萌えだけじゃない!がっつり面白いおすすめラノベ12選【虚構推理、他】

ライトノベルと言えば美少女がたくさん出てくる萌え系の作品が主流になって久しいが、ライトノベルは萌えだけにあらず。ハードボイルドアクションやミステリー、骨太のファンタジーにSFなど、広い裾野を持つジャンルなのだ。ここではシナリオで勝負する面白いライトノベル12選を紹介する。

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こうして彼は屋上を燃やすことにした (ガガガ文庫)

彼氏にフラれた私・三浦加奈は、死のうと決意して屋上へ向かう。けれどそこで「カカシ」と名乗る不思議な少女、毒舌の「ブリキ」、ニコニコ顔の「ライオン」と出会う。ライオンは言う。「どうせ死ぬなら、復讐してからにしませんか?」そうして私は「ドロシー」になった。西の悪い魔女を殺すことと引き替えに、願いを叶える『オズの魔法使い』のキャラクターに。広い空の下、屋上にしか居場所のない私たちは、自分に欠けているものを手に入れる。第5回小学館ライトノベル大賞・ガガガ大賞受賞作。心に残る、青春ジュブナイル。

ある種等身大の10代を描いたような本。
登場人物をオズの魔法使いになぞらえ、それぞれの持つ悩みを解決していくのが本筋。
高い文章力でつい感情移入させられる、紹介した中では一番ラノベらしくない作品。

▼バトルだけじゃない『超能力』

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サクラダリセット (角川スニーカー文庫)

「リセット」たった一言。それだけで、世界は、三日分死ぬ―。能力者が集う街、咲良田。浅井ケイは、記憶を保持する能力をもった高校一年生。春埼美空は、「リセット」―世界を三日分巻き戻す能力をもっており、ケイの指示で発動する。高校の「奉仕クラブ」に所属する彼らは、ある日「死んだ猫を生き返らせてほしい」という依頼を受けるのだが…。リセット後の世界で「現実」に立ち向かう、少年と少女の物語。

ラノベの文章が酷いと思っている人に読んで欲しいのがこの作品。
淡々と綴られる文章には透明感があり、この作品が持つ世界観を存分に表現している。
ライトノベルで超能力とくればバトルを連想しがちだが、本作は違う力の使い方を見せてくれる。

▼実写映画化決定作品

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All You Need Is Kill (集英社スーパーダッシュ文庫)

「出撃なんて、実力試験みたいなもんじゃない?」敵弾が体を貫いた瞬間、キリヤ・ケイジは出撃前日に戻っていた。トーキョーのはるか南方、コトイウシと呼ばれる島の激戦区。寄せ集め部隊は敗北必至の激戦を繰り返す。出撃。戦死。出撃。戦死―死すら日常になる毎日。ループが百五十八回を数えたとき、煙たなびく戦場でケイジはひとりの女性と再会する…。期待の新鋭が放つ、切なく不思議なSFアクション。はたして、絶望的な戦況を覆し、まだ見ぬ明日へ脱出することはできるのか。

主演はトム・クルーズ。まさかのハリウッド化である。
異星人と戦う新兵の主人公はある日タイムリープに巻き込まれ、戦場で一人の女性と出会う。彼女は何者なのか。彼はループを終えて戦いを終わらせることができるのか。
ハリウッド化されただけに話はしっかりしているのでおすすめ。

▼名作、恋と空戦の物語

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とある飛空士への追憶 (ガガガ文庫 い)

「美姫を守って単機敵中翔破、1万2千キロ。やれるかね?」レヴァーム皇国の傭兵飛空士シャルルは、そのあまりに荒唐無稽な指令に我が耳を疑う。
次期皇妃ファナは「光芒五里に及ぶ」美しさの少女。そのファナと自分のごとき流れ者が、ふたりきりで海上翔破の旅に出る!?
...圧倒的攻撃力の敵国戦闘機群がシャルルとファナのちいさな複座式水上偵察機サンタ・クルスに襲いかかる!
蒼天に積乱雲がたちのぼる夏の洋上にきらめいた、恋と空戦の物語。

空戦といえば森博嗣のスカイクロラを思い浮かべるかもしれないが、こちらは徹底してボーイ・ミーツ・ガールであり、愛の逃『飛行』であったりする。
ストーリーラインの抑揚がしっかりしていて、ラストはきっちり泣かされる。
単簡完結の話なら一番に推したい名作だ。

▼魔王が居世界でバイト暮らし

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はたらく魔王さま!(電撃文庫)

世界征服まであと一歩だった魔王サタンは、勇者に敗れ、異世界『日本』の東京・笹塚にたどり着く。そんな魔王が日本でできること。それはもちろん“世界征服”!!―ではなく、駅前のファーストフード店でアルバイトをしながら生活費を稼ぐ、いわゆるフリーター生活だった!その頃、魔王を追って時空を越えた勇者エミリアもまた、テレホンアポインターとして日本経済と戦っていた。そんな二人が東京で再会することになり―!?六畳一間のアパートを仮の魔王城に、今日も額に汗して働くフリーター魔王さまが繰り広げる庶民派ファンタジー。

バイオレンスだけどどこか抜けてる勇者が居て、異世界でまじめに働く魔王が居る。
二人を中心に繰り広げられる軽妙な会話劇と突飛な設定はまさにライトノベル。
それでも薦めたいのは純粋に『おもしろい』からだ。
シュールでたまにシリアス。基本バカ騒ぎ。
意外と硬質な文章で描かれる綿密なバイト描写も必読。

umi-aoi8008g8
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@umi-aoi8008g8

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