BØY(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『BØY』(ボーイ)とは梅澤春人が1992年から1999年まで『週刊少年ジャンプ』で連載していた少年漫画、ヤンキー漫画。およびそれを原作としたアニメ作品。
私立楽園高校に通う、世界征服の野望を持つ無敵の主人公日々野晴矢と、その仲間達によって繰り広げられるドタバタ劇や熱い戦いを描き、その度に圧倒的な強さで日々野が敵を蹴散らしていく。最終的には必ず「日々野が強い!」という結果で終わる。
「高校対高校」といった王道のヤンキー漫画の要素はそこまで強くはなく、音楽・バンドの要素が強いのが特徴である。

VS神崎狂(第11巻~第12巻)

かつてハレルヤに敗れた神崎狂は警察に捕まる事もなく行方不明になっていた。神崎はハレルヤを倒すため、最強のドラッグ「マッド・カクテル」を入手していた。さすがのハレルヤにとってもあまりにも危険すぎると感じた一条たちはハレルヤと神崎の戦いを阻止しようと必死に後を追うが、すでに戦いは始まってしまっていた。一度はマッド・カクテルをキメようとする神崎だが、すぐに口に含んだマッド・カクテルを吐き出す。不良の誇りを取り戻した神崎は自らの力だけでハレルヤに立ち向かい、そして敗れる。神崎はハレルヤには敗れたが、ドラッグには打ち勝った。その姿はかつて一条が憧れたかつての神崎狂の姿だった。

VS摩天女学院高校(第13巻~第14巻)

みちるの亡き兄が残した原付の"ベスパ”が、摩天女学院高校(マジョガク)の生徒に盗まれた。犯人はみちるの中学時代の後輩、愛原だと判明する。みちるは愛原になぜベスパを盗んだのかを訪ねると、、愛原は摩天学院高校の不良グループに所属する伊部麗子らに裸の写真を撮影され、脅されての犯行だと語る。みちるは愛原を励まし、力になることを誓う。ハレルヤ、一条は愛原の写真を取り戻すため、マジョガクの溜まり場「くろねこ」に向う。そこでトリカブトの毒を仕込んだダーツや指輪をあやつる麗子や、さらに現番長の天草鬼朗も現われ、壮絶な死闘が繰り広げられる。勝利を収めるハレルヤと一条だったが、後日伊部麗子が再び二人の前に現れ、麗子は一通の封筒を一条に手渡す。「果たし状か?」と身構える二人だったが、その中身は一条に惚れた麗子からのラブレターなのであった。

VS葦戸高校(第14巻~第16巻)

楽園北中3年雨宮拓矢は「ファイヤーガンズ」のライブに感動し、一条に憧れ目標にしていた。ある日一条は雨宮から相談を持ち掛けられる。雨宮の先輩である青木が、亡き父の跡を継いで経営しているライブハウス「エデン」が葦怒高の妨害によって休業に追い込まれてしまったという。雨宮は一条に葦怒高の連中を蹴散らすようなライブをしてほしいと頼むが、すでに「ファイヤーガンズ」は解散し、メンバーもそれぞれ新しいバンドを組んでいた。危険なライブになると予想していた一条はかつてのメンバーに声を掛けることなく、新しいバンドの結成を決意する。一条はベースに雨宮、ドラムに雨宮の同級生である椎名幹、ボーカルにハレルヤという新しい「ファイヤーガンズ」を結成。ライブの告知ポスターが剥がされ、岡本が襲われるなど葦怒高の嫌がらせもエスカレートしていくが、「エデン」にはライブの問い合わせの電話が殺到する。ライブ当日、ハレルヤはまず葦怒高の連中だけを会場に入れ、一条たちの演奏をバックに一人葦怒高に挑む。多勢に無勢で追い詰められたかにみえたその時、ドアを破ってファイヤーガンズのファンたちが乗り込み葦怒高の連中を蹴散らしていく。ハレルヤは葦怒高のリーダーである鮫島を倒し、ステージでライブの最後の曲を熱唱する。青木の亡き父が愛したライブハウス「エデン」に、今日も最高のロックンロールが流れるのだった。

VS薊(第16巻~第18巻)

ファイヤーガンズのライブを大成功に収めたその夜の打ち上げ席、ボブじいさんが突然倒れ病院に運ばれる。ボブじいさんは手術を必要とする危険な状態だったが、そこにはかつてボブじいさんの描いた「未完の情景」を奪おうとした画商の影野が入院していた。ボブじいさんの病状を盗み聞きしていた影野は、「岡本を襲う」と言ってボブじいさんを脅し、五千万円で「未完の情景」を譲り受ける約束をする。影野は代金の札束を細工でごまかし、自分の息がかかった。、薊を中心とする7鬼門高校の連中にボブじいさんを襲わせる。ハレルヤは薊を倒し、岡本は「未完の情景」を取り戻すため影野を追う。ボブじいさんから「もしも影野の手に未完の情景が渡るようなことがあれば、その前に燃やしてくれ」と言われていた岡本は「未完の情景」に火をつける。目的の絵が焼失してしまい影野は退散するが、実は燃やされたのは岡本が"模写した”未完の情景だった。「未完の情景」は再びボブじいさんの元へと戻ったのだった。

VS魅上明(第18巻~第19巻)

楽園高校3年で元番長、揉山正象の妹・静花は名門お嬢様学校の夢殿学院に通う1年生。両親が海外赴任で不在のため、揉山は自分が静花の親代わりであると自負していた。これまでは一般には非公開であった夢殿の学園祭が今年は一般公開されることになり、揉山は静花のボディガードとなって学園祭に押し寄せるであろう極悪男子校の生徒から静花を守ろうとするが、揉山の命であるモミアゲを剃らない限りは自分に近づいてほしくないと言われてしまう。どうしてもモミアゲを剃る決心のつかない揉山はハレルヤと一条に静花のボディガードを頼むことになる。
学園祭当日は入り口で金属探知機の検問が行われるなど、ものものしい警備の中で開催されたが、医大生の魅上明が自らの欲望を満たすため静花を連れ去ろうとする。魅上を追い詰めるハレルヤだが、催涙スプレーで視界を奪われてしまう。しかしハレルヤは魅上が全身に振った香水の匂いで魅上の位置を掴む。ハレルヤは頭突きで魅上を仕留め、ハレルヤの圧倒的な強さは魅上を再び正しい道へ連れ戻すのだった。

VSナオミ、シンジ、バラキ(第19巻~第21巻)

ゲームの大好きな小学生の桃山太郎は格闘ゲームのみでは飽き足らず、太郎の言葉通りにプレイヤーが動き、敵と勝負をするというリアル版格闘ゲーム「太郎のバトルゲーム」を観客の小学生達に有料で見物させていた。 ある日街を歩いていたハレルヤは太郎とぶつかり、道端で揉める。挑発しつつ逃げる太郎をハレルヤ、岡本、一条、みちるの4人が追っていくと、そこには伊部麗子がいた。麗子から「太郎のバトルゲーム」に参加していると聞いた一条は、すぐに止めるように伝え、麗子はそれに従う。それを面白くないとふてくされる太郎のもとを、戯堂高校の荊木が「自分の学校の生徒を嵌(は)めたのではないか」と詰問する。絶体絶命の太郎は、一か八か、荊木を「太郎のバトルゲーム」にと誘う。荊木は面白そうだと話に乗り、知り合いのナオミ、シンジも参加する。一方、太郎が荊木に連れて行かれるのを目撃した「太郎のバトルゲーム」の観戦客の小学生はハレルヤたちに助けを求める。結局、太郎は新たに荊木らと組んで「太郎のバトルゲーム」を再開したと聞いたハレルヤたちは、このまま問題が起これば、太郎の身に危害が加わるのではないかと危機感を抱く。そこでハレルヤ、一条、麗子は自ら「太郎のバトルゲーム」に参加し、荊木、ナオミ、シンジを倒すべく立ち向かう。
伊部麗子がナオミをローリングソバットで倒し、ハレルヤがシンジを一撃で仕留める。荊木との勝負で劣勢に立つ一条だったが、荊木の決め技を読み、見事な切り返しで勝利を収める。
シンジは荊木の敗北後に復活し、人質を取りハレルヤの戦闘力を封じ優位に立ったもののいたぶっている間にハレルヤの仲間たちが子供たちを非難させ、反撃のチャンスを得たハレルヤは再びシンジを仕留める。

VSヘルタースケルターズ(第21巻~第24巻)

私立楽園高校の養護教諭として山ノ上春香が赴任して来た。揉山正象からの告げ口もあり、春香はハレルヤを素行の悪い人物だと判断し、更生させようとする。調子の狂うハレルヤだったが、ある時、春香が転んだ際に不良グループ「ヘルタースケルターズ」にバッグを奪われてしまう。バッグはすぐにハレルヤが取り返したものの、ハレルヤは「ヘルタースケルターズ」の構成員の恨みを買ってしまう。構成員達から報告を受けたヘッドのシュウは以前からハレルヤの噂を聞き、気に入らないと感じていた。シュウはハレルヤをおびき寄せるため、春香と偶然いっしょにいたみちるを拉致。さらに岡本は「ヘルタースケルターズ」の構成員から一方的に激しい暴力を受け、病院送りにされてしまう。シュウは春香とみちるをアダルトビデオに出演させると言ってハレルヤを挑発し、ハレルヤと一条は二人の救出へと向かう。
ハレルヤと一条はシュウの手下を一掃し、シュウも一方的に打ちのめす。春香の告発によって逮捕される。
シュウは仲間さえも捨て駒にして罠を仕掛けた上に、春香をビルから落として殺そうとすることで晴矢のスキを作るなど、極悪非道なからめ手を用いたがハレルヤはシュウを一方的に打ちのめす。

VSジョー(第24巻~第26巻)

雨宮拓矢は、森下由紀から椎名幹との仲介役になってほしいと頼まれる。密かに由紀に好意を抱いていた雨宮だったが、由紀の幸せのためであれば仕方がないと協力するものの、デートの日はつい尾行をしてしまう。すると椎名と由紀は街でジョーに絡まれ、由紀のお金とファーストキスを奪われてしまう。キスを奪ったジョーに対し雨宮は怒りを覚え、一人でジョー達がたむろしているバー「STYX」に乗り込む。その場面を偶然目撃した岡本はハレルヤ、一条、伊部麗子にその顛末を報告し、「STYX」へと急ぐ。潜入早々、麗子は外国人ストリッパーの女性と喧嘩になる。そんな中、雨宮はジョーと対峙。ジョーは雨宮にリンチを加える。カウボーイはバイクを用いた戦法で駆け付けた一条を一方的に追い詰め、一条の顔をバイクのタイヤで擦り潰そうとするが長髪だったことが災いしホイールに自身の髪を突っ込まれ、自分の顔を削られ敗北する。その後、ジョーがハレルヤに追い詰められた際に拳銃を使って椎名を人質に取るが「誰よりも速く動いた」ハレルヤがカウボーイにとどめを刺す。

VSリョウキ(第26巻~第30巻)

ある朝、ハレルヤの実家、「山の上教会」に赤ちゃんが捨てられており、ハレルヤの父である晴霽が世話をしていた。赤ちゃんは急に発熱し、ハレルヤは病院に連れて行くつもりが、ついいつものように登校してしまう。山ノ上春香の協力を受け、一度「山の上教会」に戻ったところ、母親と名乗る姫ノ木彩が現われ、子供の名前は姫ノ木ユウキだと語る。ユウキの父親は「鬼門高校」の理事長を務める鬼頭烈で、清朝最後の権力者・西太后が不老不死を得るために食していたとされる「暗黒メニュー」を完成させるために姫之木彩に子供(ユウキ)を産ませ、その血を狙っているのだと訴える。そんな中、鬼頭の放った部下によってユウキは連れ去られてしまう。ハレルヤ、岡本、一条、彩、春香は揉山正象を運転手にして、ユウキがいると思われる鬼門高校へと向かう。そこには鬼頭から侵入者排除を命じられた不良達や不気味な雰囲気の料理人、リョウキが待ち構えていた。
リョウキの5つの型の手刀により苦戦を強いられるハレルヤだったが、ハレルヤの「拳」はリョウキの手刀を押し返す。そこへ鬼頭が倒れたことが知らされ、勝負は中断される。リョウキは誘拐した赤ん坊を返す代わりに、晴矢たちに一刻も早くここから去るように隠し通路の存在を教え、その後、病床に伏した鬼頭烈の枕元で朝昼晩毎日美味しい食事を作り続けることを誓った。

VS三つ目(第30巻~第33巻)

進級の季節が近づき、、岡本はフランスに留学するため、私立楽園高校を退学することをハレルヤたちに告白する。ハレルヤたちは寂しさを覚えつつも笑顔で送り出す事を決意。そこで、みちるは最後の思い出づくりに四人で京都旅行に行くことを提案する。四人で京都の楽しい時間を過ごしていたところ、みちるのデジタルカメラを不良グループ「三つ目」に奪われてしまう。ハレルヤと一条がカメラを取り戻そうと喧嘩を挑んだものの警察に見つかってしまい、勝負は流れる。その事件でハレルヤ達に興味を抱いた「三つ目」は深夜の旅館に侵入し、みちるを拉致。ハレルヤたちはみちるを救うため、激しい戦いに身を投じるのだった。
ズーはハレルヤを乗せたまま車で相打ち覚悟でトラックに突っ込み、瀕死の重傷を負う。そしてハレルヤは死んだと勝ち誇るものの、幸運にもトラックに積まれていたペットボトルがクッションとなり、無事に立ち上がって無敵を宣言したハレルヤの姿を見て精神に異常をきたし、錯乱状態に陥る。

それぞれのこれから(第33巻)

岡本はフランス留学へと旅立ち、ハレルヤ、一条、みちるの3人は私立楽園高校の2年生へと進級した。揉山正象は留年でもう一度3年生になり、摩天学院高校を卒業した伊部麗子は渋谷のSMクラブで働き始めるなど、それぞれが変化の時を迎える。そんな中、雨宮拓矢と椎名幹は「私立楽園高校」に入学。二人は一条にロックバンド「ファイヤー・ガンズ」の正式メンバーにしてほしいと直訴する。そして一条は雨宮と椎名だけでなく、ハレルヤを正式なボーカルとしてバンドに加入させ、初ライブの計画を立てる。

『BØY』の登場人物・キャラクター

主要人物

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