艦隊これくしょん -艦これ-(メディアミックス)のネタバレ解説・考察まとめ

『艦隊これくしょん -艦これ-』とは、女性に擬人化された艦艇(軍艦)を使用したDMM.comの育成シミュレーションゲーム、およびそれを原作としたアニメ・漫画・小説などのメディアミックス作品。
ブラウザゲームと同日に配信開始した「吹雪、がんばります!」を皮切りに、設定を明確にせず、解釈の幅を広く容認することで様々なメディアミックス作品が送り出された。初期は戦記路線が中心であったが、現在は洋酒や音楽など戦い以外を扱う作品も展開されている。

扶桑型戦艦2番艦。金剛たちの乗っていた客船の救助に登場したが敵の攻撃により中破し金剛に助けられることに。僻みっぽくひねくれた性格だが根は善人。姉である扶桑を世界最高の戦艦であると思っているため金剛を崇拝する比叡とは相性が悪く、顔を合わせるとすぐ喧嘩になる。

島風(しまかぜ)

丙型駆逐艦。生意気な性格で、当初は金剛のことを「おばさん」呼ばわりするがすぐに打ち解ける。その後、威力偵察部隊の一員として出撃したが想定外の敵戦力に遭遇。救助を求めて鎮守府へ独りで帰還してきた。

大淀(おおよど)

大淀型軽巡洋艦。不在にしている提督の代行を務めている。
連載当時はまだゲーム中で大淀は実装されておらず、任務画面に登場する名称不明のキャラクターであったが本作で「大淀」の名称が先行公開された。

提督(ていとく)

作中では軍本部への出張で不在にしており、電話による音声だけが登場している。

おやっさん

本作品オリジナルキャラで鎮守府工廠の整備員。口やかましい初老の男性で、無茶な戦い方で艤装に負担をかける金剛をよく叱っている。

艦隊これくしょん -艦これ- 水雷戦隊クロニクル

漫画:深山靖宙
原作:「艦これ」運営鎮守府
連載:2013年11月26日~2016年9月26日
単行本:全3巻(第1巻のみ特装版あり)

角川書店の月刊漫画誌「月刊コンプエース」に連載されていた作品。第六駆逐隊を主人公に、キス島撤退作戦(ゲーム内における海域3-2)に臨む駆逐艦娘たちの訓練と駆逐隊選抜のための演習試合をメインストーリーとして描いた。作者の体調不良による長期休載や掲載ページ数の減少が続いたが、駆け足展開とはいえ完結に至った。
幕間おまけ四コマ(第1巻のみ収録)は望生ゆうが執筆している。
第1巻の特装版には第六駆逐隊の面々をメインキャラクターとしたドラマCDが同梱されている。

あらすじ・ストーリー

北方海域・キス島に取り残された味方部隊の撤退作戦は遅々として進んでいなかった。気象条件や海域の性質から戦艦や航空母艦、重巡洋艦といった大型・中型の艦娘では目標海域まで到達できず、小型の駆逐艦娘だけで戦艦を含む敵艦隊を突破しなければならなかった。そのため、軍令部は各鎮守府に対して早急に高い練度の駆逐艦を育成するよう命じた。
呉鎮守府に着任した軽巡洋艦・天龍と龍田。彼女たちは、その駆逐艦育成のために招聘されたのだ。天龍が目をつけたのは暁・響・雷・電の第六駆逐隊。砲撃も魚雷攻撃もまるでおぼつかない彼女たちだが、その中にある「誰かを助けるために強くなりたい」という思いを見た天龍は第六駆逐隊の育成に力を尽くす。第六駆逐隊のリーダー格である暁は、子供扱いされたことから天龍に反発するが、がさつで乱暴者のように振る舞っている天龍に意外にも女性らしい一面があり、人々を守るという強い使命感を持っていることを知って心を開く。訓練を続けていた第六駆逐隊は、遂に天龍たちと共に実戦へと出撃する。艦娘には珍しい博愛主義者である電は深海棲艦を沈めることにためらいを覚えるが、そんな電に天龍はまず自分と仲間の命を守ることを優先するよう教える。強くなれば、いつかは敵を救うこともできるという天龍。電は自分の主義を否定しなかった天龍の姿に憧れを抱く。海域深部において遭遇した精鋭級の空母ヲ級は強敵であり、天龍も危機に陥るが電たちの助力もあり辛うじて勝利する。電は、最後の最後まで立ち向かってきたヲ級の姿に深海棲艦が抱える戦いへの執念を見たのだった。
その後、天龍・龍田と第六駆逐隊が精鋭級の空母ヲ級を撃破したことを知った呉鎮守府の提督は、海軍大演習に呉鎮守府の代表として第六駆逐隊を選出した。より練度が高く実戦経験の多い第七駆逐隊ではなく第六駆逐隊が選出されたことを怪訝に思う第七駆逐隊のリーダー・曙だったが、大演習のレギュレーションが「戦艦4人に駆逐艦2人を加えた艦隊に駆逐艦4人の艦隊が夜戦で挑む」であることを知った響は、大演習の目的が「夜戦で戦艦に勝てる駆逐艦を選出する」ことだと気付く。駆逐艦だけで戦艦に勝利するという困難な作戦に怖気づく他の駆逐艦たち。しかし、電は、自分の目指す生き方のため強くなりたい、と大演習に挑むことを決意する。他の第六駆逐隊も電に賛同、天龍は第六駆逐隊に夜戦のための特訓を行わせることを決めた。
天龍による厳しい特訓を乗り越えた第六駆逐隊は舞鶴鎮守府での海軍大演習に臨む。そこには、各鎮守府から集まった腕利きの駆逐隊が勢揃いしていた。その中でも、全軍内で最高練度の第十八駆逐隊でリーダーを務める霞は、戦艦に勝てる駆逐隊は自分たちしかいないと豪語する。大演習で各鎮守府代表の駆逐隊を迎え撃つ特別艦隊は、お披露目として模範演習を開催。特別艦隊と対決する合同艦隊の中には、天龍の姿もあった。しかし、天龍は戦艦部隊である金剛型四姉妹の護衛を務める駆逐艦・夕立改二との戦いに敗北する。敵は戦艦だけでなく天龍よりも強い駆逐艦までいる、ということに驚く電たち。しかし、暁は恐怖を振り払うように「かかってこい!」と叫ぶ。その姿に鼓舞された他の3人は、より強い覚悟を固めるのだった。
そして大演習本番。初日に挑んだ時雨率いる佐世保鎮守府のチームは夜戦の正攻法である探照灯照射からの魚雷攻撃で臨んだもののあえなく敗北、二日目に挑んだ舞鶴の第十六駆逐隊は旗艦である天津風を囮にした奇襲戦法を見透かされ、数的不利に追い込まれて棄権を選んだ。しかし、特別艦隊の旗艦である戦艦・霧島は天津風の速さに苦しめられたことから夜戦において駆逐艦を侮るべきではないと痛感する。そして本命とされた横須賀の第十八駆逐隊が挑む三日目。高い練度に裏付けられた連係の取れた艦隊機動と数的不利になっても最後まで諦めない霞の闘志に追い込まれた特別艦隊であったが、それでも第十八駆逐隊は勝利を掴むことができなかった。本命の部隊に勝利できたのでいちばん練度の低い第六駆逐隊戦は消化試合だと言う夕立だったが、霧島は第六駆逐隊を決して侮るべきでない相手だと思っていた。
その頃、第六駆逐隊はこれまでの3戦を参考に作戦を立てていた。響の立案した作戦は、響自身をして「博打のようなもの」と言わざるを得なかった。しかし、暁は勝率がゼロでないならやる価値はある、と響の作戦を受諾。そして、大演習の最終日が始まった。
煙幕や航跡の見えやすい旧式魚雷を囮に使った二段撃ちにより特別艦隊を分断、連係を行わせないように仕向けつつ自分たちは全員が同型艦である利点を生かした装備の交換など巧みな連係を見せる第六駆逐隊。最後は、響と霧島の一騎討ちと見せかけて死角から放たれた電の魚雷が勝負を決めた。戦艦に勝った駆逐艦としての栄誉を掴んだ第六駆逐隊は、その喜びを天龍に伝えようとする。しかし、天龍は既に役目を終えて呉鎮守府から佐世保鎮守府に転属していたのだ。悲しむ第六駆逐隊の前に佐世保鎮守府の新米艦娘たちを連れて現れた天龍は大演習での第六駆逐隊の戦いぶりを讃え、電に「夢は、努力と想いの先にある」との言葉を残して去っていった。
第六駆逐隊に夕立と天津風を加えた第一次攻略隊はその後も特訓を続け、そして遂にキス島撤退作戦が開始された。精鋭級の戦艦ル級を含む敵艦隊と嵐の中で対決する電たち。電は、皆で生きて帰るためにあえて攻勢に出ることを提案する。激しい戦いの中で遂に敵艦隊を撤退に追い込んだ電たち。電は瀕死の中でもまだ戦おうとするル級の手を握り、満足できる生涯だったかを問いかける。死に際に初めて敵意以外の感情を向けられたル級は、険しい表情を和らげると光の粒となって消えていった。
その後、救出したキス島守備隊の艦娘たちと共に敵残存艦隊の包囲網を突破した第一次攻略隊は、傷つきながらも鎮守府へと帰還したのだった。

主な登場人物・キャラクター

暁(あかつき)

暁型駆逐艦1番艦で第六駆逐隊のリーダー。「一人前のレディ」に憧れているが子供っぽく感情的になりやすい。当初はがさつで乱暴な物腰で自分を子供扱いする天龍に反発していたが、天龍の真意を知って以降は好感を持つようになる。序盤は臆病な面が目立っていたが、中盤以降は窮地にあっても決して諦めない勇敢なリーダーとして皆を鼓舞するようになる。

響(ひびき)

暁型駆逐艦2番艦で第六駆逐隊のサポート担当。モチーフになった艦の経歴(註:暁型駆逐艦で唯一終戦まで残存、その後ソ連に賠償艦として引き渡された)からか姉妹の中では最も大人っぽい性格。大演習では作戦立案を担当、相手側の旗艦である霧島を分断して単身で食い止めることで勝利に繋がる布石を打った。姉妹を大切に思うあまり悩みを一人で抱え込みがちなところがあり、龍田や霧島から心配されることもあった。

雷(いかづち)

暁型駆逐艦3番艦。第六駆逐隊のムードメーカーで切り込み隊長。元気で裏表のない世話焼きで家事全般が得意。初対面の夕立に「いい人」とすぐに懐かれていた。大演習においては白兵戦能力の高さを活かして夕立と綾波の改二駆逐艦2人を単独で抑え込む活躍を見せた。

電(いなずま)

暁型駆逐艦4番艦で本編の主人公。敵である深海棲艦にも慈悲を見せるため「博愛主義は戦局を危うくする」と前線から外されていたが、天龍から「強くなればいつかはその願いもかなう」と言われたことで強くなることを求めるようになる。キス島撤退作戦では強敵を前に天龍の口癖である「フフ、怖いか」と挑発する台詞を口にした。戦艦ル級の最期を看取った際に、「沈めた敵も助けたい」という自分の願いにつながる何かを見つける。

天龍(てんりゅう)

yuku_sakana
yuku_sakana
@yukusa_kana

Related Articles関連記事

艦隊これくしょん -艦これ-(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

艦隊これくしょん -艦これ-(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

角川ゲームス開発のブラウザゲーム、およびメディアミックス作品群。 2013年正式サービス開始。 2015年にはTVアニメ化も行われ、同アニメの続編が2016年に映画化された。 正体不明の敵「深海棲艦」によってシーレーンが破壊された世界で、在りし日の艦艇の魂を宿す「艦娘」が深海棲艦と戦う姿を描く。

Read Article

艦娘ばかりが人気じゃない! 深き海の使者、「深海棲艦」まとめ~姫・鬼編~

艦娘ばかりが人気じゃない! 深き海の使者、「深海棲艦」まとめ~姫・鬼編~

艦隊これくしょん~艦これ~と言えば、やはり実在した船を擬人化した艦娘人気が主。 しかし、敵役の深海棲艦にも魅力あるキャラクターが多くいます。今回はそんな彼女(?)たちをまとめてみたいと思います。 今回は後半の海域やイベントで現れる強力な深海棲艦をまとめます。

Read Article

【艦隊これくしょん】改二に必要なレベル低い順まとめ【艦これ】

【艦隊これくしょん】改二に必要なレベル低い順まとめ【艦これ】

『艦隊これくしょん』といえば、少女と戦艦という組み合わせの異色さが話題になりましたよね。改造を加えることでビジュアルがどんどん変わっていきますが、そのために必要なレベルは各キャラクターで異なっています。この記事では、改二に必要なレベルについて低い順からまとめました。変化していく彼女たちのビジュアルとともにご覧ください!

Read Article

【あつ森】アニメ・漫画キャラの制服を再現したマイデザインがすごい!【マイデザインIDまとめ】

【あつ森】アニメ・漫画キャラの制服を再現したマイデザインがすごい!【マイデザインIDまとめ】

大人気ゲームシリーズ「どうぶつの森」のニンテンドーSwitch専用ソフト『あつまれ どうぶつの森』では、服やタイルを自由にデザインして作る「マイデザイン」という機能があり、人気を博している。特に人気漫画などに出てくる服を再現したマイデザインはたびたびネット上で大きな話題になっている。Switchオンラインで公開されているマイデザインは自由に使うことができるので、大好きなあのキャラになりきることも可能だ。ここでは様々な人気アニメ、漫画の制服を再現したマイデザインを紹介する。

Read Article

【艦隊これくしょん】アニメ版の登場キャラクターまとめ!【艦これ】

【艦隊これくしょん】アニメ版の登場キャラクターまとめ!【艦これ】

少女と戦艦という斬新な組み合わせがヲタ間で話題を呼んだ『艦隊これくしょん』。元々はゲームだったところを2015年にアニメ化され、人気にますます拍車がかかりました。この記事では、そんなアニメ版の「艦これ」に登場するキャラクターについてまとめています。作品鑑賞の参考にどうぞ。

Read Article

【あつ森】NARUTO/テニスの王子様/Fate/鬼滅の刃/七つの大罪/艦これを再現したフェイスペイントがすごい!【マイデザインIDまとめ】

【あつ森】NARUTO/テニスの王子様/Fate/鬼滅の刃/七つの大罪/艦これを再現したフェイスペイントがすごい!【マイデザインIDまとめ】

大人気ゲームシリーズ「どうぶつの森」のニンテンドーSwitch専用ソフト『あつまれ どうぶつの森』では、服やタイルを自由にデザインして作る「マイデザイン」という機能があり、人気を博している。マイデザインは服やタイルだけではなく、顔に直接ペイントすることも可能だ。ここではかわいいメイク風のフェイスペイントや、人気漫画・ゲームのキャラクターを模したフェイスペイントを紹介する。

Read Article

【艦これ】AndroidゲームをスマホやiPadでプレイする方法を紹介!【刀剣乱舞】

【艦これ】AndroidゲームをスマホやiPadでプレイする方法を紹介!【刀剣乱舞】

『艦隊これくしょん -艦これ-』や『刀剣乱舞』など、絶賛稼働中のDMMの人気ゲーム。 ここでは、これらのAndroidのシステムを利用したゲームをスマホやiPadで遊ぶ方法を紹介する。ゲームによっては「規約違反」としてアカウントを停止させられることもありうるので、使うかどうかは自己責任でお願いする。 ※2014年4月23日の艦これアップデート以降、Puffinでのプレイはできなくなりました。

Read Article

【艦これ】艦隊これくしょんレベル上げおすすめ海域&編成まとめ!

【艦これ】艦隊これくしょんレベル上げおすすめ海域&編成まとめ!

艦隊これくしょんのレベリングにおすすめの海域、編成をまとめました! 『艦隊これくしょん -艦これ-』は、角川ゲームス、『「艦これ」運営鎮守府』こと株式会社C2プレパラートが開発し、DMM系列のEXNOAが提供する『DMM GAMES』プラットフォーム上で、ブラウザゲームとして配信している日本の育成シミュレーションゲームおよび、そのメディアミックス作品群。

Read Article

【艦隊これくしょん】アニメ版のモブキャラクター(通行人)を全員紹介!【艦これ】

【艦隊これくしょん】アニメ版のモブキャラクター(通行人)を全員紹介!【艦これ】

2015年にアニメ化された『艦隊これくしょん』。魅力的な女の子揃いの中、モブキャラクター扱いの少女もたくさん登場します。この記事では、そんなちょっと不遇な登場人物たちについてまとめました。主役級の子たちに負けず劣らず可愛いんだし、もっと出番を増やしてほしかったと思っているファンは多いはず…。

Read Article

艦隊これくしょんの怖い話・都市伝説を検証してみた【艦これ】

艦隊これくしょんの怖い話・都市伝説を検証してみた【艦これ】

有名な艦隊を擬人化したブラウザゲーム『艦隊これくしょん』の怖い話・都市伝説をまとめました。登場人物・キャラクターの可愛い外見とは裏腹に、元が戦艦であることから怖い内容が存在しているといわれています。ここでは、「育てたキャラがロストする」や「艦娘を『解体』して、資材に変える」といった不穏な表現が多い理由や、轟沈した艦隊の行方に関する考察などを紹介していきます。

Read Article

目次 - Contents