柚木さんちの四兄弟。(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『柚木さんちの四兄弟。』とは、月刊雑誌『ベツコミ』の連載漫画である。累計100万部を突破した人気漫画『ハツ*ハル』の作者、藤沢志月の次作として注目を集めている。両親を亡くした柚木家の四兄弟が、数々のハプニングに遭遇しながらも、周りに支えられながら力いっぱい暮らしている日常を描く。笑いあり、涙あり、感動ありの未体験ファミリーストーリーである。

柚木岳は、柚木家の四男である。小学1年生で、柚木家の中では最年少であるが、最も大人びている。隼をして「人生何周目!?」と言わせるほどの大人びて達観した性格で、考え方や物言い、交友関係など節々にその片鱗が見られる。趣味は将棋で『水戸黄門』に感動し、食の好みも魚や豆腐など年配者向けのものに偏っている。兄達には「岳老師」と呼ばれ、背景に桃源郷が現れることすらある。だが一方で、近所の花火大会に行って大喜びするなど、年相応の子どもらしい一面もまだまだ多い。
親友は隣に住む宇多の弟の和歌、祖父の虎次郎(こじろう)である。和歌とは同じ小学校の同じクラス、虎次郎とは将棋友達であり、兄達が帰るまでの間は彼らの家で時間を過ごしていることが多い。自らが兄達の重荷になっているのではないかと悩む事もあったが、霧島家の人々や隼の職場の同僚から温かい声かけをもらい、他人を頼っていいのだと思えるようになった。

柚木 春一(ゆずき はるいち)

柚木春一は柚木家四兄弟の父親である。2年前に亡くなった。職業は小説家である。陽気な自由人で、子供っぽい言動が多い。隼が小学生の頃までは注目されることなくニート同然に暮らしており、妻の千恵子(ちえこ)が次男の尊を妊娠したと知った時には小説をやめて働こうと考えたこともあった。だが、彼女に発破をかけられて夢を追うことを決意し、結果、大ヒットを飛ばして一躍売れっ子小説家になった。
柚木一族の長男として産まれ、跡継ぎになることを期待されていた。しかし自分は跡継ぎに向いていないとの考えから一族を弟の夏樹(なつき)に託して家を出た。隼は春一のことを家族と仲が悪いと考えていたが、実は弟達にも父親にも大切に思われていた。

柚木 千恵子(ゆずき ちえこ)

柚木千恵子は柚木家四兄弟の母親である。2年前に春一と共に亡くなった。優しく大らかな性格でありつつ、しっかり者で面倒見が良い。春一が小説を書くために通っていた喫茶店でバイトをしていたのが出会ったきっかけだった。彼が初めて作品を見せた相手で、その際には感動の涙を流した。結婚後、なかなか春一の作品が認められずに貧乏暮らしだった時にはパートで懸命に働いて家計を助け、夫を応援し続けた。

霧島家

霧島 宇多(きりしま うた)

霧島宇多は柚木家の隣に住む一家の長女である。湊の親友であり、クラスメートでもある。いつも明るく元気いっぱいで、同級生からの人気も高い。学年、性別問わず誰にでも分け隔てなく接し、上級生の桜とも仲が良いが、一方で気に入らない相手にはとことんぶつかっていく。見た目は美少女であるが女子力は皆無であり、言葉遣いも行動も男らしい。勉強はからっきしだが運動神経が非常に良く、空手では中学生日本一の称号を持っている。細かいことを考えるのが苦手で、思考も行動も動物的であり、母親の咲からは霧島家の「脳筋」の一人に数えられている。食べることが大好きで、何かと食べ物に釣られることが多い。

霧島 和歌(きりしま わか)

霧島和歌は霧島宇多の弟である。小学1年生で岳の親友であり、クラスメートでもある。ふわふわした穏やかな性格であったり、極めて繊細な心の持ち主であったり、運動が苦手だったりと、霧島家の他の3人と1人だけ違っている点が多い。友達思いで、いじめられた岳を助けられなかった時には学校に行けなくなるほど落ち込んでいた。幼いながら、実は霧島家で1番の常識人であり、空気を読んで振る舞う様子が多々見られる。

霧島 咲(きりしま さき)

霧島咲は霧島宇多と和歌の母親である。夫の浮気が原因で離婚してシングルマザーになり、子供達を連れて実家に戻ってきた。警察官をしていて、パトロール中にパトカーから登場することも多い。柔道黒帯の実力者で、怒った時には宇多相手に柔道の技を繰り出したりもしている。竹を割ったような性格をしていていわゆる肝っ玉母さんそのものである。明るく前向きで頼り甲斐があり、宇多もその性癖を色濃く受け継いでいる。柚木家四兄弟の事を実の子供であるかのように可愛がり、困った時にいつでも頼れる相手として大きな支えになっている。

霧島 虎次郎(きりしま こじろう)

霧島虎次郎は霧島宇多の母方の祖父である。岳の親友で、よく一緒に将棋をさしている。柚木家の両親健在時から隣に住んでおり、初めは一人暮らしだったが、咲が子供を連れて戻ってきたことで4人暮らしになった。物静かでいつもしかめっ面をしているが、本当はとても優しく、四兄弟が両親を亡くした当初から何か力になれないかと様子を伺っていた。その立ち振る舞いから初めは兄弟に恐れられていたが、誤解が解けてからは家に人がいない時の岳の預け先として大いに助けになっている。宇多や咲と正反対の穏やかな佇まいであるが、その思考回路は似ており、霧島家の「脳筋」の一人である。

湊・尊の友人

二階堂 悠真(にかいどう ゆうま)

二階堂悠真は尊のクラスメートであり、湊、尊、宇多の友人である。定期テストでは学年1位をとる秀才で、尊と合わせて容姿端麗、頭脳明晰な学年のツートップとして学年の女子の憧れの的となっている。常に冷静かつ論理的に物事を考えるため湊や宇多とは正反対に思えるが、不思議とウマが合い、彼らの制止役、ツッコミ役を担う。
産まれた時から自分を含めて俯瞰的に物を見る「メタ認知機能」の高い子供であり、優秀ではあるがゆえに周囲に溶け込めず孤独であった。エスカレーター式での進学が可能な大学附属校に通っていたが、同級生の羨望の目や稚拙な価値観に辟易し、環境を変えてゼロからスタートしようと今の私立中学に入学した。

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