棺担ぎのクロ。(懐中旅話・追憶旅話)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『棺担ぎのクロ』とは、2005年から2018年の間に芳文社『まんがタイムきらら』にて連載されていた、きゆづきさとこによる4コマ漫画作品である。中世ヨーロッパ風のファンタジーな世界観を主人公達が旅をし、その過程で様々な出来事や人々に出会う旅物語である。主な登場人物である旅人のクロ、蝙蝠のセン、双子の女の子の二ジュクとサンジュの4人の旅先での出来事が1話完結型の4コマ漫画形式で絵がかれている。

『棺担ぎのクロ。』の概要

『棺担ぎのクロ〜懐中旅話〜』とは、きゆづきさとこによる4コマ漫画作品である。2005年から2018年の間に芳文社『まんがタイムきらら』にて連載されていた。2007年7月25日にはドラマCDも出しており、連載終了後の2019年2月27日には番外編や本編のその後の物語が綴られた『棺担ぎのクロ〜追憶旅話〜』も発売された。

舞台は中世ヨーロッパ風のファンタジーな世界。クロずくめの旅人クロと喋る蝙蝠セン、双子の子供ニジュクとサンジュが様々な場所へ訪れ、色々な人達に出会い、様々な出来事を経験していく1話完結型のストーリーで物語は進んでいく。短編集のような構成で、時系列もバラバラに描かれている。最初はクロの旅の目的すらも語られておらず、なにもわからないまま物語は進んで行く。優しく心が温まるようなストーリーもあれば、何処か闇を感じさせるダークファンタジー的な側面を持ったものもある。童話を感じさせる世界観と、きゆづきさとこによる独特で可愛らしい絵柄が印象的な作品である。

『棺担ぎのクロ。』のあらすじ・ストーリー

クロの旅の目的

クロずくめの旅人クロと喋る蝙蝠セン、双子の子供ニジュクとサンジュは4人で一緒に旅をしていたが、皆が同じ目的を持っている訳ではない。クロが旅を続ける理由は魔女にかけられた呪いを解くためであった。クロは魔女から受けた呪いのせいで、体に黒い染みが付着している。この染みはクロが感情を露わにすると体に広がり始め、最終的には命を奪う。この呪いを解くために、自分に呪いをかけた魔女を探して旅をしていた。普段は感情を出さないようにしたり、包帯を体に巻くことでなんとか染みを隠しているが、ふとした瞬間、感情が高まると染みは一気にクロを浸食していく。次第に黒い染みはクロの手にまで現れるようになる。他者に触れて染みを映すことを避ける為に、クロは黒い手袋を常に付けるようになるのだった。

センの旅の目的

蝙蝠のセンが旅をする理由は、クロと同じで魔女にかけられた呪いを解くためであった。ただセンにかけられた呪いはクロとは別のもので、体を100匹の蝙蝠に変化させられるというものだった。この100匹は全てがセンと言う訳ではなく、体の一部のようで、言語を話す個体は1匹だけで、他の蝙蝠は会話をする事は出来ない。ただ自由に操る事が出来る描写があったり、傷を負った際に言語を話す個体が痛がったりする。この呪いはクロよりは軽いようで、月が赤色に染まる染め月と言う現象が起こる夜だけは、月が呪いを肩代わりしてくれるために人の姿に戻ることが出来た。

ニジュクとサンジュの旅の理由

ニジュクとサンジュの旅の目的は自分たちの親のような存在であるハカセを探すためである。しかしハカセは既にこの世にはいない。ただその事実は幼すぎる二人には理解する事が出来なかった。そんな二人にクロはその事を教えはせず、自分達で何時かその答えにたどり着くべきであると考えた。ただ生まれてきた以上生きるべきだと考えたクロは二人に「私達と一緒に来るかい?それを探しに」と旅に誘った。こうして二人はハカセを見つけるために、クロと共に旅をする事を選んだ。

それぞれの行き着く場所

魔女を探すクロとセン、ハカセを探す二ジュクとサンジュ、一見違う目的を持ちながら様々な場所を旅して歩く4人だが、その旅は終着である魔女の元で繋がる事になる。

『棺担ぎのクロ。』の登場人物・キャラクター

メインキャラクター

クロ

一時的に呪いが弱まった際のクロ

CV:高山みなみ(ドラマCD)/金澤まい(きららファンタジア)

本作の主人公で、魔女の呪いによって容姿が大きく変えられてしまった中性的な容姿の少女。服装と背負っている棺も相まって男性に間違われたり、吸血鬼だと誤解されたりと周囲から変な誤解をされてしまう事が多い。担いでいる棺はいつか自分が呪いに敗れて死んでしまう時に使うための物で、常にコレを背負って旅をしている。クロと言う名は本名ではなく、二ジュクとサンジュと出会った際に考えた物である。本来の名前もしっかりあるようなのだが、本人が今の自分には似合わないからと名乗りたがらないために不明である。体中に呪いの影響で黒い染みがあり、普段は包帯を巻いて隠しているが感情を表に出すと呪いが強まり染みが溢れ出す。そのため普段は感情を余り表に出さない。本来のクロは中性的な見た目ではなく、髪の色も黒くない。喋り方や性格までも違うが、これは魔女の呪いの影響で変わったのではなく、感情を大きく出す事で魔女の呪いが強まるために、感情を出さないようにしようと勤めた結果だろう。

セン

呪いに掛かる前のセン

CV:津久井教生

クロと同じく魔女の呪いで100匹の蝙蝠の姿に変えられてしまった男性。酒と女が好きと言うだらしない人物。しかししっかりした一面もあり、クロとは呪いに掛かる前から面識があるためクロの保護者のような存在。100匹の蝙蝠は自由に操る事が出来るようだが、喋れる個体は1匹だけのようである。元は領主の次男坊であり、幼かったクロの身元引受人でもあった。周囲からは変わり者と呼ばれており、本人も人間嫌いだった事から、その頃はクロとはまだ親しくもなく、互いに干将しない事を条件にクロを家に置いていた。クロからはセンセイと呼ばれており、センと言う呼び方はここから来ている。

二ジュク

CV:徳永愛

隠秘学を研究をしていた博士の家の地下室の、檻の中にいた双子の女の子の一人。博士の実験体であり、羽を生やして空を飛んだり、小さくなったり、色を吸い取ったり、影が一人歩きをしたりと、不思議な力を備えている。檻には閉じ込められていた訳ではなく、博士から「しばらく危ない事があるから、安全なここに待っていなさい。」と言う命令に従った結果、自ら檻の中に隠れていた。現にクロと初めてあった時には、自分たちで檻から脱出している。見た目通り中身も幼く、死と言う物を理解していない二人は、死んでしまったハカセを探すためにクロ達について行く事を選んだ。二ジュクと言う名前は、29番と言う意味である。容姿が酷似している二人だが頭の猫耳が黒い方が二ジュクである。この二ジュクの黒はクロから色を吸い取ろうとした際に魔女の呪いに触れてしまった影響で、この事でクロはとても傷ついていた。明るく素直な性格をしており、サンジュにお姉さんぶる時が多々ある。ただ泣き虫であるためサンジュと喧嘩をする時は大体負ける。少々舌っ足らずなところがありクロの事を「クロちゃ」と呼んでいる。

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