サウスパーク(South Park)のネタバレ解説・考察まとめ
『サウスパーク』とは、アメリカで制作され、コメディ・セントラルなどのメディアで主に放送されているコメディ中心のストップモーション・アニメ、またはその舞台作品。アメリカ合衆国コロラド州に所在する架空の町・サウスパークを舞台とし、主人公の少年4人組やその周辺人物が騒動を巻き起こす、または騒動に巻き込まれる様子を通じて、様々な社会情勢を痛烈に風刺する内容となっている。過激な描写も多く、日本ではR18作品に指定されている。トレイ・パーカーとマット・ストーンの2名で原作から制作までほぼ全てを手掛けている。
カイル・プロブロフスキー
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カイル・プロブロフスキーはスタンらと同じ学校に通う小学3年生で、同じく作品を通じて小学4年生に進級する。
裕福なユダヤ系家庭で育ったため周囲の文化との違いが見られる部分も多く、ユダヤ関連の回ではたいてい振り回される役柄になる。
しかし他の宗教に関する理解もあって柔軟な思考を持ち合わせているため、ユダヤ人や異教徒などを嫌う同級生の差別主義者・カートマンとは犬猿の仲である。
モデルは作者の1人であるマット・ストーン本人、カイルの両親である父のジェラルドと母のシーラの名前もマット本人の両親の名前と同じ。
またカナダから養子に入った弟のアイクがおり、彼を案じて可愛がっているので他者に対しても比較的に面倒見が良い。
穏やかで良心的かつ成績優秀だが神経質で理屈っぽく、本気でキレた時は誰の手にも負えなくなる。
自分がいじめられていると感じた時には自暴自棄になってその相手を殺害しようとしたり、しまいには学校ごと焼き払おうとするなど過激な行動に出ることも。
また馬鹿正直なところもあって、両親の無理難題を解決しようとした時は、キューバのカストロ議長に手紙を出して社会主義体制に終止符を打った。
放送初期はスタンと似たような一般的・平均的な性格で描かれていたが、徐々に熱血的で神経質・綺麗好きな面などを強調されて描かれるようになった。
徐々に正義漢として描かれるようにもなり、対照的に悪人として描かれがちなカートマンの悪行に対しては、たとえ周囲がカートマンに加担していても真っ向から批判するようになる。
一方で責任感を感じることも多く、教師の自宅にトイレットペーパーで嫌がらせしたことを後悔したり、カートマンに偽善者と言われつつもホームレスにお金を恵んだりする。
だがカイルがいなくなると張り合いの無い相手ばかりになったことでカートマンが落ち込むことも多く、カートマンが危機に瀕したりカイルが窮地に陥った時はお互いに助け合っている。
カートマンが死去した祖母の莫大な遺産を相続した時は、悔しさから自身の信仰すら放棄しようとしたほどであるが、なんだかんだ一緒につるんでいるのでそれなりに仲は良いらしい。
逆にスタンとは親友同士でお互いを信頼しており、カイルが糖尿病による重度の腎臓疾患を発症した時も、スタンがカートマンから腎臓をだまし取って移植したことで命を救っている。
先述の通り成績優秀なこともあってか、博識で多くの知識を丸暗記しているかのように語ることがあるが流行には鈍く、人気が終わった頃にハマりだしてバカにされることも。
一方でSNSに熱中し続けるなど一度ハマったら病みつきになる傾向があり、女子生徒のレベッカに対して「恋の病」を患ったこともある。
普段はオレンジの上着と緑の手袋・緑の帽子をかぶっており、赤毛で天パの地毛がコンプレックスなのか極力脱ごうとせず、脱ぐ時もしばしば脱いで不満そうにすることが目立つ。
放送初期は基本的に彼が各話の問題の根本を指摘してから解決策を提言するまとめ役であったが、最近は他の登場人物も似たような立ち位置になることが多い。
ヒーローごっこをする時は「ヒューマン・カイト」を演じ、文字通り背中に凧を背負った忍者風のキャラクターとなる。
エリック・カートマン
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本名はエリック・セオドア・カートマンだが、作中では母のリアン以外には基本的にカートマンと呼ばれている。
初期はスタンやカイルらからバカにされる印象が多かったが、徐々に猟奇的・攻撃的な性格が現れるようになり、過激な人種差別思想などが前面に出てくるようになる。
復讐心も凄まじく、自分を騙した相手の両親を合法的に殺害して、その死体を混ぜた食べ物を相手に食わせて流した涙を舐めるなど、常軌を逸脱した行為を行う。
実質的にサウスパークの各話で主要な役割を演じることが多く、彼が本作をリードする役になっている。
ユダヤ人が特に嫌いなので、ユダヤ人のカイルには常に差別的な言葉を投げかけているが、彼の命を度々救っている。
自身の嫌がらせに対して真面目に対抗してくるカイルがいて安心している様子も描かれており、それなりにお互い良い感じの付き合いをしている。
また赤毛の人たちも嫌いだが、親類に赤毛の人物がいてその血をひいていると知った時はショックのあまり号泣するくらいである。
さらに貧乏人も嫌いらしいが、実際に極貧家庭で育つ友人のケニーとの関係はそれほど悪くなく、むしろ過激な発言が多い者同士で仲良くしていることが多い。
シーズンが進むことに同級生のバターズとも関わることが増え、彼を振り回すまたは彼に振り回されるエピソードが徐々に増えていく。
組織を掌握したり人々を扇動するのに長けており、第二次世界大戦時のドイツを率いたアドルフ・ヒトラーのコスプレをしてサウスパークの住民を扇動、ユダヤ人を殲滅しようとしたことも。
しかも他言語を話したり会社を経営するなど小学生とは思えない能力を発揮し、自身のためなら障害者のふりをするなど、なりふり構わず行動する。
自身に逆らう者・意にそぐわない者は徹底的に排除するため、相手を騙して裏切り罪をなすりつけることも平然と行う極悪人である。
成績も悪く学校一の問題児なので、クラスの友人たちから嫌われており、教師らも頭を悩ませている。
しかし肉弾戦は弱く、打たれ弱いのでカイルに殴られて泣いたり、スタンの彼女・ウェンディにボコボコにされて半殺しの目に合ったりしている。
ケンタッキー・フライド・チキン(KFC)が大好きで、フライドチキンの皮に異常に執着したり、グレービーソースの欲しさから違法ビジネスに手を染めたこともある。
またゲームやガジェット機器も最新のものを欲しがる傾向があり、それを手に入れようとして彼が騒動を起こすエピソードも多い。
その他にはサウスパーク中の保護所送りになった猫たちや、ぬいぐるみを可愛がる様子も描かれている。
ヒーローごっこ時に「クーン」を名乗り、アライグマをモチーフにした姿で他のヒーローたちをまとめる役も引き受けているが、一方でたびたび追放されるなどしている。
ケニー・マコーミック
本名はケネス・マコーミックだが、作中では基本的にケニーと呼ばれている。
常にオレンジのフードで頭と顔を覆っているので容姿を確認することが難しく、口元も覆われていて何を言っているのか聞き取りづらいが、下品な言葉や過激な発言をしていることが多い。
問題発言が多い者同士だからか、比較的にカートマンと仲が良いようで、馬が合う様子がたびたび描かれている。
映画版では一度素顔を見せたことがあり、その時には彼の金髪碧眼の美形な素顔が描かれた。
アルコールに入り浸る父や母・兄・妹らとサウスパークのスラム街にある極貧家庭で育つが、ハングリー精神旺盛なため自費で海外留学するなどの凄まじい行動力を見せることがある。
テレビで「金のためなら何でもする小学生」と紹介されたこともあり、またパソコンやロボットなどのハイテク機器を持っていてお金の使いどころが変なところも。
また貧乏ながら多趣味で流行にも敏感なため、そのためにお金を工面して買ったものや手に入れたものを存分に楽しむ。
それ故に猫の尿を顔に浴びて幻覚をみる行為に熱中したりするなど、重度の中毒症状になりやすい。
彼の特徴は「よく死ぬ」ことであり、放送初期はケニーが死んでから「なんてこった!ケニーが殺されちゃった!」「この人でなしー!」とスタンやカイルが言うのがお決まりだった。
しかし次回には何事もなかったかのようにケニーが復帰しているので、いつしか公式でも彼の死をネタに笑いを取るエピソードも作られるようになる。
ただし一時期本当に病で亡くなり、その死が言及されたり遺灰として登場したものの、しばらく出番が無かった。
この不死の能力には謎が多いものの、仕組みとしてはケニーが死ぬと彼の母が「新たなケニー」を産み落とし、そのケニーは瞬時に記憶と身体が元通りになる。
ケニーは死んだ事実を覚えているが理由は忘れており、またケニーの死を目撃した人々から「ケニーの死んだ記憶」は消えるため、自分の死を認知してもらうべくケニーが死に続ける回もある。
最近は他の同級生であるバターズの出番が増えたことで、主人公4人組の1人だが準レギュラー的に扱われつつある。
ヒーローごっこ時の名前は「ミステリオン」、普段と同じく素顔を見せないが口元が覆われていないので何を言っているかは聞き取りやすい。
またゲームでは「プリンセス・ケニー」として登場することもあり、その時にはお姫様のような姿で現れる。
スタン・マーシュの家族
ランディ・マーシュ
スタンの父で、典型的なアホ親父。
スタンとは違って諸問題を起こしがちで、最近のエピソードでは積極的に問題を起こすトラブルメーカー。
職業は地質学者で博士号を持っており、アメリカ地質調査所の非常勤職員としても勤務している。
歌手・警備員・調理士や最近では大麻農場の経営などで家計を支えている。
芸達者で数々の特技があり、またかつてヒッピーだった事もあってマリファナには特に詳しい。
政治的には左派・リベラルな言動が多く、町で政治的な衝突が起こるときは左派の旗振り役になることが多い。
ジンボとは異母兄弟にあたり、妻のシャロンとは子供の頃からの付き合いで若い頃は一緒にヒッピーをしていた。
シャロン・マーシュ
スタンの母親で、作中では「最高の美乳」の持ち主という設定でもある。
基本的に常識人なのでマーシュ家では理性的な振る舞いをしている。
日中は形成外科の受付をしているため、両親が共働きで日中にいないスタンの家が子供たちの遊び場になりがちである。
なお初期はキャロルという名前だったが、後にシャロンに変更され、キャロルという名前はケニーの母であるマコーミック夫人が受け継いだ。
シェリー・マーシュ
歯に巨大なヘッドギア型の矯正器をつけたスタンの姉。
スタンに暴力を振るったりひどい扱いをする姉で、スタンのことは嫌っているが、一方で彼が本当に困っている時には助けてくれるという中途半端な優しさを持つ。
ラブコメドラマを観るのが日課で、スタンらがテレビを見ているとチャンネルを奪うために殴る蹴るの暴行を加えたりする。
生理時は、家中が血で染まるほどの月経血が出る。
カイル・プロブロフスキーの家族
ジェラルド・プロブロフスキー
カイル・アイクの父親で、鈎鼻にキッパーとステレオタイプなユダヤ人像の男性。
毛深く胸毛に禿げ頭の男性で、ユダヤ人らしく金儲けに目が無かったり、インテリ故の傲慢さで、しばしば暴走しがち。
ユダヤ教徒として息子達を立派なユダヤ人にしたいと考えているが、妻のシーラが教育で暴走しがちだが一方で相対的な価値観をもってカイルらに理解を示すことが多い。
スタンの父・ランディとは息子達と同様に幼少時からの親友である。
ケニーの父・スチュワートとも親友だったが大学時代に疎遠となった後、お互いの経済的な格差が理由で避け合っていた。
シーラ・プロブロフスキー
カイルの母親で典型的なアメリカ人クレーマー。
躾に厳しく教育や差別問題などに熱心だが、結構自己満足的な面が強く迷惑になることが多い。
映画版サウスパークでは、アメリカとカナダが戦争するが発端は彼女のクレーム(カナダ出身のコメディアン『テレンス&フィリップ』が教育に悪いのでカナダにクレームをつけた)が原因。
アイク・プロブロフスキー
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目次 - Contents
- 『サウスパーク』の概要
- 『サウスパーク』のあらすじ・ストーリー
- 始めに
- 宇宙人
- カートマンの復讐
- 結婚記念日
- ラッセル・クロウショー
- ヒッピー
- 意識高い系
- ディズニー
- 『サウスパーク』の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- スタン・マーシュ
- カイル・プロブロフスキー
- エリック・カートマン
- ケニー・マコーミック
- スタン・マーシュの家族
- ランディ・マーシュ
- シャロン・マーシュ
- シェリー・マーシュ
- カイル・プロブロフスキーの家族
- ジェラルド・プロブロフスキー
- シーラ・プロブロフスキー
- アイク・プロブロフスキー
- エリック・カートマンの家族
- リアン・カートマン
- ケニー・マコーミックの家族
- スチュワート・マコーミック
- キャロル・マコーミック
- ケビン・マコーミック
- カレン・マコーミック
- バターズとその家族
- レオポルド・スコッチ
- スティーブン・スコッチ
- リンダ・スコッチ
- サウスパークの住民たち
- ウェンディ・テスタバーガー
- トークン・ブラック
- ジェローム・マッケロイ
- ハーバート・ギャリソン
- バーブラディ巡査
- ジンボ・カーン
- スコット・テナーマン
- テレンス&フィリップ
- 『サウスパーク』の用語
- I Love to Singa
- チリコンカーン
- レディオヘッド
- ジョンベネ殺害事件
- ラッセル・クロウ
- ヒッピー
- バットダディ(Bat Dad)
- スマッグ(Smug)
- ジョージ・クルーニー
- ジョナス・ブラザーズ
- グレービーソース
- マジック:ザ・ギャリング
- 『サウスパーク』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- スタン「親たちにとっては、性犯罪に比べりゃ暴力事件なんて正直どうでもいいものなんだよ」
- カイル「みんな聞いてくれよ、良いニュースがあるんだ!」 カートマン「おお、ついにエイズになったんだな!」 カイル「…違うよ」
- カイル「ブリトニー・スピアーズがリスにクソした写真が撮れたら、いったいどれほどの高値が付くんだろうね!」
- ミッキーマウス「若い女ってのはな、ただのイカれたバカどもだ」
- ケニー「俺は何度も、幾度となく死んできたが、最悪なのは誰も俺が死んだことを覚えていないということだ...!」
- 『サウスパーク』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 作者の2人について
- トレイ・パーカー
- マット・ストーン
- サウスパークが生まれるまでの経緯
- サウスパークで取り上げられた団体や人々のエピソード
- サウスパークと中国の逸話
- サウスパークから中国当局への謝罪文が秀逸
- サウスパークとジェニファー・ロペスの逸話
- サウスパークとラッセル・クロウの逸話
- サウスパークとトム・クルーズの逸話
- 『サウスパーク』の主題歌・挿入歌
- 通常放送の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):『サウスパークの主題歌』
- OP(オープニング):トレイ・パーカー(メインボーカル)『サウスパークの主題歌』(シーズン17 エピソード4)
- 挿入歌:トレイ・パーカー『Let's Fighting Love』(シーズン8 エピソード1)
- 映画の主題歌・挿入歌
- 挿入歌:テレンス&フィリップ『Uncle Fucka』
- 挿入歌:シーラ・プロブロフスキー『Blame Canada』
- 挿入歌:エリック・カートマン『Kyle's Mom's a Bitch』