いちご100%(河下水希)のネタバレ解説・考察まとめ
『いちご100%』とは、河下水希が週刊少年ジャンプにて連載していた漫画作品、あるいはこれを原作としたアニメ作品である。ジャンルはラブコメディー。
頼りないが夢に対してはまっすぐで情熱的な少年真中淳平をめぐって様々な恋模様が展開される。それらを通じて人間関係のすれ違いや将来の夢への苦悩を経験する中で登場人物が内面的に成長していく様子が描かれている。本筋に関わる部分でのヒロインたちの繊細な心情の描写とそれ以外の部分でのお色気、ギャグといったコメディ要素とのギャップが大きな魅力の一つである。
CV:鈴村健一/斎賀みつき(幼少期)
本作の主人公。身長170センチメートル。5月10日生まれ。趣味は映画鑑賞であり、映画監督になることを夢見ている。
外見は冴えないごく平凡な男子であり、学校の成績もいつも底辺組で泉坂高校にも補欠合格でかろうじて入学した程度の学力であった。中学ではサッカー部に所属していたがポジションはベンチであり、運動神経もそれほどよいわけではない。興味のないことにはまったく興味を示さないが自分の夢に対してはとことんまっすぐで情熱的。
女の子には優しくその上優柔不断であるが、それは自分が誰か一人を選ぶことで自分に好意を寄せてくれている他のヒロインを傷つけてしまうということを理解しているからである。たびたび妄想にふける癖があるが自分に都合の良い妄想だけではなく、ときには脳内のヒロインたちが流されそうになっている真中を戒めるという妄想をすることもある。また友人想いな一面も見せており、小宮山が事故に遭って頭から血を流しているのを見たときは東城と一緒に映画を見に行くという約束を破って小宮山に付き添った。
ときに外村美鈴や角倉から厳しい意見を受けて映画監督としての腕を磨いている。
卒業後は日雇いの仕事をしながら貯金をためて世界を巡り歩き、そこで撮ったフィルムで小さな映画賞を受賞するなど一歩ずつ夢に近づいている模様。なお日雇いの肉体労働のせいか学生時代よりも体格が筋肉質になっている。
東城 綾(とうじょう あや)
CV:能登麻美子
本作のメインヒロイン。身長159センチメートル、A型、1月14日生まれ。真中が本編冒頭で出会うことになる「いちごパンツの女の子」の正体である。
趣味は読書で夢は小説家。料理と歌が大の苦手。おしとやかで清楚であるがその反面かなりドジで何もないところで転ぶことも多い。押しに弱くきっぱりと断ることが苦手な性格であり、ときに流されて自分の気持ちに正直に行動できないことがある。高校では学年トップの外村に次いで2番目の成績優秀者であり、大学も名門の私立大学に推薦入試で合格している。そのうえ面倒見がかなりよく、真中にオリジナルのプリントを作って勉強を教えたり向井こずえの男子恐怖症を克服するのに協力したりしている。
小説の腕は確かであり、高校在学中から高い評価を受けていた。
本編では終盤まで口に出すことはなかったが真中への想いはかなり強く、小説を書く原動力はすべて真中であった。実際真中にフラれた直後は小説が書けなくなっている。しかしその後失恋すらも前向きにとらえて自分の将来に向かって歩き出しており、その意味で本作で最も成長したキャラであるという声も少なくない。
卒業後は売れっ子小説家として活躍、真中が最初に読んだ東城の小説を映像化してアカデミー賞を受賞するという夢を叶えるために小説を書き続けている。
西野 つかさ(にしの つかさ)
CV:豊口めぐみ
本作のメインヒロイン。身長158センチメートル、B型、9月16日生まれ。夢はパティシエ。
真中との関係は真中の勘違いからはじまったものだったが、西野はそれ以前に真中が先生に叱られた小宮山をかばって一緒にグラウンド外周の罰を受けている場面を見ており、一方的に真中のことを知っていた。
中高を通してアイドル的存在であり、たびたび男たちに絡まれている(ただ彼らも西野を本気で怒らせるのは嫌らしく、彼女の指示にはおとなしく従っている)。明るくかつサバサバした性格で言いたいことははっきり言うが、空気を読んで相手に合わせた対応ができる。恋愛には積極的だが日常会話の中に映画のセリフを混ぜて真中への好意を匂わせたり、逆に「あたしたち彼氏でも彼女でもないんだし」などと突き放すようなことを言うなど読めない発言が多く、真中が振り回されている場面が多くみられる。洞察力が鋭く、真中の気持ちが東城に揺れているときもそれを察知していた。一度真中と破局した後は嫉妬深い一面も見せるようになっている。当初は苦手であった料理を克服してパティシエを目指すほど努力家であるが、疲れたときには真中に弱みを見せることもある。
「好きな人に合わせて生きていくのはつまらない」という考えで東城とは対照的に恋と夢ははっきりと分けており、どちらも妥協しない。実際に真中と結ばれた後でもパリ留学を断念することはなかった。
パリから帰国した後は真中からの交際申し込みを受け、三度付き合うことになった。
北大路 さつき(きたおおじ さつき)
CV:小林沙苗
本作のヒロインの1人。身長162センチメートル、O型、5月3日生まれ。最初に真中に好意を伝えた人物である。
真中、小宮山とともに泉坂高校に補欠合格した者の1人であり、入学後も成績は悪いが運動神経だけは抜群で体育の成績だけ5がついている。当初真中との仲は良くなかったが次第に惹かれていき、真中も価値観の合うさつきに対し居心地の良さを感じている。運動部の男子たちから頼まれて文化祭における集客に協力するなど、面倒見の良い面も見られる。
明るい性格で恋愛に対してはかなり積極的。抜群のプロポーションを活かしてたびたび真中に迫っているが、毎回上手く躱されている。高校3年生になってからは真中は自分を選んでくれないと判断し、親友になる決意を決めたがやはり諦めきれず、再度アプローチするようになる。以降、西野と付き合い始めた真中からはっきりフラれた後も一途に真中を思い続けている。ちなみに東城に報われない片思いをしている天地とは戦友のような関係になっている。
卒業後は大学には進学せず親戚が営む京都の旅館で働いており、京都の大学に通う外村美鈴とは頻繁に会っている模様。
南戸 唯(みなみと ゆい)
CV:水樹奈々
本作のヒロインの1人。身長150センチメートル、O型、3月31日生まれ。真中より1つ年下の幼馴染である。
天真爛漫な性格で子供っぽく、よく真中の手を焼かせるがときには真っ当な意見を言うお姉さん的な立ち位置になることもある。他のメインヒロインと同じく方角にまつわる「南」の字を与えられてはいるが互いに恋愛対象として意識している様子はなく、終始兄妹のような関係であったが、登場したころは成長した彼女を真中が異性として意識するような描写は何度かあった。ちなみに唯自身は真中の友人である大草に憧れている。
桜海学園の寮が閉鎖されていたことから真中の家に寝泊まりすることになるが、寝相が大変悪く寝ている間に服を脱ぐ癖がある。その癖が発覚した時には唯の父親から真中との関係を疑われ、桜海学園をやめさせられそうになった。その後唯の必死の弁解で誤解はなんとか解け、以降は真中家にしばしば顔を出しながら一人暮らしをしている。
卒業後の進路は不明だが、真中の頼みでたびたび映画に出演している模様。
外村 美鈴(そとむら みすず)
CV:川崎恵理子
本作のサブヒロインの1人。身長160センチメートル、B型、5月25日生まれ。真中の親友である外村ヒロシの妹である。
趣味は映画鑑賞であるが非常に辛口であり、真中の作った映画を酷評することも。映研部では助監督をつとめ、演出上真中と口論することもしばしば。
かなりプライドの高い性格で尊敬する人物にしか頭を下げない。映研部では「尊敬する人物」に当たるのは東城だけのようであり、彼女以外は邪険に扱っている。先輩や初対面の人間に対しても言いたいことははっきり言う性格であり、自分の言葉には殺傷力があると自覚しているらしい。
ルックスは良い部類であるらしく、真中からも「助監督より女優のほうが向いている」と言われるほどカメラ映えする。
卒業後は京都の大学に進学。大学で出会った内場という男と恋に落ち、同棲している模様。同じく京都に住んでいる北大路さつきとは頻繁に会っている。
端本 ちなみ(はしもと ちなみ)
CV:清水愛
本作のサブヒロインの1人。身長153センチメートル、O型、10月16日生まれ。真中たちの1つ年下の後輩。
男性から常にちやほやされていないと満足できない典型的なぶりっ子であり、周囲の男たちに大金を貢がせている。しかしその反面合宿中に綺麗な花を見つけたときには素直に感動しており、ハチに刺されながらもその花を取ってきてくれた小宮山に心を動かして付き合い始めるなど、純粋なところも無いわけではない(その後、誕生日プレゼントにはブランドバッグが欲しかったのに花を贈られたという理由で破局している)。
当初は真中やさつき、美鈴から嫌われていたがその後次第に映研部に溶け込みはじめ、特に美鈴とは仲良くなっていたようである。
卒業後は外村が運営する外村プロダクションの所属タレント1号としてグラビアアイドルの仕事をしている。
向井 こずえ(むかい こずえ)
CV:植田佳奈
本作のサブヒロイン。身長156センチメートル、血液型AB型、7月6日生まれ。妄想癖のある他校の女子生徒。
本編第99話以降登場。極度の男性恐怖症であるが男性のことが嫌いなわけではなく、むしろ妄想の中では男性のことばかり考えている。男性の前では言葉が出にくくなるが同性の東城や浦沢舞に対しては口数が多い。塾のクラス分けテストでは痴漢から救ってくれた真中のことを意識して集中できずBクラスに落ちてしまったが元々は成績優秀なAクラスに所属していたため、勉強ができないわけではない。
当初は真中に対して他の男子たちと同じく警戒心を抱いていたが痴漢から助けられたことをきっかけに心を開き始め、徐々に心惹かれていくようになる。その後改めて真中に好意を伝えるものの、さつきや東城と違って彼女だけは真中から直接的にフラれたわけではなく、真中が西野と付き合っていることを知って間接的に失恋したことになった。失恋後も真中に対する想いを引きずっていたが同じBクラスの右島と出会い、彼にも徐々に心を開いて親密になっていった。
卒業後の進路や右島との関係がどうなったのかは不明。
外村 ヒロシ(そとむら ヒロシ)
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目次 - Contents
- 『いちご100%』の概要
- 『いちご100%』のあらすじ・ストーリー
- 中学3年生編
- 高校1年生編
- 高校2年生編
- 高校3年生編
- エピローグ
- EAST SIDE STORY
- 番外編 京都初恋物語
- 『いちご100%』の登場人物・キャラクター
- メインキャラクター
- 真中 淳平(まなか じゅんぺい)
- 東城 綾(とうじょう あや)
- 西野 つかさ(にしの つかさ)
- 北大路 さつき(きたおおじ さつき)
- 南戸 唯(みなみと ゆい)
- 外村 美鈴(そとむら みすず)
- 端本 ちなみ(はしもと ちなみ)
- 向井 こずえ(むかい こずえ)
- 外村 ヒロシ(そとむら ヒロシ)
- 小宮山 力也(こみやま りきや)
- 泉坂高校の登場人物
- 大草(おおくさ)
- 天地(あまち)
- 黒川 栞(くろかわ しおり)
- 高木(たかぎ)
- 冬田 涼子(ふゆた りょうこ)
- その他の登場人物
- 浦沢 舞(うらさわ まい)
- 右島(みぎしま)
- 佐竹(さたけ)
- トモコ
- 東城 正太郎(とうじょう しょうたろう)
- 東城 遥(とうじょう はるか)
- 日暮 龍一(ひぐれ りゅういち)
- 豊三郎(とよさぶろう)
- 東尾 繭子(ひがしお まゆこ)、西園寺 めぐみ(さいおんじ めぐみ)、北原 沙恵(きたはら さえ)
- 角倉 周(かどくら しゅう)
- 内場(うちば)
- OVA版オリジナルキャラ
- 更殖 わたる(こうしょく わたる)
- 式部(しきべ)
- 久原(くはら)
- EAST SIDE STORY
- 中間(なかま)
- 外山(そとやま)
- 『いちご100%』の用語
- 泉坂高校
- 桜海学園
- テアトル泉坂
- 『いちご100%』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 互いの夢を語り合う東城と真中
- 真中が西野に別れを告げようとしたデート
- 真中のさつきとのファーストキス
- 唯の真中離れ
- 西野の告白シーン
- 東城から真中への告白シーン
- 東城の答辞
- 卒業から4年後、真中と西野の再会シーン
- 『いちご100%』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 『いちご100%』というタイトルは連載当初の担当編集が名付けたもの
- 登場人物に関する裏話
- メインヒロインに「東」「西」の字を名前に与えたのは主人公の「真中」の両隣にいるという意味から
- 一部の登場人物は作者河下水希の過去作や実在の人物をモデルにしていた
- 実は最後に選ばれるヒロインは直前まで迷っていた
- 『いちご100%』の主題歌・挿入歌
- アニメ版OP(オープニング):dream『SHINE OF VOICE』
- アニメ版ED(エンディング):HINOIチーム『IKE IKE』
- OVA版OP(オープニング): 南戸唯(水樹奈々)、西野つかさ(豊口めぐみ)、北大路さつき(小林沙苗)、東城綾(能登麻美子)『君色100%』
- OVA版ED(エンディング): 橋本みゆき『ペパーミント』