アリスの棘(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『アリスの棘』とは、2014年に放送されたテレビドラマ。同年4月から6月にかけてTBS系「金曜ドラマ」枠で放送された医療サスペンスドラマで、主演は上野樹里が務める。医療ミスで死亡した実父が汚職の冤罪をかけられた過去を持つひとりの女性医師が、かつての父の職場である大学病院に新人医師として潜入し、関係者たちへ復讐を果たすというストーリー。主人公の感情を抑えた演出と心理描写を重視した緻密な構成により、従来の医療ドラマとは一線を画すサスペンス性の強い作品として高い評価を集めている。

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『アリスの棘』の概要

『アリスの棘』(アリスのとげ)とは、2014年に放送されたテレビドラマ。同年4月から6月にかけてTBS系「金曜ドラマ」枠で放送された医療サスペンスドラマで、主演は上野樹里が務めた。
物語は、父を医療ミスによって失った過去を持つ医師・水野明日美が、インターンとして大学病院に潜入し、父の死の真相を探るとともに、関係者たちへ復讐を果たしていく姿を描く。舞台となる大学病院では、医療過誤の隠蔽や権力闘争、派閥争いなどが複雑に絡み合い、医療の現場に潜む闇が浮き彫りにされていく。
脚本は高橋麻紀が手がけており、世界的に有名な児童文学『不思議の国のアリス』がモチーフに採用されている。1話ごとの医療エピソードと、全体を貫く復讐劇を並行して展開する構成が特徴。主人公の感情を抑えた演出と心理描写を重視したストーリーにより、従来の医療ドラマとは一線を画すサスペンス性の強い作品として高い評価を集めている。
さらに、本作は上野樹里にとって、従来の明るい役柄のイメージを覆すダークな役どころへの転換点としても注目を集めたほか、オダギリジョーをはじめとする個性豊かなキャスト陣によって展開される、緊張感ある人物関係も見どころの一つとなっている。

『アリスの棘』のあらすじ・ストーリー

父の死の謎

14歳だった小山内明日美は、大学病院の小児科教授で、医師だった父・小山内孝夫が腹腔鏡下胃全摘術で死亡したという経験があった。そして、その父が薬剤を横領していたという汚職問題までが報道された。しかし、明日美は医療ミスによって父が死亡したのではないかという疑いを持っており、さらに、父が汚職をしたとも思えないまま過ごしていた。
そんなある日、明日美のもとに医療ミスを疑わせる2枚の孝夫の手術看護記録が届いた。差出人は不明だが、明日美はそれを手がかりに、一連の事件の真相解明と、父の命を奪い、名誉を汚した真犯人への復讐を目指すことを決意する。
明日美は孝夫の友人だった水野和史の養女となって水野明日美と名を変え、医師免許を取得。父が働いていた大学病院に、新人医師として就職することに成功する。

復讐劇の始まり

明日美は手始めに、送られてきた手術看護記録に名前のあった看護師長の蛭子雅人に目をつけた。院内に手術看護記録を張り付けて蛭子を屋上に誘導した彼女は、蛭子を屋上から転落させようと目論む。その際、消化器外科講師の伊達理沙が困難な腹腔鏡手術にこだわったことで父が死亡したという事実を知った。次の標的を伊達に定めた明日美は、彼女を失職させることに成功。さらに、伊達から当時、指導医だった准教授の千原淳一が開腹手術を自分の評価のために拒んだことを知り、伊達の時と同様の手口で千原のことも失職に追い込む。その際、千原から弁護士の日向誠が明日美に真実を伝えることを許さなかったことも聞き出した明日美は、次の標的を日向に決めた。
毎朝新聞の記者で明日美と同じく手術看護記録を受け取っていた西門優介の協力を得て、明日美は日向のことも失脚させることに成功する。

悠真の死

消化器外科教授で、孝夫の死にも大きく関わっている磐台修一に狙いを定めた明日美は、復讐の機会をうかがうものの、なかなかうまくいかずに手間取ってしまっていた。そんな中でも磐台の息子・磐台悠真に接近し、移植外科教授の有馬毅の協力を得て、明日美はとうとう磐台を失脚させる証拠を掴む。磐台主催のパーティーの際に磐台を追い詰めようとするも、有馬の裏切りで逆に追い詰められてしまう。その後、失脚させられたことで明日美に復讐を企んだ伊達に襲撃される明日美だが、裏切ったはずの悠真が、明日美を庇って死亡してしまう。
悠真の死をきっかけに明日美は自暴自棄に陥るが、有馬と仲違いした磐台が西門に「15年前、有馬に依頼されて裏のルートで入手した臓器で移植手術をした。」とリークする。その後、磐台が何者かに殺されたことを知った明日美は、次の標的を有馬に定める。そして、有馬が15年前に自分の娘・有馬鈴に西門の妹である結衣の腎臓を移植するために殺害したこと、そして再び、鈴に腎臓を移植するために峰岸健太を狙っていることを突き止めた。
明日美は看護師の星野美羽と協力しながら有馬を追い詰めたものの、有馬は何者かに殺害されてしまった。

すべての終わり

明日美と西門は、磐台と有馬が二人ともサクシニルコリンという薬剤で殺されていたことから、真の黒幕がいること、その人物は15年前から関わっていたことを推理する。
明日美はその人物を突き止め、絶対に復讐を遂げることを決意する。その後、有馬の妻・春子から、一連の有馬の凶行の発端が自分たちの実の娘・美波が火災でなくなったことであることや、鈴が聖林大学の医師だった人物の娘で、有馬夫妻の養女であったことを知らされる。
「鈴の実父は、有馬の死によって鈴のことを気にかけて見に来るのでは」という美羽の助言で監視カメラを見てみると、そこには怪しい人物が映りこんでいた。明日美はその人物を突き止めるため、鈴を病院から連れ出し、思い出の場所である遊園地におびき出した。
そこに現れたのは、自身の養父である水野だった。明日美は水野を問い詰めたが、水野への復讐を目論んでいた西門に襲われ、気絶してしまう。
その後、意識を取り戻した明日美が水野の経営するスペインバルに戻ると、そこには水野が自身の罪をすべてを書き綴った手紙が残されていた。
一方、西門は水野に対する復讐を、明日美が育った教会で行うことを伝えてきた。西門は、明日美にもそこに来るように促す。明日美は、水野が自分のことを考えて自殺に見えるように準備していたことを知り、全てを終わりにすることを決意した。
水野は逮捕され、明日美は自身を庇って死んだ悠真の夢であった循環医療の医師を目指すことを決意する。

『アリスの棘』の登場人物・キャラクター

主要人物

水野 明日美(みずの あすみ)/小山内 明日美(おさない あすみ)(演:上野樹里/菊池和澄(少女期))

母を失い、父の孝夫と二人で暮らしてきたが、14歳の頃に医師だった父を医療過誤に見せかけて殺害され、無実の罪まで着せられていたことで、すべてを捨てて復讐することを決意。かつての父の職場である、聖林大学附属記念病院の消化器外科の新人医師として潜り込む。
当初は利用できるものはすべて利用するという主義で行動していたが、孝夫の言葉や自分を庇って死んだ悠真の死をきっかけに、なるべく無関係の人物への被害を出さないような復讐方法を考えるようになる。
復讐を遂げた後は、悠真の夢であった巡回医療を考えるようになり、孝夫に胸を張れるような一人ひとりの患者と向き合える医者を目指す。

西門 優介(にしかど ゆうすけ)(演:オダギリジョー/安西慎太郎(23歳の頃))

毎朝新聞医療部記者で、妹の結衣の死に疑問を持ったことで、聖林大学付属病院について嗅ぎまわっていた。嘘の情報を掴まされて孝夫の汚職を報じた記者でもあるが、結果的に嘘を報じたことについては明日美に謝罪をし、その償いとして彼女の復讐の手助けをする。普段は温和な口調と振舞いをする好青年だが、結衣を死に追いやった相手対しては強烈な殺意を抱くという一面も見せる。

聖林大学附属記念病院関係者

磐台 悠真(ばんだい ゆうま)(演:中村蒼)

小児科の研修医で、孝夫の死に関わったうちのひとりである磐台の息子。院内では数少ない優しい性格の男性で、裏表もない。明日美に惹かれている。明日美を刺そうとした伊達から彼女を庇ったことで刺され、命を落とした。

千原 淳一(ちはら じゅんいち)(演:田中直樹)

Hideki0321
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@Hideki0321

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