倒錯的な愛憎を描く衝撃的な映画まとめ!『コレクター』など

ここでは倒錯的な愛情や病的な偏執が生み出す悲喜劇を描いた映画をまとめた。セレブや芸能人から採取したウイルスに感染することに喜びを感じる人々を描いた『アンチヴァイラル』、蝶を集める男がある女性をコレクションする『コレクター』などを紹介している。

▼『クラッシュ』

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"交通事故に性的なエクスタシーを感じる人々の偏執的な倒錯した愛の世界!"

イギリスSF作家の巨匠J・G・バラードの原作を、鬼才デイヴィッド・クローネンバーグ監督が映画化した1996年の作品。ジェームズ・スペイダー、デボラ・アンガー、ホリー・ハンター主演。自動車事故に遭って以来、その瞬間に性的な快感を憶えてしまった男女の倒錯と破滅の関係を、「クラッシュ・マニアの会」なる怪しい集団との交わりと共に描く。ドロドロと倒錯した愛欲の世界と、死と隣り合わせの快感に溺れる破滅的な人々を描いた、クローネンバーグ監督渾身の変態エクスタシー作!

J・G・バラードが描いた肉体+機械の共存という未来の姿を、事故フェチの人々を通して描く、クローネンバーグ印の衝撃作!

バラードの原作が詩情豊かに謳い上げる「金属と肉体とオイルと体液の融合」を一枚の画としてラストに提示し、この映画がラブ・ストーリーであったことを確認させる。

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特殊な嗜好を極めようとする人間の末路は悲しかった。そういう意味では、クローネンバーグ監督が一貫して描いてきたテーマの作品でした。特殊な人間の悲劇ですね。

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主人公役のジェームズ・スペイダーは「この役が正直怖かった」と喋っているし、妻役のデボラ・アンガーは「精神的にも肉体的にも裸にされる経験はなかった」と答えている。

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▼『血を吸うカメラ』

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"幼い頃のトラウマで断末魔の恐怖を撮影する事に固執したカメラマンの悲劇"

レオ・マーク原案・脚本、マイケル・パウエル監督による1960年の作品。人間の恐怖の表情に異常に固執するカメラマンの青年を描く英国スリラー。普段はカメラマンとして働き、アルバイトでヌード写真撮影もしている青年がいた。彼は、人間の恐怖を研究する心理学者だった父親の人体実験に使われ、その影響で殺される寸前の人間の「恐怖」の表情を撮影して眺める事に快感を覚えるようになっていた。彼は撮影機器に凶器を仕込み、死の恐怖を撮影し続ける。そして、次々と犠牲者が出るのだった...。そのスキャンダラスな題材を1960年という時代に、挑発的に映像化した、正にカルト作だ!

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『黒水仙』『赤い靴』等で知れられるイギリス映画界の巨匠...だったマイケル・パウエルだが、この『血を吸うカメラ』の暴力的描写が酷評され、名声が一気に失墜、映画業界から追放された。しかし彼の死後、マーティン・スコセッシやフランシス・フォード・コッポラ、ブライアン・デ・パルマ、ジョージ・A・ロメロなどの映画監督が影響を公言したため再評価され、今作もカルト化したのだった!

『血を吸うカメラ』予告編

大衆レベルでは失敗作だが、マーティン・スコセッシやブライアン・デ・パルマを始め、多くの映画監督に影響を与えたカルト・ムービーであることだけは確かである。

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“早すぎた”んだろうね。正直、出来は皆がいうように「サイコ」程ではないけれど、主人公の特異性、ストーリー展開&底辺に流れるエロ(笑)で最後まであきずに観られる。

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文芸作品を撮ってきたマイケル・パウエルだが、この作品を最後に事実上映画界から干されてしまう。低俗映画との扱いを受けたのだ。

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▼『フィギュアなあなた』

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”美少女フィギュアを偏愛する青年に起こったのは、奇跡か幻想か悲劇か!”

石井隆監督・脚本、柄本佑、佐々木心音主演による2013年の作品。美少女フィギュアが好きな青年・内山健太郎は、普段は真面目に暮らすサラリーマン。だが、ある日突如会社からリストラされ、恋人に逃げられてどん底に突き落とされる。自暴自棄になった彼は、酔った勢いでヤクザに因縁を付けて追われるハメに。そんな時に迷い込んだ廃墟に廃棄されたマネキンの山から精巧な美少女フィギュアを発見する。すると、危機に陥った彼をフィギュアが救う。無意識の内に家にフィギュアを持ち帰った彼は、その精巧な出来に驚き、愛玩する様になる。そして、フィギュアと彼の奇妙な共同生活が始まった...。

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石井監督の好き勝手なオーダー(?)に体当たりの演技で挑んだ佐々木心音、おおよそイメージとは異なる役に挑戦した柄本佑の演技も高評価!そして何とフェデリコ・フェリーニ作品を彷彿とさせる儚げで大騒ぎな大団円へと突き進む、倒錯とファンタジーとエロスが混ざり合った、これぞ石井隆ワールド!

『フィギュアなあなた』予告編

途中から、物語の底が抜けて緊張感ゼロの世界に突入して行く。そしてその状態を取り繕うでもなく、完全に開き直っている。この開き直った底抜けっぷりこそ、この映画の見どころであり魅力だろう。

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非リア充なオタク青年の妄想では?という描写に終始するため、物語としてはいささか通俗的だ。。もちろん石井隆監督は意図的にそうしているのであり、美しい人形に魅せられた男のサイコな精神状態を描くことこそが本作の狙いなのだろう。

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