NOIR(ノワール)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『NOIR』とは、2001年にテレビ東京で放送されたテレビアニメ。孤高の暗殺者ミレイユ・ブーケと記憶を失った謎の少女夕叢霧香(ゆうむら きりか)の二人組による暗殺ユニット「ノワール」が殺しの依頼や襲い来る刺客と立ち向かう。最初は噛み合わなかった二人の関係性は依頼をこなすうち利害とは関係のない真のパートナーとなる。そんな二人に迫る数多の謎を精緻な描写で描いたダーク色の強いガンアクションアニメ。全26話。

第13話に登場。チェコスロバキア出身の元軍人で、パリの公園で絵を描いているところを霧香と知り合う。
一緒に絵を描いているうちに霧香は彼に心を許し始めていたが、その矢先霧香とミレイユを狙う男ガレに街中で発砲され、射殺される。
深く落ち込んだ霧香はこの一件以来絵を描くことを辞めた。

オデット・ブーケ(CV:三石琴乃)

ミレイユの母。ソルダにミレイユを引き渡すことを拒否したため幼少期の霧香によって殺害される。
「愛で人を殺せるなら、憎しみで人を救えもするだろう」というアルテナの信念に対し「確かに愛で人を殺すことはある、しかし憎しみは決して人を救いはしない」と霧香に説いた。
この言葉が、暗黒の呪縛にとらわれていた霧香を救った。

『NOIR』の用語

ノワール

紀元前1000年頃に誕生したとされる原初ソルダに属していた二人の修道女を指したもの。転じて裏社会では伝説の殺し屋の名前として有名。
その資格はソルダ司祭長から祝福を受けたものだけが有しており、そこからさらに数多の試練を乗り越えて初めてノワールとなる。
神に仕えたものでありながら剣を手にし、その勇敢さは幾万の騎士にも勝り、聖母の慈愛と死神の冷酷さを併せ持っていたとアルテナは語っている。
しかし時が経つにつれその本当の意味は失われ、今ではノワールの名を騙った偽物が数多く存在しているという。
ミレイユが霧香とのユニットに「ノワール」を選んだのもこの伝説にちなんだものと言われている。

真のノワール

後を絶たない「ノワール」の名を騙る者たちに対し、かつての原初ソルダのやり方で選出された二人の処女(おとめ)を指す。
アルテナはこの「真のノワール」復活のために霧香、クロエ、ミレイユを選出し、数多の試練を乗り越えさせたとされている。

ソルダ

200年前のマフィア誕生にも関与していたとされている、全世界に会員を持っている影響力が計り知れない秘密結社。
起源は10世紀末、殺戮の世界を目の当たりにした人々がこの世界に復讐するために結成したと言われている。
絶対の秘密と忠誠の誓いを胸にメンバーは各地へ飛び、社会の裏側で今もひっそりと隠れ住んでいる。長い年月が過ぎ、今ソルダは世界を支配する強大な組織へと進化を遂げている。
最高権力者である司祭長の次期候補はアルテナであったが、現在の司祭長が何者であるかはストーリー上では語られていない。

荘園

スペインとフランスの国境にある、どの国にも属さずどんな地図にも記されていない場所。
中世の生活を守りながら、アルテナはここでクロエと生活を共にしている。
霧香もかつてここでほんの少しの間だけ生活していたらしいが詳細は不明。

グラン・ルトゥール

フランス語で「大いなる回帰」を意味する。
かつてとは全く変わった組織となりつつあるソルダを1000年前の原初ソルダへ戻そうとする動き、またそれと同時に真のノワールを復活させることを指す。
時代錯誤であるという意見も多いがアルテナはこれに強く固執していた。

『NOIR』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

霧香「私、人を殺せる……こんなに簡単に。なのに私、どうして悲しくないの」(第1話)

ネクタイを利用して男を絞殺。身のこなしが鮮やかだ。

第1話にて、屈強な男たちを全員殺し終わった後、霧香が涙をこぼしながら呟いた言葉。
人が死ねば本来は悲しいはず、なのに悲しくないという事実が悲しい。二つの矛盾した感情を持つ霧香の苦しみを如実に表した一言であり霧香自身を表現する言葉でもある。

ミレイユ「おじさん……あの湖には、もう行けない」(第14話)

幼少期のミレイユ。

霧香暗殺の指令を受けていた叔父フェデ―に対してミレイユが告げた決別の一言。ミレイユは肉親である叔父の言葉を受け入れたい感情もあったのだが、それはソルダに肩入れすることになってしまうと悩んでいた。
フェデ―は霧香を殺したら再び思い出の湖にミレイユと一緒に行く約束をしており、二人が袂を分かつその時、湖は遠い思い出となり二度と帰れない場所であることを示唆している。

ミレイユ「バカじゃないの……」(第23話)

手紙をくしゃくしゃに丸めたミレイユの頬には涙が伝う。

樋口ヤサト
樋口ヤサト
@higuchiyasato

目次 - Contents