目玉焼きの黄身 いつつぶす?(漫画・アニメ・ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ
『目玉焼きの黄身 いつつぶす?』とは、おおひなたごうによるフードコメディ漫画。『コミックビーム』にて、2012年10月号から連載された。主人公・田宮丸 二郎は食事に異常なこだわりを持つ男だ。同棲中の恋人・長嶋 みふゆが自分とは違う目玉焼きの食べ方をしていたことから「自分の食べ方はメジャーではないのか?」と衝撃を受ける田宮丸。それ以降もことあるごとに他人の食事の仕方に疑問を持ち、首を突っ込んで食べ方について論争していく。周囲と食べ方で衝突しながらも、田宮丸が人として成長していくストーリー。
笠原 美治(かさはら よしはる)
田宮丸の友人で、劇団を立ち上げている。
田宮丸が目玉焼きの食べ方でみふゆと揉めた話を聞き、それを元に『目玉焼き どう食べる?』という芝居の脚本を作成した。そして田宮丸の話が元になっているので、主役を田宮丸にお願いした。
この芝居を絶対に成功させると、500人が入る規模のパラレロ劇場を押さえ『目玉焼きどう食べる?』の舞台を20日間公演。公演は見事成功を収めた。
その他
千夏(ちなつ/演:保紫萌香)
CV:劉セイラ
若手女性お笑いコンビ「魑魅魍魎」の「魑魅」。ツッコミ担当で、いつもポニーテールをしている。
高校時代、1人でご飯を食べていたみふゆに声をかけて友人になる。その後も仲が良く、どちらが提案したかは不明だがみふゆとお笑いコンビを組むこととなる。
言いたいことははっきり言うタイプで、いつも親友で相方のみふゆに寄り添っている。田宮丸の一方的な食のこだわりでみふゆを傷つけたと知れば、田宮丸の異常な食のこだわりを「くだらない」と一蹴し、時には田宮丸本人に会い「そんなくだらないことでみふゆを悲しませるな」と怒る時もある。
アメリカ人の彼氏・エベレットがおり、彼の子供を妊娠したことによりみふゆと魑魅魍魎を円満解散する。
その後、エベレットと共に渡米。アレンという男の子を出産している。時々日本に戻っては、みふゆや田宮丸と会っている。
宮(みや/演:平沼紀久)
中堅の男性お笑い芸人。関西弁。
田宮丸と食べ方の違いからすれ違っていた時のみふゆに誘われ、関係を持つ。その後、志岐と付き合うためにと田宮丸に振られ、それを知りみふゆと付き合い始めた。
食に全く興味がなく、家にガスコンロすらない。行列に並んでまでご飯を食べる意味が分からず、30分待ちになるなら他の店へ行くタイプ。
ある時、美味しい物を食べる幸せを共有したいみふゆがブイヤベースを振る舞ってくれるが、宮は「うまいけど、俺何食うてもうまいねん」と言ってみふゆにショックを受けさせた。
宮が食に興味を持てない理由の一つとして、「食べるのが遅いから」という理由がある。
小さい頃から食事のペースは遅かったが、家族も遅かったため特に気にならなかった。しかし大人になり、ある時からバイト先の上司と毎日昼ご飯を食べることになった。
上司が毎回大盛りスパゲッティの店に連れて行き、上司はさっさと食べ終えてずっと宮を見ていた。それが宮にとってとてつもないプレッシャーで、待たせるのが嫌で必死に食べ続け味など分からなかった。
そして今の食に対して無関心な自分がいると分かり、宮は「もっとうまそうに飯食う奴と一緒におった方がええ」とみふゆに別れを告げる。食事のこともそうだが、どんどん売れていくみふゆを身近で見ているのが辛いという心境もあった。
その後は芸人から作家に転身。みふゆが出演するバラエティ番組の作家なども担当し、その際にみふゆと再会する。
みふゆに「あの時はごめんな」と謝り、みふゆもそれを許し良好な関係を築いている。
みふゆが田宮丸と結婚する頃には、新しい女性と結婚しており子供ももうけている。
黒野 ホルム(くろの ホルム)
人気急上昇中の若手イケメン俳優。どくフラワーの大ファンで、どんなドラマの役よりもどくフラワーの中に入って演じたいと思っている。
元々はみふゆのファンで、みふゆを黒野主演のドラマに誘ったことから交流が出来る。
そしてみふゆに「どくフラワーの大ファン」であることを告白し、みふゆ経由で田宮丸と出会う。田宮丸は快く黒野を受け入れていたものの、黒野の夢である「どくフラワーの中に入りたい」を聞いてショックを受ける。
その後、フラワー企画も訪れ芸能界を引退し、スーツアクターになりたいという熱意を見せる。その姿勢を羅生門に買われ、見習いとしてフラワー企画に入社する。
ある時、自信を無くした田宮丸が練習に来なかったことから近藤は、どくフラワーの代役に黒野を選ぶ。しかし黒野は自分が想像していたよりも動けず、どくフラワーの難しさを実感する。黒野は「まるでどくフラワーから、田宮丸さん以外受け付けないと言われているかのように動けなかった」と感じた。
そのためすぐにどくフラワーの中に入ることは出来なかったが、「いつかどくフラワーを振り向かせるよ」と夢は諦めていない。
その後、らぶフラワーが実写版で放送されるとなった時には念願のらぶフラワーの中に入って演じている。
若月 メタ(わかつき メタ)
黒野のマネージャー。ソフトクリームが大好き。
どくフラワーに入るために芸能界を引退するという黒野を止めるため、田宮丸に連絡を取ってきた。
2人は会うためにコンビニのイートインで落ち合う。そこで田宮丸は若月にソフトクリームを奢った。そこで若月は「ソフトクリームの先端が好きで、最初に先端を食べてから周りを舐め上げてまた先端を作る」を繰り返してソフトクリームを食べていた。ソフトクリームに対するこだわりを知った田宮丸は、「俺もいかに美しいフォルムを作るかという軸を持ちながら、ソフトクリームを食べているんです!」と若月と意気投合。
若月もまたソフトクリームの食べ方にこだわりと美学を持っていたため田宮丸に惹かれる。その勢いで田宮丸と一線を超えてしまい、その後も「ソフトクリームをあんな食べ方する人なんて初めて」と惚れている様子だった。
若月はみふゆの存在を知らず、その後も田宮丸と付き合うつもりだった。
それと同時期、近藤の許可を得て黒野がどくフラワーに入りリハーサルをしたことを知る田宮丸。「俺以外を簡単に入れたんですか!?」と近藤を責めた田宮丸は、「そんなわけないだろ!」と近藤に殴られる。近藤はあくまでも黒野に現実を突きつけるため、あえてどくフラワーの中に入らせた。実際に黒野も「こんなにどくフラワーを演じるのは難しかったんだ」と感じ「俺にどくフラワーは無理だ」と痛感していた。
そのことを知らなかった田宮丸は近藤に「俺がお前以外を簡単に入れるわけないだろ!」殴られ続け、その結果入院していた。田宮丸は冷静になったところで若月との一夜限りの関係も反省し、お見舞いに来た服部に全て告白する。そして関係を断ち切りたいと願う田宮丸の代わりに、服部が若月に会いに行く。
服部と若月は居酒屋で会うことになる。服部はワードバスケットを若月と興じながら「田宮丸にはみふゆっていう恋人がいるんだ、諦めてくれ」と話す。若月も「なんであなたに言われなきゃいけないの」と反論する。服部は負けずに「田宮丸が怪我してどくフラワーが空いたことによって、もっと黒野がどくフラワーに入れ込むんじゃないかって心配なだけだろ」と田宮丸に執着している理由を見抜く。
若月は田宮丸のことが好きなのではなく、あくまでも黒野の夢を阻止したいだけということにも気づく。
そして服部に説得され、黒野のどくフラワーに入りたいという夢を邪魔することをやめると決める。そのことから田宮丸との関係もここまでだと終わりを決めた。若月から一夜のことをみふゆに話すことなく、田宮丸の浮気はバレていない。
有馬(ありま)
近藤の友人。スタントマンで、撮影中の事故で亡くなった。
近藤が田宮丸の異常な食のこだわりに対し、献身的にアドバイスやサポートするのにはこの有馬の存在があった。
有馬と近藤は駆け出しのスタントマンで同期だった。すぐに仲良くなったが、ある時「月見蕎麦の食べ方」で揉める。
近藤が「潰した黄身と蕎麦を絡めて食べる」タイプなのに対し、有馬は「半熟の黄身をそばの下に入れる。黄身を潰さず最初は出汁本来の味を堪能してから、食べ進めると程よく固まった黄身が出てくるのでそれを一口で食べる」というタイプだった。それを見た近藤は思わず「お前、馬鹿か?」と田宮丸と同じ言葉を言ってしまった。
当時の近藤は若く尖っていたこともあったが、田宮丸と同じように「自分の食べ方が1番」と思っていたのだ。そこから近藤と有馬は殴り合いの喧嘩をしてしまう。
その後、近藤は蕎麦屋の大将に「黄身を潰すことをどう思いますか?」と聞いたところ「食べ方は自由だが、黄身を潰さないようにして食べるのは月見蕎麦だけにお月見をしているようで粋だ」と答えられる。粋だなんて精神を一度も考えずに食べていた近藤はショックを受ける。そして有馬も有馬なりの粋な食べ方をしていたのだと理解した。
近藤は有馬にこの件を謝ろうとしたが、有馬はスタント中の事故で亡くなってしまい謝る事ができなかった。
このことから、近藤は自分のような思いをして欲しくないと、田宮丸のくだらないとも言える食のこだわりをサポートしているのである。
家族
エベレット
千夏の彼氏。アメリカ人。
かなり大雑把な性格で、インスタントラーメンの後入れ調味料も先に入れるタイプ。
仕事の都合でアメリカに戻ることになり、千夏とアメリカへ戻っている。その後、千夏と結婚。息子・アレンと千夏と幸せな結婚生活を送っている。
みふゆの父
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目次 - Contents
- 『目玉焼きの黄身 いつつぶす?』の概要
- 『目玉焼きの黄身 いつつぶす?』のあらすじ・ストーリー
- 田宮丸の食に対するこだわりの始まり
- 食べ方で悩みながら成長する田宮丸
- みふゆの変化
- 「どくフラワー」の変化とみふゆとの結婚
- 『目玉焼きの黄身 いつつぶす?』の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- 田宮丸 二郎(たみやまる じろう/演:青柳翔)
- 長嶋 みふゆ(なかしま みふゆ/演:成海璃子)
- 近藤 雄三(こんどう ゆうぞう/演:佐藤二朗)
- 仕事関係
- 大貫(おおぬき/演:八木将康)
- 亜希(あき/演:武田玲奈)
- 靖雄(やすお/演:遠藤史也)
- 焼野原 一面(やけのはら いちもく)
- 羅生門 竜彦(らしょうもん たつひこ/演:山下真司)
- 蛇錦(へびにしき)
- 友人
- 服部 龍峰(はっとり りゅうほう/演:大谷亮平)
- 志岐 カオル(しき カオル)
- 笠原 美治(かさはら よしはる)
- その他
- 千夏(ちなつ/演:保紫萌香)
- 宮(みや/演:平沼紀久)
- 黒野 ホルム(くろの ホルム)
- 若月 メタ(わかつき メタ)
- 有馬(ありま)
- 家族
- エベレット
- みふゆの父
- 『目玉焼きの黄身 いつつぶす?』の用語
- 仕事関係
- フラワー企画(フラワーきかく)
- どくフラワー
- ヒマりん
- 『目玉焼き どう食べる?(めだまやきどうたべる)』
- 魑魅魍魎(ちみもうりょう)
- 食堂などの施設
- 大衆食堂びぜん
- CURRYSHOPた〜めリック
- らーめん麓亭(ろくてい)
- 餃子の将介(ぎょうざのしょうすけ)
- パラレロ劇場
- 居酒屋みなみの
- SMITH(すみす)
- 食べ方
- 混ぜラー(まぜラー)
- 天地返し(てんちがえし)
- 聖火(せいか)
- 剥がし魔(はがしま)
- 遠慮のかたまり(えんりょのかたまり)
- 一口ちょうだいアンケート(ひとくちちょうだいアンケート)
- その他
- ワードバスケット
- 『目玉焼きの黄身 いつつぶす?』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 田宮丸 二郎「焼き鳥が…陵辱されてしまったかのようだ…」
- 服部 龍峰「食器洗いはクリエイティブじゃないからさ…」
- 志岐 カオル「シロップは…切った後にかけるのよっ」
- 近藤 雄三「お前に…食べ方で排除される辛さを…知って欲しかった…!」
- 田宮丸 二郎「一緒に飯を食べてくれる人が欲しいよ…」
- 長嶋 みふゆ「調味料に囚われ過ぎ!!」
- 『目玉焼きの黄身 いつつぶす?』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- キャベツを最後に食べるネタは元アシスタントのエピソード
- 「JINROいつ飲む?」が番外編として掲載
- 千夏の彼氏であるエベレットのモデルは知人
- ぬり絵を掲載するも反応がなく悲しむ作者
- 『目玉焼きの黄身 いつつぶす?』の主題歌・挿入歌
- アニメ版主題歌
- 主題歌:おおひなたごう「二郎のバラード」
- テレビドラマ版
- 主題歌:NICO Touches the Walls「Funny Side Up!」
- ED(エンディング):阪本奨悟「自分らしく生きていたい それだけなんだけど」