腸よ鼻よ(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『腸よ鼻よ』とは、島袋全優による闘病コミックエッセイである。コミック配信サイト「GANMA!」にて2017年6月よりWEB上で連載を開始。2019年に行われた「第五回次にくるマンガ大賞 Web漫画部門」にて3位にランクインした。本作の主人公であり著者でもある島袋全優は、19歳の時に潰瘍性大腸炎を発症する。23歳で大腸を全摘出するまでの壮絶な体験を描く。過酷な闘病生活を題材にしながらも、悲壮感を出さないコメディタッチなストーリーが話題を呼んだ。

大腸内視鏡検査

先端に小型カメラもしくはレンズを内蔵した管を肛門から挿入し、大腸内部を観察、時に治癒するもの。

白血球除去療法

体内で悪さをしている活性化された白血球を選択的に取り除く治療法のこと。

レミケード

潰瘍性大腸炎の炎症を起こす原因細胞を根底から治療する製剤である。日本を含む世界100か国以上で発売され、各種疾患で220万人以上の患者に使用されている。

ストーマ

消化管や尿路の疾患などにより、腹部に便または尿を排泄するために造設された排泄口のことである。ストーマを持つ人をオストメイトと呼ぶ。

『腸よ鼻よ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

島袋全優「あたし 大腸が無いの」

第1話、バーでの一コマ。本作は、主人公である島袋全優が「あたし 大腸が無いの」とカミングアウトするところから物語が始まる。1人の女性が突然口にしたこの事実は、その場にいた客のボブだけではなく読者にも大きな衝撃を与えた。これから一体何が語られるのか、その壮絶さを予感させるセリフである。

島袋全優「どっちも肛門カテゴリだからいいじゃない」

病院から坐薬をもらってきた全優。その坐薬は冷蔵庫で保管しなければならないのだが、すでに庫内はいっぱいであった。全優が薬を卵のスペースに置いていいかどうか尋ねるものの、他に置くところがないのかといわれてしまう。その時に全優が発した一言が、「どっちも肛門カテゴリだからいいじゃない」である。卵はニワトリから「産まれる」もので、坐薬は「入れる」もの。どちらも卵のスペースに置いておいたところで間違えようがないだろうという全優の考えが、このセリフによってコミカルに表現されている。

S先生「うぉぉぉぉおのれダイエットコーラァ」

全優の様子を見に来たS先生。病室に入ってダイエットコーラがあることに気付いたS先生は、「うぉぉぉぉおのれダイエットコーラァ」とのセリフを発する。全優はコーラが好物だが、潰瘍性大腸炎の闘病生活を送る上でコーラを口にするのは御法度だ。S先生は軍人のような風貌をした人物であり、まさに軍人のような言葉遣いでダイエットコーラの存在を咎めたことに面白さを感じられる場面である。

『腸よ鼻よ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

腸に優しいレシピブックとしても楽しめる本作

本作には、腸に優しい食材&レシピが各話冒頭に掲載されている。実際に作ってみるととても美味しいし勉強になるとのことで、読者から好評を得ている。闘病エッセイとしてだけでなく、様々な知識も学べるのが本作の魅力だ。

執筆のきっかけは担当者からの声かけ

作者の島袋全優が本作を執筆することになったきっかけは、担当者から闘病エッセイギャグ漫画を描かないかと声をかけられたことである。その時点ではまだ作者の体調が優れなかったが、三重の病院の通い始めてから体調が好転し、執筆活動を始めたとのことである。

本人とまったく似ていない主人公の島袋全優

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