明日ちゃんのセーラー服(あけびちゃん)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『明日ちゃんのセーラー服』とは、博によって2016年から集英社のウェブコミックサイト『となりのヤングジャンプ』にて隔月連載している青年漫画である。2022年にはアニメ化もされた。作品の舞台となるのは、田舎の名門女子中学・私立蠟梅学園。憧れのアイドル・福元幹が着ていたセーラー服を見て、自分もこうなりたいと、セーラー服を着ることが夢になった少女・明日小路と、クラスメイトの中学生ライフを描いた青春物語だ。

『明日ちゃんのセーラー服』の概要

『明日ちゃんのセーラー服』とは、博によって2016年から集英社のウェブコミックサイト『となりのヤングジャンプ』にて隔月連載している青年漫画である。2022年にはアニメ化もされ、2022年1月から3月までTOKYO MXほかにて放送された。
『博イラスト集~明日ちゃんまでの足跡~』というイラスト集も発売している。

主人公である明日 小路(あけび こみち)は、憧れのアイドルである福元 幹(ふくもと みき)のセーラー服姿に魅了され、いつか自分もセーラー服を着たいと夢見ていた。そして、母親の明日 ユワ(あけび ゆわ)の母校である蠟梅(ろうばい)学園の中等部に入学が決まり、セーラー服を着ることをとても楽しみにしていた。ユワが仕立てた真新しいセーラー服に袖を通し、ついに入学式を迎える。「友達いっぱいできるかな」と期待に胸を躍らせる小路だが、周りを見渡せばブレザーの生徒ばかり。学園指定の制服は、かつてのセーラー服からブレザーに変わっていた。小路がセーラー服を着られないピンチに陥るところから物語は始まる。

少女達が可愛く綺麗に描かれていることや、人間関係が構築されるまでの描写を、非常にリアルに描かれていることが印象的な作品である。女子中学生のピュアな青春物語であり、小路の明るく人懐っこい性格から、彼女が周囲に与える影響は凄まじいと読者からも高く評価されている。

『明日ちゃんのセーラー服』のあらすじ・ストーリー

あこがれのセーラー服

明日 小路(あけび こみち)は、憧れのアイドルである福元 幹(ふくもと みき)のセーラー服姿に魅了され、いつか自分もセーラー服を着たいと夢見ていた。そして、母親の明日 ユワ(あけび ゆわ)の母校である蠟梅(ろうばい)学園の中等部に入学が決まり、セーラー服を着ることをとても楽しみにしていた。ユワが仕立てた真新しいセーラー服に袖を通し、入学式を迎える。「友達いっぱいできるかな」と期待に胸を躍らせる小路だが、周りを見渡せばブレザーの生徒ばかり。学園指定の制服は、かつてのセーラー服からブレザーに変わっていたのだ。小路とユワは学園長と話し合った結果、セーラー服での登校を許された。家に帰宅した小路は、一人だけセーラー服だと目立ってしまうと不安になる。ブレザーにしようかと迷っている小路に、小路の妹の明日 花緒(あけび かお)は、そんなことでセーラー服を諦めるなんてかっこ悪いと叱った。小路は考え直し、セーラー服を着て目立てばみんなから注目されるチャンスなのではないかと考える。
翌朝、セーラー服を着て学校に登校した小路が教室に入ろうとすると、美少女が足の爪を切り、その後足の匂いを嗅いでいるところを見てしまう。美少女は土下座して「見なかったことにしてください」と頼む。小路も足の匂いが気になり、足の匂いを嗅ぐ。「走ったから汗くさい」と笑って言う小路に「あなた面白いわ」と笑顔になる美少女。そして2人は少しおしゃべりすることに。その美少女は木崎 江利花(きざき えりか)という。小路は江利花にこれからセーラー服で通うことを話すと「度胸がある」と言われる。小路は学校で初めての友達ができたのだった。

新しい学校生活

学園長からブレザーでもセーラー服でもどちらでもいいと言われるが、セーラー服で通うことを決めた小路。そんな小路は学校の初日、自己紹介で長く語りすぎただけでなく、一発芸でスカートが捲れてしまうというドジっぷりを見せてしまう。そんな失敗もありつつも、小学校時代ではクラスメイトがいなかった小路は、クラスメイトの顔や名前をしっかり覚えるため、みんなの自己紹介をメモして満足げであった。
小路の小学生時代は自分以外に同学年の生徒がおらず、年の近い友達がいなかったため、ずっと先生と昼ごはんを食べていた。給食の時間になり、同じ班の江利花、兎原 透子(うさぎはら とうこ)、古城 智乃(こじょう ともの)と机を囲んで給食を食べる。クラスメイトと一緒に食べる給食が嬉しくてたまらない小路だった。
帰宅後、家に小路の父親である明日 サト(あけび さと)がおり、小路は学校の事を話す。単身赴任のサトが明日6時前に出ると言うと、小路はセーラー服をそれまでに見せると約束し、また明日と笑ったのだった。

体育の授業で短距離走をすることになるが、裸足で走る小路にクラスのみんなは驚く。タイムが一番早かった小路のことを知った上級生達は、すごい勢いで小路を陸上部に誘う。いきなり言い寄られ困っているところへ、クラスメイトの谷川 景(たにがわ けい)が「授業が始まるのでまたの機会にしてもらえませんか」と上級生達に言い、谷川に助けられた小路は無事授業に間に合った。後に、お礼を言いに小路は谷川に話かけ、話しているうちに連絡交換をすることになる。帰宅後、谷川は「足が綺麗だ」と小路に褒められた谷川は、帰宅後スマホで足を撮る。だが恥ずかしい写真が撮れてしまい、慌てているとそれを間違えて小路に送ってしまった。それを見た小路は「撮るの上手」と返事をする。それを見てくすぐったい気持ちになる谷川だった。

部活がなかなか決まらない小路は、文芸部に所属している古城と一緒に部活の見学をすることになる。しかし結局決まらず、帰宅しようとしたが突然土砂降りの雨が降ってくる。2人は屋根のあるベンチに雨宿りをし、小路は古城の上着のポケットから朗読会用の本を見つける。古城は朗読会が苦手なようだが、小路はいつも妹に本を読んであげているため苦手意識はなかった。古城に読んでほしいと言われ、丁寧に演技も入れて話す小路に、古城は笑ったりしながら聞いていたが、最後には落ち着いて寝てしまった。次の日、クラス内は部活の話題で持ちきりで、小路は谷川が写真部に入ったことを知る。そして小路は古城に進められた演劇部に決めたとみんなに話した。

クラスのみんなと距離を縮めていく小路

体育祭の出場種目を決める学級会が開かれ、水泳のアンカーに抜擢されたのは水泳部に所属している水上 りり(みずかみ りり)だった。だが、小路も水泳が得意なことを知っていた江利花は小路のことを推薦し、小路も候補に選ばれ、アンカーを決める勝負をすることになる。水上は水泳部で全国大会に行った事があるという強者。水上に対し闘争心を見せない小路の様子を見て「うちがアンカー対決で勝ったら、小路のセーラー服とうちのブレザーを交換して」と水上が持ち掛ける。
そして翌日の放課後、水泳部のプールで小路と水上は100メートル一本勝負を行う。クラスの皆が見守る中、2人はプールに飛び込む。勝負の結果は少しの差で水上が勝ち、制服交換をしなくてはならないと思わず泣きそうになる小路。セーラー服の交換という話だったが、それは水上が小路と本気で戦いたかったためについた嘘であることが判明する。結果、水上は小路を本気にさせることができ、白熱した勝負が出来たことに上機嫌になった。
体育祭で小路のクラスはバレーボールの団体戦に出ることになり、小路の母校で合宿をすることになる。
校舎に着き、クラスメイトとバレーの練習をする小路の姿を見た元担任の小森 まこ(こもり まこ)は、小路にこんなにたくさんの友達ができたのかと嬉しそうにしていた。

後夜祭

後夜祭で小路は演劇部の代表として、みんなの前で一人で踊ることとなっていた。江利花はその伴奏を務めることとなり、猛練習していた。
体育祭は無事に終わり、後片付けをする生徒達。誰もいない静かな教室で体操着からセーラー服へ着替えた小路には、後夜祭でのダンス披露という大きなイベントが残っていた。一人で踊ることに小路はとても緊張していた。
透子に背中を押され、緊張の面持ちで一人ステージに立つ小路。すると、小路とは別にもう一つスポットライトが照らされる。振り返ると、そこには江利花の姿があった。江利花が伴奏を弾くことは小路には内緒で進めていたことだった。小路は驚き、嬉しさが込み上げてくる。江利花がピアノを弾き始めると、小路は踊り出した。ダンスも伴奏もうまくいき、二人は手を繋いでお辞儀をし、幕を閉じた。

『明日ちゃんのセーラー服』の登場人物・キャラクター

蠟梅学園中等部1年3組

明日 小路(あけび こみち)

CV:村上まなつ

本作の主人公。蠟梅学園に通う中学1年生。演劇部に所属している。明るく真っ直ぐな性格である。
自分以外に生徒がいないという小学生時代を過ごしたことから、大勢のクラスメイトと一緒に学校生活を送れることをとても嬉しく感じており、クラスメイトとは積極的にコミュニケーションを取っている。
運動神経、柔軟性が優れている。
自然が豊かな環境で生活してきたことが要因で虫や両生類、爬虫類などの生物に触れることに抵抗がない。

兎原 透子(うさぎはら とうこ)

CV:鬼頭明里

小路のクラスメイトであり、ソフトボール部に所属している。コミュニケーション能力が高く、陽気な性格。噂話が好きで、クラスメイトの噂を色々と知っている。
人をからかうようなことをよく言いがちだが、思いやりがあり繊細なところも持ち合わせている。
蠟梅学園の学生寮「満月寮」から通学しており、クラスメイトの神黙根子(かみもく ねこ)と同じ部屋で生活している。
お菓子作りが趣味であり、よくお菓子を作って周囲の人に配っている。

大熊 実(おおくま みのる)

CV:小原好美

小路のクラスメイトであり、生物部に所属している。ショートヘアで癖っ毛な髪が特徴。
満月寮で生活しており、峠口と同質である。
合理的な物や現象が好き。とくに生き物に目がない。

神黙 根子(かみもく ねこ)

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