『MIX』は『ゲッサン』で連載されるあだち充による野球漫画。舞台は『タッチ』から約30年後の明青学園。すっかり低迷した明青学園の野球部に入部した、同い年の義兄弟である立花投馬・走一郎たちが、上杉達也らを擁して以来の甲子園出場を目指す。
『タッチ』のアニメはテレビスペシャルとして独自の続編が放送されたが、これは本作と関連性はない。こちらはアニメスタッフからの要望を受け制作の許可を出したもので、あだち充は“ノー・タッチ”である。
MIXとは、血の繋がらない双子バッテリーの野球漫画である。
根本的に不可能な関係性にまずは興味が湧くはず。
そして、あの名作「タッチ」の続編である事と相まって素晴らしい作品である事がわかる。
血の繋がらない兄弟とは、同じ時に生まれた二人が再婚により家族になった。そのような複雑な経緯を経て、二人はバッテリーを組む事になる。タッチの時の高校に入学し甲子園を目指すが天才バッテリーには壁も多い。あらゆる挫折や屈辱を味わいながらも諦めず鍛錬を怠らずにまっすぐ進んでいく青春ストーリーである。
他にも、兄弟の妹にもストーリーがある。
ブラスバンドで応援歌を吹き、双子の兄の両方を大切に愛し応援する姿、自慢の兄を脇目も振らず応援する天真爛漫で人気ナンバーワンの彼女も元は人見知りの女の子であった。
しかし、血の繋がらない兄の優しさにより明るさを身につけ人気者になる。この兄弟の親も監督に赴任した者も同じ高校出身のタッチ世代、ちらほら出てくるタッチの話題に懐かしさを覚える事だろう。
現在でも長き年月を経て、アニメの世界でも長い年月を経て、共感の絶えない作品に仕上がっている。
タッチを見ていた世代の者にはたまらない作品であろう。
