Weezer(ウィーザー)の徹底解説まとめ
Weezerとは、1992年にアメリカで結成されたオルタナティブ・ロックバンド。結成から現在までに10枚以上アルバムを出し、94年の初作である「ザ・ブルー・アルバム」は300万枚を超える大ヒットとなった。
当時のアメリカではOasisやNirvana等のロックバンドが評価されていたが、彼らにはないような情緒的な歌詞・メロディからなる切なさに大衆が魅力されることとなった。骨太なギターサウンドに加えそれに反するようなダメダメな男を表した歌詞をファンは愛嬌込めて「泣き虫ロック」と呼んでいる。
2002年に発表した4作目のスタジオ・アルバム。本作よりスコット・シュライナーが加入した。
本作はアメリカのBillboard 200で3位に達し、本作からのシングル「ドープ・ノーズ」は『ビルボード』誌のメインストリーム・ロック・チャートで8位、「キープ・フィッシン」は同チャートで15位に達した。リリースの翌月の2002年6月にはゴールドディスクに認定された。ノルウェーのアルバム・チャートでは4位に達して、同国で初めてトップ5入りを果たした。
アメリカの雑誌『スピン』が選出した「2002年のベスト・アルバム40」では6位にランク・インしている。
『Pinkerton』以来のセルフプロデュース作品で、パワーポップ、メタルなど、Weezerの魅力満載の一枚となっている。
収録曲
01.アメリカン・ジゴロ - American Gigolo
02.ドープ・ノーズ - Dope Nose
03.キープ・フィッシン - Keep Fishin'
04.テイク・コントロール - Take Control
05.デス・アンド・デストラクション - Death and Destruction
06.スロブ - Slob
07.バーント・ジャム - Burndt Jamb
08.スペース・ロック - Space Rock
09.スレイヴ - Slave
10.フォール・トゥギャザー - Fall Together
11.ポシビリティーズ - Possibilities
12.ラヴ・エクスプロージョン - Love Explosion
13.ディセンバー - December
Make Believe
プロデューサーにリック・ルービンを迎えて制作した第5作。
シングル「ビバリー・ヒルズ」は初の全米1位に輝き、アルバムも自己最高の2位を獲得、プラチナ・アルバムとなった。
前作と比べるとギターサウンドがより骨太になっており1stや2ndが好きなファンからは特に支持されている作品だ。
収録曲
01.ビバリー・ヒルズ
02.パーフェクト・シチュエーション
03.ディス・イズ・サッチ・ア・ピティ
04.ホールド・ミー
05.ピース
06.ウィ・アー・オール・オン・ドラッグス
07.ザ・ダメージ・イン・ユア・ハート
08.パードン・ミー
09.マイ・ベスト・フレンド
10.ジ・アザー・ウェイ
11.フリーク・ミー・アウト
12.ハウント・ユー・エヴィリィ・デイ
13.バタフライ (ライヴ)
14.アイタンド・イン・ザ・サン (ライヴ)
15.バンディット・ジャム (ライヴ)
Weezer(The Red Album)
全米4位。
この作品の発表の翌年、フジロックフェスティバル最終日にヘッドライナーとして来日した。
1stがブルーアルバム、3rdがグリーンアルバムと色で区別された作品は名作だと謳われた今作はレッドアルバムということもありファンも期待していた作品だが、その予想とは裏腹に評価は賛否両論である。
セルフプロデュースであり、リヴァース・クオモ以外のメンバーが曲を作り、ヴォーカルをとっている意欲作である。
収録曲
01.Troublemaker
02.The Greatest Man That Ever Lived(Variations On A Shaker Hymn)
03.Pork And Beans(Album Version)
04.Heart Songs
05.Everybody Get Dangerous
06.Dreamin'
07.Thought I Knew
08.Cold Dark World
09.Automatic
10.The Angel And The One
11.It's Easy
12.I Can Love
13.The Weight
ラディテュード(Raditude)
2009年に発表した7作目のスタジオ・アルバム。
このアルバムのタイトルである「ラディテュード」は造語で「Rad(過激・素晴らしい)」「Attitude(態度)」からきている。
彼らはこの作品から脱・オタクとしてのバンドの再出発を目指していたのではないだろうか。
この作品、彼らの母国であるアメリカでは決して悪い結果ではなかったのだが、最終的な結果を見るとWeezerの今までの作品では初の全英トップ50位を逃す結果となっている。尚、評論家の間でも酷評で「商業的である」「年間最悪のアルバムだ」とも言われていた。
Dr. Luke、Jermaine Dupri、Polow Da DonといったHip HopやR&Bのプロデューサーが起用されて、幅のあるアルバムになっている。
収録曲
01.アイ・ウォント・ユー・トゥ
02.アイム・ユア・ダディ
03.ザ・ガール・ガット・ホット
04.キャント・ストップ・パーティイング
05.プット・ミー・バック・トゥギャザー
06.トリッピン・ダウン・ザ・フリーウェイ
07.ラヴ・イズ・ジ・アンサー
08.レット・イット・オール・ハング・アウト
09.イン・ザ・モール
10.アイ・ドント・ウォント・トゥ・レット・ユー・ゴー
ハーリー(Hurley)
2010年に発表した8作目のスタジオ・アルバム。エピタフ・レコード移籍第1弾アルバムとして発表された。
母国アメリカでは総合アルバム・チャートのBillboard 200で6位に達し、『ビルボード』のインディペンデント・アルバム・チャートでは1位、モダン・ロック/オルタナティヴ・アルバム・チャートでは2位、ロック・アルバム・チャートでは3位を記録した。
収録曲「メモリーズ」は、『ビルボード』のホット・モダン・ロック・トラックスで21位に達した。
アルバム・タイトルはテレビドラマ『LOST』の登場人物“ハーリー”ことヒューゴ・レイエスに基づいており、ジャケットには“ハーリー”を演じたホルヘ・ガルシアの写真が使用されている。
初期Weezerを彷彿させるアルバムとなっており、評価も高い。
収録曲
01.メモリーズ
02.ルーリング・ミー
03.トレインレックス
04.アンスポークン
05.ホエア・イズ・マイ・セックス?
06.ラン・アウェイ
07.ハング・オン
08.スマート・ガールズ
09.ブレイヴ・ニュー・ワールド
10.タイム・フライズ
デス・トゥ・フォルス・メタル〜レア・トラック貯蔵庫(Death To False Metal)
2010年にゲフィン・レコードから発売されたコンピレーション・アルバム。
デビューから現在までのおよそ20年間のキャリアで蓄積した未発表曲で構成されている。タイトルの「Death to False Metal」はヴォーカルのリヴァースの弟が幼い頃によく使っていたフレーズ。 ビルボードアルバムチャートでは最高48位。
過去にWeezerはレコード会社と揉めていたこともあり今作はファンの間では全くと言っていいほど期待されていなかった、だがその予想とは裏腹に今作は名曲揃いだとも言われている。
収録曲
01.Turning Up the Radio
02.I Don't Want Your Loving
03.Blowin' My Stack
04.Losing My Mind
05.Everyone
06.I'm a Robot
07.Trampoline
08.The Odd Couple
09.Autopilot
10.Un-Break My Heart
Everything Will Be Alright In The End
2014年発売 全米5位。
リパブリック・レコードに移籍してからの第1弾アルバムである。
なおこの作品はデビュー・アルバムである『ブルー・アルバム』と3作目『グリーン・アルバム』を手掛けたリック・オケイセックがプロデュースを手掛ける作品であり、Weezerの原点回帰を彷彿とさせる作品となっている。
収録曲
01.エイント・ゴット・ノーバディ
02.バック・トゥ・ザ・シャック
03.ユーロジー・フォー・ア・ロック・バンド
04.ロンリー・ガール
05.アイヴ・ハッド・イット・アップ・トゥ・ヒア
06.ザ・ブリティッシュ・アー・カミング
07.ダ・ヴィンチ
08.ゴー・アウェイ
09.クレオパトラ
10.フーリッシュ・ファーザー
11.ザ・ウェイスト・ランド (ザ・フューチャースコープ・トリロジー)
12.アノニマス (ザ・フューチャースコープ・トリロジー)
13.リターン・トゥ・イサカ (ザ・フューチャースコープ・トリロジー)
Weezer(The White Album)
2016年発売 全米4位、2017年度グラミー賞ベスト・ロック・アルバム部門ノミネート。
Weezerの作品は多く存在するが極めて光り輝く作品はまさしくブルーアルバムであり、ファンもそれは熟知している。
そして今作のホワイトアルバムこそ真の原点回帰だと言わざるを得ない作品であり、ファンの間でも「あの頃のWeezerが帰ってきた」と思ったことだろう。
収録曲
01.カリフォルニア・キッズ
02.ウインド・イン・アワ・セイル
03.サンク・ゴッド・フォー・ガールズ
04.(ガール・ウィ・ゴット・ア)グッド・シング
05.ドゥ・ユー・ワナ・ゲット・ハイ?
06.キング・オブ・ザ・ワールド
07.サマー・エレイン・アンド・ドランク・ドリ
08.L.A.ガールズ
09.ジャックド・アップ
10.エンドレス・バマー
11.プロム・ナイト (日本盤のみボーナス・トラック)
Weezerの代表曲
Say It Ain't So
目次 - Contents
- Weezerの概要
- Weezerのメンバー
- 現ラインナップ
- リヴァース・クオモ(Rivers Cuomo)
- ブライアン・ベル(Brian Bell)
- スコット・シュライナー(Scott Shriner)
- パトリック・ウィルソン(Patrick Wilson)
- サポートメンバー
- ジョシュ・フリース(Josh Freese)
- 旧メンバー
- ジェイソン・クロッパー(Jason Cropper)
- マット・シャープ(Matt Sharp)
- マイキー・ウェルシュ(Mikey Welsh)
- Weezerの活動経歴
- Weezerのディスコグラフィー
- Weezer(The Blue Album)
- Songs from the black hole
- Pinkerton
- Weezer(The Green Album)
- マラドロワ(Maladroit)
- Make Believe
- Weezer(The Red Album)
- ラディテュード(Raditude)
- ハーリー(Hurley)
- デス・トゥ・フォルス・メタル〜レア・トラック貯蔵庫(Death To False Metal)
- Everything Will Be Alright In The End
- Weezer(The White Album)
- Weezerの代表曲
- Say It Ain't So
- Buddy Holly
- Island In The Sun
- King Of The World
- Weezerの裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- ライブ中にフリスビーが飛んできた
- ホワイトアルバム制作秘話