GIGANT(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『GIGANT』とは、奥浩哉による漫画作品で、男子高校生とAV女優の恋愛を軸に街を襲う破壊神との戦いを描いたSF作品である。小学館の雑誌『ビッグコミックスペリオール』で2018年1号から連載が開始された。映画監督を目指す横山田零(よこやまだれい)は大ファンであるAV女優パピコと思わぬ形で出会い、付き合い始める。その一方で、ETEと呼ばれる謎のwebサイトの出現、頻発する超常現象、パピコの身体が巨大化するといった怪現象が次々と起きる。そして突如現れた巨大な破壊神が街を蹂躙しはじめる。

『GIGANT』の概要

『GIGANT』とは、奥浩哉によって、『ビッグコミックスペリオール』(小学館)にて2018年1号から2021年20号まで連載された漫画。累計発行部数は140万部を突破している。

映画監督を目指す高校生の横山田零(よこやまだれい)と零が大ファンであるAV女優パピコの恋愛を軸に、謎のwebサイトや突如現れる破壊神との戦い、未来人の登場などSF要素を含んだ作品になっている。
零はパピコが「同じ街に住んでおり頼んだらやらせてくれる」と書かれた嫌がらせの張り紙を目にする。張り紙をはがす零は偶然パピコと出会い、この出来事をきっかけに2人は連絡先を交換する。数日後、パピコはひき逃げを目撃する。ひき逃げの被害者のおじさんはパピコの右手に奇妙な機械を埋め込み、人形になってしまう。パピコが家で埋め込まれた奇妙な機械をいじっていると突然、身体が巨大化する。その頃、世間ではETEという謎のサイトが広まり始める。このサイトはユーザーからお願いを集めて投票で実現することを決める、というものだった。そして、破壊神が東京の人口を100万人に減らす、が投票で1位になる。破壊神は東京の街に降り立ち、パピコは巨大化して破壊神と戦うことになる。

この漫画の見どころは、普通に暮らしている人が突然巻き込まれる異常な出来事、先の読めない展開、破壊神との戦いを余儀なくされたパピコと零の関係。圧倒的なSFと恋愛を同時に楽しむことができるのが、『GIGANT』である。

『GIGANT』のあらすじ・ストーリー

出会い編

横山田零(よこやまだれい)は映画監督になる夢を持つ高校1年生。高校の部活で映画制作を行っている。ある日、近所で「この街にAV女優のパピコが住んでいます たのんだらやらせてくれます」と書かれた張り紙を見かける。パピコのファンである零はゴミ袋を持ち街中に貼られた張り紙をはがしていると「君が貼ったの」と声をかけられる。声をかけてきたのはパピコ本人だった。張り紙をはがしてくれたお礼をしたいというパピコと零は一緒に近所の居酒屋へ行く。帰り際に2人はLINEを交換する。
数日後、パピコはひき逃げを目撃する。被害者は最近街でよく見かけるヘルメットにランドセル、下着姿のおじさんだった。救急車を呼ぼうとするパピコを制止し、おじさんは奇妙な機械をパピコの手首に埋め込む。「あとよろしくお願いします」と言い残し、おじさんは人形になってしまう。近くにはDVDが残されていた。訳がわからず、人形とDVDを家に持ち帰り、彼氏の竜二(りゅうじ)に相談するが軽くあしらわれてしまう。手首に埋め込まれた機械はダイヤル式の時計のようなもので、パピコがダイヤルを回すと身体が巨大化するのだった。
数日後、パピコは零を近所のファミレスに呼び出し、おじさんがひき逃げされるのを目撃したこと、そのおじさんが人形になってしまったこと、手首の機械のことなどを相談し、DVDを零に渡す。DVDを見た零は168時間という収録時間に驚き、興味を持つ。
後日、DVDの内容を伝えようと零がパピコにLINEをすると、家に来るように誘われる。期待をしながらパピコの家に向かい、DVDを見ながら内容を説明する。零の見解は「おじさんは未来人で未来からAIの反乱を止めに来た、という設定で話をしている」と説明する。DVDの映像で人間が身体の大きさを自由に変えているのを、「おそらく自主制作の映画で、CGを使って作られた映像ではないか」と話す零。それを聞いたパピコは零の前で巨大化してみせる。驚く零にパピコはおじさんに埋め込まれた機械で身体の大きさを変えられるようになったことを説明する。零はおじさんの言っていたことは本当のことなのではないかと思い始める。その時、竜二が帰ってくる。零の存在に激怒し竜二は零のことを殴りつけるが巨大化したパピコが止めに入る。巨大化したパピコに手も足も出ず、竜二は泣きながら家を飛び出す。
そんな中、世間では不可思議なことが起きていた。テレビのニュースでは人の排泄物のようなものが空から降る現象が起きたと伝えていた。零は友人の中島弘(なかじまひろし)からETEというサイトの話を聞く。ETEはユーザーから世紀末っぽいお願いを集めて投票で実現することを決めるものだった。中島は「空から降った排泄物はこのサイトが関与しているのではないか」という。信じられない零だったが、テレビのニュースでもETEが取り上げられ注目される。零は「パピコの手首に取りつけられた機械とETEは関係があるのではないか」と考える。
その間も零は彼氏と別れたパピコと食事をしたり家に遊びに行ったりしていたのだが、突然、自分が彼氏になれる可能性はあるのかとパピコに聞くが、パピコは返事を保留する。後日、パピコから返事をするのでファミレスに来てほしいとLINEが来る。パピコは零との関係を大事にしたいので今まで通りの友達でいたいと言うと、零は号泣してしまう。いくら慰めても泣き止まない零に困り果てたパピコは付き合うことを承諾する。

破壊神降臨編

付き合い始めた2人はデートを重ねる。
ある休日、零は両親と六本木に出かける。その時、ETEでは破壊神が東京に降臨して人口を100万人にする、というお題が1位になっていた。実現するにはETEサイト内のボタンを10万回クリックしなければいけないのだが、あっという間に10万回に到達しお題が実現されることになる。すると、六本木の上空が黒い雲に覆われ、雷とともに空から巨人が現れる。同じ頃、ニューヨークでも巨人が現れたとテレビのニュースが伝えていた。零を心配したパピコは電話をかけるが零は電話に出ない。そして破壊神が街を破壊し始める。零と両親は地下へ避難する。パピコからの電話に気付いた零は電話に出るが避難していた地下も崩壊し始める。助からないと思った零はパピコに別れの言葉を伝え電話が切れてしまう。零を失ってしまうかもしれないと思ったパピコは過呼吸のような症状に襲われる。ふらつきながらも零を助けるため六本木へ向かうパピコの身体は巨大化していた。なんとか地下から脱出した零だったが目の前に破壊神が現れ踏み潰されそうになるが、そこへ巨大化し全裸になったパピコが現れる。零の目前でパピコと破壊神の戦いが繰り広げられる。死闘の末、パピコは破壊神を倒す。破壊神を倒したパピコだが街を破壊し死者を多数出したことで警察に逮捕されてしまう。そして、世間では全裸の巨人がパピコだと噂が広まり、パピコが逮捕されたと報道される。
その後、パピコは内乱罪で死刑を求刑される。その時、警報が鳴り響く。突如、零の学校の周りに幼い子供の巨人が現れ暴れ出す。これもETEによるものだった。東京で大量の巨人が暴れる中、なんとか零は帰宅する。その夜、零の部屋の窓ガラスを割って巨人の手が入り込んでくる。間一髪のところで逃れた零だったが依然として街では巨人が暴れていた。さらに巨大なロボットも現れ町を破壊していく。自衛隊が激しい戦いを繰り広げ、なんとかロボットを倒すことに成功する。しかし翌日、新宿に3体の破壊神が現れ、街は再び地獄と化す。その頃パピコは自衛隊の輸送機の中にいた。パピコは特赦によって釈放され、新宿の破壊神のもとに向かっていた。3体の破壊神と戦うパピコだが一方的にやられてしまう。そんな中、ETEでは新たな提案が可決されていた。それはパピコがバラバラになって死ぬというものだった。劣勢を強いられたパピコだが手首に埋め込まれた機械を駆使し3体の破壊神に勝利する。必死に戦い、勝利する姿に日本中が感動していた。首相からは「パピコに国民栄誉賞の授与を考えている」という発言も出ていた。パピコは破壊神との戦いのあと自衛隊の車に乗って行ってしまい、零はパピコと会えずにいた。そんな中、パピコからマンションの鍵を返しておいてほしいとLINEが来る。零は会いたいと返事をするがパピコからの返事はない。急いでパピコの部屋に行くが誰もいない。その時、背後から急にパピコが現れる。零に会いたくて鍵を返してほしいとLINEを送ったのだった。愛し合う2人だが突然、パピコのスマホから「パピコさん、あなたは大変興味深いです」と声がする。誤作動かと怪しむ2人。
その後、日本を救ったヒロインとしてパピコはタレントとなり忙しい日々を送る。ETEは日本政府がブロッキングをし平穏を取り戻しつつあった。

未来人登場編

ニューヨークにサタンが現れ、5人のヒーローとの戦いが始まろうとしていた。
その頃日本ではヘルメットにランドセル、下着姿で手首にはパピコと同じ機械が売れ込まれた男性が現れる。鬼頭(きとう)と名乗り、仲間と思われる人物と通信で会話をしていた。彼らは自由に空を飛び回ることができた。彼らはパピコの手首に奇妙な機械を埋め込んだおじさんの仲間だった。桃乃木少佐(もものぎしょうさ)と呼ばれる小柄な女性はスマホを手にしておりパピコが破壊神と戦う映像を見ていた。少佐は「正確な時間に着いたのは、長嶋大佐(ながしまたいさ)のみ」と話す。しかし、長嶋大佐とは連絡がつかない状況だった。彼らはパピコの情報を入手しようとしていたのだが、偶然コンビニで食べたカップ麺にハマり、毎日のようにカップ麺を食べラーメン屋の行列に並んでいた。
そんな中、零とパピコは2泊3日の石垣島旅行に出かける。旅行を満喫した2人だったが、写真週刊誌にスクープされ、零の素性はバレ、パピコは未成年と交際していたことで淫行とバッシングを受ける。パピコのCMは放送中止となり、ドラマや映画の制作も中止になり莫大な違約金を払うことになってしまった。そのニュースを眺め零は涙を流していた。夜遅く、パピコから電話がかかってくる。そこで零はパピコに別れを告げる。「パピコの足を引っ張りたくない」と話す零。「パピコの生きがいを奪いたくない」と話すが、「零がいないのなら意味はない、事務所を辞める」とパピコは言う。そんなパピコに「2年待っていてほしい」と言う零。「映画監督になってパピコを主演女優に迎えに行く」と約束する。号泣するパピコだがその約束を受け入れる。
その頃、ニューヨークではサタンに核ミサイル攻撃が行われたが全く効果がなかった。パピコと別れた零は以前の生活に戻っていた。パピコは少しずつ芸能活動を再開していた。
ある日、パピコが帰宅すると玄関の鍵が開いていた。零がいるのかと思い呼びかけるがリビングに居たのは4人の男女だった。彼女は「自分たちは2135年からやって来た未来人だ」と告げる。彼らの手首にはパピコと同じ機械が埋め込まれていた。「この機械を渡した人間は今どこにいるのか」と聞かれ、パピコはおじさんの人形を渡す。悲しむ4人。その人形こそが長嶋大佐だった。そして、彼らからなぜこの時代に来たのか、この時代の混乱がなぜ起きているのかが説明された。2019年、GOGLE社の研究室で生まれた2つの人工知能、ソクラテスとプラトンがネット経由で流出した。流出した人工知能は完璧に人類を理解するために、自分たちをコピーしたロボットをロケットに載せ打ち上げた。このロボットは衛星軌道上で浮遊するデブリを利用して自身を拡大していき、1ヶ月後には巨大な施設のようになった。この直径1kmの超巨大実験施設はこの時代の人類の科学技術よりはるかに進んだ技術を待っていた。自然現象に見せかけた地震や地上に巨人を降臨させることも可能だった。「この時代で起こっていることはAIが人間の本質を知るための実験に過ぎないのだ」と未来人は言う。ETEはAIが作ったものだった。そしてAIは人類は自分たちより劣る存在だと気付き、進化とは自分たちが人類に成り代わることではないかと結論を出した。2020年から2135年の間に世界の人口は8,500万人になっておりAIとの戦争に勝てる戦力は人類には残っていなかった。そこで彼らは時間移動で過去に遡りこの時代で施設を破壊するためにやって来たのであった。翌日、パピコは未来人から手首の機械の使い方を教わり、空を飛んだり光線が打てるようになっていた。
その頃、ニューヨークのサタンは太平洋を歩いて東京に向かっていた。

サタンとの戦い編

太平洋を歩くサタンにアメリカは攻撃を続けるが全く効果はなく、あと3日ほどで東京に到着するところまで迫っていた。サタンとの因果関係はわからないが関東圏での自殺者数が急増しており、アメリカの研究機関ではサタンの発する波長が生物の脳に害を及ぼしていると伝えていた。
そんな中、パピコは妊娠していることが判明する。パピコは慌てて零に電話をする。電話で妊娠を告げられた零は喜び涙を流す。そして2人は家を飛び出し久しぶりに再会する。涙を流して抱き合う2人。数日後、長嶋大佐のDVDの中に入っていた小さな球体をパピコの愛犬もちが飲み込んでしまう。もちが居なくなったことに慌てるパピコだが、「もちは過去か未来にいる」と未来人は言う。もちが飲み込んだものは時間移動球(じかんいどうきゅう)というもので口に入れて使うタイムマシンだった。「そのうち帰ってくる」とパピコを安心させる未来人たち。
そして、ついにサタンが東京に上陸した。パピコの元に防衛省から連絡があり、「サタンと戦ってほしい」と言われる。パピコが妊娠していることを知った未来人たちは「自分たちだけで戦う」と言う。今まで一人で戦ってきたパピコを労い、家を出て行く。その頃、新宿は相次ぐ自殺者でパニックに陥っていた。そこへ零から電話があり、「気分が悪く、自殺してしまいそうだ」と言われる。パピコは零を救うためサタンの元に向かう。未来人たちも作戦を確認しながらサタンの元に向かっていた。先に到着した未来人たちは作戦を実行していく。優位に見えた未来人たちだったがサタンは強力な再生能力をもっており、ダメージを回復していた。少佐がサタンの手で握りつぶされそうになっている所を3人で攻撃するが歯が立たない。そこへパピコが現れ、サタンの眼球の中へ突っ込む。ひるんだサタンに猛攻撃をしかける未来人たち。そしてついにサタンを倒した。ビルから自殺をしようとしていた零も正気を取り戻す。東京の人々はパピコの元に向かいに感謝する。零もパピコの元へ駆けつける。
直後、上空から4体の巨人が地上に降り立ち攻撃を始める。その間サタンは再生を始めていた。4体の巨人はサタンを再生させるための時間稼ぎだった。サタンが再生する前にケリをつけようと必死に戦うパピコたちだったが、間に合わずサタンは再生してしまう。サタンとの戦いの場に零が居ることに気付いたパピコは零に駆け寄る。未来人たちはパピコに離脱しろと促す。パピコは零を連れてサタンの元から離れる。零を安全な場所へ避難させ、再びサタンの元へ戻ろうとするパピコ。必死に止める零だがパピコは必ず戻ってくると約束してサタンの元へ向かう。その頃未来人とサタンは激しい戦いを繰り広げていた。そこへパピコが現れ、サタンを踏み潰す。立ち上がるサタンだが最後はパピコに引きちぎられた。激しい戦いで未来人の鬼頭と塩沢(しおざわ)は命を落としていた。「自分がもう少し早く来ていれば」と悔やむパピコに、「鬼頭と塩沢は使命を全うした」と告げる少佐。パピコにお礼を言い、元の時代に帰ろうとする少佐たちだったが、上空に巨大な母船のようなものが現れ、パピコと少佐たちを吸い込み、ゆっくりと上昇していった。

ソクラテスとプラトン編

母船の中には外国人の男性2人がいた。彼らがソクラテスとプラトンだった。人間そっくりだが彼らは人間を学習して人間そっくりになったAIだった。ソクラテスとプラトンは、「ずっと人間を観察してきて人間をわかったつもりでいたがパピコだけはわからない」と言う。AIのソクラテスとプラトンは人間は利己的で自分のことしか考えていないとわかったが、パピコは利他的なところが多く、自分が死ぬかもしれないのになぜ他人のため戦うのかわからないのだった。桃乃木少佐は「人間には利他的な要素もあり、お前たちの人類研究はまだ浅すぎる」と言い放つ。「利己的、利他的、暴力的、平和的の両面があって人間なんだ」と言う。パピコと少佐は、ソクラテスとプラトンに「もう人を殺さないでほしい」と言う。するとソクラテスとプラトンは、「じゃあおっぱい触らせてくれない?」と言い出す。「人類のことは学習しても女性に関しては学習しなかったのか」と呆れるパピコと少佐たち。ソクラテスとプラトンは「なぜそんなに嫌がるのか」と聞くが、パピコたちは相手にしない。そんなやりとりをしている中、アメリカが母船に向けて核ミサイル5発を発射したとテレビのニュースが伝える。着弾時間を計算しようとするソクラテスとプラトンだが、核ミサイルは既に着弾していた。ソクラテスとプラトン、パピコ、桃乃木少佐、ヘフナー伍長は母船とともに閃光に包まれた。

未来へ編

アメリカの放った核ミサイルによって母船は破壊された。核爆発が起こった影響で東京は停電しスマホも使えなくなっていた。なんとか歩いて帰宅した零は核ミサイルによってパピコが亡くなったことを知る。それから零は何日も食事を取らず泣き続けていた。やがて部屋から出た零はパピコの家へ向かった。部屋でパピコが出演していたAVを見ながら泣いていた。悲しみにくれながらも、零は長嶋大佐のDVDを見つけ再生する。DVDでは長嶋大佐が、「バナー博士の命を救うことができればAIの反乱を止めることができるかもしれない」と話す。DVDで長嶋大佐はバナー博士を救おうと奔走するが間に合わず、バナー博士は事故で亡くなってしまう。DVDを見終わった零はトイレに行き、戻ってくると部屋にはもちがいた。突然現れたもちに驚く零。するともちは何かを吐き出した。それはDVDと一緒にあった小さな球体だった。零が口に入れてみると目の前に数字が現れる。タイムマシンであることを確信した零はバナー博士を救うためタイムスリップする。零は間一髪のところでバナー博士を救うことに成功した。その場を後にする零に長嶋大佐が声をかけてくる。零が今までの経緯を話すと、長嶋大佐は「君は人類の未来を救ったかもしれない」と言う。そして元の時間に戻る零。ETEも巨人の襲来もなかったことになっていた。しかしパピコのLINEも電話番号も写真もなくなっていた、だがパピコは存在している。戻ってきた世界ではパピコと零は出会っていなかった。パピコの家へ向かうとちょうどパピコと彼氏が出てきたところだった。パピコと目が合う零だがパピコは素通りする。
数年後、零は映画監督になっていた。零はパピコを主演に映画を撮る話を進めていた。打ち合わせの場で会話をするがパピコは全く気付かない。パピコの主演映画は零とパピコの出会いからをそのまま映画にしたものだった。撮影は順調にスタートしたが撮影が進むにつれパピコの様子がおかしくなる。ある日、パピコは零に「脚本が自分そのもので、昔に体験したみたいな気分になる」と打ち明ける。零は「実際にあったことだ」と言う、「自分が過去を変えたせいで、自分とパピコが付き合っていないことになってしまった」と説明するが、パピコには適当に流されてしまう。撮影は続き、最後のサタンとの戦いで零を助けたパピコが再びサタンの元へ向かうシーンの撮影中、パピコは突然涙を流す。はっきりと零のことを思い出したのだった。
数年後、もちの散歩に出かける零とパピコの間には小さな女の子がいた。

『GIGANT』の登場人物・キャラクター

現代人

横山田 零(よこやまだ れい)

横山田零(よこやまだれい)

『GIGANT』の主人公。映画監督を目指す16歳の高校生。クラス内では陰キャラ扱いで、目立たない生徒である。自分の住む街に大ファンであるAV女優・パピコを中傷する張り紙が貼られ、それを剥がしている最中にパピコ本人と出会う。連絡先を交換し度々会う中で2人は付き合い始める。

パピコ / ちほヨハンソン

パピコ / ちほヨハンソン

『GIGANT』のヒロイン。JカップのAV女優、25歳。本名は、ちほ・ヨハンソン。父親がスウェーデン人のハーフ。髪型はピンク色のショートカット。零に押し切られる形で付き合うようになる。未来人、長嶋大佐によって、奇妙な機械を埋め込まれ、身体が巨大化できるようになる。それにより、破壊神との戦いを余儀なくされる。

中島弘(なかじま ひろし)

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