式を挙げることとなった。そこでもまたサチだけが誓いのキスの場面で凪にキスをし、恋愛バトルにおいて優位を取るのだった。
こうした波乱がありながらも隔離期間は終わり、ようやく学校に復帰した凪は、M-1と呼ばれる文化祭行事に出ることが決まっていた。M-1は、文化祭のメインステージで凪のようなものが立つような場所ではなかった。だが、ひろからの誘いともあって、最初は消極的だったが出ることを決意する。一方同じく軟禁中だったエリカもM-1に出ることは決定しており、彼女は凪の友達でエリカのことが好きな陽キャ・遊馬シオン(あすま しおん)とペアを組むこととなった。練習段階からずっとエリカが遊馬シオンと一緒にいることを快く思っていなかった凪はひろとのコンビを直前で解消しエリカと文化祭のM-1に望む。だが、凪とエリカの演目では、生徒の爆笑をかっさらうことはできず、会場はすっかり静まり返ってしまった。さらにそこに乱入してきたエリカのストーカー・柴田によって乱闘騒ぎが勃発。エリカを守るため柴田に対抗し、ボコボコに殴ってしまった凪はしばらく謹慎処分となり、結局踏んだり蹴ったりの文化祭になってしまった。さすがに落ち込む凪にエリカはキスを無意識にしてしまい、それがきっかけでようやくエリカは凪を好きだと自覚してしまった。
凪の交際と兄への接触編
だが、そんなエリカをよそにして、謹慎期間後に行われた中間試験でひろを破って1位を取った凪は、ひろと遂に付き合うことになる。凪とひろはそれをきっかけにイチャイチャし始めるが、いつも3人で一緒だったためエリカは疎外感を感じることに。そんなギクシャクした関係になってしまったエリカと凪だったが、エリカの父(凪の実父)関連のパーティーに招かれることになり、そこで堂島理人(どうじま りひと)という青年に出会う。堂島理人は幼少期から思い続けたエリカにこのパーティーで告白しようとしており、凪にもその協力を持ちかけてきた。その場では、理人とエリカの仲を取り持つ事を約束したものの、理人のプロポーズに立ち会うと、ふと頭にエリカの笑顔が浮かび、遂には邪魔をしてしまうのだった。だが瀬川ひろという彼女がいるのに、他人のプロポーズは邪魔をするという意味不明な行動に、理人には殴られエリカにも失望される。意気消沈の凪が部屋に戻ると、なぜかエリカが失踪してしまっていた。連絡は一向に取ることができず、しかも外は大荒れの天気で長時間の捜索もできず結局凪たちはエリカを見つけることができなかった。幸運にも、別働隊として動いていたひろが失踪中のエリカを見つけるものの、外は大荒れの天気ということもあり、助けもすぐには期待できなかった。2人だけの会話ということもあり当然凪の話題一色だったが、本音を語り合っているうちに瞬く間に時間は過ぎ、2人は無事に救助隊に見つけられたのだった。
一方、凪達が沖縄に行っている頃、地元に残り勉強していたサチのもとにエリカがずっと探していた兄(凪の実兄)・天野宗介(あまの そうすけ)がやってくる。宗介は天野家に強い恨みを持っており、「天野家を潰す」と言い残すと去っていった。そのことを聞いた凪は、今まで滞っていた兄・宗介の捜索を再開し、あいの協力の下、宗介の場所を特定。さらに実は宗介と堂島理人がつながっていたことも知ることになるのだった。
『カッコウの許嫁』の登場人物・キャラクター
主要人物
海野 凪(うみの なぎ)
CV:石川界人
本作の主人公。
本来は資産家の息子として生まれる予定だったが、生まれた病院で取り違えられ、貧乏なヤンキーの両親の元で育てられる。幼い頃から勉強が好きで高校に入るまでは1位しか取ったことがなかった。瀬川ひろに告白するために、学年1位を目指している。その弱そうな見た目に反して、喧嘩が強い。最初は、瀬川ひろのことが大好きだったが、次第にエリカやサチ、あいに何度も心を動かされ、誰が好きなのかわからなくなっている。
天野 エリカ(あまの えりか)
CV:鬼頭明里
本作のメインヒロインで凪の許嫁。本来はヤンキー家族の娘として育てられる予定だったが、病院で取り違えられ、裕福な令嬢として育てられる。ネットでは誰もが知るほどのインフルエンサーで、フォロワーも多い。知っている人には明るいが初対面の人には人見知りをする。運動はできる方だが、勉強は全くできない。次第に、凪への恋心が芽生え始める。
瀬川 ひろ(せがわ ひろ)
CV:東山奈央
本作のヒロインの1人で凪の恋人。文武両道の美人で誰からも好かれる学園のマドンナ的存在。神社の跡取り娘のため、凪達と同じく許嫁がいる。テストで凪に負けたことがきっかけで凪を意識し始めた。格闘技に精通しており、趣味でキックボクシングを習っている。
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目次 - Contents
- 『カッコウの許嫁』の概要
- 『カッコウの許嫁』のあらすじ・ストーリー
- 2週間の同棲生活編
- 3ヒロインの戦い編
- 同棲解消の危機と勉強合宿編
- 4人目のヒロイン登場編
- 凪の交際と兄への接触編
- 『カッコウの許嫁』の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- 海野 凪(うみの なぎ)
- 天野 エリカ(あまの えりか)
- 瀬川 ひろ(せがわ ひろ)
- 海野 幸(うみの さち)
- 望月 あい(もちづき あい)
- 海野家
- 海野 洋平 (うみの ようへい)
- 海野 奈美恵 (うみの なみえ)
- 天野家
- 天野 宗一郎(あまの そういちろう)
- 天野 律子(あまの りつこ)
- 天野 宗助(あまの そうすけ)
- 瀬川家
- 瀬川 あさみ(せがわ あさみ)
- ひろの父
- 私立目黒川学園
- 遊馬 シオン(あすま しおん)
- その他
- そばっしー
- 柴田(しばた)
- 堂島 理人(どうじま りひと)
- 『カッコウの許嫁』の用語
- 私立目黒川学園
- 漏電
- M-1
- 『カッコウの許嫁』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 天野エリカ「1位だろうが13位だろうが関係ない!!凪くんの価値なんて変わらないよ!!!」
- 天野エリカ「気がついたら動き出しているような人がいる それって素敵なことだと思うよ…!」
- 海野美奈子「そもそも親がとやかく言う必要ないのよね。2人が幸せならそれがいちばんじゃん…ってサ!!」
- 海野凪「運命とは自ら切り開くものだ!!!!」
- 瀬川ひろ「主役は私…!!!」
- 瀬川ひろ「負け続けたって最後に勝てば勝ちなんだから!」
- 天野宗一郎「人生という長い航路のためには準備も必要だ。勢いだけで冒険することがいかに愚かであるか。石橋を叩いて渡るくらいで丁度いいものさ」
- 『カッコウの許嫁』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- PVでは違う声優が起用
- アニメの話数カウントで「話」の代わりに「羽」が使用
- アニメに先駆けてラジオが放送
- 『カッコウの許嫁』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):吉岡聖恵『凸凹』(第1話 - 第12話)
- OP(オープニング):sumika『Glitter』(第13話 - 第24話)
- ED(エンディング):三月のパンタシア『四角運命』(第1話 - 第12話)
- ED(エンディング):藍井エイル『HELLO HELLO HELLO』(第13話 - 第24話)