柚木さんちの四兄弟。(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『柚木さんちの四兄弟。』とは、月刊雑誌『ベツコミ』の連載漫画である。累計100万部を突破した人気漫画『ハツ*ハル』の作者、藤沢志月の次作として注目を集めている。両親を亡くした柚木家の四兄弟が、数々のハプニングに遭遇しながらも、周りに支えられながら力いっぱい暮らしている日常を描く。笑いあり、涙あり、感動ありの未体験ファミリーストーリーである。

天原 桜(あまはら さくら)

天原桜は湊達と同じ学校に通う中学3年生である。湊と同学年の天原椿を妹にもつ。容姿端麗で読者モデルをやっており、頭脳明晰で3年間のテストは満点のみ、運動神経抜群で芸術の才もあり、さらには中等部の生徒会長を務めて周りからの信頼も厚く、向かう所敵なしの完璧さを誇る。誰に対しても気さくに接し、後輩である湊や宇多とも仲が良い。学校運営や仕事で多忙であるが、父親が入院中であるため、母親が忙しい時には代わって家事を切り盛りしている。子供の頃から万能であったが、そのせいで理不尽なやっかみを買うことが重なり、人に心を許さないのを「平和な世界」と考えるに至った。だが、物事を達観する悠真や尊の話を聞いたことで「みんなと同じでいたい」という自らの本心を知った。その思いを胸に本音を曝け出した結果、友人達と分かりあい、本当の友達を作ることができた。

天原 椿(あまはら つばき)

天原椿は天原桜の妹であり、尊のクラスメートである。幼い頃から優秀な姉に劣等感を抱き、それが捻じ曲がって彼女をひどく嫌悪するようになっていた。一時は桜と仲良くする湊をいじめるほどに追い詰められていたが、悠真の言葉に反省を促され、さらに湊の言葉に勇気をもらい、自分を肯定することができた。
湊と和解したのをきっかけに湊達の「友達」という位置付けになっていたが、椿本人は明るく元気な彼らに対して引け目を感じ、とくに同性で人気者の宇多への劣等感を拭い去れていなかった。その後、尊や悠真と仲良さげにしていたために女子達からいじめを受けることになる。しかし、現場に居合わせた宇多が椿のことを「友達だ」と明言して女子を追い払ったのをきっかけに、椿は宇多を心から友達だと思えるようになった。

その他の人物

理久(りく)

理久は咲の元旦那であり、宇多と和歌の父親である。かなりの美形で女性人気が高く、咲と結婚してからも常に外に彼女がいたが、本人はそのことをまったく悪いと思っていない様子である。結果、浮気に耐えられなくなった咲と離婚するに至った。咲には徹底的に嫌われているが、子供達には慕われている。
歳をとってモテなくなったために咲達とやり直そうと考えて彼女達の元を訪れ、行き倒れていたところを隼に救われた。しかし、咲がきっぱりと断ったことで行き場をなくし、その後しばらく柚木家に居候していた。現在は町の商店街にある定食屋「坂田屋食堂」にて住み込みで働いており、女性客を集めて売り上げに貢献している。しょっちゅう家族の前に現れて咲の怒りを買っているが、意外と仲良さげに見える場面も時折見られる。

宮本(みやもと)

宮本、通称「みーやん」は隼の幼馴染で、小学校時代に貧乏で団地暮らしをしていた頃からの親友である。目の下に泣きぼくろがある。過去話の当時の段階では弟と妹がいて、3人兄妹の長男であった。隼とは大学まで同じで、今でも時折柚木家に遊びに来ており、湊達とも馴染んでいる。よく隼を合コンに誘っているが、断られることが多い様子である。

『柚木さんちの四兄弟。』の用語

釈迦(しゃか)

悠馬(右下)によって孫悟空を手にする釈迦に形容される湊(上)

悠真が尊のことを形容する際によく用いる描写である。「湊が自分に突っかかるのは自分が好きだからだ」と認識している尊は湊を溺愛し、湊の言う事は全て肯定して決して怒ることはないとの境地に達している。その様子を慈悲深い仏の姿に喩えて表現したものである。ただし、その慈悲深さの対象は湊1人に限定され、逆に湊に害をなすものには容赦しない。

老子(ろうし)/岳老子(がくとろうし)

隼や尊、および作者が岳のことを形容する際によく用いる描写である。岳は小学1年生と幼いながら非常に大人びており、我慢強く、人生を何周もしたかのような物言いをする。70代の虎次郎とウマが合い、食やエンタメなどの好みもいわゆる年寄りじみたものが多い。欲のない岳の様子を、無為自然を是とする老子に喩えて表現したものである。なお、老子たる岳の世界に周りが呑まれる場面では、背後に桃源郷が現れることもある。

脳筋(のうきん)

脳筋理論で話す宇多(中央)、咲(右)、虎次郎(左)

和歌以外の霧島家の3人、宇多、咲、虎次郎を描写する際に咲が時折用いる表現である。脳筋は「脳みそまで筋肉」を略した言葉であり、考えるよりも先に体を動かす性格や行動を指す。実際にこの3人は運動能力に極めて優れ、その代わりに細かいことを考えるのが苦手である。唯一繊細な神経をもつ和歌が自らの不甲斐なさに悩んでいたときには、3人揃って「寝れば治る」と納得していた。

『柚木さんちの四兄弟。』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

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