サーバント×サービス（サバ・鯖）とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『サーバント×サービス』の概要

『サーバント×サービス』とは、2007年～2014年まで漫画家・高津カリノが『増刊ヤングガンガン』『増刊ヤングガンガンビッグ』『月刊ビッグガンガン』にて全75話まで連載されていた4コマ漫画、およびその漫画を原作としたアニメ作品である。
とある架空の区役所を舞台に、主人公である山神ルーシー（略）が自分のコンプレックスである名前を受理した公務員に復讐するべく自ら公務員となる。そんな強い志を持った山神ルーシー（略）が働く区役所には個性的すぎる公務員たちが働いている。才能があるにも関わらず不真面目すぎる長谷部豊、聞き上手すぎていつも市民の愚痴を聞いている三好紗耶、趣味のコスプレを満喫するべくわざわざ臨時職員として働いてる千早恵、真面目で地味なお人よし過ぎる一宮大志、恥ずかしがり屋過ぎるためウサギのぬいぐるみで勤務している桃井兼蔵など、山神ルーシー（略）を中心にそんな濃いキャラを持つ公務員たちの日常風景をコミカルに描いたお仕事コメディ作品である。
また、恋愛要素も多く、職員同士の複雑な恋愛模様が丁寧に描かれているため、ラブコメディ作品でもある。

『サーバント×サービス』のあらすじ・ストーリー

山神ルーシー（略）と長谷部豊の出会い

とある架空の区役所、みつば区役所の保健福祉課へ新人の山神（やまがみ）ルーシー（略）、三好紗耶（みよしさや）、長谷部豊（はせべゆたか）が配属される。そして、主人公の山神ルーシー（略）は自分のコンプレックスの原因である名前を何も言わずに受理してしまった公務員に文句を言うことを目標に仕事に励んでいる。少しドジな部分がある山神ルーシー（略）のことを長谷部豊がからかっていると、次第に彼女のことが気になるようになってしまう。
山神ルーシー（略）は趣味が読書で、好きな本のためなら食費を削って購入してしまう傾向がある。その事を知ってしまった長谷部豊は心配してたびたび食事に誘うようになる。そして、長谷部豊の長所であり欠点でもある、何でもできるのに本気を出さないところを山神ルーシー（略）に受け入れて肯定してくれたことがきっかけで、長谷部豊の中で山神ルーシー（略）が徐々に可愛い存在へと変わっていき、だんだん本気で惚れ込んでしまう。
そんな時、自分の名前を適当に受理したことで長くて変な名前になってしまったと山神ルーシー（略）が恨んでいる公務員が自分の父親だと判明してしまう。
幼馴染である田中譲二（たなかじょうじ）からの応援もあり、山神ルーシー（略）と無事に交際を始めることになった長谷部豊だが、彼女が恨んでいる公務員が自分の父親だと明かすことができていなかった。
ある日、山神ルーシー（略）は上司の百井兼蔵（ももいけんぞう）と長谷部豊の父親が話している会話を聞いてしまい、自分のコンプレックスである名前の真相を知る。その内容とは、長谷部豊が子供の頃に熱を出して入院してしまい、長谷部豊の父親はそのことが心配で仕事に身が入らず、普段なら名前を確認するのに、その時は確認せずに受理してしまったというものだった。これを機に自分のコンプレックスである名前や長谷部豊のことなど、気持ちを整理した山神ルーシー（略）は、自分の想いを長谷部豊に改めて伝える。そして、山田ルーシー（略）はずっとコンプレックスであった名前を改名することに決める。

三好紗耶と田中譲二の出会い

同じく新人の三好紗耶は聞き上手なあまり、様々なお客様から人気があり、特にお年寄りから好かれており、長時間に渡って世間話に付き合っている。常連になっているおばあさんの田中さんから、孫のことや嫁の愚痴をなど聞いていると数時間相手してしまうこともたびたびある。また、田中さんからは孫の譲二と結婚しないかと強く誘われるが、やんわりと断る日々が続く。その後、孫である田中譲二が区役所を訪れた際に、長谷部豊と幼馴染だったことが判明し、長谷部豊のストーカーと化している田中譲二は自分の職場が区役所からほど近い銀行支店ということもあり、頻繁にみつば区役所の保健福祉課を訪れるようになる。
田中譲二の思い込みが激しく、突っ走ってしまうところがあり、長谷部豊に執着しているところを見ていられなくなった三好紗耶は思わず、普段は控えているキツイ言葉で注意して、田中譲二に長谷部豊へのストーカー行為を後悔させてしまう。そして、後悔について話し合うべく、二人っきりでレストランで食事をする約束をしてしまう。
それからというもの、田中譲二は年上の三好紗耶のことを尊敬し、彼女の言うことはよく聞くようになる。
田中譲二との食事に緊張していた三好紗耶だったが、長谷部豊以外の話題になると話のチョイスがつまらない田中譲二の姿を見て、怖い人ではなく、ただの年下でクソ真面目で話のつまらない男の人だとわかり、食事を楽しむことができた。
そして、この食事をきっかけに三好紗耶は田中譲二とたびたび食事をする関係になる。
親しくなってからは三好紗耶も遠慮せずに田中譲二に対して毒舌を吐いている。

一宮大志と千早恵の関係

山神ルーシー（略）たちの教育係であり、先輩でもある一宮大志（いちみやたいし）は、臨時職員の千早恵（ちはやめぐみ）と以前から交際していた。しかし、一宮大志の家は母子家庭で、高校2年生の妹、一宮塔子（いちみやとうこ）の存在もあったため、交際については秘密にしていた。
母子家庭ということで、妹に不自由を感じさせまいと、一宮大志は人一倍妹の一宮塔子のことを気にかけている。
そのような事情もあって、一宮大志は恋人は出来ても妹を優先してしまうせいで長続きはしたことがなかった。
また、千早恵と付き合い始めてからも一宮大志は妹のことを気にするあまり、よく恋人の千早恵のことよりも妹の世話を優先していた。その様子が見るに堪えず、三好紗耶が「付き合ってるなら、ちゃんとしろクズ」と辛辣な一言を言ってしまう。その言葉によって反省した一宮大志は恋人の千早恵の存在を妹の一宮塔子に明かすことを決意する。
もともと一宮大志は隠し事が苦手だったため、周囲には千早恵と付き合っていることはバレバレだったが、鈍いところがある一宮塔子には全くバレていなかった。
一宮大志は決意したものの、優柔不断で優しすぎる性格のせいでなかなか言い出すことができず、やっとの思いで千早恵との関係を告白する。
その告白によって関係に気付いた妹の一宮塔子は最初は動揺したが、恋人である千早恵のこともよく知っていて懐いていたため、妹の一宮塔子公認で交際を再スタートすることができた。

『サーバント×サービス』の登場人物・キャラクター

山神ルーシー（略）（やまがみるーしー）

CV：茅野愛衣

この作品の主人公で、みつば区役所の保健福祉課福祉給付事務係を担当している。本人のコンプレックスとなっている、本名は山神ルーシー喜美子明江愛里史織倫弥由保千帆子…と「じゅげむじゅげむ」のように長く続いており、原作の4コマ漫画やアニメでのフルネームは判明していない。
頭にあるアホ毛は本人の感情よって自由自在に動くため、見ていると喜怒哀楽がわかってしまう。幼い頃、アホ毛が避雷針になって雷が落ちてくると言われたことがあり、雷がかなり苦手。
また、自分の体型も気にしており、Gカップ以上のサイズでリラックスする際には机に胸を乗せられるほどの巨乳である。アニメ3話では大きすぎるあまり下着のホックが壊れてしまう事件も起きている。長谷部豊とデートする際には市販の服では胸のサイズが合わず、千早恵がワンピースを作ることになった。
性格は真面目で仕事の要領も良いが、隙が多い一面もある。自分のことを卑下し過小評価する傾向があり、ファッションにも疎いようでデート服を見に行った時には服売り場が苦手な描写がある。
趣味は読書で本の費用を捻出するためにパンの耳を食べていたりして、見かねた長谷部豊が時々食事を分けてあげている。
男性に不慣れなところがあり、幼少期は名前のことでからかわれて苦手になり、女子校に進んだため、長谷部豊がデートに誘っただけでかなり動揺していた。

長谷部豊（はせべゆたか）

CV：鈴木達央

みつば区役所保健福祉課第一係を担当している。祖父から3代にわたって公務員を務めており、姉も公務員である。
何を始めてもすぐに出来てしまう天才肌なところがあり、それが原因で今まで心から興味が持てるものが無く、公務員の道を選んだ。
仕事に対しては真面目で、自分の仕事は時間内にきっちりと終わらせて、残りの時間を使って全力でサボるようにしている。
また、様々な知識を持っており、手話ができたり、スポーツも万能で女の子からも人気がある。一宮塔子が区役所を訪ねてきた時には、問題に正解して見事連絡先をゲットしていた。
性格はお調子者で不真面目な部分が目立つが、本当は根暗でゲームが好きなオタクな一面があり、家族の中でも一番テンションが低い。
休日は主にゲームを楽しんでおり、趣味はギャルゲー・エロゲーのCGをコンプすること。また、気分が落ち込んだ時はゲームセンターで音ゲーをプレイしてストレス発散している。
何でも出来てしまうため「もったいない」と周りから言われる事が多く、それが理由で幼馴染の田中譲二と決別するも、それ以降執拗に付きまとわれることになってしまう。
山神ルーシー（略）に生まれて初めて本気の恋をしてしまい、彼女のことになるとおかしな思考に陥ってしまう傾向がある。

三好紗耶（みよしさや）

CV：中原麻衣

みつば区役所保険福祉課福祉第二係を担当している。物腰が柔らかく優しくて、とても聞き上手なため特にお年寄りから人気があり、よく窓口で世間話に長時間対応するはめになってしまっている。特に田中さんからは孫の田中譲二との結婚を勧められている。
普段は遠慮しているが、余計な一言を言ってしまう傾向があり、ときどき心にグサッと刺さる強烈な一言を放っている。思い込みが激しすぎる田中譲二に最初は遠慮していたが、遠慮がいらないと判断してからは「口答えしないでください」などハッキリとした厳しい言葉で注意するようになり、その毒舌ぶりを発揮している。
また、親に無理を言って大学院まで進んだが、途中で父親の体調が悪くなり危篤になったという嘘で実家に戻されて、公務員になったため未だに大学への未練が残っている。

千早恵（ちはやめぐみ）

CV：豊崎愛生

みつば区役所保健福祉課福祉給付事務係を担当している。
趣味はコスプレで、コスプレに全力投球するためにわざわざ臨時職員として働いている。また、そのことも特に隠さずに明言している。特に好きな作品は『マジカルフラワーズ』という魔法少女アニメ。自身も魔法少女であるガーベラピンクのコスプレをしてイベントなどに参加している。また、コスプレ用の衣装は自作しており、その裁縫の技術は高く、コスプレ衣装だけでなく、一宮塔子の普段用の服も作ってあげている。また、長谷部豊とのデート服を山神ルーシー（略）に作ってあげていた。
日々、コスプレのことを考えており、女性職員たちが『マジカルフラワーズ』の衣装を着ている妄想をして楽しんおり、実際に誘ってみるが断られている。しかし、本人はコスプレさせる機会を虎視眈々と狙っており、諦めていない。
一宮大志の優しい性格に惹かれ、告白して恋人同士となるが、優しすぎるあまり遠慮している一宮大志の態度にイライラしてしまうことも多い。

一宮大志（いちみやたいし）