オペラ座の怪人(2004年の映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『オペラ座の怪人』とは2004年にアメリカで公開された、ガストン・ルルー原作の小説『オペラ座の怪人』を映画化したミュージカル映画作品である。19世紀のパリ・オペラ座、その地下には醜い顔をした怪人が住んでいた。彼は若く美しいコーラスガールのクリスティーヌに恋をしており、彼女の音楽の才能を見初めて姿を見せずに音楽を教えていた。怪人の目論見通りに主役に抜擢されたクリスティーヌだったが、幼馴染のラウルと再会を果たし恋仲になってしまう。そこから嫉妬に狂った怪人の復讐劇が始まっていく。
CV:横山幸江
オペラ座のバレエ教師で、メグ・ジリーの母親。クリスティーヌを実の娘と思い面倒を見ている。オペラ座の寄宿生だった少女時代に訪れたジプシーサーカス団で、少年時代の怪人が殺人を犯す現場を目撃する。とっさに怪人を匿いオペラ座の地下に導いた。怪人の才能を崇拝しており、彼のスポークスマンのような役割を果たしている。一介のコーラスガールであったクリスティーヌを突然主役の代役に推薦したのも、怪人の意をくんでのことだった。次第にエスカレートする怪人のクリスティーヌに対する行動に心を痛めるようになり、すべてをラウルに告白する。
ムッシュー・ジル・アンドレ(演:サイモン・キャロウ)
CV:林和男
オペラ座の新支配人。スクラップメタルで財を成し、オペラ座を買収できたことに喜んでいるが、芸術に関しては素人。崇高な芸術を提供するというよりは、社交的な意味でオペラ座支配人の肩書を利用しようとしている。怪人から度々脅迫や命令の手紙を受け取っているが、存在を信じておらずすべて無視していた。仮面舞踏会の時に初めて怪人と対面し、驚きと恐怖で硬直する。
ムッシュー・リチャード・フィルマン(演:キアラン・ハインズ)
CV:青木朗
オペラ座の新支配人。芸術に関しては素人で、金に貪欲。クリスティーヌの失踪やカルロッタの出演辞退も、すべて金を得るためのPRだと考えている。怪人から脅迫や命令の手紙を受け取っているが、「ゴースト」を質の悪いいたずら程度にしか考えておらず、ことごとく無視する。カルロッタの機嫌を直すためなら、靴に注がれたシャンパンでも飲む。
ジェゼフ・ブケー(演:ケヴィン・マクナリー)
CV:維田修二
オペラ座の首席舞台係。酒好きで好色漢。暇さえあれば少女たちの衣裳替えを覗いている。怪人の存在について知っており、『ハンニバル』に上演後には「奴の肌は黄色い羊皮紙のよう。鼻がなく、大きな黒い穴が開いている。いつも用心している。さもないとロープで首をつるし上げられる」と歌を歌って、ダンサーの少女たちに悪ふざけをしていた。そこにマダム・ジリーが止めに入り平手打ちをくらわされた。『イル・ムート』上演中に、舞台上で怪人らしき人影を見つけて探索していたが、逆に怪人に見つかり絞殺されてしまう。
『オペラ座の怪人』の用語
オペラ座
フランスの首都パリにある歌劇場で、フランス国立オペラの公演会場の一つ。1661年に太陽王ルイ14世が創立した王立舞踊アカデミーを起源とし、360年の歴史を誇る。劇場は時代や政治体制と共に変わり、ガルニエ宮は13代目である。
1860年新オペラ座の建設計画の政令が出された。設計は公募され、その中からシャルル・ガルニエの案が採択され、1862年7月21日に最初の礎石が置かれた。
シャンデリアもシャルル・ガルニエによってデザインされた。ブロンズとクリスタルでデザインされており、重さは7トン、総額で3万ゴールドフランの費用がかけられた。1896年にシャンデリアが客席に落下する事故が発生し、死傷者を出した。ガストン・ルルーはこの事故に『オペラ座の怪人』の着想を得た。
オペラ座の地下には洞窟や水路、湖が存在する。
プリマドンナ
プリマドンナとはイタリア語で、直訳すると「第一の女性」の意味。オペラなどで主役となる女性歌手で、通常はソプラノ歌手があてられる。オペラ以外でも、例えばバレエなどでも比喩的に使われることも多い。
19世紀のオペラ座にアーティストとして入団するには、まず劇場監督と各部門の長による審査を受ける必要がある。審査にパスすると1年間の仮入団期間があり、その後は職位に応じて政府が決めた額の給料が支払われる。プリマドンナなどトップクラスの団員には12000フラン(日本円で1200万円ほど)の年収が保証されていた。
ハンニバル
『ハンニバル』はアンドリュー・ロイド=ウェーバーが創作した架空のオペラ。モデルとなっている作品はジュゼッペ・ヴェルディが作曲し、1871年に初演された『アイーダ』である。ファラオ時代のエジプトとエチオピア、2つの国に引裂かれた男女の悲恋を描き、現代でも世界で最も人気の高いオペラのひとつである。また第2幕第2場での「凱旋行進曲」の旋律は単独でも有名である。
イル・ムート
『イル・ムート』はアンドリュー・ロイド=ウェーバーが創作した架空のオペラ。モデルとなった作品は、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが1786年に作曲したオペラ『フィガロの結婚』である。ロッシーニのオペラ『セビリヤの理髪師』の続編で、結婚準備中のカップルと冷え切った関係を修復したいカップルが、一日で繰り広げるラブ・コメディである。
ドン・ファンの勝利
『ドン・ファンの勝利』は作曲家アンドリュー・ロイド=ウェーバーが既存のオペラをもとに創作した、架空のオペラである。原作はヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが1787年に作曲したオペラ『ドン・ジョバンニ』である。イタリアで640人、ドイツで231人、スペインで1003人の女性をモノにした史上最強のプレイボーイ、ドン・ジョバンニが主人公で、主人公は最終的に地獄へ落ちる。
『オペラ座の怪人』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
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目次 - Contents
- 『オペラ座の怪人』の概要
- 『オペラ座の怪人』のあらすじ・ストーリー
- プロローグ
- ハンニバル
- 新しい支配人と後援者
- 主役デビュー
- 音楽の天使
- 怪人との出会い
- 鏡の中へ
- 怪人の住処
- 怪人の愛
- イル・ムートの怪事件
- プリマドンナ
- 事件
- 2人の愛
- 仮面舞踏会
- 秘密の婚約
- 怪人からの要求
- 怪人の正体
- 墓所へ
- 最終決戦
- ラウルの計画
- ドン・ファンの勝利
- 怪人の住処へ
- 愛と憎しみ
- 愛の行方
- エピローグ
- 『オペラ座の怪人』の登場人物・キャラクター
- 主人公
- オペラ座の怪人(演:ジェラルド・バトラー )
- クリスティーヌ・ダーエ(演:エミー・ロッサム )
- ラウル・シャニュイ(演:パトリック・ウィルソン)
- オペラ座劇団員
- カルロッタ・ジュディチェルリ(演:ミニー・ドライヴァー)
- メグ・ジリー(役:ジェニファー・エリソン)
- ウバルト・ピアンジ(役:ヴィクター・マクガイア)
- 劇場関係者
- マダム・ジリー(演:ミランダ・リチャードソン)
- ムッシュー・ジル・アンドレ(演:サイモン・キャロウ)
- ムッシュー・リチャード・フィルマン(演:キアラン・ハインズ)
- ジェゼフ・ブケー(演:ケヴィン・マクナリー)
- 『オペラ座の怪人』の用語
- オペラ座
- プリマドンナ
- ハンニバル
- イル・ムート
- ドン・ファンの勝利
- 『オペラ座の怪人』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 怪人「地獄の業火に焼かれながら、それでも天国に憧れる」
- クリスティーヌ「心を決めたのだから」
- クリスティーヌの墓に供えられたバラ
- 仮面舞踏会
- シャンデリア
- 『オペラ座の怪人』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- エミーとジェニファー
- 最後に決まったクリスティーヌ役
- 特殊メイク
- 屋上シーンの撮影
- 『オペラ座の怪人』の主題歌・挿入歌
- メインテーマ:ジェラルド・バトラー/エミー・ロッサム「The Phantom Of the Opera」
- ED(エンディング):ミニー・ドライヴァー「Learn To Be Lonely」
- 劇中歌:エミー・ロッサム 「Think Of Me」
- 劇中歌:エミー・ロッサム/ジェニファー・エリソン「Angel Of Music」
- 劇中歌:ジェラルド・バトラー/エミー・ロッサム「The Mirror(Angel of Music)」
- 劇中歌:ジェラルド・バトラー「The Music Of the Night」
- 劇中歌:ジェラルド・バトラー/エミー・ロッサム「I Remember/Stranger Than You Dreamt It」
- 劇中歌:ミニー・ドライヴァー/サイモン・キャロウ/キアラン・ハインズ「Prima Donna」
- 劇中歌:エミー・ロッサム/パトリック・ウィルソン「Why Have You Brought Me Here?」
- 劇中歌:エミー・ロッサム/パトリック・ウィルソン「All I Ask Of You」
- 劇中歌:サイモン・キャロウ/キアラン・ハインズ他「Masquerade」
- 劇中歌:エミー・ロッサム「Wishing You Were Somehow Here Again」
- 劇中歌:ジェラルド・バトラー/エミー・ロッサム「The Point Of No Return」
- 劇中歌:ジェラルド・バトラー/エミー・ロッサム/パトリック・ウィルソン「Down Once More」