What's Michael?(ホワッツマイケル)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『What's Michael?』とは、小林まこと原作の日本のコメディ漫画である。1984年から1998年まで『モーニング』に掲載され、全8巻を発行。2001年には『イブニング』で再び掲載され2003年に『What's Michael? 9巻め』が発売された。主人公の踊る猫「マイケル」を中心とした短編作品である。猫の生態をギャグにした作品は当時珍しく、各話ごとに登場人物の設定が異なるのが特徴。主に大林家・今林家の飼い猫の設定が多い。全く人間が出てこずに動物同士が人間のように動き会話する回もある。

『What's Michael?』の概要

『What's Michael?』とは、『1・2の三四郎』や『柔道部物語』の小林まこと原作のコメディ漫画である。
1984年から1998年に講談社の漫画雑誌『モーニング』で掲載され、同時期にOVA化・アニメ化もされている。この時点で全8巻発行されたが、その後2001年に同会社の『イブニング』で10年後を描いた続編が再び短期間掲載される。そしてファン待望の『What's Michael? 9巻め』がオールカラーで発売された。
元は前作『マンガの描き方』に登場していたマイケルが人気があったため、単独で誕生させたのが本作である。
猫の生態をギャグにしたことや、主人公の踊る猫・マイケルの可愛らしさとキャラクター性で主に女性の読者を魅了した。小林にとって『1・2の三四郎』に次ぐ大ヒットとなった。
大林家(アニメでは作者に寄せ小林家に変更されている)の夫婦の猫マイケルがストーリーの中心キャラクターとして描かれている。登場人物はそれぞれの物語で異なり、その都度マイケルの設定も若干変更される。数種類の設定パターンが存在し、ある時は別の家庭の猫、ある時は野良猫、ある時は擬人化され犬猫同士だけで麻雀を打つ回も存在する。
作者曰く、マイケルの話は「コントを作ってるようなもの」だと言う。
シュールな笑いが特徴の作風だが、青年誌で掲載されていたため大人向けの描写が多い。
『What's Michael?』掲載後もマイケルのキャラクターは、数々のCMに起用されたり、漫画の一コマなどがパロディに使われたりもする。
1986年には「第10回講談社漫画賞」を受賞している。

『What's Michael?』のあらすじ・ストーリー

飼い猫として飼われているマイケル

マイケルは常に飼い猫として描かれることが多い。設定によって家族や生い立ちも異なる。

大林家で飼われてるマイケル一家の暮らし

作中でも一番印象に残るのが大林(アニメでは小林)さん一家だ。大林さんのご主人と奥さんの二人暮らし、マンションから一軒家に引っ越す。
夫婦は盛りのついたマイケルのためにお嫁さんとして、白猫のポッポを連れてくる。しかしその時ポッポはまだ子猫だったので、マイケルはポッポが大人になるまで待たなければいけなかった。ポッポが大人になり、無事子供を作ることができた二匹は幾度となく子供を作った。ほとんどがマイケル瓜二つのオス猫で、ミニケル・ムニケル・メニケル・モニケル以外は里親に出されている。唯一メス猫が生まれたのはポッポ似のラーだけだった。
大林さん夫婦にも後半はたまみという長女が誕生する。

OL・立花玲子とマイケルの暮らし

マンションで一人暮らしをしているOL、立花玲子(たちばな れいこ)とマイケルのお話。玲子は性格が明るいがドジなところがあり、その失敗に度々愛するマイケルも巻き込まれていた。
玲子は毎朝マイケルとの別れを惜しむあまり会社に遅刻していることなど、溢れる猫愛を手紙にしたため、雑誌『猫の手帖』に出していた。しかしその手紙は、配達ミスにより毎回私立探偵・根岸信一郎(ねぎし しんいちろう)のもとへ送られていた。
相変わらず玲子は、自身の猫バカっぷりを手紙にし送り続けるが、その相手はいつの間にか根岸宛になっていた。そしてそれが縁となって最終的に根岸と玲子は結婚した。

今林家で伸之助と飼われているマイケルの暮らし

この家族には夫婦とマイケル+外で飼っている犬の伸之助(しんのすけ)、そして離れて暮らす長女がいる。ここではマイケルは可愛がられ、それとは対照的にいつもかわいそうな目に遭う伸之助が特徴である。伸之助の一途な愛はいつも空回りで、要領のいいマイケルにいつも美味しいところを持って行かれてしまう。
外飼いの伸之助は猫のマイケルとは正反対の待遇を受けていた。人間と猫は快適な室内にいるが、伸之助は季節ごとの厳しい気候にも耐え、ご飯をもらう時でも一芸をしなければならなかった。ある時、高待遇なマイケルを羨ましく思っている伸之助は、猫のように振る舞ってみることにした。しかし「お手」を無視したことで、主人の今林にこっ酷く叱られ、逆効果に終わってしまった。

加世子一家でのマイケルの暮らし

小学生の兄弟と両親、祖母の5人家族。他の飼い主たちよりマイケルに対して対応がやや冷たい。
家族でテレビを観ている時、テレビの上で寝ているマイケルの尻尾が邪魔で苛立つ一家。いくら怒鳴っても怒っても、猫のマイケルにはなんのことだかよくわからなかった。ようやく加世子がマイケルをどかして、ゆっくりテレビを観れると思いきや、今度はテレビの音量がどんどん上がっていった。マイケルがたまたま座った足元にリモコンがあっただけなのだが、そんなマイケルに家族はさらに苛立った。
猫のマイペースさに人間が振り回されるパターンが多いシリーズである。

マイケルと伸之助の麻雀勝負

擬人化したマイケルたちが活躍するシリーズ。この回では動物たちは普通に服を着て、喋っている。麻雀のほか、サラリーマン・野球・プロレスなどシュチュエーションは様々である。この場合、マイケルの性格は常識的な好青年であることが多い。
犬対猫の麻雀対決では、犬猫の特性の違いがはっきりと描かれている。最初にサイコロを降ると猫であるマイケルとポッポがじゃれるところから始まる。マイケルはわざと捨てようとした牌を伸之助に見せてみる。伸之助は無視をするが喜んでることが降ってる尻尾に現れてしまい、伸之助は待ちがバレてしまった。その仕返しに伸之助はマイケルに同じ手を使った。マイケルの尻尾も振れていることに気づき、伸之助は違う牌を捨てた。しかし、マイケルに上がられてしまう。伸之助は猫が嬉しい時尻尾を振るのではなく、立てるということを知らなかったのだ。その後も伸之助は「待て!」を命じられたり、結局上がらせてもらえずこの勝負は猫の圧勝となった。

リチャードの逃走生活

脱獄死刑犯と、それを追う警部の物語。元獣医のリチャード・キンブリは、身に覚えのない妻殺し及び淫行などの罪で死刑を言い渡されている。輸送中の列車事故でからくも脱出し、逃走した。ジェラードリ警部の執拗な追跡を逃れ逃亡生活を送っている。
逃走生活中も、職業病で困っている動物を放っておけないリチャードは、不法侵入(大抵若い女性の家)もお構いなく手助けをしてしまう。どの家も飼っているのはマイケルということになっている。そして大抵が、飼い主の飼い方に問題があり、リチャードに的確な解決方法を教えてもらう。リチャードはお礼に猫にくだらない悪戯をして去って行く。その後ジェラードリ警部が捜査に訪れ、女性とマイケルは今いた男が何者なのかを知り愕然とする。
リチャードは逃亡生活を送りながら、殺人現場から立ち去った「出っ歯の男」を追っていた。しかしリチャードは男を後少しで捕まえられそうな時も、車に轢かれた猫を放っておけず逃してしまった。

猫好きヤクザKと猫嫌いヤクザMとの仁義なき戦い

敵対する組の二人、隠れ猫好きのヤクザKと、隠れ猫嫌いのヤクザMのエピソード。ヤクザなのに猫好きで、軟弱と思われることを恐れているヤクザK。そして、ヤクザなのに猫恐怖症でカッコ悪いと思われることを恐れているヤクザM。それぞれの苦悩の日々が綴られている。
突然ヤクザKの家に訪問してきたヤクザM。Kは慌てて、マイケルと猫グッズをしまいMを招き入れる。Mは敵対するKに話し合いを持ちかけてきた。しかし、人一倍猫に敏感すぎるMはKの家から猫の気配を感じ取っていた。MはKの自宅の襖がちょうど猫が通れる幅だけ空けてあること、ティッシュボックスが猫のいたずら防止に逆さに置かれていることなどを指摘した。Kはその通りだったが、苦し紛れの言い訳で猫好きを隠し続けた。なんとか話し合いがまとまりそうで、最後に一服しようとお互いタバコを取り出そうとした。しかし、Kの手に持ったのはマイケルのおやつの煮干しだった。MはKの猫好き疑惑を深めるばかりだった。

猫の惑星での冒険

本編最終巻のラストに連続で収録されている8話完結の短編ストーリー。大林の奥さんの妹である「ハナコ」が主人公。生物学者のハナコと艦長のコンバヤシ、電子工学博士のカゲヤマがのる宇宙船が「猫の惑星」に不時着。そこには人間と立場が逆転した猫たちが暮らしていた。彼らに発見されたハナコは珍獣としてサーカスに売られる。マイケルとポッポのうちにたどり着いたカゲヤマは二匹に協力させハナコを救出に行く。ハナコと同じく捉えられていたコンバヤシは、ハナコを交配するよう強要されていたが、それをハナコに拒絶される。カゲヤマは猫の習性を利用し、無事ハナコを救出するが宇宙船の故障でしばらくマイケルの家に留まることになった。一方、一人サーカスに残されたコンバヤシは人気がなくなり、厄介者にされていた。
7話の「猫の惑星」とは全くの別物である。

『What's Michael?』の登場人物・キャラクター

主人公

マイケル

MASSAN
MASSAN
@MASSAN

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