鹿楓堂よついろ日和(第7話『I 愛 アイス / ベジタブルパワー』)のあらすじと感想・考察まとめ

お茶屋の孫娘・小鶴の大好きな友達は、アイスが好きでお茶が苦手。近々友達が引っ越してしまうと知り、その前にお茶の良さを知ってもらおうと、小鶴は抹茶アイスを作ることを思いつく。アイスを上手に作るために、小鶴は椿に協力を仰いだ。
今回は「鹿楓堂よついろ日和」第7話『I 愛 アイス / ベジタブルパワー』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

「鹿楓堂よついろ日和」第7話『I 愛 アイス / ベジタブルパワー』のあらすじ・ストーリー

定休日にアイスを作る(右から)ときたか・小鶴・椿・ぐれ・スイ。スイは手伝わせてもらえない。

椿から甘味の食べ歩きをする気力を奪うほど、暑い夏がやってきた。炎天下のなか、鹿楓堂と付き合いのある、あまがみやの孫娘・小鶴が椿を訪ねてくる。
中学生の小鶴には銀ちゃんという友達がおり、銀ちゃんは近々引っ越してしまう。お別れに銀ちゃんに手作りの抹茶アイスをごちそうしたいのに、小鶴の試作はうまくいかない。おいしいアイスを作るコツを知るために、椿を頼ってきたのだ。教えることにやぶさかではない椿だが、小鶴の熱心さが理解できない。
銀ちゃんは、アイスが好きで緑茶が苦手だという。小鶴はお茶屋の娘として、お茶のよさを知ってほしいという願いがあった。銀ちゃんの母親はシングルマザーで、仕事のため転居を繰り返している。銀ちゃんがお茶を好きになれば、離れ離れになっても、自分との絆になると小鶴は思っているのだ。母子家庭に育った椿は、銀ちゃんの境遇を察し、それに寄り添おうとしている小鶴にも心を動かされて、定休日にアイス作りを手伝うことを申し出る。

小鶴(右)は椿に銀ちゃんの話をする。

約束の日に鹿楓堂でアイスを作った小鶴は、公園で銀ちゃんと落ち合うことになっていた。公園に急ぐ小鶴に、電車で移動中の銀ちゃんから連絡が入った。事故で遅れそうだという。
アイスは約束の時間に合わせて作り、保冷バッグに入れていた。小鶴は、銀ちゃんがいつも小鶴に合わせて行動してくれたことを思い出し、自分から銀ちゃんを迎えにいけばいいと、駅に向かって走りはじめた。
照りつける太陽の下で、元々走ることが苦手な小鶴は、すぐに息が上がってしまう。ふらふらになった小鶴の前に現れたのが、自転車に乗った椿だった。「ついでだから」と小鶴を荷台に乗せて椿は走り出した。
小鶴は、銀ちゃんが遠慮のない物言いをするために、クラスでも浮いていることを話した。椿が、自分も学校生活になじめないことを思い返していると、駅の方から、銀ちゃんが走ってくるのが見えた。銀ちゃんも、電車が動き出すのを待てなかったのだ。椿は小鶴を下ろすとさっさと去ってしまった。

銀ちゃん(左)がお茶を見直してくれたことに感激する小鶴。

小鶴と銀ちゃんは、木陰で抹茶アイスを食べた。銀ちゃんは、お茶の苦さを気に入ってくれた。大好きな銀ちゃんが大好きなお茶をおいしいと言ってくれたことが、小鶴には嬉しかった。「転校しちゃっても、また一緒に抹茶アイスを食べようね」と小鶴は半べそでお願いし、銀ちゃんをぽかんとさせる。銀ちゃんは隣町に転出するが、転校はしないのだ。
帰る椿には、ぐれから連絡が入った。椿は本屋に行くと出てきたが、小鶴を心配して追いかけたことを、ぐれはお見通しだった。スイとときたかも、アイスを食べようと、椿に語りかけるのだった。

柴野の様子をのぞき見て入りやすいと判断し、桜田にははじめての店である鹿楓堂に冒険する

定年退職をした桜田は妻に先立たれ、規則正しいが抜け殻のような日々を過ごしていた。結婚して家を出た娘が時折家事をしてくれるので、家のなかはそれほど荒れていない。娘に気分転換の散歩をすすめられ、桜田はタウン誌で見かけた店に出かけてみた。
鹿楓堂には、会社員の柴野が来ていた。仕事と暑さでげっそりとやつれた柴野は、天丼を食べる気力がない。柴野はときたかに耳打ちされると、たちまち元気を取り戻した。
桜田は、外から店をのぞきこんでいた。柴野の様子を見て、タウン誌の記事(5話の砂金が書いた)通り、男性一人でも入りやすそうだと踏んで、桜田は店に入った。

まかないカレーで元気になった柴野(左)と桜田

店内に気になる香りが漂っているが、それはメニューにはない料理だった。桜田は、注文を取りに来たスイに、匂いの正体をたずねた。
鹿楓堂の庭で、ときたかは有機野菜を作っている。夏野菜は豊作で、店では使い切れない。野菜を消費するために、まかないカレーを作っていたのだ。
隣の席の柴野は、ときたかに出してもらったカレーで精気を取り戻した。柴野は、夜も鹿楓堂を再訪するとはしゃぎ、桜田にもお気に入りの天丼をすすめた。お冷やを注ぎに来たぐれは、たっぷりおろしたトマトがおいしさの秘訣で、活性酸素を除去するリコピンが弱った体には効果があると講釈を垂れていく。
桜田もカレーに舌鼓を打ち、亡妻の味を懐かしんだ。精算時に、「久しぶりに楽しかった」「心底うまいと思って、ものを食べました」と桜田はスイに言い残す。そう話す桜田の目には、生気が宿っていた。
店を出るとすぐに、桜田はカレーの材料を考えはじめた。週末にやってくる娘のために、手ずからカレーを作ろうと決めていた。

「鹿楓堂よついろ日和」第7話『I 愛 アイス / ベジタブルパワー』の感想・考察

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