ドンケツ(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ドンケツ』とは2011年より、たーしが『月刊ヤングキング』で連載している漫画。北九州・小倉を本拠地とするヤクザ組織・孤月組で、かつて敵対する組織から縄張りを守るためロケットランチャーで相手事務所を粉砕した喧嘩上等・無役上等の暴れん坊「ロケットランチャーのマサ」こと沢田政寿と、彼を取り巻く一癖も二癖もある登場人物たちが織り成すバイオレンスエンターテイメントである。本編以外にも外伝・スピンオフ作品も出るなど、『月刊ヤングキング』の看板作品として主に男性陣からの支持を受ける。

『ドンケツ』の概要

『ドンケツ』とは2011年より、たーしが『月刊ヤングキング』で連載している漫画。単行本は少年画報から全28巻刊行されている。
北九州・小倉を本拠地とするヤクザ組織・孤月組で、かつて敵対する組織から縄張りを守るためロケットランチャーで相手事務所を粉砕した喧嘩上等・無役上等の暴れん坊「ロケットランチャーのマサ」こと沢田政寿(さわだまさとし)と、彼を取り巻く一癖も二癖もある登場人物たちが織り成すバイオレンスエンターテイメントである。
本編以外にも『ドンケツ 外伝』が全7巻、スピンオフ作品『ビリケツ』が全2巻刊行され、『月刊ヤングキング』の看板作品として主に男性陣からの支持を受けている。

『ドンケツ』のあらすじ・ストーリー

泣く子も黙る暴れん坊ロケマサの活躍

古くよりヤクザ・博徒・愚連隊などがひしめき、しのぎを削る九州・小倉。この街の闇を治める広域暴力団「月輪会(がちりんかい)」下部団体・孤月組には、泣く子もヤクザも黙る伝説の暴れん坊「ロケマサ」がいる。本名は沢田政寿(さわだまさとし)で、「ロケットランチャーのマサ」という通り名からロケマサと呼ばれていた。
45歳を過ぎても役職にもつかず、主なシノギは博打と恐喝。気に入らなければ目上の者でもお構いなしに暴れまわるならず者として、敵対組織だけなく月輪会所属の組員たちからも恐れられていた。

ある日彼は、マリファナをシマ内で売っていて、ヤクザにつかまり袋叩きにあっていた内村タツオ(うちむらたつお)をひょんなことから助けてしまう。
恩を感じたタツオはロケマサの付き人になることに。臆病で不器用なタツオもロケマサの圧倒的な暴力と時折見せる漢気に触れて徐々にヤクザへの道を歩き始める。最初は鬱陶しいと思っていたロケマサも、かつて自分が心を許した今は亡き兄貴分の面影を見て、次第に心を許してゆく。

ロケマサの所属する孤月組には、組長の渡瀬大志(わたせたいし)や、年少ながら「クの字のヒロト」の異名を持つ若頭の金田寛乙(かねだひろと)、ロケマサと同期の「チャカシン」こと山倉慎之介(やまくらしんのすけ)など、ロケマサに勝るとも劣らぬ男たちが集まり、月輪会屈指の武闘派としての地位を固めていく。

そんな中、日本最大の暴力団「天豪会(てんごうかい)」のNo.3で本部長の城嶋光一(じょうしまこういち)が、小倉にやってくる。接待する月輪会の面々に対して挑発する天豪会。そんな中「日本一のイケイケを見に来た」と城嶋とのタイマンを要求するため、ロケマサが接待の場に乱入してきた。城嶋のボディガードを一撃で沈めたロケマサは、この一件で城嶋の知己を得る。

小倉での一件を聞いた天豪会最強の男「ゲンコ」こと、平山元(ひらやまげん)は、ロケマサを狩るべく子分のヤスを連れて小倉に乗り込む。ロケマサにも匹敵する力を持つゲンコをひょんなことから迎え撃ったのはなんと、タツオだった。ロケマサの居場所を知られまいと、執拗な暴力に耐え、満身創痍になりながらも男としての意地を果たす。それを聞いたロケマサは激怒。圧倒的なパワーとスピードを持つゲンコに、当初は苦戦をするものの、ついにはこれに勝利する。敗北したことで死も覚悟したゲンコ。そんなゲンコにロケマサは「この場で死ぬか、それとも敗北を認めて再戦するか」と要求した。ロケマサの漢気に感服したゲンコはついに敗北を認める。

十五夜組との抗争

ゲンコに勝利したロケマサには、その強さに惹かれてタツオ以外にも多くの若者が集まるようになる。かつてロケマサの命を狙った時定卓也(ときさだたくや)や、タツオのかつての敵・水川レオ(みずかわれお)など、敵対していた者も、ロケマサとの盃を希望してきたのだ。そんな中、ロケマサをマサ兄と慕う、「北九州の登り龍」こと華月組(かげつぐみ)組長・村松春樹(まつむらはるき)から1人の流れ者を紹介される。

彼の名は相場桃次郎(あいばももじろう)。一見軟派なこの男、実はかつて所属した組織を半グレ組織により潰され、その復讐に燃える男だった。彼は「月輪会の十五夜組(じゅうごやぐみ)の麻生と小田切は組の仇」だと言う。
十五夜組。かつては昔気質の組長のもと、細々と任侠道を営んでいたこの組織は、関東の元半グレ麻生洋助(あそうようすけ)・小田切学(おだぎりまなぶ)により、堅気への暴力や薬物もいとわないマフィア組織に変貌していた。

彼らは北九州を自分たちの仕切る麻薬シンジケートの窓口とするべく、月輪会に潜入していた。野望のためこの街を抑える月輪会を分裂させるべく、会を統べる絶対的カリスマ宮本会長から実権を奪うことを画策。古くからの任侠道の理想を追求する宮本の方針に異論を唱える月暈組(げつうんぐみ)の野江谷英一(のえだにえいいち)をかつぎ、会の分裂を図る。

十五夜組の動きを怪しんでいた月輪会風紀委員長で月光組(げっこうぐみ)組長野口剛(のぐちつよし)は、ロケマサとチャカシンが起こした月白組(つきしろぐみ)とのトラブルを機に、自身直属の風紀委員として2人に十五夜組を探らせる。野口やロケマサ、チャカシンの動きを察した野江谷は、月輪会最強の座をかけて部下の下柳らにロケマサらの襲撃を指示するものの、その圧倒的な力で返り討ちにあう。

さらにロケマサらは月輪会本家での幹部会で、その場に居合わせた麻生に難癖をつけて暴行。逆上した麻生は、手下の半グレたちを使い、小倉の街を混乱に陥れ、ついには宮本を警察に逮捕させる陰謀を実現する。

宮本の逮捕により、月輪会は大混乱。これにあわせて野江谷らは、月輪会を離脱。まとめ役を失った小倉の街の混乱はなお混迷を深めていく。親会長派の三船率いる朔組、村松率いる華月組、渡瀬率いる孤月組は、あえて月輪会を守るため会を離脱。通称「はぐれ月」として、助っ人に参じたゲンコなども交えて三つ巴の抗争へと突入していく。

ピンチに立たされた月輪会

野江谷らの月輪会離脱にあわせて地下へ潜伏した旧十五夜組の麻生と小田切は、自身の分身とも言える闇の実行部隊を杉田やドムこと橋田ドミニク(はしだどみにく)に任せて陰謀を進める。杉田とドムに率いられた半グレたちは街で暴れるものの、あくまで堅気であることを使い、暴力で制圧する月輪会を警察を使ってがんじがらめにする。

ピンチに立つ月輪会。

そんな中、ロケマサらは杉田とドムの尻尾を、桃次郎が所属していた無双山一家の速水邦光(はやみくにみつ)からつかむ。速水やゲンコの協力も得て、アジトを急襲しドムと杉田を倒し、さらに杉田を使い、麻生や小田切のおびき出しに成功する。信頼をしていた杉田に裏切られた麻生と小田切は、桃次郎により組の仇として討ち果たされる。

麻生と小田切を失った野江谷は、離脱派No.2である別所定利(べっしょさだとし)を使いはぐれ月を襲撃させるものの、逆にロケマサやチャカシンらの逆撃をくらい組織は壊滅。野江谷は徐々に追い詰められていく。混迷を深める小倉の治安悪化を懸念した警察は、村松からもたらされた国内最大規模の覚せい剤の情報と引き換えに、拘留していた宮本を保釈し、事態の改善を任せる。復帰した宮本は事態を収集しながら野江谷に引導を渡す。

頼りの部下たちも暗殺や離脱で失う中、野江谷は宮本暗殺という最後の賭けに出る。しかし宮本にたどり着く前に、佐藤ら福岡県警の手により追い詰められる。進退窮まった野江谷の目には自分の晩節を汚す醜態をさらす己を見つめるロケマサがあった。自身の最期を悟った野江谷は自身の拳銃で自決。月輪会分裂から始まる抗争はこうして終結するのであった。

『ドンケツ』の登場人物・キャラクター

主要人物

ロケマサ/沢田政寿(さわだまさとし)

本名、沢田政敏。人呼んで「ロケットランチャーのマサ」。月輪会最強の男。
岩をも砕く拳により数々のステゴロに勝利してきた猛者。齢50近くなっても日々進化続ける。性格は豪放磊落なれど、自分を頼るものに対しては上役や多数であっても戦う漢気がある。また女性に対しては自分にほれさせないようにふるまうところがある。ちなみにバツ3。幼少期は世捨て人の父と2人で山で暮らし、父の死により食料を求めて街に降りてきたところを保護される(外伝より)。小学生で30歳の彼女がいて、車に乗って近隣の中学をしめていた。孤月組には組長の渡瀬のスカウトにより入る。主なシノギは博打と恐喝(ヤクザ専門)。タツオらの親子盃を経て、桃次郎らとともにロケマサ組(仮)を結成。除霊などのシノギも加えている。

内村タツオ(うちむらたつお)

ロケマサの一の子分。元々はマリファナの売人で何をやらしても中途半端な若者で上にへつらい、下に厳しい父と子供からの批判を恐れて教育ができない母との間に育つ。強い父性に対するあこがれが強く、ロケマサとの出会いにより過去の自分を変えたいとロケマサの舎弟になることを誓う。しばらくはヘタれたところも多かったが、かつて自分を苛めていたレオとの対決により覚醒し、その後の十五夜組との対決や、ゲンコの子分のヤスとのタイマンなどを経て、ロケマサ組の構成員の一員となる。

定時卓也(ときさだたくや)

タツオ世代の有名人で、かつては弦月組の見習いだったが、自分を見捨てた組長の小田に愛想を尽かし、タツオやレオと行動を共にするようになる。ロケマサ組の「通称:3馬鹿トリオ」の中では一番強く、自分を狙ってきた月暈組員を返り討ちにしている。かなりの読書家で周囲からも一目を置かれている。

水川レオ(みずかわれお)

タツオ世代の有名人で、薬や恐喝、売春などなんでもござれのチーム「LION」のリーダーとして、若者たちの間に君臨していた。タツオとはロケマサに出会うまでにマリファナの売買でトラブルで面識があり、その際はボコボコにしている。タツオはその際の記憶がトラウマになっていたものの、克服したタツオに敗れる。その後、ケツ持ちをしていた十五夜組に殺されそうになるところを脱出。話をつけてくれたタツオに感謝し、ヨゴレ仕事から足を洗い、ロケマサ組に時定とともに入る。ヨゴレにもかかわらずその美声は天使のようで(時定談)、ロケマサ組の事務所開きの際の悪霊退散に一役買っている。

相場桃次郎(あいばももじろう)

Miharu-i
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