カルメン・サンディエゴ(Netflix版アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『カルメン・サンディエゴ』とは、正義の怪盗カルメンが活躍する、Netflixで配信されているアニメシリーズである。主人公のカルメン・サンディエゴは幼い頃からV.I.L.E.(バイル)アカデミーと呼ばれる泥棒の養成所で生活していた。育ちの島を出てからはV.I.L.E.の悪事を暴くこと、そしてV.I.L.E.の壊滅を目的に泥棒として活動する。また、カルメンのサポートを行うプレイヤーやアイビーなどの仲間達も登場する。シーズン4に渡り、世界中をまわるため、世界地理をテーマにしている番組でもある。

『カルメン・サンディエゴ』の概要

『カルメン・サンディエゴ』とは、2019年1月18日からNetflixで配信されているアニメーション作品である。DHXメディアがアニメーション制作を担当する。主人公のカルメン・サンディエゴと名のる泥棒が自分の育ったV.I.L.Eと呼ばれる泥棒養成所の悪事に気づき、組織の壊滅のために彼らの情報を世界中をめぐって調査している。物語を通してプレイヤーと呼ばれるホワイトハッカーの少年やカルメンのサポートをするアイビーやザックなど様々な仲間に出会い、共に行動するようになる。

主人公カルメンの声を担当するのはアメリカの女優ジーナ・ロドリゲスである。2016年公開の『バーニング・オーシャン』や2018年公開の『アナイアレイション -全滅領域-』などの映画に出演している。相棒のプレイヤーを担当するのは映画『IT/イット』シリーズやNetflixオリジナル作品『ストレンジャー・シングス 未知の世界』に出演するフィン・ウルフハードだ。

Netfliex版では、1985年に発売の原作ゲーム『Where in the World Is Carmen Sandiego?』やフォックス放送による前作アニメ『Where in the World Is Carmen Sandiego?』とは異なる点が多い。まず、キャラクターに関する点は、Netflex版ではカルメンが主人公であるのに対し、原作ゲームや前作アニメの主人公はプレイヤーであるところである。ストーリーに関する点では、カルメンとは敵対していたプレイヤーやアイビー、ザックが仲Netflex版では仲間になっている。全体的にストーリーやキャラクターの立ち位置はゲームや前作アニメとは異なる。

『カルメン・サンディエゴ』のあらすじ・ストーリー

カルメンの過去

赤ん坊の頃にブエノスアイレス郊外で拾われた孤児のカルメンは、泥棒の養成学校のある孤島に連れていかれ、泥棒としての技術を付けるためにV.I.L.E.(バイル)アカデミーに通うことになる。カルメンは本名が分からないため「ブラックシープ」というコードネームで呼ばれていた。泥棒としての才能が高く、期待されていたカルメンだったが卒業試験に失敗する。その後、他の卒業生に紛れて島を飛び出し、V.I.L.E.が悪事を働く組織であることを初めて知る。そのまま孤島に戻ることなく、以降はカルメン・サンディエゴと名のる泥棒としてV.I.L.E.の悪事を暴き、壊滅させることを目的に活動を始める。

世界中を巡る泥棒

泥棒として世界中を巡っているカルメンは仲間のアイビー(カルメンのサポート役)とザック(アイビーの弟)と共に、プレイヤー(ホワイトハッカーと名のる少年)が提案した目的地・インドネシアに向かっていた。V.I.L.E.が狙う胞子を盗む作戦を行うことになる。その途中でカルメンの元同期生のタイグレイスと闘う。V.I.L.E.が企む作戦を見事回避させる。

南アメリカで難破船を探すカルメンはそこで元同期生のエル・トポに出会う。船で見つけた金貨を巡って争う2人だったが、金貨が魚に食べられてしまう。同時期にA.C.M.E.と呼ばれる、V.I.L.E.の活動を追う秘密組織のチェイスがカルメンを追う。同期生の1人であるル・シェブと闘い、金貨を取り戻したカルメンは次なる目的地へ向かった。

その後、オランダで有名画家の描いた絵画が盗まれる事件が起きた。カルメンはその中の1枚を手に入れる。絵画を巡って取引を行うカルメン達は美術館の絵画を盗んだ犯人である、取引相手のV.I.L.E.の一員・クリオ伯爵夫人に出会い、絵と引き換えに金を得る。金庫に仕舞われた絵画を全て盗んだカルメン一行は絵画を全て元あった美術館に戻し、手に入った報酬を貧しい子供達の生活に寄付した。

シドニーにやってきたカルメンはグラム博士に記憶を消されたクラックルが現れる。彼はグラハムと本名を名乗り、カルメンにお茶をしようと誘った。任務を終えたカルメンは約束の場に向かおうとするが、記憶をなくして今の生活を平和に送っているグラハムを危険に晒させないために彼との約束を破り、シドニーを後にする。

V.I.L.E.が次なる目的の宝・マグナカルタを狙っている。インドの博物館に展示されることになり、それを狙うV.I.L.E.は新たなる泥棒・ペーパースターを送り込むことにする。カルメン達はその情報を手に入れ、インドに滞在していた。情報通りに博物館に潜入してきたペーパースターと戦闘するカルメン。無事、ペーパースターからマグナカルタを取り戻し、A.C.M.E.の一員のジュリアに届けることに成功する。

サンフランシスコでオークションに参加したカルメンは、オークションの品が盗まれたため、取り戻すために侵入者の後を追う。マイムボブ(カルメンの同期生の1人)がオークションの品を持っているため後をつけるカルメン。オークションの品がタイグレイスに渡るが、カルメンの活躍によりオークションの品は無事に元に戻った。

カルメンに関係がある人物としてチェイスがV.I.L.E.に捕まる。カルメンはプレイヤーからその情報を聞き、チェイスの元へ向かう。V.I.L.E.の幹部であるブラントコーチとシャドーがカルメンを見つけ、攻撃してきたがシャドーがカルメンを助ける。実はシャドーがカルメンを拾った本人であり、カルメンが悪の道に進むことを良く思っていない人物だった。

新たな仲間と共に

カルメン達はV.I.L.E.の動きを追い、チェコにやってきていた。取引相手に接触したが、仕事に集中できずに失敗してしまう。シャドーから自分の生まれや故郷のことを詳しく聞くことができずにモヤモヤしていた。取引されていたのはアレキサンドライトだった。リオデジャネイロでアレキサンドライトの採掘場所を探すカルメン達。V.I.L.E.の部下達も同じくリオにやってきていた。採掘所でV.I.L.E.と闘うが、カルメンは捕まってしまう。そこにシャドーが現れる。シャドーはカルメンを助けに戻ってきた。2人は採掘所から脱走し、採掘されたアレキサンドライトの行方を追う。V.I.L.E.はリオのカーニバルの途中で宝石を運ぶという情報を入手し、カルメン達は時を待つ。V.I.L.E.の連中が宝石を運ぶ途中でカルメン達が阻止した。宝石は街の人々の元に返された。カルメンはシャドーに手を組むことを提案し、それをシャドーは承諾する。

グラハムとの再会

再びオーストラリアを訪れることになったカルメン達。カルメンは記憶を失ったグラハムと再び出会うことになる。グラハムは養成所での記憶を消されているため、カルメンはもう会わない方が彼のためだと考えていた。しかし、再会したことで彼と関わりを持つ。お茶に付き合った代わりにカルメン達の任務に必要な演目を手伝ってもらうことになる。演目の裏では、カルメンが高度なセキュリティを抜けてV.I.L.E.の企みを阻止するために動いていた。グラハムはV.I.L.Eの人間と接触しても記憶は戻らなかった。カルメンはグラム博士の発明品を破壊し、V.I.L.Eの企みを阻止することに成功する。

V.I.L.Eが新たな行動に出始める。V.I.L.Eの本拠地を捨て、新たな場所へ移動したのだった。カルメンとシャドーに復讐すると宣言し、V.I.L.Eのメンバーはその場を後にした。V.I.L.Eにあったデータを確保したカルメンはそこでシャドーが過去に暗殺の任務でアルゼンチンへ向かっていたことを知る。“ウルフ”と呼ばれる人物が元V.I.L.Eの構成員だったことが明らかになり、その人物がカルメンの父親だった。シャドーの恩師だったが、ウルフがV.I.L.Eを抜けようとしていることがメンバーにばれてしまう。シャドーが任務にあてられ、ウルフを暗殺することになる。彼の家に侵入し、ウルフが娘のためにV.I.L.Eをやめようとしていたことを知ったシャドー。そこに捜査官が現れる。娘を部屋に隠したウルフは家を飛び出し、捜査官に殺される。ウルフを殺した捜査官はチーフだった。この真実を聞いて、カルメンはチーフに接触する。ここで、チーフの話からA.C.M.E.のネットワークに侵入することに成功する。A.C.M.E.の記録からカルメンの母親がまだ生きていることが判明する。カルメンは母親を探すことを決め、シャドーも協力することになる。

母親探しの旅へ

V.I.L.Eが拠点をスコットランドに移した。一方、カルメンは母親の情報を探して父親の遺品を探っていた。V.I.L.Eの一員がカルメンを狙ってやってくるが、カルメンとシャドーが返り討ちにする。父の遺品から場所を突き止め、メキシコに向かった。近所の人によると、母親がメキシコに住んでいたのは1年だけだったとされている。現地の人にカルメンが「カルロッタ」と名のる女性にそっくりだと言われる。しかし、母親に会うことは叶わず次なる目的地に向かうことにする。

美術館で作品が盗まれているという情報を手に入れたカルメン達は、“死者の日”にメキシコシティに移動する。美術館の盗難はV.I.L.Eの仕業だと分かる。しかし、V.I.L.Eにつながる人物にカルメンが捕まってしまう。仲間の助けもあり、カルメンはV.I.L.Eのもとから逃げることに成功する。

カルメンがV.I.L.Eを追う一方で、A.C.M.E.はカルメンを捕まえるべく後を追っていた。そしてV.I.L.Eにつながる敵トロールが現れる。彼によってカルメンは罠にはめられ逮捕されてしまう。そのまま、V.I.L.Eの本部に送られることになるが、ここまで全てカルメンの策だった。プレイヤーがトロールを出し抜き、シャドーが時間稼ぎをしたことでV.I.L.Eの一員が警察に捕まる。

クラックル復帰とプレイヤーとの対面

A.C.M.E.がグラハムの存在に注目し出した。カルメンのことを知っている人物として目をつけられたグラハムはチーフに捕まり、事情聴取を受ける。しかし、記憶がないためチェイスの取り調べには全く覚えがなかった。記憶がないことに気づいたチーフは記憶を取り戻させる手段に出る。記憶が戻ったグラハムはA.C.M.E.のエージェントを倒し、その場を去った。V.I.L.Eに連絡し、自分の過去を思い出す。その頃、プレイヤーは親の指導で学校に通うことになり、カルメンに「これまでのように手を貸すことができなくなる」と話す。カルメンはアイビーと共に、ドイツにV.I.L.Eの悪事を止めに向かう。

グラハムが逮捕されたという情報をきき、刑務所に駆け付けたカルメンは掃除屋と戦う。さらに、グラム博士が発明したロボットがグラハムを連れていってしまう。V.I.L.Eの本拠地に連れていかれたグラハムは思い出した記憶の中のカルメンについて考えていた。V.I.L.E側はグラハムをクラックルとして復帰させようとする。カルメンはV.I.L.Eのアジトに到着し、グラハムを探す。プレイヤーがカルメンのサポートを行い、アジトに侵入したカルメンはV.I.L.Eの中を探る。カルメンはグラハムを見つけ、共にV.I.L.Eから脱出しようと話す。しかしグラハムはそれを断り、「君を傷つけたことを後悔している。もうV.I.L.Eに関わらないでくれ」と忠告する。しかし、カルメンは「これからもV.I.L.Eの悪事を暴き続ける」とグラハムに告げ、アジトから脱出する。その後、カルメンはプレイヤーに会いに行く。彼はこれからもカルメンの相棒だと彼女に伝えた。

次なる任務でルーン文字の解読が必要となり、カルメンはジュリアの力を借りに向かった。ジュリアはA.C.M.E.を辞めて、歴史学の教師として働いていた。カルメンはルーン文字の解読をきき、ノルウェーに向かう。解読した暗号で洞窟の入り口の扉を開けたが、V.I.L.Eのメンバーも洞窟にやってきた。ブラントコーチとシャドーが戦う。足元の氷が崩れ、シャドーは衝撃で空いた穴に落ちて行った。カルメンによって救出され、次のプレート(V.I.L.Eの秘宝の在りかを指すもの)を探しに行くことにする。しかしジュリアがV.I.L.Eに誘拐されてしまい、カルメンは彼女を助けに向かう。たまたまジュリアのもとを訪れたチェイスがジュリア救出に協力する。エジプトのピラミッドの中に隠されたV.I.L.Eの宝を発見したカルメン一行とクリオ伯爵夫人一味。しかし、ジュリアの命が危険にさらされたため、チェイスがチーフに連絡した。捜査官が到着すると連絡が入り、カルメンもクリオ伯爵夫人もその場を離れることになる。その後、チーフと待ち合わせをしたカルメンは「母親の行方を探してくれるならV.I.L.Eについて知っていることを全て教える」と話し、その場を去った。

プレイヤーと通信しながら街で休憩していたカルメンは掃除屋に見つかりV.I.L.Eに連れ戻されてしまった。ベラム博士の発明品によってカルメンはV.I.L.Eの人間として記憶を操作されてしまった。過去を塗り替えられてしまい、悪の組織の一員としてクラックル達と盗みを行いに美術館に潜入する。シャドーはカルメンの行方を追って美術館にやってきたが、A.C.M.E.によって捕らえられてしまう。

カルメン・サンディエゴ最後の戦い

カルメンはV.I.L.Eに利用されてしまっていた。シャドーはカルメンの母親の情報を手に入れ、彼女が設立した孤児院に潜入した。その頃、クラックルがチーフに接触を試みていた。カルメンの状況を説明し、彼女を捕まえて元に戻すように頼む。事情を聞いたチーフは、クラックルと作戦を練る。カルメンをおびき寄せる作戦を決行し、クラックルも協力した。チェイスとジュリアが気を引いているうちにクラックルがA.C.M.E.の装置をカルメンに装着する。記憶が曖昧になったカルメンはクラックルに裏切られたと勘違いし、彼に攻撃を与えてしまう。シャドーが駆け付け、戦闘の末にカルメンの母親の部屋に会ったマトリョーシカを彼女に見せる。すると、今までの記憶を全て思い出し、カルメンはもとのカルメンに戻った。V.I.L.Eの本拠地をチーフに教え、V.I.L.Eの幹部とメンバーはA.C.M.E.によって逮捕された。クラックル改めグラハムは失神程度で済み、病院に入院していた。シャドーはカルメンに「もう好きに生きてよい」と話し、母親の情報とカルメンの過去についての資料を渡した。カルメンは母親の元を訪れる。

『カルメン・サンディエゴ』の登場人物・キャラクター

カルメンと仲間達

カルメン・サンディエゴ(Carmen Sandiego)

CV:ジーナ・ロドリゲス/瀬戸麻沙美

主人公。プロの泥棒だが、V.I.L.E.を壊滅させることを目的に活動している。赤い帽子とコートがトレードマークの女性。ブエノスアイレス郊外で生まれてすぐに孤児になったため、親のことは覚えていない。シャドーに拾われて泥棒の養成学校で育てられる。孤児であったため、名前は不明。そのため、「ブラックシープ」というコードネームで呼ばれていた。泥棒としての才能はトップレベル。

プレイヤー(Player)

tultihertu9
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@tultihertu9

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