ユルく楽しむことの大切さを書いた「ゲーマーズ」
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何事にも一生懸命というのは、それはそれで立派なことだと思います。でも、正直そればっかりでは疲れてしまいませんか。そんな疲れたあなたにオススメしたいのがこの「ゲーマーズ」です。肩の力を入れず、ユルく楽しむことも大事なんだということを、気づかせてくれる佳作です。ちなみにこの作者の過去作へのリンクをにおわせるような登場人物もおり、既読者にとっては「二度おいしい」かもしれませんよ。
史上最もぬるいゲームの物語
「ゲーマーズ」(作・葵せきな、イラスト・仙人掌)は作者いわく「史上最もぬるいゲームの物語」だそうです。ゲームというとどうしても対戦やバトルを想像してしまう人もいるでしょうけれど、この作品ではそういう要素は出てこないことはないのですが、あまり重要ではありません。
もちろん勝てばうれしい、負ければ悔しいのがゲームではありますが、勝ったり負けたりを繰り返しながらすべてを楽しんでしまうという、ヌルゲーマーならではの楽しみ方も決して間違ってはいないというのが、この作品のテーマのひとつになっています。
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好きなのは「楽しくゲームすること」
「でもすいません。やっぱり僕が好きなのは『楽しくゲームすること』であって……互いに切磋琢磨しあう『ゲーム部』では、なかったみたいなんですよね」(1巻81ページより引用)
ヒロインから「ゲーム部」への勧誘を受けた主人公のセリフです。ゲーム部に体験入部してはみたものの、部員たちのハイレベルぶりに圧倒された主人公なりの結論といっていいでしょう。まあ、この作品の大体の方向性は分かりますよね。
ちなみに人間関係の方も結構イージーモードなところがあり、そんな簡単に事が運ぶかよと突っ込んでしまいたくなる点もあります。しかし「史上最もぬるいゲームの物語」としては、こういう方向性もありなんじゃないかと思えます。
過去の作品とのリンクも
ちなみにこの作者の過去作に「生徒会の一存」シリーズがあります。ヒット作なので読んだことのある人も多いかもしれませんが、このシリーズに登場する学校に通う登場人物がこの「ゲーマーズ」にも登場するのです。
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ポーズといい制服といいタスキといい…うーむ。