帰ってきたヒトラー(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『帰ってきたヒトラー』とは、2015年にドイツで製作されたドイツ風刺コメディ映画である。ドイツのベストセラー小説を基に映画化。容姿がヒトラーにそっくりの男が、テレビに出演させられることになった。男はカメラの前で過激な演説を繰り出し、ヒトラーのモノマネ芸人として人々に認知され、人気を博していく。しかしその正体はタイムスリップしてきたヒトラー本人だった。ドイツ社会における現代の問題を重ね、風刺的かつ現代の人間の危うさをコミカルに描く。

『帰ってきたヒトラー』の概要

『帰ってきたヒトラー』とは2015年にドイツで製作されたドイツ風刺コメディ映画である。ティムール・ヴェルメシュの小説『Er ist wieder da(彼が帰ってきた)』を基に映画化された。原作小説は2012年にドイツで出版され、250万部を超える大ヒットとなった。その後、日本を含む世界41か国で翻訳されている。主人公のヒトラー役は、舞台俳優でもあるオリヴァー・マスッチが務めている。
時は現代のドイツ。容姿がヒトラーにそっくりな男がテレビ出演させられることになる。過激な演説を披露するその男に、視聴者は度肝を抜かれる。その後、テレビ出演の機会が増え、徐々に人気を博していく。しかし、その男の正体は1945年からタイムスリップしてきたヒトラー本人であった。人気を得るヒトラーだったが、少しずつ彼の野望が見えだしてくる。
ドイツでは公開3週で興行収入ランキング1位となり、2015年の興行収入は21万ドルを超えた。その後ヨーロッパ各国でも高い人気を得た。日本では2016年に公開され、興行収入2億7千万円のヒットとなった。
映画には、ドイツ国民の実際の声が取り入れられており、現実のドイツ社会における問題や国民の不満がリアルに映し出されている。現代の人間の危うさが風刺的に描かれている。

『帰ってきたヒトラー』のあらすじ・ストーリー

目覚める独裁者

ナチス・ドイツの総統であるアドルフ・ヒトラーはとある公園の茂みで目覚めた。町へ出てみると、自分が過ごしていた場所とは全く異なる風景に混乱する。さらには、多くの人に囲まれ、勝手に写真を撮られてしまう。近くにあったキオスクで新聞を見ると、そこには2014年という数字が書かれており、驚きのあまりヒトラーは倒れてしまう。
その頃、ドイツの民放TV局「My TV」では局長が引退し、次期局長はカッチャ・ベリーニという女性となった。局長になれると思っていた、副局長のクリストフ・ゼンゼンブリンクは大きなショックを受ける。同じ頃、社を訪れていたフリーディレクターのファビアン・ザヴァツキ。受付嬢のフランツィスカ・クレマイヤーにゼンゼンブリンクが呼んでいたと言われ、彼の下へと向かう。そこでザヴァツキは経費削減を理由に解雇を言い渡されてしまう。
ヒトラーはキオスクの店主に介抱され、目を覚ます。店主との会話の中で、ヒトラーは1945年から2014年にタイムスリップしてきたのだということを理解する。キオスクの店主に「運命があんたみたいのを俺のところに寄越すなんて、夢にも思わなかった」と言われ、ヒトラーは自分がこの世に戻ってきたのは「戦いを続けろという」神の意志なのだと考える。そこでヒトラーはキオスクで居候させてもらいながら、自分が死んだと思われていた過去から現代までの政治情報を集め始めることにした。
その頃、ザヴァツキはゼンゼンブリンクにネタとして提供しようとしていた「貧困の子供たちがサッカーを通じて希望をもつ」という企画の動画を見返していた。すると、一緒に見ていたザヴァツキの母がヒトラーにそっくりな人物が写っているのを発見する。翌日、ザヴァツキはヒトラーが居候しているキオスクを訪れた。ザヴァツキはヒトラーをモノマネ芸人と勘違いし、ヒトラーが現代のドイツを渡り歩くという企画をしようと持ち掛け、企画でテレビ会社に復職しようと考えていた。ヒトラーは「悪くないな」とザヴァツキの企画を快諾する。

いざ、テレビ出演へ

翌日、ザヴァツキは母の車を借りて、ヒトラーと共に企画の撮影を始める。滞在したホテルでテレビの存在に気づき、技術の進歩に驚愕する。しかし、テレビの内容に怒り、ヒトラーは自分の企画を政治にしようと考える。町を巡りながら、国民の悩みを聞いていくヒトラー。ドイツの現状を1930年頃のドイツの状況と重ね、同じような不満を国民が抱えているのだとわかる。政治不信や外国人の流入などの問題を聞き出し、ヒトラーは悩みを聞いた人達が食いつくような言葉をかけていく。特に「移民を国に戻せ」という意見は賛同の声が大きいようだった。その後ヒトラーが動物好きであることから、犬を調達しようとするザヴァツキとヒトラー。ドッグブリーダーの家でザヴァツキが犬をレンタルできないか飼い主と交渉していた際、ヒトラーは犬にかまれ、怒りのあまり銃殺してしまう。
犬を撃ち殺したことをやりすぎだとザヴァツキに怒られるヒトラー。しかしヒトラーは反省した様子を見せず、銃殺した犬をザヴァツキに見せつけ、驚くザヴァツキに対して「お前は腰抜けだ。一人前にしてやる」と一蹴する。ザヴァツキはゼンゼンブリンクへと連絡し、製作費を出してもらうようお願いするが、あっさり断られてしまう。製作費が足りないことを嘆くザヴァツキに、ヒトラーは自らが昔何をめざしていたか尋ねる。ザヴァツキは「画家」と答え、ヒトラーは街で絵をかいてお金を得ようとする。ヒトラーの描く風刺画は意外にも受け、製作費は着々と集まっていく。ドイツを周るにつれ、ヒトラーはSNSなどに写真やツイートが上がることで徐々に知名度を上げていく。ザヴァツキはついに製作した企画の動画をもって、ゼンゼンブリンクの元を訪ねる。ヒトラーがドイツの街で人々と交流する様子はYouTubeで100万回の再生回数を超えたことをゼンゼンブリンクに伝える。ザヴァツキと共に「My TV」に訪れたヒトラーは、会議の場へと勝手に入っていく。そこで局長や会議をしているものと話し、演説を始める。「ドイツは改革が必要だ。改革には指導者が必要だ」と声高に叫ぶヒトラーに対し、ベリーニは過激であるが、視聴率を取れると確信し、テレビ番組の作成へと乗り出す。
後日ヒトラーは改めて「My TV」に訪れ、初めてPCにふれる。クレマイヤーに操作を教えてもらいながら、ヒトラーは世界中の政治の情報を得ようとする。そんな中、ゼンゼンブリンクは人気生放送番組『クラス・アルター』にヒトラーを出演させ、視聴者の反感を買うことでヒトラーを採用したベリーニを失脚させようとする。その制作会議では、より反感を買うように人種差別に触れるようなジョークを考えてくれと話す。
『クラス・アルター』の放送当日、ヒトラーと対面した司会者のジョークマンはゼンゼンブリンクに過激すぎると文句を言う。しかしゼンゼンブリンクは相手にしない。いよいよ、番組が始まりヒトラーが現れる。ベリーニやゼンゼンブリンクが固唾を飲んで見守る中、会場は騒然とした様子だ。しかし、ヒトラーは一言も発さず観客を見つめ、カンペでセリフを伝えるADすら無視する。沈黙に耐えかねなくなったジョークマンは、ベリーニやゼンゼンブリンクにマイクで状況を聞こうとする。ゼンゼンブリンクはジョークマンに「君が話せ」と伝えるが、隣にいたベリーニは「このまま」と伝える。するとヒトラーは大きく息を吸い、話始める。子供や老人の貧困、少子化などの問題を上げ、ヒトラーの過去の演説を引用し「我々は奈落へまっしぐらだ。それを克服するようになるまで、20時45分より反撃放送を行う」と声高に叫ぶ。大きな歓声に、ベリーニはヒトラーを起用したことが成功したと感じ大喜びする。時を同じくして、ザヴァツキはデートでクレマイヤーの家を訪れ番組を見ていた。2人とも番組の盛り上がりに喜び、その後は2人の時間を過ごしていた。「My TV」の社長も妻とヒトラーの活躍を眺めていた。
しかし、ジョークマンは自分より人気になったヒトラーをよく思わず、ゼンゼンブリンクに追い出すように伝える。しかし、ゼンゼンブリンク自身この人気を予想できず混乱し、ジョークマンの話をあまり聞いていない。怒ったジョークマンはサインをしているヒトラーの元を訪れ、サイン会を終わらせようと暴れ始め、追い出されてしまう。その後、ヒトラーは多くの番組に出演し、人気を得ていく。クラースとヨーコ、ダニエル、イェルクらドイツの名司会者の番組に出演し、さらにはダギ・ビーやフレシュタージ、ロベルト・ホフマン、ヨイス・イルクらYouTuberによる批評の動画が世界中で拡散され、多くの人が関心をもつようになった。新聞には「ヒトラーはYouTubeを支配した」と書かれるまでになった。その後ヒトラーは自分の意志を継いでいると思われる極右政党NPDの集会や人物を数多く訪れ、ついにその本部を訪れウルフ・ビルネ党首と会う。NPDは民族主義という国家を独立した民族で形成しようとする思想をもった団体である。しかし、その本部はお役所的な佇まいとヒトラーの本すら読んでいないビルネを党首としており、ヒトラーはその意識の低さに呆れてしまう。ヒトラーは「君の発する言葉は、活動を何十年も引き戻す」とビルネを叱責する。

追い込まれたヒトラー

後日「My TV」に検察が訪れていた。番組でのヒトラーの演出が民衆先導の罪にあたると、匿名の告発が出ていたのだ。しかし、訪れた検察は番組のファンで形式上の調査をするだけだった。密告したゼンゼンブリンクは、検察の捜査によってベリーニを局長の座から降ろせると考えていたが、思った展開とは違うことに動揺していた。落ち込むゼンゼンブリンクにクレマイヤーが「犬の件どうしましょう。賠償金の支払いなどは」と話してくる。何のことかわからなかったゼンゼンブリンクは、ヒトラーが犬を銃殺していたことを知る。ゼンゼンブリンクは少し笑みを浮かべ、「私がやる」とだけ去っていく。その夜ベリーニは役員の1人であるリコ・マンチェロに、「なぜヒトラーを出演させて、正気でいられるんだ。あいつは本当の極悪人だ。君は出世欲が強すぎる」と警告され、平手打ちで返してしまう。その後ベリーニは思い込む様子をみせる。
次の日、ヒトラーに「あなたの過去を調べさせた。しかし、過去がなにも出てこない」と不安を吐露する。ベリーニはヒトラーを本物ではないかと疑っていたのだ。しかし、ヒトラーの調子は相変わらずで、ベリーニは勘違いかと思いその場は終わる。
後日、『plasberg』という生放送番組に出演したヒトラー。司会者のフランク・プラスベルクと対談する中で、犬を銃殺した映像を流されてしまう。慌てるヒトラーやザヴァツキ、ベリーニ。ヒトラーは叫びながら言い分を伝えるが、視聴者は冷たい目を向ける。密告したのはゼンゼンブリンクであった。後日の新聞でヒトラーは様々な番組をクビになったことが報道された。ベリーニも局をクビになり、ゼンゼンブリンクが局長の座につくことになった。ゼンゼンブリンクは社長に耳元で「がっかりさせるなよ」と言われ、びびりながら「もちらんです」と答えていた。
一方、ホテルを追い出されたザヴァツキとヒトラーは、ザヴァツキの実家へ転がり込んでいた。落ち込んでいるかと思われていたヒトラーだが、本を書く時間ができたと考えていた。ヒトラーが現代のベルリンで目覚めたといった内容の原稿を読んだザヴァツキは映画化もいけると確信し、ベリーニと密かに会う。自分が映画化するという条件の下、ヒトラーが書いた原稿を渡し、ベリーニもそれを了承する。出版された『帰ってきたヒトラー』は大ヒットを記録する。ベストセラーにもなり、ヒトラーはテレビ出演復帰もかなった。また、その間にもヒトラーはFacebookで親衛隊を募り、彼らを軍隊のように訓練し、鍛え上げていた。

『帰ってきたヒトラー』、ついに映画化

3か月後、「My TV」では重々しい雰囲気の会議が行われていた。視聴率は計測できないほど低迷、広告収入は激減という絶望的な状況であった。ゼンゼンブリンクは「『クラス・アルター』を週に5回放送し取り返せ」というが、司会者のジョークマンは他局へ移り、番組も打ち切りになっていた。状況を受け止め切れないゼンゼンブリンクは、震える手で自身の眼鏡をはずす。怒りをあらわにするゼンゼンブリンク。そこに役員の一人であるゲアハルト・レムリッヒが「ヒトラーを呼び戻しましょう」と提案をする。リコは反対するが、ゼンゼンブリンクはリコの意見を気にせず「便乗しよう」と乗り気になり、映画製作所のCCCスタジオに訪れる。そこでは『帰ってきたヒトラー』の映画が製作されていた。セットの中に立っているザヴァツキに話かけるゼンゼンブリンクだったが、大きな声で「カット」の声がかかる。ザヴァツキだと思っていた人間は役者で、精巧なシリコン製のマスクをかぶっていたのだ。セットの外から現れたザヴァツキにゼンゼンブリンクが「どの局で流すつもりだ」と問うと、ザヴァツキは「交渉中だ」と答える。そこでゼンゼンブリンクは「100万出す。そっちは追加の予算、こっちは放映権、双方の利益になるはずだ」とザヴァツキに提案し、ザヴァツキは微笑みを浮かべる。どうやら提案を受け入れるようだ。
ある夜、ザヴァツキとヒトラーはクレマイヤーに招待され、クレマイヤーの家に訪れる。クレマイヤーの祖母はヒトラーの顔を見る前に声を聞いただけで、顔色を変える。驚きながらも、クレマイヤーの祖母は「こいつはヒトラーだ。追い出して」と叫ぶ。「モノマネだ」となだめるザヴァツキだったが、「一族を思い出す。皆殺しにされた。あんたが私の家族をガス室で殺したんだ。昔と同じ。最初はみんな笑っていた。私は騙されないよ」とクレマイヤーの祖母は話す。クレマイヤーの祖母は「出てけ」と大声で叫び、ザヴァツキはその様子に驚きを隠せなかった。帰りの車でザヴァツキは考え込んでいた。ヒトラーは「残念だ。クレマイヤー嬢がユダヤ人だったとは」と話す。ザヴァツキは「たまには素に戻れ」と伝えるが、ヒトラーはユダヤ人の話を続ける。
後日ヒトラー達は映画製作に取り組んでいた。ザヴァツキ役の役者がヒトラーが目覚めるシーンで「その前は何をしていた」と聞くが、ヒトラーは「わからん」と一言。役者は「タイムスリップしたとか」とふざけて話すが、ザヴァツキは神妙な面持ちであった。ヒトラーは空気を吸うために、スタジオの外にでると2人の男が待ち構えていた。彼らは、ヒトラーがドイツのことを悪く言っていることに腹を立てていたようだ。彼らに暴行を受け、ヒトラーは病院で目覚める。

悪は選んだ者か、選ばれた者か

ザヴァツキは自宅でヒトラーを見つけたきっかけとなった、サッカー少年へのインタビュー動画を見直していた。ヒトラーがいったいどこから来たのかを確認しようとしていたのだ。すると、奥にある草むらの中で煙と光が出ているのを目撃する。ザヴァツキは真相を確かめるため、ヒトラーが現れたと思われる場所を訪れる。そこには「総統地下壕跡」の看板があった。ヒトラーは地下壕からタイムスリップしていたのだ。ザヴァツキはヒトラーが地下壕跡に現れたことから、本物のヒトラーであると確信したのだ。ザヴァツキが急いで病院へと向かうと、部屋にはヒトラーはおらず、ベリーニが片付けをしていた。ザヴァツキはベリーニに「彼は本物だ。本物のヒトラーだ」と詰め寄る。発狂するザヴァツキをベリーニは相手にせず、ナースコールで病院のスタッフを呼ぶ。ザヴァツキはスタッフを振り切り、スタジオへと到着する。そこには親衛隊と共にヒトラーがいた。ザヴァツキは銃をヒトラーへと向け、「本物だったのか」と問う。ヒトラーは「そう言っていただろう。忠実な仲間と別れざるをえないのが、わたしの運命なのだ」と答える。ザヴァツキはヒトラーを屋上へ誘導しながら「歴史は繰り返す。また民衆を扇動する気か」と話す。ヒトラーは「分かっとらんな。1933年の当時、大衆が扇動されたわけではない。彼らは計画を明示したものを指導者に選んだだけだ」と話す。屋上へとたどり着き、ザヴァツキはヒトラーを屋上の際まで誘導する。「怪物め」と責めるザヴァツキに対し、「私が?なら怪物を選んだ者を責めるんだな。それとも、選挙を禁止するか」と問うヒトラー。ザヴァツキは「いや、あんたを止める」と答え、ヒトラーの頭に銃撃を打ち込む。そのまま建物から落ちていったヒトラーを確かめようとすると、そこにはヒトラーの姿がなく、「私からは逃れられん」と背後から声がする。ザヴァツキが振り向くとそこにはヒトラーの姿が。ヒトラーはザヴァツキに「私は人々の一部なのだ」と語りかける。すると、周囲はグリーンスクリーンが広がり、「カット」の声がかかる。ベリーニは「ご苦労様」と声をかけ、ザヴァツキ役の人はマスクをはずす。屋上でのやり取りは、ヒトラーの映画の一部だったのだ。ザヴァツキは「ヒトラーは本物だ」と騒いだことから、精神異常と診断され、病院へと入れられていた。ザヴァツキが厳重な部屋で放心した様子を見たクレマイヤーは涙を浮かべる。
ヒトラーは車の中でサインを求められていた。「歴史は繰り返すのでは」と問う記者に、隣に乗っていたベリーニは「教育もされてきた。もっと信頼しなきゃ」と答え、車は発進する。路上にはヒトラーへと手を振る民衆の姿があった。ヨーロッパの難民問題や移民問題における混乱したニュース映像が流れ、ヒトラーはかつてのように自分の独裁国家を築けると考え、「好機到来だ」と言葉をこぼす。「我々が国民だ。我々が国民だ」という民衆の声とともに、物語の幕は下りる。

『帰ってきたヒトラー』の登場人物・キャラクター

アドルフ・ヒトラー(演:オリヴァー・マスッチ)

日本語吹き替え:飛田展男
1933年から1945年までドイツ国を支配した国家社会主義ドイツ労働者党の総統。このころのドイツをナチス・ドイツと呼び、彼らの思想であるナチズムに基づいた支配が行われた。
物語では、1945年に自殺したヒトラーは2011年のドイツにタイムスリップしてくる。テレビディレクターにヒトラーのモノマネ芸人と勘違いされ、テレビ出演したのをきっかけに持ち前のカリスマ性と知能の高さで、2011年のドイツで政権奪取を目指し始める。鼻の下のちょび髭が特徴的であり、口調も少し早口な部分があるなど特徴的である。スピーチの際にはあえて、沈黙を作り視聴者の興味を引いてから、少しずつ大きな声で話していき盛り上げていた。

ファビアン・ザヴァツキ(演:ファビアン・ブッシュ)

日本語吹き替え:増元拓也
テレビ会社「My TV」をクビになった頃、自身が撮影した映像にヒトラーそっくりの人物を発見し、ヒトラーと共に旅をする企画によってテレビ会社復職を果たす。クレマイヤーとは恋人関係となり、クレマイヤーの家族とご飯を共にしたりする。ヒトラーと共にクレマイヤーの母と食事をするときに、クレマイヤーの母がヒトラーを叱責したことをきっかけに、目の前にいるのは本物のヒトラーなのではないかと勘繰りだす。ヒトラーであると確信してから、周りにヒトラーを生かしておくのは危険だと警告するが、精神異常と診断され施設に入れらてしまう。
青い目が特徴的であり、ヒトラーとの企画時には車を母親にねだるなど、甘えた性格を持っている。

クリストフ・ゼンゼンブリンク(演:クリストフ・マリア・ヘルプスト)

日本語吹き替え:板取政明
「My TV」の副局長。局長が引退するにあたって、局長へと任命されるかと思っていたが、ベリーニにその座を奪われてしまう。それからはベリーニから局長の座を奪おうと画策するが、ことごとくうまくいかない。しかし、ヒトラーが犬を銃殺したことをリークさせベリーニを失脚に追い込む。晴れて局長となったゼンゼンブリンクだが、ヒトラーのテレビ出演の減少により視聴率が低下し、ゼンゼンブリンクは迷走してしまう。テレビ局復活のため、ヒトラーの映画製作場所に行き、ザヴァツキに映画の放映権を頼みに行く。
スキンヘッドと四角い眼鏡が特徴的であり、ベリーニを失脚させようと裏で動くなど姑息な性格をしている。

カッチャ・ベリーニ(演:カッチャ・リーマン)

n_mine9
n_mine9
@n_mine9

目次 - Contents