お文具といっしょ(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『お文具といっしょ』とは作者「お文具 @imoko_iimo」がTwitterに投稿した4コマ漫画から誕生した作品である。白くて丸いお文具さんが仲間たちとともに癒しのある毎日を過ごすという内容で、2020年1月15日にYouTubeに投稿したことで人気に火がついた。旅行、ルーティン紹介、激辛カップ焼きそばに挑戦、作業系動画など幅広い内容の動画が毎週水、金、日曜日の20時ごろに投稿される。講談社からは単行本も出版されていて、これはTwitter上の作品に書き下ろしを加えて収録したものである。

【眠れない人のための動画】お文具と一緒に眠りませんか

眠くなるまで本を読むお文具さん。

「この動画を開いているということは、みなさん眠れないですか? わいもちょっと、眠れないんですよね」というお文具さんのセリフから動画が始まる。

眠れないお文具さんが眠くなるまで本を読む動画である。

お腹を痛めたお文具さんはプリンさんに「安静にするように」と言われてその通りにしていたが、安静にしすぎて逆に眠れなくなったとのこと。「プリンのツートンから学ぶ思想」という本を片手に布団にくるまり、眠くなるまで読書をする。時々ぐるぐると回転したり枕に突っ伏しながら読書する動画が1時間続く。

『お文具といっしょ』の登場人物・キャラクター

主要キャラクター

お文具さん

自室でくつろぐお文具さん。温かい飲みもので身体を温める。

『お文具といっしょ』の主人公。文具の姿ではなく、白くて小さいお餅のような見た目をしている。一人称は「わい」。お文具自身も「お文具自身が何者かは分からんのです。しかし平和に生活するものと思っていただければ」と回答している(『お文具の質問コーナー』 より)。プリンが大好物で3個入りパックのものを好む。また基本的にはのんびりしていることが多いが、口笛でパッヘルベルのカノンのオーケストラバージョンを奏でることができたりと、作中の中でも規格外な存在である(『プリンさんのボイスパーカッション、そして...』 より)。書籍版ではお文具は複数いるが、TwitterやYouTubeでは1人だけ登場する。

お文具さんは何にでも寛容で、存在するものすべてを友達にできる。しかしハロウィンに対してだけは手厳しく、「もうハロウィン(の時期)じゃないですか」と言ったプリンさんに対して「お菓子がもらえないだけで相手に意地悪しても良い権利を得られる一方的なイベントですね」と返した。

湯船に「無事るし良品」のアヒルを浮かべるのが好き。
ルームツアーでは「捨てるモノを考えると、あまりものを買わなくなった」と発言しており、ミニマリストであることが伺える。物を減らしたことで自身の本当にしたいことややりたいことに集中できたと発言しており、落ち着いた慎ましい暮らしを送っている。

プリンさん

観葉植物に水をやるプリンさん。

お文具さんの古くからの友人。姿かたちはプリンそのものだが、実は卵アレルギーのためプリンを食べられず、お酒に弱い。低血圧であるため、朝にも弱い。見た目に反して好物はゼリーで、3個入りパックがお得だと知りつつもいつも1個入りの具沢山ゼリーを食べてしまう。ボイスパーカッションができるが、お文具さんに口笛でオーケストラ演奏のカノンを奏でられてしまい驚愕したことがある。一人称は「僕」で、常識的な性格の持ち主である。天然でマイペースなお文具さんに対してツッコミをいれることが多く、主にツッコミ担当である。しかし、最終的にはお文具さんの突飛なアイディアに「いいよぅ」と応答することが多く、お文具さんのよき理解者である。ちなみにこの「いいよぅ」というセリフは最初はプリンさんが多く使用していたが、後に他のキャラクターも真似をして使用するようになった。

観葉植物のモンステラとパキポディウムを大切に育てている。

大豆製品などのタンパク質を中心にした和食を朝食にしたり、食後に食器はすぐに洗うなど几帳面な性格をしている。

『プリンさんのモーニングルーティン』ではオイリー肌なので「無事るし良品」のさっぱりタイプの化粧水と乳液を使用していることが明かされた。

また、寝室にはディヒューザーを設置し、ベッドの下の宝物箱にはお文具さんからもらったバッククロージャー(食パンの留め具)が大事に保管されている。

名も無き者(なもさん)

落ち込む名も無き者さん。何のために仕事をするのかと自問自答する。

紺色の丸い形のキャラクター。プリンさんに次ぐツッコミ担当。特定の名前は無く、本人曰く「いろいろな名前で呼んでもらいたい」とのこと。一人称は「僕」で、周囲からは「なもさん」と呼ばれている。他のキャラクターに比べてネガティブな言動が多く、社会の喧騒に疲れて人知れずストレスを溜めている。疲れた日に家に帰ると今日1日の辛かったことばかりを思い出してしまう性分で、「どうして楽しかったことをこんな時に限って思い出せないのでしょう」とつぶやくほど繊細な心の持ち主である。猫さんに「あなたの心はガラスのように脆い」と言われ、なでなでされたことがある。

名も無き者さんは気分が沈みやすく、いつも朗らかなお文具さんや情緒が安定しているプリンさん、その他のキャラクター達に比べると不安や焦燥を抱えやすい性格である。嫌なことがあった時でも「それはささいなことかもしれない」と感じながら、いつまでもそのことについて考え続けてしまう。しかし、名も無き者さんが暗い堂々巡りに捉われそうになった時、いつもお文具さんや仲間たちが現れて名も無き者さんの心を救うのである。

猫さん

猫さんの生活には読書が欠かせない。子猫さんを膝にのせて、夜のリラックスタイムを過ごす。

運動や食事に関して意識が高い猫。出身大学はプリン大学お理工学部で、高学歴である。猫だが二足歩行をし、明朝体の美しい字を書く。顔に水がつくのが嫌でお風呂が苦手。読書家の一面もある。また、怪談話をするように頼まれた猫さんは「仮装通貨の予期せぬ暴落」を「怖い話」として紹介するほどの現実主義者である。

保護した子猫に餌をやるため、毎朝5時に起きている。お文具さんやプリンさんとは異なり、早寝早起き派である。遠い昔に歯科衛生士の資格を取得していて、現在は趣味の範囲で喫茶店を経営している。この喫茶店にはお文具さんたちが集い、みんなの穏やかな朝がここから始まる。

猫さんの喫茶店は、若草県深緑市蕗野町3-2-1にある。「お文具のアニメを見たよ」と伝えた人には小さなカップケーキがプレゼントされるという特典がある。電話番号は0141-51-10-222で、「美味しいコーヒーとにゃんにゃんにゃん」のゴロで覚えられる。朝7時から開店していて、モーニングはトーストかサンドイッチから選択できる。
お文具さん、名も無き者さん、ゼリーさんが猫さんの喫茶店を手伝うことがある。喫茶店にプリンさんが来訪した際には制服を着たお文具さんが「ジャスタウェーイ」と挨拶し、プリンさんに「猫さんにもう一度挨拶を教えてもらいなよ」とツッコミを入れられた。

ゼリーさん

猫さんからもらったふかふかの靴下。大事にしたいので、就寝には使わないことにした。

オレンジ色の丸い形をしたキャラクター。一人称は「ゼリー」で、他のキャラクターが日本語で会話するのに対してゼリーさんだけが高周波の「ゼリー語」を話す。YouTube動画では日本語字幕にすることでゼリー語の日本語訳が見られ、何を話しているのか理解することができる(意外と常識的な倫理や確固とした思想をもっていることが判明した)。

『ゼリーさんに日本語を喋らせてみた』では、ゼリーさんが「ロウニャクナンニョ(老若男女)」の発音をお文具さんたちと練習し、最後に感想を聞かれた際は「メッチャムズカシカッタワ(めっちゃ難しかったわ)」と答えていた。
『ゼリーさんの大切なもの』では大切なものとしてプリンさんにもらったバッククロージャ―(食パン袋の留め具)を挙げていて、これを半分に折って犬の形にするのが好き。また、クリスマス会に猫さんにもらった靴下を「やわらか布団」としながらも、寝るときはこの靴下は使わず苔の上で星を見ながら寝ているとのこと。これはゼリーさん曰く「使うと物の命が減る気がする」からであり、繊細な感性の持ち主であることが伺える。

ナイトルーティンではお風呂上りにタオル巻いて「セクシー」な姿を披露したり、ドライヤーの風圧にのって上に浮いたりなど、お茶目な一面もある。

子猫さん

お気に入りの寝床でへそ天をする子猫さん。

猫さんに飼われている子猫。まだ話すことはできないが、ゼリーさんとは意思疎通がとれる。猫さんのお膝と尻尾が好き。猫さんが喫茶店に仕事に行くときには付いていくが、短い買い物の時は家で待つことが多い。ぷちゅーる(ペースト状の猫用おやつ)が好き。また、なぜか体内からエンジン音が聞こえる。

趣味は音楽制作で、リズムに乗るのが得意。しかしこれは猫さんにはまだ秘密である。ゼリーさんと同様に、日本語字幕をオンにすると何を話しているのか明らかになることが多い。

サブキャラクター

Utagekuma3
Utagekuma3
@Utagekuma3

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