棺担ぎのクロ。(懐中旅話・追憶旅話)のネタバレ解説・考察まとめ
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『棺担ぎのクロ』とは、2005年から2018年の間に芳文社『まんがタイムきらら』にて連載されていた、きゆづきさとこによる4コマ漫画作品である。中世ヨーロッパ風のファンタジーな世界観を主人公達が旅をし、その過程で様々な出来事や人々に出会う旅物語である。主な登場人物である旅人のクロ、蝙蝠のセン、双子の女の子の二ジュクとサンジュの4人の旅先での出来事が1話完結型の4コマ漫画形式で絵がかれている。
クロ「ここから最後までの私の道も、きっと一本道だ。だからそれなりに苦労しながら歩くことにするさ」
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自分の何かと引き替えに、願いを叶えてくれる場所があると言われている村へ訪れ去る時に、クロが言ったのが、「ここから最後までの私の道も、きっと一本道だ。だからそれなりに苦労しながら歩くことにするさ」である。犠牲を払えばすぐに目的を達成する事が出来たがクロはそれを拒否し、大変な道を選び、旅を続ける事を選んだ。
クロ「私は旅人ですから、特にあてもなく、運良く列車に乗れればそれが私の行く先です」
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黒い染みの侵攻によって倒れたクロが見た夢の中、その中で訪れた駅で、去り際にすれ違った家族に何処に行くのかを聞かれた際にクロが返した言葉が、「私は旅人ですから、特にあてもなく、運良く列車に乗れればそれが私の行く先です」であった。この駅で出会った者達は皆目的をもって電車に乗り、駅を出て行く。しかしクロは目的の電車には乗ることが出来ず、結局駅から出る事が出来ないまま夢は終わる。
クロ「私は今のうちに、キミに少し傷をつけようと思っている」
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サンジュは普通の子供ではなく力が強い。無知であるが故に旅先で出会った女の子が連れていた子猫を殺してしまった際に、クロはサンジュに「私は今のうちに、キミに少し傷をつけようと思っている」と言った。クロの様子がいつもと違った事から、サンジュは自分が何か悪い事をしてしまったのだと気付く事は出来たが、何がいけない事だったのかはわからなかった。結果としてこの後、サンジュは手を繋いでいるクロの指を無意識に潰してしまう。そんな彼女に気付き変わるためのきっかけを与えるべく、クロはサンジュの心に傷を付けた。
サンジュ「いっしょうゆるさないってなあに?」クロ「それはね、いつかあの子達の中で風化してもキミは忘れるなってことさ」
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子猫を殺してしまったサンジュは、飼い主の女の子達に謝りにいったが、当然許される事はなかった。子供はサンジュに「一生あんたを許さない。」と叫ぶ。意味が理解出来なかったサンジュが「いっしょうゆるさないってなあに?」とクロに聞いた際に、クロが返したのが「それはね、いつかあの子達の中で風化してもキミは忘れるなってことさ」という一言だった。犯してしまった罪はなかった事には出来ないし、悪意があってやった事ではなかった事から罰する事も出来ない、だからせめて忘れずに覚えておく事が唯一サンジュに出来る事なのだろう。
ニジュク「クロちゃのたびの『にもつ』あたしたちももてるんだよ?」
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魔女と再会を果たし、それを退けたクロだったが、体から染みが消える事はなかった。ついに体にも限界が訪れ、自らの死を受け入れたクロの染みを二ジュクとサンジュが持って行くと言った。クロは当然それを拒否する。そんなクロに二ジュクとサンジュが言ったのが、「クロちゃのたびの『にもつ』あたしたちももてるんだよ?」である。こうしてクロの背負ってきた物を受け取って、二人はクロとは別々に旅立って行った。作品全体を通しての二ジュクとサンジュの成長を表したセリフでもある。
『棺担ぎのクロ。』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
同じ作者のアニメ『GA芸術科アートデザインクラス』にゲスト出演
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クロとセンが背景に映り込んでいるシーン
棺担ぎのクロはアニメ化作品ではない。しかし同じ作者の別作品である『GA芸術科アートデザインクラス』のアニメにゲストとして出演している。背景に一瞬ではあるがアニメーションで動くクロやセン、二ジュクとサンジュを見る事ができる。
『きららファンタジア』にクロが登場
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まんがタイムきらら内で刊行されている作品のキャラクターが登場するアプリゲーム、「きららファンタジア」内にも棺担ぎのクロは登場している。架空のファンタジー世界を舞台にしているため設定が少し変わっていたりする。しかし声優によってセリフを吹き込まれたキャラクター達が見られるのは貴重なことであり、喋っているクロを見るためだけでも、作品ファンならばやって損はないゲームになっている。
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漫画家:きゆづきさとこ「GA芸術科アートデザインクラス」内の絵画まとめ
漫画家:きゆづきさとこさんは、「GA芸術科アートデザインクラス」をはじめ、「棺担ぎのクロ」や「ユグドラ・ユニオン」などのイラストなどを描かれておられます。油絵や水彩画、デッサンや石膏デッサン、メルヘンから、パステルやカラフルなどの色の違いなどを勉強することができます。「ミクダヨー」さんの絵と比較なんかもしてみました。
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目次 - Contents
- 『棺担ぎのクロ。』の概要
- 『棺担ぎのクロ。』のあらすじ・ストーリー
- クロの旅の目的
- センの旅の目的
- ニジュクとサンジュの旅の理由
- それぞれの行き着く場所
- 『棺担ぎのクロ。』の登場人物・キャラクター
- メインキャラクター
- クロ
- セン
- 二ジュク
- サンジュ
- 旅で出会った人物
- イーダ
- ケイ
- ゼンマイの丘の魔女
- チョウ
- クロとセンに関わる人物
- ヒフミ
- クロの過去に関わる人物
- モー
- 黒い旅人
- ニジュクとサンジュに関わる人物
- ハカセ
- 『棺担ぎのクロ。』の用語
- 旅人
- 風来坊
- 魔女
- 染め月
- 黒い染み
- 『棺担ぎのクロ。』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- イーダ「けれどもきっと旅人さんは今もこの空の下のどこかでながいながい旅の最中で、このお話もまた、そのほんの一部になってしまうのでしょう」
- モー「だから、あんたがあたしの棺になって」
- クロ「ここから最後までの私の道も、きっと一本道だ。だからそれなりに苦労しながら歩くことにするさ」
- クロ「私は旅人ですから、特にあてもなく、運良く列車に乗れればそれが私の行く先です」
- クロ「私は今のうちに、キミに少し傷をつけようと思っている」
- サンジュ「いっしょうゆるさないってなあに?」クロ「それはね、いつかあの子達の中で風化してもキミは忘れるなってことさ」
- ニジュク「クロちゃのたびの『にもつ』あたしたちももてるんだよ?」
- 『棺担ぎのクロ。』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 同じ作者のアニメ『GA芸術科アートデザインクラス』にゲスト出演
- 『きららファンタジア』にクロが登場