GANTZ(ガンツ)のネタバレ解説・考察まとめ

『GANTZ』とは、奥浩哉による『週刊ヤングジャンプ』で2000年から2013年まで連載された日本のSF漫画である。高校生玄野計は幼馴染の加藤勝と出会うが、交通事故に巻き込まれてしまう。目が覚めると、そこはマンションの一室だった。部屋の中央には大きな黒い球があり、見知らぬ男女がいた。黒い球の「星人をやっつけてください」という指令に、玄野たちは強制的に参加させられる。そこに待っていたのは想像もつかない死闘だった。戦うこと、愛する人を守ることをテーマにした本格SFアクションストーリーである。

ぬらりひょん編

転送されたメンバーは部屋の中で吸血鬼と戦闘を開始する。ガンツに対して非協力的な吸血鬼だったが、ガンツの破壊やガンツの中の人間を殺せず、範囲外に出ると頭が爆発することを知り、仕方なくミッションに挑む。

今度のターゲットは「ぬらりひょん」。そして転移先は東京ではなく大阪だった。ガンツメンバーの前に同じスーツ姿の「大阪チーム」が現れる。ガンツは東京だけではなく、大阪にも存在していたのだ。

大阪チームは何度も100点クリアを経験した歴戦の猛者ばかりだったが、薬物を使用したり音楽を聴いていたりと、めちゃくちゃであった。今回も一般人に姿が見えているが、大阪チームは彼らをを助けるつもりがない。一方の東京チームの中でも、人助けを行う余裕がないことで意見が分かれてしまう。
正義感が強い加藤は余裕がない中でも人々の救助を優先し、大阪チームの山咲杏と力を合わせる。

ぬらりひょんが率いる妖怪たちは、大阪チームの猛者をもってしても強敵だった。天狗や犬神といった中ボスたちに殺される大阪チーム。さらに負傷した後にパワーアップして再生したぬらりひょんに吸収される者も出る。

ぬらりひょんは倒すと100点が入るほどの驚異的な強さを誇る。加藤も玄野を蘇生させるためにぬらりひょんに挑む。倒しても倒してもパワーアップするぬらりひょんに、東京チームも大阪チームも大打撃を受ける。

加藤もぬらりひょんの光線で両足を失う重傷を負い、さらに追撃されそうになるが、山咲がそれを庇った。氷川がぬらりひょんの後方から斬りつけ、気を取られたところに加藤の銃撃が決まったことで、とうとうぬらりひょんを撃破した。加藤とともに戦った大阪チームの男子高校生は、「僕が絶対山咲さんを再生させますから!」と宣言して転送されていく。

加藤も足が治った状態でガンツのマンションに転送された。生き残った他のメンバーの欠損も元に戻っている。100点を獲得した加藤は、玄野を生き返らせた。
喜ぶ一同の前で、西が「カタストロフィが始まる」と告げる。彼は「人類はあと一週間しか生きられない」と言い、ガンツに時計を表示させた。その数字が人類に残された最後の時間ということだった。

ラストミッション編

玄野の家に集まったメンバーは、西から「ガンツは人為的に作られたもので、各国にある」ということを聞く。さらにあと1週間でカタストロフィというのは、時計を発見したチームが研究して出した結果だという。玄野は多恵と再会を喜び合った後で、人間の力で何とかするしかないと決意した。

一方、レイカは玄野に告白して振られていた。その際に「多恵よりも先にレイカと出会っていたら付き合っていた」と言われたことで、もう1度玄野を再生するという考えを持つようになる。
そして西は学校のいじめにうんざりした挙句、クラスメイト全員をガンで殺してしまう。特殊部隊に追い詰められる西だったが、その時にガンツからの招集がかかり転送される。
今回のガンツの表示は支離滅裂で、不安を覚える一同。転送先は日本でなく、イタリアだった。そこでは全世界から集められたガンツメンバーが、イタリア彫刻の姿をした星人と戦っていた。

東京チームは玄野、加藤を中心に星人を倒していくが、次々と仲間たちがやられていく。どうにか生き残ったメンバーがガンツのマンションに戻ると、ガンツには「おわり」の三文字が表示されていた。採点中も反応が鈍く、表示がバグってよくわからなくなってしまった。

一応「おわり」という表示があったため、これで自由に身になれたと一同は安堵する。そして皆が部屋から出た後、スーツを着替え忘れたレイカが戻るとガンツの球から人間が出てきた。

100点を取ったレイカは、先ほど再生を願ったが、反応しなかった。ガンツから出てきた人間は「先ほど再生できなかったので、ローディングするから名前を言うように」と告げる。そこでレイカは玄野の再生を願ってしまい、玄野が2人いるという状況になる。玄野は怒って多恵のもとに行くが、そこには本物の玄野がいた。自分が偽物だと改めて悟った玄野のコピーはレイカと暮らし始める。

カタストロフィ編

ラストミッションから数日後、突然世界が赤く染まり始める。各地に人型ロボットが襲来し、アメリカや中国が壊滅する。

玄野たちガンツメンバーは人型ロボット、その中から出てきた異星人から人々を守っていくが、突然どこかに転送され、スーツ姿の男たちから強制的に敵陣に送られてしまう。そこは大型の宇宙人の居住区だった。カタストロフィが異星との戦争だと理解した玄野たちは生き残りをかけて戦う。

一方で多恵は宇宙人に捕虜として捕まってしまう。その場面を目撃した玄野は追いかけることに。玄野はわざと捕まり、捕虜として多恵を追う。多恵はとあるおじさんに助けられ、逃げ出した。玄野は多恵を追いながらも一般人を見捨てずに助けていく。多恵は逃げた先で子どもの宇宙人に捕まり、ペットのような扱いを受ける。

玄野は地球に興味があるという女性の宇宙人の助けを借り、ともに多恵を探す。彼女の力によって多恵の居場所を特定し、どうにか再会を果たした。
一方の玄野を除く東京チームのメンバーは他の地域に連絡を取り、一緒に宇宙船の人間を助けに行くことに。チームの頑張りで多くの人々を救うことができたが、その中でレイカは死亡。玄野のコピーは彼女の死に涙を流した。

一方の玄野は多恵と行動している最中に再び転送され、またもや別々になってしまう。転送先で必死に戦う玄野。多恵は女性宇宙人とともに飛行船に乗り、玄野を探す。そして女性宇宙人のおかげで2人は再度会うことができた。

玄野は多恵とともに脱出を図るが、途中で西と邂逅する。西の目的は塔の破壊。女性宇宙人に救われた玄野と多恵は、西を止めようとした。この戦争を止めたい玄野と、滅ぼしたい西の殴り合いは玄野に軍配が上がった。玄野は西を残して多恵とともに小型機で飛び立った。

加藤たちガンツメンバーは「心理の部屋」と呼ばれる場所に転送され、巨大な仏像のような星人から「世界の真実」を告げられる。その後加藤たちは唯一機能が生きているアメリカチームのガンツの球のもとへ向かった。そこには軍神と呼ばれるイヴァ・グーンドという親玉がいた。

イヴァ・グーンドから指名を受けた玄野は転送され、最後の戦いに挑む。戦いはイヴァ・グーンドの優勢で進み絶体絶命の中、ガンツチームが助太刀に入る。数的優位を作ってもイヴァ・グーンドは強敵だった。しかし玄野と加藤の連携により、ついにイヴァ・グーンドを仕留める。
玄野と加藤は小型機に乗り込んで脱出し、無事に地球に帰還する。そして玄野は多恵に、加藤の弟の歩に抱き留められた。

『GANTZ/OSAKA』

『GANTZ/OSAKA』では、本作では描かれていなかった大阪チームの日常、そしてぬらりひょん戦後のストーリーが記載されている。
ぬらりひょんの後、ガンツの部屋に戻されたメンバー達。生き残ったのは桑原、中山、山田、眼鏡の男子高校生の4人だった。80点を獲った高校生以外の全員は100点を獲得することができた。だがあまりにも犠牲者を出したため、「これ以上続けていたら、いずれ自分の命が危なくなる」と判断し、全員ガンツからの解放を望んだ。

かつてぬらりひょん編で「死んだ山咲を再生する」と加藤に宣言した高校生は、その後、その約束を蔑ろにしようとする。ラストミッションのイタリア編での死闘で、無事100点を獲得することが出来る。その点数で、高校生は山咲を再生するのであった。

『GANTZ:G』

時は遡って2005年。女子高校生黒名蛍(くろなけい)は修学旅行のバスのに乗っていたが、突然交通事故に巻き込まれてしまう。目が覚めると、生徒は全員廃校に集められていた。そこに二人の若い男が現れ、星人と戦うことを告げられ、ガンツのルールを説明される。

全員が半信半疑になる中、ガンツには「けだもの星人」という文字が表示される。生徒たちは動物園に転送させられる。次々とクラスメイトが星人に殺されていく中、スーツを運よく持っていた宮崎、池上、森下、梶、そして黒名だけが生還する。

日常に戻った5人は次の星人奇襲に備えるため、二人の若い男、藤本と我孫子の特訓を受ける。次のミッションで現れたのは「はんぎょじん星人」だった。5人は水族館に転送されるが、その直後に藤本が殺されてしまう。はんぎょじん星人は親星人が卵を産むことによって、子星人を大量に生産することができた。我孫子もその星人に殺されてしまう。はんぎょじん星人は一体100点の強力な星人だった。

黒名は「自分がはんぎょじん星人を捕まえている間に、Xガンで撃ってほしい」と、ガンツメンバーに提案する。その作戦の甲斐があって、無事メンバーは生還することができた。100点を獲得した池上は、内木を再生させる。
黒名たちはメンバーのリーダーとなり、また新たな参加者を訓練するべく、ガンツのミッションを引き続きこなすことになったのである。

『GANTZ』の登場人物・キャラクター

ねぎ星人編からの参加者

玄野計(くろの けい)

CV:浪川大輔(アニメ版)園崎未恵(アニメ版・幼少期)梶裕貴(GANTZ
GANTZ:O)内山昂輝(VOMIX版)二宮和也
本作の主人公。ごくごく普通の高校一年生。クラスメイトからのあだ名は「昼行灯」で、グラビアが趣味。勉強や運動も特別好きではない。秀でた才能を持っている訳でもなく、「自分以外は馬鹿ばっかり」と思っている。初期は生きることに意味を感じていなかったが、小島と付き合うようになり、ガンツメンバーとして戦いを繰り広げていくうちに、その闘争心を覚醒させていく。

加藤勝(かとう まさる)

CV:大里雅史(アニメ版)山口眞弓(幼少期)小野大輔(GANTZ:O)鳥海浩輔(VOMIX版)松山ケンイチ
本作のもう一人の主人公。高校一年生。玄野とは小学生時代の同級生。仲間内であるヒーローであった玄野を尊敬している。中学二年生の頃に消防士の父と母を交通事故で亡くしている。
正義感が強く、大阪編では山咲杏に「ギゼンシャ星人」と呼ばれてしまう一面もあるが、その正義感に伴った勇気や行動力もしっかりと兼ね備えている。

西 丈一郎(にし じょういちろう)

矢部雅史(アニメ版)郭智博(GANTZ:O) 石田彰(VOMIC版) 演 - 本郷奏多
玄野や加藤よりも前からミッションに参加している、ガンツの秘密を握る中学二年生。あだ名は「西くん」。万引きで補導されるものの、連行される途中に逃亡し、マンションから転落死する。アニメ版・小説版では「母親の自殺を苦に飛び降り自殺した」と明記されている。西の母親は官僚の父親がホームレスになったことで気を病み、自殺したと原作では示唆されている。

岸本 恵(きしもと けい)

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