クロエのレクイエム(Chloe's Requiem)のネタバレ解説・考察まとめ

『クロエのレクイエム』とはゲームサークル「ブリキの時計」が2013年10月2日に無料配布したフリーホラーゲーム。「ブリキの時計」は当時19歳のぬばりんと16歳のななしのちよによる女性2人のサークルであり、製作者の破格の若さとゲームの完成度の高さが話題となった。主人公のミシェルはバイオリンの演奏で脚光を浴びる早熟の天才少年。そんなミシェルは家族との確執が原因で飛び出した夜、迷い込んだ先の屋敷でピアノ好きな黒髪の少女クロエと出会い、この屋敷にかかった呪いを解いてくれるように頼まれる。

クロエ・アルデンヌ

本作のヒロインで長い黒髪と神秘的な紫の目の少女。年齢は11歳。
由緒正しい貴族アルデンヌ家の一人娘で、天真爛漫で無邪気な性格。動物やおもちゃを友達として愛し、日常的に話しかけていた。しかし8歳頃から父親であるアランの虐待が始まり、頼りにしていたメイド達もどんどん去っていき、母親には憎まれて欝々とした日々を送るようになる。以前はおもちゃの声が聞こえ会話もできたが、父親に初めて暴力を受けた夜からおもちゃと喋ることができなくなってしまった。
幼いながらに優れたピアノの才を発揮し、アルデンヌ邸で開催されたコンサートではミシェルの伴奏を務めた。
両親へ芽生えた憎しみが高じた呪いに飲みこまれ、クロエの善性が黒猫のノワールに、クロエの悪性が白猫のブランに分離する。ミシェルが屋敷で会ったクロエは彼女曰く本体の残骸に過ぎず、本体のクロエも飢え狂って余命短い身だった。

サブキャラクター

ピエール・ダランベール

ミシェルの双子の弟で12歳。コンサートではミシェルのピアノ伴奏を務める。
幼い頃からミシェルと仲が良く、将来は2人でコンサートを開くのが夢だった。しかしバイオリンの天才と名高いミシェルに対し、ピエールのピアノの腕前は同年代の子供よりは優れている程度でお世辞にも傑出しているとはいえず、心ない周囲に常に才能を比べられていた。
口が悪く当たりがキツい所もあるが人一倍努力家で、ピアノの練習に何時間も打ち込めどまだ足りず、夜な夜なベッドから抜け出しピアノを弾いていた。ミシェルと違い絶対音感はない。屋敷のメイドであるシャルロットに片想いしていたが、彼女自身はミシェルに恋しピエールには見向きもしなかった為、兄への嫉妬とコンプレックスのはざまで屈折していった。ミシェルが間接的にシャルロット殺害後はますます仲が冷えきり、約1年もの間話しかけられても無視を貫いていたが、トゥルーエンドでは自らの態度を悔い改めて兄の生還を祈っている。

シャルロット

ダランベール邸のメイドで貧民層出身の13歳の少女。ドジでおっちょこちょいな上に極度の恥ずかしがり屋。ミシェルに一目惚れし、なにかと彼に付き纏っていた。反面ミシェルの悪口を撒き散らすピエールを毛嫌いしており、彼がブランの存在を父親に告げ口したとミシェルに教える。
ミシェルに突き飛ばされて壁に激突した際、落ちてきた古いシャンデリアで圧死する。メイドとして採用される前は1日1個のパンにも事欠く生活をしていた。

ミシェルの父親

ミシェルとピエールの父親。拝金主義の俗物で、息子たちを金儲けの道具としか見なさず毎日のように演奏会を開かせていた。本作冒頭で我慢の限界に達したミシェルに殴打される。トゥルーエンドでは重体ながらも生存が明らかになる。

アラン・アルデンヌ

クロエの父親で本作の元凶となる人物。由緒正しい貴族アルデンヌ家の当主にして、聴くと気が狂うような独特の曲を手がける音楽界の鬼才として知られていたが、妻子への虐待など黒い噂が尽きない人物でもあった。
実の娘のクロエが8歳頃から暴行を始め、その様子を大量の写真に撮った上、『愛しい娘の成長記録』と題したアルバムに保管する。彼がまだ生きているクロエに本来は死者に贈る『クロエのレクイエム』を聴かせたのがきっかけで、クロエはアランの殺害に走った。

クロエの母親

クロエの母親にしてアランの妻。本作スタート時点で既に故人。
以前は若く美しい貴婦人としてメイドに慕われていたが、アランの興味がクロエに移ったのがきっかけで心を病み、夫の愛情を取り戻したい一心で黒魔術に傾倒する。一方で夫を奪ったクロエを激しく憎悪し、彼女の留守中にお気に入りのドレスを切り裂くなど心理的な虐待を加えだす。クロエによって殺害された後も呪いの一部として屋敷に取りこまれ、娘を妬み続けていた。

メイドD

クロエと仲良しなメイド。引っ込み思案でおどおどしているが、クロエには優しくて大好きと慕われていた。
アランがクロエに乱暴する現場を目撃し、クロエの母親に口封じで殺される。死体は証拠隠滅を兼ね暖炉で焼却された。『カプリース24番』の楽譜をミシェルに託して消えるが、最後までクロエの身を案じていた。
厨房では赤い炎の姿で登場するが、これはクロエの母親に暖炉で焼かれたのに起因している。

ブラン

クロエが飼っているオスの白猫で彼女の呪いの化身。トゥルーエンドでは黒猫のノワールと戦って倒される。名前の由来はフランス語の白。

ノワール

クロエが飼っているメスの黒猫で彼女の良心の化身。トゥルーエンドではブランと戦い勝利するも力尽き、クロエと共に朝日が見える丘に運ばれて息を引き取る。名前の由来はフランス語の黒。
番外編『クロエのレクイエム-Con amore-』の主人公。実はミシェルが1年前に飼っていた黒猫クロエであり、裏山に捨てられたものの生き延びてクロエに拾われた。

兵隊の人形

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