ベスト・キッド(The Karate Kid)のネタバレ解説・考察まとめ
『ベスト・キッド』とは、1984年に製作されたアメリカ映画。『ロッキー』のジョン・G・アヴィルドセン監督による、カラテを通して成長していく少年の姿を描いた青春アクション映画。カラテの達人であるミヤギ役のノリユキ・パット・モリタがアカデミー賞助演男優賞にノミネートされた。ひ弱な高校生ダニエルは、不良グループに痛めつけられる毎日を送っていた。そんな彼がカラテの達人ミヤギに出会ってカラテを習い始め、やがて少年カラテ選手権大会に出場する。
ダニエルの母親。
ロケット・コンピューター社に勤めており、仕事の都合でカリフォルニアに引っ越してきた。
女手一つでダニエルを育てている(夫に関しては不明)が、仕事が忙しくなかなか息子と接する時間がない。
たまにエンジンが掛からなくなり手押しで掛かる古い自家用車で仕事に通っている。
ボビー・ブラウン(演:ロン・トーマス)
ダニエルと同じハイスクールに通う不良グループの一員で、コブラ会の門下生。
少年カラテ選手権大会では、ダニエルと準決勝で対戦。試合直前にコブラ会の師範・クリースから「勝たなくていいから動けなくしろ!」と指示され、試合開始早々にダニエルの左足に蹴りを入れて負傷させ、反則負けとなる。
コブラ会の中ではジョニーに次ぐ強さを持っているが、ダニエルを負傷させた際にはすぐに駆け寄って「許してくれ」と謝る優しさもある。
ダッチ(演:チャド・マックイーン)
ダニエルと同じハイスクールに通う不良グループの一員で、コブラ会の門下生。
少年カラテ選手権大会では、ダニエルと4回戦で対戦し敗戦する。
不良グループでは攻撃的でケンカっ早い性格で、ダニエルを見るとすぐにちょっかいを出す。
トミー(演:ロブ・ギャリソン)
ダニエルと同じハイスクールに通う不良グループの一員で、コブラ会の門下生。
少年カラテ選手権大会では、ダニエルと3回戦で対戦し敗戦する。
不良グループでは常に笑っていて自分からはあまり手を出さないタイプ。
フレディ(演:イスラエル・ジュアルブ)
ダニエルと同じハイスクールに通う高校生。
ダニエルが引っ越したアパートに住んでおり、彼が引っ越して来た際に出会い、すぐにビーチ・パーティに誘う。
少年カラテ選手権大会でダニエルが優勝した際、友人たちと彼を抱き上げ祝福した。
『ベスト・キッド』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
「心から表れたものは常に正しい」”If come from inside you, always right one."
ダニエルが不良グループにいじめられた際に壊れてしまった彼の自転車を元通りにしてくれたミヤギ。ダニエルはお礼を言いにミヤギの部屋へ行ってみると、ミヤギは盆栽の手入れをしていた。お礼を言うダニエルに彼はいきなり「この盆栽を作ってみなさい」と盆栽の木を渡す。初めての盆栽に戸惑うダニエルにハサミを渡すと「目を閉じてイメージして、それから思うままにやってみなさい」と言うミヤギ。それでも自信なさげに「ダメだったら?」と聞くダニエルに対し諭すように言った言葉。
ダニエルがミヤギとまともな会話をする最初のシーン。ダニエルはミヤギのことを何も知らないのだが、ミヤギは以前彼の家へ水道修理に言った際に、彼がカラテに興味があることを知っていた。そしてダニエルが誰かにいじめられて自暴自棄になっていたところも目撃していた。このミヤギの言葉はダニエルの心を見透かし落ち着かせる名言であり、すでにミヤギ流のカラテ修行が始まっていると思わせる名シーンでもある。
いじめられるダニエルをカラテで助けるミヤギ
ハイスクールでのハロウィンパーティの夜、ダニエルはジョニーへの仕返しでイタズラを仕掛けるのだが、怒ったジョニーと不良グループに追いかけられてしまう。そしてダニエルは自宅アパートの近くで彼らに捕まり、集団でリンチを受けるのだが、その様子を偶然見ていたミヤギは金網から飛び降りて、彼らの前に立ち塞がってカラテの構えを見せる。そしてカラテの技でジョニーたちをあっという間に倒してしまう。
ダニエルがミヤギを知るきっかけとなる名シーンだが、ミヤギがカラテの技で相手を倒すシーンは本作中このシーンだけ。そういう意味でも貴重な名シーンと言えるだろう。
「ワックスかける!ワックスとる!」「右手でする! 左手でする!」「アップ!ダウン!アップ!ダウン!」
少年カラテ選手権大会に出場を決められ、いよいよカラテの修行が始まると思っていたダニエル。だが、ミヤギはおいてある数台の車すべてにワックスを掛けろという。「ワックスかける!ワックスとる!」と丁寧なワックスのかけ方を指導される。やっとのことで掛け終わると、次は自宅の床を紙やすりで磨いて欲しいという。「右手でする! 左手でする!」と床を磨き終えれば今度は、「アップ!ダウン!アップ!ダウン!」と囲いのペンキ塗りを命じられる。流石にしびれを切らしたダニエルは、「空手を教えてくれる約束だ!」とミヤギに抗議する。
「ワックスかける!ワックスとる!」「右手でする! 左手でする!」「アップ!ダウン!アップ!ダウン!」というミヤギの教える掛け声は見終わった後も耳に残ってしまう程インパクトが強いセリフ。 ワックスがけ、床磨き、ペンキ塗りで教えた手の動きが、カラテの防御の練習だったというこのシーンは、本作中最も感動を呼ぶシーンであり、映画史に残る名シーンだ。
Related Articles関連記事
ベスト・キッド2(The Karate Kid Part II)のネタバレ解説・考察まとめ
『ベスト・キッド2』とは、1986年公開のアメリカ映画。高校生のダニエルが日系人・ミヤギから学んだ空手を通して成長していく大ヒット作『ベスト・キッド』シリーズの第2弾。監督は前作にひき続きジョン・G・アヴィルドセン。今回はミヤギの故郷、沖縄に舞台を移し、ミヤギに復讐を目論むかつてのライバル・サトウとの因縁の対立に巻き込まれるダニエルの新たな試練を描く。
Read Article
ロッキー(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『ロッキー』とは、1976年公開のアメリカ映画。低予算ながらアカデミー賞3部門を受賞し、無名の俳優シルヴェスター・スタローンを一躍スターダムへと押し上げた世界的大ヒットシリーズ第1作。監督はジョン・G・アヴィルドセン。フィラデルフィアのスラム街に暮らす三流ボクサーの青年ロッキーに、世界チャンピオンのアポロが対戦相手として指名してきた。自分がただのゴロツキでないことを証明するため、そして愛する女性エイドリアンのために、ロッキーはリング上での決死の闘いに挑む。
Read Article
ロッキー5/最後のドラマ(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『ロッキー5/最後のドラマ』とは、1990年製作のアメリカ映画。ボクシングに挑む1人の男の愛と闘いを通して、サクセス・ストーリーを描いてきた『ロッキー』シリーズの第5作にして完結篇。シリーズ1作目で監督を務めたジョン・G・アヴィルドセンを再び監督として招き、脚本・主演はシルヴェスター・スタローンが務める。脳へのダメージからボクサーを引退し、財産も失い、原点であるフィラデルフィアの下町に戻ったロッキーが、新人ボクサーを育成しトレーナーとして第二の人生を歩む姿を描く。
Read Article
【ベスト・キッド】「ピンポン」好きにはたまらない青春映画ランキングまとめ【ウォーターボーイズ】
『ピンポン』といえば、かつて社会現象を巻き起こした青春映画!頑張る若者たちの姿を目にすると、自然と応援したくなっちゃいますよね。この記事では、そんな若者たちが主役の青春映画をランキング形式にしてまとめました。ぜひ、過ぎ去ってしまったあの時代をもう一度思い出してみてください。
Read Article
社会派映画としての「ロッキー」の真価とは?無名のロッキーと王者アポロの対比
1976年公開の映画『ロッキー』はスポーツ映画の金字塔です。 続編も制作されており、世界中から愛される作品です。 しかし、その人気に反して社会派映画として非常に高い価値を持つことはあまり知られておりません。という事で、この映画の本質的な意味をもう一度探ります。
Read Article
タグ - Tags
目次 - Contents
- 『ベスト・キッド』の概要
- 『ベスト・キッド』のあらすじ・ストーリー
- 『ベスト・キッド』の主な登場人物・キャラクター
- ダニエル・ラルーソー(演:ラルフ・マッチオ)
- ミヤギ / 宮城成義(演:ノリユキ・パット・モリタ)
- アリ・ミルズ(演:エリザベス・シュー)
- ジョニー・ロレンス(演:ウィリアム・ザブカ)
- ジョン・クリース(演:マーティン・コーヴ)
- ルシール・ラルーソー(演:ランディ・ヘラー)
- ボビー・ブラウン(演:ロン・トーマス)
- ダッチ(演:チャド・マックイーン)
- トミー(演:ロブ・ギャリソン)
- フレディ(演:イスラエル・ジュアルブ)
- 『ベスト・キッド』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「心から表れたものは常に正しい」”If come from inside you, always right one."
- いじめられるダニエルをカラテで助けるミヤギ
- 「ワックスかける!ワックスとる!」「右手でする! 左手でする!」「アップ!ダウン!アップ!ダウン!」
- 鶴の技
- 「バランスはカラテだけじゃない…人生すべてだ」”Lesson not just Karate only. Lesson for all life."
- 『ベスト・キッド』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- ミヤギ役は三船敏郎の予定だった
- 本作中の空手は剛柔流空手道
- オープニングのタイトル
- 『ベスト・キッド』の主題歌・挿入歌
- 主題歌:Survivor『The Moment Of The Truth』
- 挿入歌:The Flirts & Jan & Dean『(Bop Bop) On The Beach』
- 挿入歌:Paul Davis『(It Takes) Two To Tango』
- 挿入歌:Broken Edge『No Shelter』
- 挿入歌:Baxter Robinson『Feel The Night』
- 挿入歌:Commuter『Young Hearts』
- 挿入歌:Joe Esposito『You're the Best』
- 『ベスト・キッド』の関連映像
- 予告編映像