『癒し屋キリコの約束』とは、森沢明夫著の小説および、それを原作としたテレビドラマ作品。原作小説は2014年に幻冬舎より出版され、2015年に文庫化。文庫化と同年の2015年には、東海テレビ制作昼の帯ドラマとしてテレビドラマの放送が始まった。純喫茶「昭和堂」を営む女主人・霧子には、店を訪れる客の悩みをスッキリ解決する「癒し屋」という裏の顔があった。主人公である霧子の言葉は深い人生観を孕んだものが多く、「泣いた」というファンの声は後を絶たない。
『癒し屋キリコの約束』の概要
『癒し屋キリコの約束』(いやしやキリコのやくそく)とは、森沢明夫著の小説および、それを原作としたドラマ作品。原作小説は2014年に幻冬舎より出版され、2015年に文庫化。文庫化と同年の2015年には、東海テレビ制作昼の帯ドラマとしてテレビドラマの放送が始まった。テレビドラマは、『癒し屋キリコの約束』の題名で、東海テレビ放送製作により、全8週・40回の日程で放送された。基本的には1つのエピソードを前後編の2話で構成した短編になっており、一部エピソードは前・中・後編から成る3話完結となっている。
ドラマ版は毎回昭和歌謡の楽曲を登場させており、その楽曲の歌詞のワンフレーズから、様々な問題を解決するヒントを浮き彫りにしていくという、音楽劇の要素も取り入れた演出が組み込まれている。
主人公の有村霧子役を演じた遼河はるひは、本作品がテレビ連続ドラマ初主演。また、小笠原千香役の月船さららと遼河は宝塚歌劇団の同期であり、退団後に初共演ということも話題となった。
歌謡曲が流れる純喫茶「昭和堂」を営む有村霧子は、とにかくお金が大好きでがめつい女性だった。しかし彼女は仕事をしている様子はなく、昼間から酒を嗜みながらロッキングチェアに揺られ、漫画を手にしている。喫茶店のオーナーなのに、霧子はコーヒーを入れることもできない。そんな霧子を横目にして、雇われ店長の柿崎照美が店を切り盛りしている。
だが、サボってばかりいるように見える霧子は、店を訪れる客の悩みを聞き、それを解決に結び付けようとする「癒し屋」という顔を持っていた。
そんな霧子の元にある日、「東京太郎」と名乗る男からの殺害予告が届くのであった。
『癒し屋キリコの約束』のあらすじ・ストーリー
「純喫茶」の裏の顔
東京の下町、谷中にひっそりと存在する喫茶店「純喫茶 昭和堂」。
ひっそりとした佇まいで、どこか時代に取り残されたような昭和堂の店内には、オーナーの有村霧子が揺らすロッキングチェアの音が響き渡っている。彼女は店長の柿崎照美に店を任せ、今日もいつも通り漫画を読みふけって過ごしていた。仕事をしているようには到底見えない霧子だが、実は彼女には「癒し屋」という裏の顔があった。その仕事内容は、昭和堂を訪れる客の悩みや問題を、鮮やかに解決するというものだ。なによりもお金が大好物の霧子は、悩めるお客が現れるたび、悩みをスッキリ解決するかわりに、店内に置かれた賽銭箱に大金をガッポリ「奉納」させるという形で収入を得ていたのである。
自身も霧子に救われた柿崎に加え、バイク便の配達をする上山涼、和菓子屋「銘菓 幻味堂」亭主である小出清助や、卓球場を営む「入道さん」こと都幾川敦也たちは、霧子の協力者として「癒し屋」の仕事を手伝ってくれていた。
霧子は日々、店を訪れる街の住民たちの悩みを奇想天外な方法で解決しながら、大好きなお金のために奮闘するのであった。
霧子の事情と涼の正体
そんな霧子の元にある日、自身を殺すという殺害予告が書かれた脅迫状が届く。「東京太郎」と名乗るその予告状の差出人は、なんと「癒し屋」の協力者である涼だった。
霧子は過去に、女子刑務所で医師兼セラピストとして働いていた。そこで高校時代の親友であるナミと再会した霧子は、ナミが自らが刺した同棲相手で、薬の売人の男との子を身ごもっていることを知る。霧子はナミを説得して出産させたものの、刑務所の規定で、一年後には子どもと別れなければならないことに絶望したナミを自殺に追い込むことになってしまった。
この件で霧子は女子刑務所での職を辞し、小さな島の診療所の医師として従事した後、5年前に昭和堂にやってきたのであった。先代のオーナーに気に入られた霧子はそのまま居候し、オーナーが引退する際に昭和堂を引き継いだのである。生前ナミと約束した「涼の成長を見届ける」という目的を果たすべく、霧子は涼が預けられた施設に、あしながおじさんとして生活費などを援助し続けた。さらに霧子は、これまでに「癒し屋」の仕事で稼いできた莫大な額の賽銭を、すべて涼の為に貯金していたのだ。
そうとは知らない涼は、霧子に強い復讐心を募らせていた。
女子刑務所時代に母親を担当していた医師が霧子であることを突き止め、涼は自身の母を自殺に追い込んだのは彼女だと一方的に決めつけていたのである。
涼は生まれて間もなくナミと引き離され、児童養護施設に預けられた。学校や施設内ではいじめを受け続け、高校進学の際に、囚人の出産を受け入れる病院で生まれたという、自分の出生の秘密を知ってしまう。
そして霧子への復讐を誓った涼は、偽名を名乗って「癒し屋」のメンバーとして近づき、「東京太郎」の名で書いた脅迫状を自ら配達した。
母の命日である9月10日午前3時8分。涼は霧子を殺す計画を実行に移そうとする。しかし、刑務所内のコンサートでナミが生前最後に演奏した「別れの曲」を耳にし、さらに霧子からも「会いに来てくれてありがとう」と感謝の言葉を向けられたことで、思いとどまる。
それ以来、涼は昭和堂に姿を見せなくなった。しかし、郵便にまつわる相談をきっかけに、再び「癒し屋」の一員として昭和堂に関わるようになっていく。
霧子は数々の事件を解決したのち、昭和堂の店舗を柿崎に託し、彼女を介して賽銭を貯金していた通帳を涼に渡す。そして、ふらりとどこかへ旅立っていくのであった。
『癒し屋キリコの約束』の登場人物・キャラクター
「純喫茶 昭和堂」の関係者
有村 霧子(ありむら きりこ/演:遼河はるひ)
画像右が霧子
昔ながらのレコードやCDを取り揃えた「純喫茶 昭和堂」のオーナー。容姿は美しいが毒舌家で、とにかくお金が大好きな年齢不詳の女性。
いつも雇われ店長の柿崎に店を任せ、自分は店内のロッキングチェアで朝から大好きなビール片手に読書をしてくつろいでいる。喫茶店を営んでいるにもかかわらず、コーヒーを入れることもできない。そのぐうたらな暮らしぶりの一方、店を訪れる客が抱える無理難題を、高額な報酬と引き換えに突飛な発想で解決に導く「癒し屋」という裏の顔を持っている。
特技は英語で、日常会話レベルなら母国語と変わらないほど。
経歴は謎に包まれているが、かつては女子刑務所で医師兼セラピストとして働いていた。
そこで、収監されていた親友のナミと再会。身ごもっていたナミに出産を勧めるが、結果としてそれが彼女の自殺という悲劇を招いてしまった。その際に誕生した子どもである涼に、陰ながら援助をしていたものの、そうとは知らなかった彼からは「母の自殺のきっかけになった人物」として恨まれてしまっていた。
谷下田の昭和堂立てこもり騒動終結後、昭和堂の店舗を照美に、癒し屋の仕事で貯めた賽銭を貯金した通帳を涼に残し、どこかへ旅立っていった。
柿崎 照美(かきざき てるみ/演:前田亜季)
通称「カッキー」。昭和堂の雇われ店長で、美味しいコーヒーを淹れるのが得意。
元は商社のOLで、夫の正義と結婚後、過干渉やDVを受けた末に、お腹の子を流産させられたという壮絶な過去を持つ。その際に着の身着のままなんとか逃げ出し、駆け込んだ警察で教えられた「女性のための駆け込み寺」を訪れた。そこで、シェルター代わりの場所として昭和堂を紹介される。その後離婚し、そのまま昭和堂で働くことになる。
大人しそうだが芯が強い女性で、自身が違うと思ったことをはっきりと伝えることができる。霧子に対しては呆れながらも応援しており、東京太郎からの殺人予告が送りつけられた時は必死に助け、東京太郎の正体が涼であることを知った時には、自身のことのように心を痛めていた。
最後は旅立つキリコから昭和堂を託され、彼女が2度と戻らないことを確信していた。
「癒し屋」の協力者
上山 涼(かみやま りょう/演:戸塚祥太(A.B.C-Z))
画像中央が涼
バイク便「FAST急便」の配達員。母親と離別し、施設で育ったという過去を詮索されなくて済むことからバイク便の配達員という職に就いている。
本名は杉島幸也(すぎしまゆきや)。正体は霧子の高校時代の同級生・ナミの息子。生まれてから1年後、囚人として収監されていた母のナミと引き裂かれて児童養護施設に預けられ、学校や施設内ではいじめを受けていた。高校進学の際に自身の出自を知ってからは、母親を自殺に追い込んだのは霧子だと断定。復讐心を募らせる。その後、癒し屋のメンバーとして霧子に近づき、「東京太郎」を名乗った脅迫状を送りつけて自分で配達していた。
本当に霧子を殺そうと行動に出たものの、対話の末に和解し、再び「癒し屋」のメンバーとして彼女に協力するようになる。
偽名を名乗って正体を隠していたものの、霧子には早い段階で素性を見抜かれていた。
小出 清助(こいで せいすけ/演:長谷川朝晴)
画像左が清助
老舗和菓子店「銘菓幻味堂」の四代目亭主。おっちょこちょいで頼りないが、心優しい男性。霧子と、霧子を敵対視している母親という、強烈な女性2人の板挟みになっている。店の自慢の商品である「猫まんじゅう」を、ことあるごとに宣伝している。
幼なじみで洋菓子店の千香とはライバル関係で、商店街に菓子店は二軒も要らないと事あるごとに憎まれ口を叩いていたものの、谷下田の昭和堂立てこもり騒動を機に考えを改め、結婚を決意する。
都幾川 敦也(といそがわ あつや/演:小林正寛)
画像左から2番目が敦也
目次 - Contents
- 『癒し屋キリコの約束』の概要
- 『癒し屋キリコの約束』のあらすじ・ストーリー
- 「純喫茶」の裏の顔
- 霧子の事情と涼の正体
- 『癒し屋キリコの約束』の登場人物・キャラクター
- 「純喫茶 昭和堂」の関係者
- 有村 霧子(ありむら きりこ/演:遼河はるひ)
- 柿崎 照美(かきざき てるみ/演:前田亜季)
- 「癒し屋」の協力者
- 上山 涼(かみやま りょう/演:戸塚祥太(A.B.C-Z))
- 小出 清助(こいで せいすけ/演:長谷川朝晴)
- 都幾川 敦也(といそがわ あつや/演:小林正寛)
- 近隣住民たち
- 小笠原 千香(おがさわら ちか/演:月船さらら)
- キララ(演:中山来未/二階堂梨花(少女時代))
- 本城 栞(ほんじょう しおり)(演:吉原茉依香/小熊苺子(少女時代))
- 小出 富子(こいで とみこ/演:大島蓉子)
- 小出 太郎(こいで たろう/演:谷本純平)
- テレビドラマ『癒し屋キリコの約束』のゲスト出演者
- 『癒し屋キリコの約束』の用語
- 昭和堂(しょうわどう)
- 癒し屋(いやしや)
- お賽銭(おさいせん)
- 『癒し屋キリコの約束』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 有村霧子「みんな一時期は、いい夢みる。でもそれって決して長続きはしない。一番心を痛めるのは、人の裏切り…。でもそれをどこかで許さないと、不幸を永遠に背負ってしまうことになる。」
- 『癒し屋キリコの約束』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 「テレビドラマ化を視野に入れた」ことで誕生した『癒し屋キリコの約束』
- ファンがざわついた『ほっとけない魔女たち』との共通点の数々
- 『癒し屋キリコの約束』の主題歌・挿入歌
- 主題歌
- ラストヒロイン「Thank You For The Music」
- 挿入歌
- Episode1挿入歌:井上陽水「夢の中へ」
- Episode2挿入歌:佐野元春「Some Day」
- Episode3挿入歌:H2O「想い出がいっぱい」
- Episode4挿入歌:村下孝蔵「初恋」
- Episode5挿入歌:ちあきなおみ「最后の電話」
- Episode6挿入歌:日吉ミミ「男と女のお話」
- Episode6挿入歌:南沙織「哀愁のページ」
- Episode7挿入歌:竹内まりや「元気を出して」
- Episode8挿入歌:ロス・インディオス&シルヴィア「別れても好きな人」
- Episode9挿入歌:美空ひばり「川の流れのように」
- Episode10挿入歌:ペドロ&カプリシャス「五番街のマリーへ」
- Episode11挿入歌:はしだのりひことクライマックス「花嫁」
- Episode12挿入歌:水前寺清子「艶歌」
- Episode13挿入歌:欧陽菲菲「ラブ・イズ・オーヴァー」
- Episode14挿入歌:梶芽衣子「怨み節」
- Episode14挿入歌:平原綾香「別れの曲」
- Episode15挿入歌:宝塚歌劇団愛唱歌「すみれの花咲く頃」
- Episode16挿入歌:松田公一とトップギャラン「青春時代」
- Episode17挿入歌:童謡「赤い靴」
- Episode17挿入歌:ヒロシ&キーボー「3年目の浮気」
- Episode17挿入歌:沖縄音楽「十九の春」
- Episode17挿入歌:アン真理子「悲しみは駆け足でやってくる」
- Episode17挿入歌:テレサ・テン「時の流れに身をまかせ」
- Episode18挿入歌:ビューティ・ペア「かけめぐる青春」
- Episode19挿入歌:久保田早紀「異邦人」
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