MIX(漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『MIX』は『ゲッサン』で連載されるあだち充による野球漫画。舞台は『タッチ』から約30年後の明青学園。すっかり低迷した明青学園の野球部に入部した、同い年の義兄弟である立花投馬・走一郎たちが、上杉達也らを擁して以来の甲子園出場を目指す。
『タッチ』のアニメはテレビスペシャルとして独自の続編が放送されたが、これは本作と関連性はない。こちらはアニメスタッフからの要望を受け制作の許可を出したもので、あだち充は“ノー・タッチ”である。

『MIX』の概要

『MIX』は2012年6月号から『ゲッサン』にて連載される、あだち充による野球漫画である。舞台は『タッチ』から約30年後の明青学園であり、同い年の義兄弟である立花投馬(たちばなとうま)と走一郎(そういちろう)たちが、すっかり低迷した明青学園の野球部で甲子園出場を目指す物語となっている。大人気だった『タッチ』と世界観が共通する作品ということで、連載が開始された号は品薄状態となるほどの反響を呼んだ。またそれを受けて第1話は『ゲッサン』2012年7月号と『週刊少年サンデー』(同社)同年28号に再掲載された。
本作の連載が決定したのは、「明青学園をもう一度、甲子園に連れて行ってください」との担当編集者からの希望がきっかけだった。当初、あだちは再び同じ舞台を描くことに乗り気ではなかったものの、明青学園の校舎のモデルである前橋商業を訪れたことで、「時間の変化のようなものが描けるかもしれない」と思い直したという。
『タッチ』のアニメ版独自の続編は、本作と全く関係がない。

かつて明青学園高等部3年の上杉達也が明青学園を甲子園に導いてから約30年。明青学園の野球部はそれ以降甲子園に出場を果たせずに、すっかり低迷していた。中等部2年生の立花投馬・立花走一郎はそんな野球部に鬱屈した気持ちを抱えており、高校は他校に進学することも検討するようになる。しかし中等部のエースが重い病を抱えていたことに気づいたことをきっかけに、明青学園で甲子園を目指していくことを決意する。

『MIX』のあらすじ・ストーリー

中等部編

立花家には投馬(とうま)と走一郎(そういちろう)、音美(おとみ)の3人の子どもがいる。走一郎と音美は実の兄妹だが、投馬は両親の再婚によって義兄弟となった人物だった。投馬と走一郎は同年同月同日に生まれた間柄で、昔はよくケンカをしていたが、中学生になるころには遠慮なく本音を言える関係を築いていた。
そんな2人は明青学園中等部の野球部に所属していた。明青学園はかつて上杉達也たちを擁する世代が甲子園に出場をしたこともあったが、それ以来すっかり低迷していた。しかも中等部の野球部は部に大きな影響力を持つOBの息子である二階堂大輔(にかいどうだいすけ)という3年生が、優れた能力もないのにエースを任されており、投馬と走一郎の2人は鬱屈した気持ちを抱えていた。投馬が投手で走一郎が捕手というバッテリーで活躍することを夢見ていた2人は明青学園高等部以外の高校に進学することも検討し始める。

しかしある時、2人はエースの二階堂が重い病を患っていることに気づく。病院で奇跡的に手術が成功していた二階堂は、「死ぬ前に父親にエースとして活躍する姿を見せたい」と監督に無理を言っていたことを告白。そして投馬に明青のエースナンバーである背番号1を託した。これにより2人と二階堂のわだかまりは少し解け、立花兄弟は彼の意志を継いで明青学園高等部に進学することを決意した。

高等部1年生編

明青学園高等部に進学した投馬と走一郎。野球部には新監督の大山吾郎、中等部からの内部生である駒耕作(こまこうさく)一学年上の今川正(いまがわただし)、外部生の南郷四郎(なんごうしろう)、マネージャーの大山春夏(おおやまはるか)といった頼もしい仲間たちがおり、2人は彼らと共に甲子園を目指していく。
しかし東東京地区は強豪揃いで、健丈高校、東秀高校などが強敵として立ちはだかる。そんな最中2人は、走一郎の実父の澤井圭一が過去に明青学園野球部に所属していたという事実を知った。澤井圭一は1年生の東東京大会での負傷が原因で引退したものの、上杉達也卒業後の世代で最も才覚を示した伝説のエースだった。以前、2人は家の納戸で背番号1のユニフォームを見つけたことがあったが、これは澤井圭一のユニフォームだったのだ。
走一郎は監督や義父の英介に「エースを争ってみないか」と誘われるものの、「エースにふさわしいのはあくまで投馬だ」として捕手に徹した。

夏の東東京大会では、明青学園は初戦で強豪の健丈高校相手に勝利を収める。その後も快進撃が続き、準決勝まで進んだが、東秀高校に投手戦の末、惜しくも敗れてしまった。しかしこの活躍で世間の注目を集めた明青学園は、新たに中等部時代に監督に反発して部を辞めた錦研二(にしきけんじ)を加えて戦力を増強する。

高等部2年生編

投馬と走一郎が2年生になると、新たにピッチャー志望の夏野一番(なつのいちばん)、健丈高校の主砲である赤井智仁(あかいともひと)の弟・遼(りょう)など有望な1年生が入部する。当初遼は野球部に入るつもりはなかったが、智仁から家庭環境や兄弟の確執を打ち明けられた投馬が口説き落として入部にこぎつけた。遼は1年生ながらレギュラーとしてポジション中堅手で打順1番を任せられるほどに成長する。
投馬と走一郎のバッテリーを中心に東東京大会を順調に勝ち進んでいく明青学園。しかし準決勝の最中に観戦に来ていた英介がトイレで心筋梗塞を発症して病死してしまう。それを知らされた投馬は投げられる状態にないと走一郎が判断し、決勝戦の健丈戦では夏野が登板した。しかし3-1で敗北し甲子園出場はできなかった。投馬たちにとっては不完全燃焼の形で2年目の夏が終わってしまった。

『MIX』の登場人物・キャラクター

立花家

立花投馬(たちばな とうま)

CV:梶裕貴

明青中学2年生。野球部では投手を務める。右投げ右打ち。
野球部監督の方針や存在により、2年の夏まで三塁。そのため高校は明青学園以外に進学することを考えたこともある。二階堂がグラウンドにいない時には走一郎とともに投球練習をしていたことから、実力は部内では誰からも認められている。元々女子人気は高い方だったが東秀との練習試合以降急上昇している。
観察力と吸収力が高く、他の投手のフォームの利点を取り入れることに長けている。
特に走一郎のフォームは長年一緒に練習を重ねたことからよく参考にしている。上杉達也の試合の映像も幼い頃から幾度も見返していた。

立花走一郎(たちばな そういちろう)

CV:内田雄馬

明青中学2年生。野球部では主に3番、正捕手を務める。右投げ左打ち。投馬の義理の兄で、音美の実兄。投馬とは両親の連れ子同士の再婚による義理の兄弟であり、血の繋がりはないが生年月日は偶然にも同じ。病院での出産記録上は投馬より10分先に産まれたため兄となる。
強打で俊足、リードも巧みで捕手としての己に自信を持っている。中学の時には他の高校のスカウトからも注目されていた。
小学生時代は投馬とエース争いをしていたが、中学に入る際にどちらが投手をやるかでジャンケンをして負けてしまい、捕手に転向した経緯がある。このことがきっかけのひとつとなり、強運をはじめとするエースに必要な何かを投馬は持っているという思いを強める。頭の回転が早く、三兄妹で長兄の立場にあることもあって、比較的他人の行動を読むのが上手い。そのため試合などでは「やな奴」と評されることが多い。
容姿・運動・勉強と優秀で多くの女子生徒にモテており、女好きなためよく大人数と頻繁にデートをしていた。
音美に対しては過保護な所があり、シスターコンプレックス気味。

立花音美(たちばな おとみ)

CV:内田真礼

明青中学1年生。吹奏楽部に所属しフルートを担当している。
走一郎の実妹で、投馬の義理の妹にあたる。若干天然ボケな部分はあるが素直で明るい性格。元々は人見知りな性格であったが、投馬と兄弟の仲を深めるうちに克服した。可愛らしい容姿ゆえに近寄ってくる男子生徒が多い。アイドルに向けるような好意に慣れている反面、自分絡みの恋愛感情に疎い。

立花真弓(たちばな まゆみ)

CV:井上喜久子

投馬の義母で、走一郎と音美の実母。マイペースでざっくばらんとしており、やや複雑な家庭環境を周囲の人々にオープンにしている。投馬に走一郎や音美を明るい性格にしてくれたと感謝している。
前夫の圭一は高校時代をほとんど語らず、野球部に所属していたことも聞かされなかった。圭一の先輩である英介との再婚も偶然の結果。

立花英介(たちばな えいすけ)

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