Weezer(ウィーザー)の徹底解説まとめ

Weezerとは、1992年にアメリカで結成されたオルタナティブ・ロックバンド。結成から現在までに10枚以上アルバムを出し、94年の初作である「ザ・ブルー・アルバム」は300万枚を超える大ヒットとなった。当時アメリカではOasisやNirvana等のバンドが評価されていたが、彼らにはないような情緒的な歌詞・メロディからなる切なさに大衆が魅了されることとなった。骨太なギターサウンドに加えそれに反するようなダメダメな男を表した歌詞は、ファンからは愛を込めて「泣き虫ロック」と呼ばれている。

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ジェイソン・クロッパー(Jason Cropper)

Jason Cropper 担当:ギター
結成時から1993年9月まで在籍。
脱退後、バンド経験のない奥さんであったAmyを誘いChopper Oneとして活動「touch my fuzz」という曲が特に有名でWeezerを彷彿とさせるポップなメロディーが特徴であるものの、意味は「下の毛を触ってくれ」と下品である。だが曲は確かに良い。

マット・シャープ(Matt Sharp)

Matt Sharp 1969年9月22日生まれ 担当:ベース
1992年から1997年まで在籍。初代ベース。タイのバンコク出身で、ヴァージニア州アーリントン育ち。ザ・レンタルズやソロ名義でも活動を行っている。
ザ・レンタルズは根強いファンがいるものの活動は頻繁ではなく2014年に15年ぶりのアルバムを制作した。
他にもPayPal社の前身であるX.com社を1999年に設立した人物でもある、イーロン・マスクのテーマソングも制作している。

マイキー・ウェルシュ(Mikey Welsh)

Mikey Welsh 1971年4月20日生まれ 2011年10月8日死去 担当:ベース
1998年から2001年まで在籍。2代目ベース。ニューヨーク州出身。加入前はボストンでバンド活動を行っていた。Weezer脱退の理由は明らかにされていない。一時期はボストンでミュージシャンとして復帰するも引退し、その後はバーモント州バーリントンを中心にアウトサイダー画家および彫刻家として活動。2011年10月8日死去。
マイキーは生前「来週シカゴで、自分が死ぬ夢を見た。遺書をかかなきゃいけないな。いや、訂正! 来週じゃなくて、その次の週末だ」と発言していたのだがこれが現実のものとなってしまい、「彼は自らの死を予言していたのでは?」と憶測が飛び交うこととなった。
マイキーがWeezerを脱退後もメンバーとの親交は深く、亡くなる翌日はシカゴでのWeezerのライブを見に行く予定だったという。マイキーの死後、Weezerの公式やメンバーからは彼の死を偲ぶコメントが残されている。

Weezerの活動経歴

結成からマット・シャープ脱退まで

1992年、リヴァース・クオモを中心にロサンゼルスで結成。同年3月にはWeezerとして初演奏。Hollywood Boulevard(ハリウッド大通り)にある「Raji's Bar」で、俳優のキアヌ・リーブスが所属していることで知られるロックバンド、Dogstarのオープニングアクトを務める。この公演でのギャラは35ドルだったとのこと。
1994年にアルバム 『Weezer』(Blue Album)でデビューを果たし、まさしく「轟音」ギターのサウンドにキャッチーなメロディ、そして一見すると「オタク的」ともいえる自己意識を併せ持ったバンドとして、一躍大人気になり、同作は瞬く間に300万枚以上を売り上げ、グラミー賞、MTVビデオ・ミュージック・アワーズ賞等を受賞。
しかしこの成功の直後、肉体的・精神的な不調に陥ったクオモは、自身のそうした内面をむき出しにした2ndアルバムである『Pinkerton』を発表する。このアルバムは日本ではヒットしたものの、あまりに赤裸々な内容でアメリカでは賛否両論を呼んだ。しかし、のちに「ロック史屈指の自己暴露アルバム」として神格化される。
1998年、リヴァースの心の支えとなっていたベースのマット・シャープが、The Rentalsの活動に専念するために脱退することを表明。マットの脱退でリヴァースが精神的に不安定な状態に陥り、Weezerは実質上の解散状態となってしまう。
しかし同年、マットの後任として、リヴァースが大学で知り合ったマイキー・ウェルシュが加入。バンドは活動を再開する。

精力的なアルバムリリースと来日公演

2000年に入ってすぐ、彼らは2月21日から3月18日にかけてのアメリカツアーを敢行。同年8月には来日を果たし、大型ロックフェスであるサマーソニックに出演する。2001年にはプロデューサーにリック・オケイセックを迎えて制作した3rdアルバム『Weezer』(Green Album)を発表。同年6月22日にはワープドツアー(VANS WARPED TOUR)に参加するなど精力的に活動をするが、7月から8月にかけてマイキー・ウェルシュが自主的に精神病院へ入院するという事態が発生。ウェルシュはその後脱退してしまい、後任のベーシストとしてスコット・シュライナーが加入する。
2002年5月、4thアルバムの『Maladoit』を発表。日本では2002年5月11日にリリースされ、同年8月には再来日し、再びサマーソニックに参加。以降バンドは小休止に入る。
休止から3年を経た2005年5月、プロデューサーにリック・ルービンを迎え、ファン待望の5thアルバム『Make Believe』を発表。同作がヒットし、後にプラチナアルバムに認定される。同年7月にはLOLLAPALOOZAのシカゴツアーに参加。8月には来日してサマーソニックに参加したのち、Zepp Tokyoでの単独ライブを敢行する。同年12月には「Weezer japan tour 2005」と銘打った日本ツアーを開催し、リヴァースがこの来日の際に「来年、日本人と結婚する」と明かして日本のファンを大いに喜ばせる。
2006年5月16日、「Beverly Hills」が全米カレッジ・ラジオ局で最多オンエア回数を稼いとのことで、第54回 2006 BMI Pop Awardsの特別賞である「College Song Of The Year」を受賞。同年6月8日、ハーバード大学を卒業し、英文学士号を取得したリヴァースが、前年の宣言通りに長年交際していた日本人女性と結婚する。式はカリフォルニア州マリブで行われた。夫人とは1997年にマサチューセッツで出会ったという。翌2007年5月、リヴァースと夫人の間にはMiaという名前の娘が誕生した。
2008年6月4日、6thアルバム『Weezer』(Red Album)を発表。翌2009年には来日し、7月26日に開催されたフジロックフェスティバルの最終日に、ヘッドライナーとして来日した。
同年10月28日、7thアルバム『Raditude』を発表。同アルバムのリリースをもってインタースコープとの契約が満了する。

柔軟に変化する音楽性

2010年9月14日、インディー・レーベルのエピタフ・レコードに移籍した彼らは、移籍後第1弾となるアルバム『Hurley』を発表。同年11月3日には、未発表曲集『デス・トゥ・フォルス・メタル〜レア・トラック貯蔵庫』とセカンドアルバム『Pinkerton』のデラックス・エディションを同時発売して話題となる。2014年10月7日、リパブリック・レコードに移籍し、再びリック・オケイセックをプロデューサーに迎えた第1弾アルバム『Everything Will Be Alright In The End』をリリースした。2016年にはさらに事務所を移籍し、アトランティック・レコードからセルフタイトルとなる第4弾の10thアルバム『Weezer』(White Album)をリリースする。精力的な音源リリースは続き、翌2017年には11thアルバム『Pacific Daydream』をリリース。
2018年、ロックバンドのTOTOのカバー曲としてリリースした「アフリカ」と「ロザーナ」がスマッシュヒットとなり、「カバーもできるバンド」として新たな境地を開拓する。
2019年にはセルフタイトル第5弾として自身初のカバーアルバムとなった『Weezer』(Teal Album)と、12thアルバムで第6弾の『Weezer』(Black Album)を立て続けにリリース。全く表情が違う2作品でファンを驚かせる。同年、日本で開催される大型ロックフェス、サマーソニックの20周年記念に出演。豊洲PITにて単独来日公演も行った。
2021年に38人編成のオーケストラでアナログ録音したアルバム『OK Human』と、80年代ヘヴィ・メタル、ハードロックへの回帰を目指した『Van Weezer』を立て続けにリリース。すでに「重鎮」といって差支えのないポジションにいる彼らは、若さは押し出すことはせずに、あえて「現代社会に生きる大人の哀しさ」「かつてのロックへの懐古」を全面的に押し出した作品を作り上げた。
2022年には新たな試みとして、4枚のアルバムで「四季」を表すというコンセプトを持った作品群『SZNZ』を春夏秋冬で1枚ずつリリース。特にミドルテンポのパワーポップで構成された『SZNZ: Autumn』は高い評価を獲得した。
様々な表情を持つ稀有な音楽性は、彼らが歳を重ねるとともにますます柔軟さと円熟味を増し、結成から30年以上の時を経てもなお第一線で活躍し続けている。

Weezerのディスコグラフィー

アルバム

Weezer(Blue Album)

1994年に発売、彼らのデビューアルバムであり全米16位 300万枚を超す大ヒット作となった。
2011年現在、トリプルプラチナアルバムに認定されており、ウィーザーのアルバムの中で最も売れたアルバムだ。
Weezerの作品ではWeezerというタイトルの作品が複数ありファンの間ではアルバムの色の名前で呼ぶことが多いため、この作品も通称「ブルーアルバム」となっている。
もし「Weezerでおすすめのアルバムは?」と聞かれればファンの間ではまず間違いなくこのアルバムを勧められることになるだろう。
シンプルなビートに親しみやすいメロディ、そして情けない男からの目線で書かれた歌詞が大反響を呼んだ。

収録曲
01. My Name is Jonas
02. No One Else
03. The World Has Turned and Left Me Here
04. Buddy Holly
05. Undone –- The Sweater Song
06. Surf Wax America
07. Say It Ain't So
08. In the Garage
09. Holiday
10. Only in Dreams

デラックス・エディション収録曲
01. Mykel and Carli
02. Susanne
03. My Evaline
04. Jamie(Originally Appeared on DGC Rarities)
05. My Name is Jonas(live)
06. Surf Wax America(live)
07. Jamie(acoustic)
08. No One Else(acoustic)
09. Undone –- The Sweater Song(Kitchen Tape)
10. Paperface (Kitchen Tape)
11. Only in Dreams(Kitchen Tape)
12. Lullabye for Wayne (pre-production)
13. I Swear It's True (pre-production)
14. Say It Ain't So(original album mix)

Songs from the black hole

2ndアルバムと制作したものの未発表のままになってしまった幻のアルバム。『ロック風オペラ』がコンセプトとなっている。

一部デモが公開されている本作を再現するプロジェクトが海外のウィーザー・ファンにより実施されOperation Space Operaというグループ名でアルバム『Songs From The Black Hole』を発表している。

収録曲
01. Blast Off!!
02. You Won't Get with Me Tonight
03. Oh Jonas(Maria's Theme)
04. Come to My Pod
05. Oh No, This Is Not for Me
06. I'm Tired of Having Sex(Tired of Sex demo)
07. Superfriend
08. She's Had a Girl
09. Dude, We're Finally Landing(Good News!)
10. Now I Finally See
11. Gitchoo(Getchoo demo)
12. I Just Threw Out the Love of My Dreams
13. There Is No Other One(No Other One demo)
14. Devotion
15. What Is This I Find?
16. Longtime Sunshine
17. Longtime Sunshine(Reprise)

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